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「頼むよ!!」
『……わからぬな』
レニーは自分に頭を下げるフールに呆れた目を向けながら言う。
『なぜ、主は我が“血”を望む?』
「おれはどうしても成し遂げたい“夢”がある。だが、人間として生きてる50年くらいじゃ出来ないんだ」
『……』
「なぁ、頼むよ!!」
『……はぁ』
ずっと頭を下げられることがうっとおしく感じたレニーは立ち上がる。
『…よかろう。そこまで言うなら我の血を与えてやる』
「本当か!!」
『今更嘘は言うまい』
レニーはテーブルにあったナイフで指をスッと切った。
切った先からポタ…ポタ…と滴る血。レニーはそれを空のワイングラスに落とした。
「……スゲェ!!」
数滴落としたところで、レニーの指の傷が自然に塞がる。それを見たフールは嬉々とした声をあげた。
レニーはフールにワイングラスを差し出す。
『これを飲めば主は“人の理(コトワリ)”を外れる。もう“陽の光”は拝めんぞ』
「わ…わかってるさ」
レニーからワイングラスを受け取ったフールは、それを恐る恐る口にした。
「……?」
空になったワイングラスを手にしたフールは変化を感じないことに首を傾げる。レニーは補足を入れた。
『今、血が身体を巡っておる所じゃ。もうしばらくすれば我が血が主の身体に馴染むであろう』
「そ、そうか…!!」
レニーは吐き捨てるようにため息をつく。
『これで用は済んだじゃろ。フール、もう去れ。これ以上は目障りじゃ』
そう言うとレニーはローブを翻し、奥の部屋のドアに手をかける。
「あ、ありがとう!レニー!!!」
『よい。主はさっさとその“夢”とやらを叶えることじゃ』
奥の部屋に入って行ったレニーにフールは礼をいい。嬉々とした足取りでレニーの部屋を後にした。
『……はぁ』
フールが出たのを気配で感じたレニーは部屋の窓から外の景色を見て、またひとつため息をついた。
レニーの瞳は冷めているような、憂いているような色をしていた。
『……我にはわからぬ心理じゃな』
窓から見える自然をぼうっと眺めながら、レニーは言った。
この時レニーは自分がしたことにおいて、何にも考えていなかった。
ただただうっとおしいフールを外へ追い出すために与えた“血”…。
しかしこの日を晩、彼の人生を大きく変える事件が起こった。
『なんじゃ……これは』
騒がしい町を不審に思ったレニーは目を見張る。町が破壊され所々火の手が上がり手のつけようがないくらい壊滅していた。
「……ううっ…」
『!』
レニーは声が聞こえた場所へ足を進めた。そこは鍛冶屋だ。
『!……アームド!!』
「レニー……さん…」
レニーは鍛冶屋のアームドにのしかかる瓦礫どける。助け出したが傷がひどく、アームド自体も苦しそうに息を吐く。
『何があった?』
「フールと若い連中が……急に暴れだして」
『!?』
「…食料やら、武器やらを根こそぎ持って……行かれた……“夜”も取られちまったよ……」
『“夜”を……!?』
世界に12工しかない最上級大業物の一本、黒刀“夜”。それが奪われたと言うのだ。
「レニーさん、あいつらどうしちまったんだ……?目を真っ赤にさせて……まるで――“化け物”だ 」
『……っ』
レニーはギリッと歯を食いしばる。それは紛れもなく、吸血による症状だったからだ。
(我が……これを引き起こしたのか)
「レニーさん…?」
『アームド……すまぬ。我の浅はかな行動でこの様な結果を招いてしまった』
「……ハァ。レニーさん、…おれ達はアンタに感謝してもしきれない恩がある。それに……これはあいつらがやったことだ」
『……』
「だが、もし…アンタが責任を感じている…なら…あいつらを止めて、くれ……。“夜”はあいつらには扱いきれない……!!」
『……もちろんだ。我にはその責務がある。“夜”も必ず取り戻そうぞ』
「……ありがとう。そうだレニーさん、真ん中の床の下に…アンタに渡す“刀”を入れてある」
『!…出来ていたのか…?』
「ああ……おれの自信の作だ。“夜”にだって負けねェよ……」
『そうか。主がそう言うなら、楽しみだ』
「今、見てくれないか…?感想を聞きたい…」
『わかった』
レニーはアームドに言われ、床下を開けると丁寧に布にくるまれた身の丈程の棒を取り出す。
『……』
レニーは布を取ると白く棒のようにスラリと細い刀が現れた。鞘に収まっているその姿は繊細で美しい素晴らしい刀だ。
鞘を抜き刀身を見たレニーは目を見張った。
『アームド』
「気にいったか…?」
『ああ』
「よかった」
『主はやはり最高の職人じゃ……。この刀の名を聞いてよいか?』
「名は……“陽”だ」
『“陽”……?それはまた皮肉な名だな』
レニーはククッ…と微笑む。アームドも微笑んだ。
