お前に捧げる俺の(  )


「ここだ」

軽く打ち合わせをしながら車に揺られること約2時間、。
2人を乗せた車はだんだんとスピードを落としていき、やがて完全に停車をした。
車が止まり、運転手に扉が開けられて車から降りると目の前の大きな建物が視界に入った。
その建物に今夜行われるであろうパーティーの招待客らしき人々が全身を正装で身を包み、中へと入っていく。

「結構大規模なパーティーなんだね」

「あぁ、ここら辺じゃ有名なマフィアだからな
俺はその敵対組織のマフィアに今回頼まれたんだ」

「ふぅん...まぁ、君がどんな任務を請け負っているのかは興味がないけどね」

リボーンは建物に近付いていくと隣を歩いているマーモンの腰に手を回して引き寄せた。

「...おい、なんだいこれは」

自分の腰に回された手をチラリと見ながらリボーンに問いかける。

「お前、忘れるなよ
今日は俺の恋人役だってことをな」

嫌そうな表情をしているマーモンに今回頼んだ理由を改めて言うと、小さく息を吐きながらマーモンはリボーンの腕に抱きついた。

「そうだったね、危うく君のことを消そうとしてしまったよ」

「ハッ、俺がお前にそんなことされるかよ」

「やってみないとわからないだろう?」

「「...」」

二人の間に火花が走るも、リボーンが先に目をそらし正面にある入り口を見据えた。

「こんなことしてる場合じゃねーんだ、さっさとやってさっさと帰るぞ」

「君から手を出したんじゃないか、馬鹿」

建物の前まで行くと扉の前でボディーガードらしき男達が並び、受付を行っていた。

「招待状の確認を致します」

受付役の男性がそう言うと、リボーンは依頼主から事前に受け取っていた招待状を懐から出して手渡した。
本物と確認され、中へと誘導されて入っていく。
長い廊下を歩いた先に一つの扉があり自動で開かれたその先にはたくさんの客人と豪華な装飾品、料理が並べられたテーブルが目に入った。

「...眩しいな」

会場の中の眩しさにマーモンは思わず目を細め、リボーンの背後へと隠れてしまった。

「いつもフード被ってるから尚更だろうな」

「こんなに豪華とは思わなかったよ...これからの予定は?」

「そうだな、とりあえずー」

そう言いながら今後の話をしようとすると、リボーンを見たまわりの女性達がヒソヒソと話しているのに気付く。

「...相変わらずもてるね」

「まぁな、なんだ嫉妬か?」

「するわけないだろう?
まったく、パートナー同伴だと言うのに他の男に色目を使うだなんて…まるで獣みたいだ」

「仕方ねぇよ、俺はイケメンだからな」

「はいはい…しかしこれだけ君が目立っているとやりづらくないかい?」

「あん?そんなの俺が気にするわけないだろ」

「僕の個人的な考えさ
それかそうだな...あえてこれを利用するか」

マーモンは少し考えた後にスッとリボーンから距離をとった。

「おい、何処に行くんだよ」

「僕が近くにいたらまわりの女性達が君に話しかけづらいと思ってね
それに、もしかしたらなにかいい情報を得られるかもしれないんだからこのチャンスを逃すのはおかしいだろう?」

「まぁ、確かにそうだが」

「僕の仕事はパートナー同伴じゃないと入れないこの会場に君を入れるようにすること
会場に入ってしまったのなら僕の仕事はお役御免と言うわけさ
僕は甘いものでも食べてゆっくりしているからまた後で落ち合おうじゃないか」

「勝手な奴だな...まぁ、いい
その時には連絡するからな」

「あぁ、わかった」

マーモンの言葉に一理あると感じたリボーンは了承するとマーモンはそのまま離れて行った。
相手であるマーモンがいなくなるのを見ると女性が数人リボーンの元へと歩み寄っていく。






 




まぁ、あいつの性格はわかっていたしこうなることも想定の範囲内だが...しかし…。

マーモンが消えていった方向を見つめながらリボーンはふと思った。










あいつ自身、まわりの男から見られてること気付いてねぇのか...?










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