甘いものには釣られない


1ヶ月前に、呪いを解かれて以降久々に再会をした風。
そいつが僕に好意を抱いていることを告げたかと思えば、こうして1週間に6回も僕に会いに来ている。
なんだよ、1週間に6回って。ほぼ毎日じゃないか。

先週、気になって聞いてみた。
『なんで1週間に6日も来るのか』と。
そしたら...。

『いえ、流石に毎日来るのは迷惑かなと』

...いや、そこは普通の感性なのか。
てかそんな風に考えられるなら週6も迷惑だってわかるだろ。
というか、僕の質問の答えになってない。
そもそも、勝手に入られないよう侵入を不可能にすればいいだけなんだけど...。
こいつの場合、セキュリティを高めようと罠を仕掛けようとどうやってか入ってくる。
なんでだよ、元々侵入なんて不可能なアジトなのに入ってくるし、それにプラスしてセキュリティ高めたのにこの様。
少しの隙間にも入ってくるとか...。

もはや人間じゃないだろ、こいつ。

そういうわけで、こいつの侵入を防ぐのは無理なことが確定となってしまった。 
本当、どうしたものか...。
全力拒否してもいつの間にかいるし、僕が任務に帰ってくると必ずいる。
かといって、僕が留守にしている間にずっと部屋にいるわけでもないらしい。
形跡がないから、もしかしたらこいつが消してるだけかもだけどそういう奴でもないからな。

...あと、こいつには最も厄介なところがある。

...それは...。

「今日のおやつはティラミスにしてみました
お店の前を通ったら美味しそうだったのでつい買ってしまったのですが、食べられますか?」

「...」

僕はテーブルの上へと置かれるティラミスをジッと見つめた。

...そう、厄介なところ...。










毎回僕への手土産に甘いものを持ってくること。










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