「アンタには“夜”は似合わな……っ」
『!!アームド…!』
アームドはスッと目を瞑った。もう目を開くことはない。
『感謝する…』
駆け寄ったレニーは息を引き取ったアームドに刀に巻かれていた布をかけると、“陽”を持って鍛冶屋を出た。
『……フール…貴様の望みはこれだったのか』
レニーは月のない夜空を見上げながら拳を握りしめる。その瞳には怒りの色が浮かんでいた。
『ならば、我が貴様の“夢”を阻む敵となろうぞ……!!』
【吸血鬼の誇り】
それから30年の歳月が流れる。
あれかレニーはいくつかの島を転々としていた。
『……』
パラッと新聞を開く。そこには大きな見出しが出ていた。
《“不老不死”のフール海賊団、町を壊滅させる。海軍は目下追跡中………》
『……』
「お客さん、難しい顔してるね」
『ああ……少し不愉快な記事があったものでな』
バーの店主に尋ねられ、レニーが新聞を机に置く。バーの店主はその記事を覗き込むように見た。
「フールか。30年前くらいから出てきた海賊団だな。悪い噂しか聞かない。……こいつらがどうかしたのかい?」
『……我は奴を追っておるのじゃ。30年前の“あの時”から……』
「30年前…?お客さん、どう見ても二十歳そこそこだよ」
『フン…見た目で判断するでない。我はこう見えて主より数倍歳上じゃ』
「へェ……。そりゃスゲェ」
店主はレニーの言葉を信じていないようだ。だが、無理もない。レニーの若く整った容姿から自分より何百歳も年上なのだと思うはずもないからだ。
レニーは幾度となく経験してきたことなので気に留めるのもバカバカしくなっていた。
『そんなことはどうでもよい。ところで主はこやつの情報は持っておらぬか?』
「ん~生憎持ってないなぁ」
『そうか。ここも収穫が無さそうじゃな。ならば次の島へ行くか……』
レニーが息をつき、酒を煽る。そこへ乱暴にドアを開け、転がるように入ってくる男が現れた。
「マスター!!」
「おいおい…どうしたんだ?そんな血相変えて…」
「フールが!!フール海賊団がヤクソー島を壊滅させたって…!!今朝、買い出しに行った奴が言ってたんだ…!!」
『!』
「な、なんだって…!!?」
店主は驚きの声を上げる。レニーは鋭い目付きになった。
ガタガタと震える男や店主を尻目にレニーは酒代をカウンターに置き、尋ねた。
『…そのヤクソー島とはここから近いのか?』
「え…!?あ、ああ。と言ってもここから直接ログが取れる訳じゃない」
『ではエターナルポースが必要じゃな……。主らの口振りからするとそれを持っておるようじゃが…』
「確かに…あ、ありますが、お客さん…まさか…!!」
『言うたであろう。我の“目的”はあやつらじゃ。この様な機会逃すわけにはいかん。壊滅したのならばその航路のエターナルポースはいらぬであろう…譲ってくれ』
「おい、アンタ!あのフールを止めれるのか!?あいつは本物の“不老不死”なんだ!!手配書が更新されてんのに、顔が30年前と何一つ変わってねェ!!“化け物”なんだぞ!!!」
『クク……“化け物”か。確かに奴は“人の理”を外れたからのォ』
「「??」」
独り言を呟いたレニーに二人は首を傾げた。レニーはフッと冷笑すると、男にはっきりと言った。
『先の質問は愚問じゃ。奴がその“化け物”であっても、我には絶対勝てぬのだからな』
その日の夜。フール海賊団は宴をしていた。
「ヒャハハハ!!また武器が手に入ったな」
「おい、てめェらさっさと分配しとけよ」
「はい!フール船長!!」
「ククッ……」
フールは黒刀“夜”を眺めながら卑しく笑う。
フワッ……
「…!?」
今は暗闇であるにも関わらず、フールはさらに暗い影を感じた。
「何者だ!!」
ガタンッとフールは立ち上がり叫んだ。船員達は何事かと甲板に集まる。
「どうしたんですか、船長?」
「そんな大声出して…!」
「侵入者だ……どこかに…」
『船長か……主も出世したものじゃなァ』
「!?」
「「「!!」」」
暗い霧が甲板中心に集まり、黒いフードを纏ったレニーが現れた。
「誰だてめェ!!」
「この船がフール海賊団の船だと知ってんか!!?」
船員達がレニーを煽る。そんな中、フールの顔はみるみる青ざめていった。
「てめェ、まさか……レニー…!!」
レニーはフールの言葉を聞き、フードを取る。船員達に人形の様に整った顔に銀髪、紫の瞳が姿を晒した。
そして口角をあげ、笑う。
『久しいのォ、フール』
「船長!知り合いですか…?」
「……。こいつは本物の“吸血鬼”だ」
「「「!!?」」」
「じゃあ、こいつが船長に力を与えた吸血鬼!?」
「スゲェ!!本物はこんなに綺麗なにぃちゃんだったのか!!」
船員はレニーを間近で見ようと近づく。
「バカ野郎!!そいつに寄るな!」
「?」
船長の言葉に首を傾げる船員。レニーはその船員に手を向けた。
