気になり始めた今日此の頃


「おはようございます、マーモン
今日は秋ということでモンブランを持ってきましたよ」

「さも当たり前のように入るのやめろよ」

ガラリと開けられた窓から入ってくる風。
その光景に見慣れてしまってはいるものの、マーモンは通帳を眺めながらその行動を咎めた。

「まぁまぁ、いいではないですか
キッチン、お借りしますね?」

「…」

マーモンの横をすたすたと歩き、キッチンへと向かう最中、思い出したかのように風は"あ"と声を漏らして足を止める。
その行動に?を浮かべていると、風はマーモンの横へと戻ってきた。

「なに?」

「忘れ物をしたので」

「忘れ物?ならモンブランだけ置いて帰ってくれても」

チュッ。

不意に頬に柔らかなものが触れ、横目で見ると風の顔がゼロ距離であることがわかった。
状況からして、風に頬にキスをされたことが分かったが、あまりにも突然の事でマーモンの身体は石のように硬くなってしまった。










「それでは、今からおやつの準備を」

「…いや、待ちなよ
流石に今のは流せないから」










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