甘いものには釣られない
「...」
「今日はいつもより遅かったですね、任務長引いたのですか?
やはり幻術だけでは心許ないでしょうし、私と一緒に体を鍛えましょうよ」
自室の部屋を開けたら、ここにいるのが当たり前かのように出迎えられた。
「...ねぇ」
「はい?」
「なんで部屋の中に入れたの?」
「え、窓からそろーっと」
「そんなわけないだろう?
僕は君がここに不法侵入をして早1ヶ月...
何度もやめろと言ってるのに勝手に入ってくるからセキュリティを強化したはずなんだけど」
「そうなのですか?
それならばそのセキュリティ会社は解約するべきです
機能が一切していませんからね」
満面の笑みでそう言われてしまい、マーモンは口なら深いため息が漏れ出た。
「...あぁ、そうするよ」
こいつの場合、部屋に毒ガス撒いておいても死ななそう...。
風への侵入対策を半ば諦めたマーモンは上着を脱ぎながらソファーへと腰かける。
その動きに合わせるように風も後をついていき、マーモンの隣へと腰かけた。
「...無駄なことを聞くようだけど」
「なんでしょう?私の答えられる範囲ならなんなりと」
「今日はなんの用でここに来たの?」
マーモンはテーブルの上に事前に用意されていたであろう、レモネードの入っグラスを眺めながら問いかける。
「え、それはもちろん...」
マーモンの問いかけに風はいつもの笑みを浮かべながら言葉を続けた。
「貴方に会いに来たんですよ、マーモン」
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