「え!?」
パサッ…とレニーに近づいた船員は服を残して消えた。
「「「な…っ!!!」」」
『我に易々と触れるな。小僧が』
「き、消えた……!?」
「何が起こったんだ…??」
レニーを囲む様に立つ船員達は目を見開き、口々に言葉を出す。フールはヒヒッと笑った。
「相変わらずだな、レニー。アンタのその姿におれがどれだけ感動してたか」
『……感動じゃと?』
レニーは訝しげにフールの言葉を返す。
「ああ!!そうさ、おれ達“吸血鬼”は何百年も若い姿で、自由に生きていられる。どんな生物よりも優れた治癒能力を持ち、食物連鎖の頂点にいる人間を食す存在。
人間がどれだけちっぽけで、どれだけ無能な存在なのか!“吸血鬼”はそれを白日の元に晒す存在なんだ」
『……』
フールは手を大きく広げた。
「―――そう!!“吸血鬼”は世界のどんな生物よりも優れた血統!おれはアンタに与えられた血のおかげで進化し、最高の力を手に入れた」
『……』
「この力を得たとき、おれは不思議に思った。アンタはなんでこの力をもっと行使しないんだ?……と。
この力は世界を支配するのに使えば、一生支配者として生きれる。自分の思う通りに世界を動かせる!!
なのになんであんな片田舎でくすぶってんのか、おれにはわからねェ。
だからおれはアンタと同じこの力で世界を支配すると決めたんだ!!」
『……ククッ…ハハハハハハハ…!!』
レニーは大笑いする。その姿を見たフールや船員達は呆気に取られた。
「な、なんだ?何がおかしい…!!」
『なに、勘違いをしている馬鹿な小僧の戯れ言に笑いを抑えることが出来なかっただけじゃ』
「!!なんだと!!」
苛立ちを露にするフールはギッとレニーを睨み付ける。レニーはそんな視線を意に返さない。
『フール、演説ご苦労であった。じゃが、所詮は小僧の戯れ言。主の“ままごと”に付き合ってくれる優しき人間はおらぬであろうよ』
「あぁ!?人間なんて関係ねェだろ!!!ただの“餌”なんだからな!!」
『“餌”か……言葉だけは一人前じゃな』
「!!さっきから、言わせておけば……!!」
フールの目が徐々に血走る。周りの船員達も呼応するように目を赤くした。
『……傀儡』
船員の変化にレニーは目を細める。
「気付いたか……さすがだな」
『……先に喰らった小僧の血から我の血を感じたからな』
「ククッ……。アンタはおれを傀儡にしなかったんだなァ。こんなに使いやすい奴らはいねェのによォ」
『……』
「今のおれは昔のおれじゃねェ!!おれは強くなったんだ…!!」
フールが“夜”を頭上に掲げる。瞬間、咳を切ったように船員達はレニーに襲いかかった。
レニーは襲いかかる船員をギッと睨み付ける。
「―――え」
フールは目の前の光景に目を疑った。
さっきまでいた船員全てが一瞬にして塵と化したからだ。
『……主は最初から、何もかも見当違いをしておる』
「!!?」
『主ら“人間”を使役にする必要性が我ら“吸血鬼”にはない』
レニーはフールを見る。その瞳にフールは純粋な恐怖を感じた。
「“人間”?何言ってんだ。アンタとおれは同じ……」
『“同じ”…?ククッ…それが間違いなんじゃよ』
「え……!?」
レニーは一歩フールに近づく。
『血を吸われた者は確かに“吸血の能力”を得る。歳も取りにくくなり、主の言う身体能力も人間よりは上がるだろう。
―――だが……所詮は“人間”なんじゃ』
「!?」
『主は言うたな。人間を喰らう生き物が“吸血鬼”だと……』
「だから、なんだ……!!おれがアンタから血をもらった。
そんなおれが“人間”だってのはど、どういうことなんだよ!!」
『我らのようにオリジナルの“吸血鬼”は自分以外の全ての“血が”身体を造る』
「……??」
『じゃから、我らは常に血を摂り続けなければならない。そして摂るならばより“良質な血”を求める。
これは主らが美味いものを喰いたいのと同じ心理じゃな』
朗々と語るレニーに“夜”を構えたフールは一歩下がる。
「…ま、まさか…!!」
フールは言葉の意味が分かり次第に青ざめた。レニーはニヤリと笑う。フールはガタガタと震えながら、叫んだ。
「おれは……おれ達はアンタの“食料”だったって訳か!!?」
『そうじゃ。我らにとって“良質な血”とは“少女”か“何種類も血が混じったもの”を言う。
後者を得るには“人間”に血を与えるのが効率が良い』
「……そ、そんな」
『本来“吸血鬼”が人間に血を与える理由はそういうものじゃ』
レニーは一歩一歩近づく。
「……く、来るな!!おれはそんなつもりでアンタから血を得たんじゃ……」
『ただの“餌”である主ら人間の考えなど我には関係あるまい』
「!」
フールはギリッと奥歯を噛む。そして“夜”を振り上げた。
「おれはアンタの“餌”じゃねェ!!!」
ガギィン……!!
「!!?」
フールの持つ黒刀“夜”をレニーは白刀“陽”で受ける。
『……。我も元々主を喰らう気はなかった故、傀儡にはせんかったが……。浅はかな行為だったと反省しよう』
「!」
『じゃから我はその責任を取る……』
ズバァン…!!
「うわァァ!!!!」
レニーはフールの腕を斬り落とした。“夜”はザクッと甲板に突き刺さる。柄を握っていた腕は塵と化した。
『その前にアームドより回収の命を受けた故、黒刀“夜”は返してもらうがな』
「うわァァァアァァ……!!」
フールは悲鳴をあげる。レニーは右手をフールの顔に向けた。
「いやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだ!!死にたくない!!おれは人間から進化した存在なんだ……なのに!!!!」
『騒ぐな、すぐに終わる』
パサァ……
フールは言葉を最後まで紡げないまま、この世から消えた。
世界を騒がせたフール海賊団はたった数分で壊滅した。船にはレニー以外存在しない。それほどレニーの強さは圧倒的だった。
『……“優れた血統”か』
レニーは“陽”をしまうと甲板に刺さっている“夜”を手に取る。そしてもうこの世には存在しないフールに語るように呟いた。
『我も昔はそう思っておったよ。我が“吸血鬼”という存在は食物連鎖の頂点で、絶対的な存在だと』
レニーは片手で“夜”を構えると、マストに向かって振りぬく。
ズパン……!!ドシャァ……
太いマストが“夜”の斬撃で呆気なく崩れを落ちた。
『だが、そうではないのじゃ。そのまったく逆なのじゃ。――我らは生物の中で“最も劣っておる”』
また“夜”を振るう。巨大な斬撃が船を半壊させた。
『“陽”を浴びることが出来ぬから?“血”以外で生きていけぬから?―――否。“進化せぬ”からじゃ』
まるで演劇の一幕のように言葉を並べるレニーは“夜”を背負う。
『“不死”とは“成長”を止めるということ。“成長”を捨てた者に“進化”はない。残る道は“退化”のみ……』
ゴゴゴゴ……
船が音を立て沈み出した。レニーはそれを眺める。
『“吸血鬼は人間の進化ではない”――主はそれを理解しておらんかった』
(“退化”しかなくとも“吸血鬼”であること、それが我の“誇り”……。この心理は人間には到底理解できぬだろうよ)
レニーは苦笑した。その瞳には憂いはない。自分の体を徐々に霧に変化させる。
『なんにせよ今回の間違いの元は我じゃ。主が残した“餌”は我が全て片づけよう。それが今の我に出来ること。そしてそれが終われば我の役目も……』
レニーの体は完全な霧となったため、最後の言葉を飲み込まれた。そして沈みゆく船から離れて行く。
しばらくして差した太陽の元ではいつもと変わらないGLの景色が広がっていた。
数日後、フール海賊団の謎の失踪が報じられる。
そしてその報を最後に世間を騒がせたフール海賊団の話題は世界から消えたのであった。
fin
あとがき
ここまで読んで下さり、ありがとうございました!
曲利さんとの相互記念としてBlogにて連載中の【吸血鬼】の昔話を書かせて頂きましたw
100年くらい前のお話で、連載の番外ですね。
元々設定的にはあったけど書く予定がなかった部分で、今回機会を頂けたので書かせて頂きましたw
ちょっと、というかとても補足がいるお話なので、書きますね。
まず、レニーの白刀“陽”を作ったのは黒刀“夜”を作った職人の設定です(アームドさんですね)
最初は“夜”をもらうつもりやって来たレニーに、別のを作るからと言われ島に滞在していた。
その時に気弱なフールに出会ったとのこと。そして物語の冒頭になるって感じです。
町が破壊された後、レニーは30年程フールを探し回りました。これは血族として縁を切っていた(傀儡にしなかった)から居場所が分からなかったからです。
そしてこの話の後にレニーはフールの血の記憶からフールが残した傀儡…“吸血能力を持つ人間”を狩りに行く人生が始まります。
この人生にケリをつけるまでに約100年。そして……それらが終えた後ロジャーと出会う。
みたいな流れですww
ってかこれで良かったでしょうか;;
お送りする物語の割に殺伐としていて…途中から普通に連載気分で書いてしまいましたし……まさかの4ページww(^^;)
でもでも楽しんで頂けたのなら幸いですw
曲利さん、これからもよろしくお願いします!
神有 悠
『……わからぬな』
レニーは自分に頭を下げるフールに呆れた目を向けながら言う。
『なぜ、主は我が“血”を望む?』
「おれはどうしても成し遂げたい“夢”がある。だが、人間として生きてる50年くらいじゃ出来ないんだ」
『……』
「なぁ、頼むよ!!」
『……はぁ』
ずっと頭を下げられることがうっとおしく感じたレニーは立ち上がる。
『…よかろう。そこまで言うなら我の血を与えてやる』
「本当か!!」
『今更嘘は言うまい』
レニーはテーブルにあったナイフで指をスッと切った。
切った先からポタ…ポタ…と滴る血。レニーはそれを空のワイングラスに落とした。
「……スゲェ!!」
数滴落としたところで、レニーの指の傷が自然に塞がる。それを見たフールは嬉々とした声をあげた。
レニーはフールにワイングラスを差し出す。
『これを飲めば主は“人の理(コトワリ)”を外れる。もう“陽の光”は拝めんぞ』
「わ…わかってるさ」
レニーからワイングラスを受け取ったフールは、それを恐る恐る口にした。
「……?」
空になったワイングラスを手にしたフールは変化を感じないことに首を傾げる。レニーは補足を入れた。
『今、血が身体を巡っておる所じゃ。もうしばらくすれば我が血が主の身体に馴染むであろう』
「そ、そうか…!!」
レニーは吐き捨てるようにため息をつく。
『これで用は済んだじゃろ。フール、もう去れ。これ以上は目障りじゃ』
そう言うとレニーはローブを翻し、奥の部屋のドアに手をかける。
「あ、ありがとう!レニー!!!」
『よい。主はさっさとその“夢”とやらを叶えることじゃ』
奥の部屋に入って行ったレニーにフールは礼をいい。嬉々とした足取りでレニーの部屋を後にした。
『……はぁ』
フールが出たのを気配で感じたレニーは部屋の窓から外の景色を見て、またひとつため息をついた。
レニーの瞳は冷めているような、憂いているような色をしていた。
『……我にはわからぬ心理じゃな』
窓から見える自然をぼうっと眺めながら、レニーは言った。
この時レニーは自分がしたことにおいて、何にも考えていなかった。
ただただうっとおしいフールを外へ追い出すために与えた“血”…。
しかしこの日を晩、彼の人生を大きく変える事件が起こった。
『なんじゃ……これは』
騒がしい町を不審に思ったレニーは目を見張る。町が破壊され所々火の手が上がり手のつけようがないくらい壊滅していた。
「……ううっ…」
『!』
レニーは声が聞こえた場所へ足を進めた。そこは鍛冶屋だ。
『!……アームド!!』
「レニー……さん…」
レニーは鍛冶屋のアームドにのしかかる瓦礫どける。助け出したが傷がひどく、アームド自体も苦しそうに息を吐く。
『何があった?』
「フールと若い連中が……急に暴れだして」
『!?』
「…食料やら、武器やらを根こそぎ持って……行かれた……“夜”も取られちまったよ……」
『“夜”を……!?』
世界に12工しかない最上級大業物の一本、黒刀“夜”。それが奪われたと言うのだ。
「レニーさん、あいつらどうしちまったんだ……?目を真っ赤にさせて……まるで――“化け物”だ 」
『……っ』
レニーはギリッと歯を食いしばる。それは紛れもなく、吸血による症状だったからだ。
(我が……これを引き起こしたのか)
「レニーさん…?」
『アームド……すまぬ。我の浅はかな行動でこの様な結果を招いてしまった』
「……ハァ。レニーさん、…おれ達はアンタに感謝してもしきれない恩がある。それに……これはあいつらがやったことだ」
『……』
「だが、もし…アンタが責任を感じている…なら…あいつらを止めて、くれ……。“夜”はあいつらには扱いきれない……!!」
『……もちろんだ。我にはその責務がある。“夜”も必ず取り戻そうぞ』
「……ありがとう。そうだレニーさん、真ん中の床の下に…アンタに渡す“刀”を入れてある」
『!…出来ていたのか…?』
「ああ……おれの自信の作だ。“夜”にだって負けねェよ……」
『そうか。主がそう言うなら、楽しみだ』
「今、見てくれないか…?感想を聞きたい…」
『わかった』
レニーはアームドに言われ、床下を開けると丁寧に布にくるまれた身の丈程の棒を取り出す。
『……』
レニーは布を取ると白く棒のようにスラリと細い刀が現れた。鞘に収まっているその姿は繊細で美しい素晴らしい刀だ。
鞘を抜き刀身を見たレニーは目を見張った。
『アームド』
「気にいったか…?」
『ああ』
「よかった」
『主はやはり最高の職人じゃ……。この刀の名を聞いてよいか?』
「名は……“陽”だ」
『“陽”……?それはまた皮肉な名だな』
レニーはククッ…と微笑む。アームドも微笑んだ。
「アンタには“夜”は似合わな……っ」
『!!アームド…!』
アームドはスッと目を瞑った。もう目を開くことはない。
『感謝する…』
駆け寄ったレニーは息を引き取ったアームドに刀に巻かれていた布をかけると、“陽”を持って鍛冶屋を出た。
『……フール…貴様の望みはこれだったのか』
レニーは月のない夜空を見上げながら拳を握りしめる。その瞳には怒りの色が浮かんでいた。
『ならば、我が貴様の“夢”を阻む敵となろうぞ……!!』
【吸血鬼の誇り】
それから30年の歳月が流れる。
あれかレニーはいくつかの島を転々としていた。
『……』
パラッと新聞を開く。そこには大きな見出しが出ていた。
《“不老不死”のフール海賊団、町を壊滅させる。海軍は目下追跡中………》
『……』
「お客さん、難しい顔してるね」
『ああ……少し不愉快な記事があったものでな』
バーの店主に尋ねられ、レニーが新聞を机に置く。バーの店主はその記事を覗き込むように見た。
「フールか。30年前くらいから出てきた海賊団だな。悪い噂しか聞かない。……こいつらがどうかしたのかい?」
『……我は奴を追っておるのじゃ。30年前の“あの時”から……』
「30年前…?お客さん、どう見ても二十歳そこそこだよ」
『フン…見た目で判断するでない。我はこう見えて主より数倍歳上じゃ』
「へェ……。そりゃスゲェ」
店主はレニーの言葉を信じていないようだ。だが、無理もない。レニーの若く整った容姿から自分より何百歳も年上なのだと思うはずもないからだ。
レニーは幾度となく経験してきたことなので気に留めるのもバカバカしくなっていた。
『そんなことはどうでもよい。ところで主はこやつの情報は持っておらぬか?』
「ん~生憎持ってないなぁ」
『そうか。ここも収穫が無さそうじゃな。ならば次の島へ行くか……』
レニーが息をつき、酒を煽る。そこへ乱暴にドアを開け、転がるように入ってくる男が現れた。
「マスター!!」
「おいおい…どうしたんだ?そんな血相変えて…」
「フールが!!フール海賊団がヤクソー島を壊滅させたって…!!今朝、買い出しに行った奴が言ってたんだ…!!」
『!』
「な、なんだって…!!?」
店主は驚きの声を上げる。レニーは鋭い目付きになった。
ガタガタと震える男や店主を尻目にレニーは酒代をカウンターに置き、尋ねた。
『…そのヤクソー島とはここから近いのか?』
「え…!?あ、ああ。と言ってもここから直接ログが取れる訳じゃない」
『ではエターナルポースが必要じゃな……。主らの口振りからするとそれを持っておるようじゃが…』
「確かに…あ、ありますが、お客さん…まさか…!!」
『言うたであろう。我の“目的”はあやつらじゃ。この様な機会逃すわけにはいかん。壊滅したのならばその航路のエターナルポースはいらぬであろう…譲ってくれ』
「おい、アンタ!あのフールを止めれるのか!?あいつは本物の“不老不死”なんだ!!手配書が更新されてんのに、顔が30年前と何一つ変わってねェ!!“化け物”なんだぞ!!!」
『クク……“化け物”か。確かに奴は“人の理”を外れたからのォ』
「「??」」
独り言を呟いたレニーに二人は首を傾げた。レニーはフッと冷笑すると、男にはっきりと言った。
『先の質問は愚問じゃ。奴がその“化け物”であっても、我には絶対勝てぬのだからな』
その日の夜。フール海賊団は宴をしていた。
「ヒャハハハ!!また武器が手に入ったな」
「おい、てめェらさっさと分配しとけよ」
「はい!フール船長!!」
「ククッ……」
フールは黒刀“夜”を眺めながら卑しく笑う。
フワッ……
「…!?」
今は暗闇であるにも関わらず、フールはさらに暗い影を感じた。
「何者だ!!」
ガタンッとフールは立ち上がり叫んだ。船員達は何事かと甲板に集まる。
「どうしたんですか、船長?」
「そんな大声出して…!」
「侵入者だ……どこかに…」
『船長か……主も出世したものじゃなァ』
「!?」
「「「!!」」」
暗い霧が甲板中心に集まり、黒いフードを纏ったレニーが現れた。
「誰だてめェ!!」
「この船がフール海賊団の船だと知ってんか!!?」
船員達がレニーを煽る。そんな中、フールの顔はみるみる青ざめていった。
「てめェ、まさか……レニー…!!」
レニーはフールの言葉を聞き、フードを取る。船員達に人形の様に整った顔に銀髪、紫の瞳が姿を晒した。
そして口角をあげ、笑う。
『久しいのォ、フール』
「船長!知り合いですか…?」
「……。こいつは本物の“吸血鬼”だ」
「「「!!?」」」
「じゃあ、こいつが船長に力を与えた吸血鬼!?」
「スゲェ!!本物はこんなに綺麗なにぃちゃんだったのか!!」
船員はレニーを間近で見ようと近づく。
「バカ野郎!!そいつに寄るな!」
「?」
船長の言葉に首を傾げる船員。レニーはその船員に手を向けた。
「え!?」
パサッ…とレニーに近づいた船員は服を残して消えた。
「「「な…っ!!!」」」
『我に易々と触れるな。小僧が』
「き、消えた……!?」
「何が起こったんだ…??」
レニーを囲む様に立つ船員達は目を見開き、口々に言葉を出す。フールはヒヒッと笑った。
「相変わらずだな、レニー。アンタのその姿におれがどれだけ感動してたか」
『……感動じゃと?』
レニーは訝しげにフールの言葉を返す。
「ああ!!そうさ、おれ達“吸血鬼”は何百年も若い姿で、自由に生きていられる。どんな生物よりも優れた治癒能力を持ち、食物連鎖の頂点にいる人間を食す存在。
人間がどれだけちっぽけで、どれだけ無能な存在なのか!“吸血鬼”はそれを白日の元に晒す存在なんだ」
『……』
フールは手を大きく広げた。
「―――そう!!“吸血鬼”は世界のどんな生物よりも優れた血統!おれはアンタに与えられた血のおかげで進化し、最高の力を手に入れた」
『……』
「この力を得たとき、おれは不思議に思った。アンタはなんでこの力をもっと行使しないんだ?……と。
この力は世界を支配するのに使えば、一生支配者として生きれる。自分の思う通りに世界を動かせる!!
なのになんであんな片田舎でくすぶってんのか、おれにはわからねェ。
だからおれはアンタと同じこの力で世界を支配すると決めたんだ!!」
『……ククッ…ハハハハハハハ…!!』
レニーは大笑いする。その姿を見たフールや船員達は呆気に取られた。
「な、なんだ?何がおかしい…!!」
『なに、勘違いをしている馬鹿な小僧の戯れ言に笑いを抑えることが出来なかっただけじゃ』
「!!なんだと!!」
苛立ちを露にするフールはギッとレニーを睨み付ける。レニーはそんな視線を意に返さない。
『フール、演説ご苦労であった。じゃが、所詮は小僧の戯れ言。主の“ままごと”に付き合ってくれる優しき人間はおらぬであろうよ』
「あぁ!?人間なんて関係ねェだろ!!!ただの“餌”なんだからな!!」
『“餌”か……言葉だけは一人前じゃな』
「!!さっきから、言わせておけば……!!」
フールの目が徐々に血走る。周りの船員達も呼応するように目を赤くした。
『……傀儡』
船員の変化にレニーは目を細める。
「気付いたか……さすがだな」
『……先に喰らった小僧の血から我の血を感じたからな』
「ククッ……。アンタはおれを傀儡にしなかったんだなァ。こんなに使いやすい奴らはいねェのによォ」
『……』
「今のおれは昔のおれじゃねェ!!おれは強くなったんだ…!!」
フールが“夜”を頭上に掲げる。瞬間、咳を切ったように船員達はレニーに襲いかかった。
レニーは襲いかかる船員をギッと睨み付ける。
「―――え」
フールは目の前の光景に目を疑った。
さっきまでいた船員全てが一瞬にして塵と化したからだ。
『……主は最初から、何もかも見当違いをしておる』
「!!?」
『主ら“人間”を使役にする必要性が我ら“吸血鬼”にはない』
レニーはフールを見る。その瞳にフールは純粋な恐怖を感じた。
「“人間”?何言ってんだ。アンタとおれは同じ……」
『“同じ”…?ククッ…それが間違いなんじゃよ』
「え……!?」
レニーは一歩フールに近づく。
『血を吸われた者は確かに“吸血の能力”を得る。歳も取りにくくなり、主の言う身体能力も人間よりは上がるだろう。
―――だが……所詮は“人間”なんじゃ』
「!?」
『主は言うたな。人間を喰らう生き物が“吸血鬼”だと……』
「だから、なんだ……!!おれがアンタから血をもらった。
そんなおれが“人間”だってのはど、どういうことなんだよ!!」
『我らのようにオリジナルの“吸血鬼”は自分以外の全ての“血が”身体を造る』
「……??」
『じゃから、我らは常に血を摂り続けなければならない。そして摂るならばより“良質な血”を求める。
これは主らが美味いものを喰いたいのと同じ心理じゃな』
朗々と語るレニーに“夜”を構えたフールは一歩下がる。
「…ま、まさか…!!」
フールは言葉の意味が分かり次第に青ざめた。レニーはニヤリと笑う。フールはガタガタと震えながら、叫んだ。
「おれは……おれ達はアンタの“食料”だったって訳か!!?」
『そうじゃ。我らにとって“良質な血”とは“少女”か“何種類も血が混じったもの”を言う。
後者を得るには“人間”に血を与えるのが効率が良い』
「……そ、そんな」
『本来“吸血鬼”が人間に血を与える理由はそういうものじゃ』
レニーは一歩一歩近づく。
「……く、来るな!!おれはそんなつもりでアンタから血を得たんじゃ……」
『ただの“餌”である主ら人間の考えなど我には関係あるまい』
「!」
フールはギリッと奥歯を噛む。そして“夜”を振り上げた。
「おれはアンタの“餌”じゃねェ!!!」
ガギィン……!!
「!!?」
フールの持つ黒刀“夜”をレニーは白刀“陽”で受ける。
『……。我も元々主を喰らう気はなかった故、傀儡にはせんかったが……。浅はかな行為だったと反省しよう』
「!」
『じゃから我はその責任を取る……』
ズバァン…!!
「うわァァ!!!!」
レニーはフールの腕を斬り落とした。“夜”はザクッと甲板に突き刺さる。柄を握っていた腕は塵と化した。
『その前にアームドより回収の命を受けた故、黒刀“夜”は返してもらうがな』
「うわァァァアァァ……!!」
フールは悲鳴をあげる。レニーは右手をフールの顔に向けた。
「いやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだ!!死にたくない!!おれは人間から進化した存在なんだ……なのに!!!!」
『騒ぐな、すぐに終わる』
パサァ……
フールは言葉を最後まで紡げないまま、この世から消えた。
世界を騒がせたフール海賊団はたった数分で壊滅した。船にはレニー以外存在しない。それほどレニーの強さは圧倒的だった。
『……“優れた血統”か』
レニーは“陽”をしまうと甲板に刺さっている“夜”を手に取る。そしてもうこの世には存在しないフールに語るように呟いた。
『我も昔はそう思っておったよ。我が“吸血鬼”という存在は食物連鎖の頂点で、絶対的な存在だと』
レニーは片手で“夜”を構えると、マストに向かって振りぬく。
ズパン……!!ドシャァ……
太いマストが“夜”の斬撃で呆気なく崩れを落ちた。
『だが、そうではないのじゃ。そのまったく逆なのじゃ。――我らは生物の中で“最も劣っておる”』
また“夜”を振るう。巨大な斬撃が船を半壊させた。
『“陽”を浴びることが出来ぬから?“血”以外で生きていけぬから?―――否。“進化せぬ”からじゃ』
まるで演劇の一幕のように言葉を並べるレニーは“夜”を背負う。
『“不死”とは“成長”を止めるということ。“成長”を捨てた者に“進化”はない。残る道は“退化”のみ……』
ゴゴゴゴ……
船が音を立て沈み出した。レニーはそれを眺める。
『“吸血鬼は人間の進化ではない”――主はそれを理解しておらんかった』
(“退化”しかなくとも“吸血鬼”であること、それが我の“誇り”……。この心理は人間には到底理解できぬだろうよ)
レニーは苦笑した。その瞳には憂いはない。自分の体を徐々に霧に変化させる。
『なんにせよ今回の間違いの元は我じゃ。主が残した“餌”は我が全て片づけよう。それが今の我に出来ること。そしてそれが終われば我の役目も……』
レニーの体は完全な霧となったため、最後の言葉を飲み込まれた。そして沈みゆく船から離れて行く。
しばらくして差した太陽の元ではいつもと変わらないGLの景色が広がっていた。
数日後、フール海賊団の謎の失踪が報じられる。
そしてその報を最後に世間を騒がせたフール海賊団の話題は世界から消えたのであった。
fin
あとがき
ここまで読んで下さり、ありがとうございました!
曲利さんとの相互記念としてBlogにて連載中の【吸血鬼】の昔話を書かせて頂きましたw
100年くらい前のお話で、連載の番外ですね。
元々設定的にはあったけど書く予定がなかった部分で、今回機会を頂けたので書かせて頂きましたw
ちょっと、というかとても補足がいるお話なので、書きますね。
まず、レニーの白刀“陽”を作ったのは黒刀“夜”を作った職人の設定です(アームドさんですね)
最初は“夜”をもらうつもりやって来たレニーに、別のを作るからと言われ島に滞在していた。
その時に気弱なフールに出会ったとのこと。そして物語の冒頭になるって感じです。
町が破壊された後、レニーは30年程フールを探し回りました。これは血族として縁を切っていた(傀儡にしなかった)から居場所が分からなかったからです。
そしてこの話の後にレニーはフールの血の記憶からフールが残した傀儡…“吸血能力を持つ人間”を狩りに行く人生が始まります。
この人生にケリをつけるまでに約100年。そして……それらが終えた後ロジャーと出会う。
みたいな流れですww
ってかこれで良かったでしょうか;;
お送りする物語の割に殺伐としていて…途中から普通に連載気分で書いてしまいましたし……まさかの4ページww(^^;)
でもでも楽しんで頂けたのなら幸いですw
曲利さん、これからもよろしくお願いします!
神有 悠