全部が夢でよかったのに
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「とりあえず、お願い出来るかなドレーク少将」
「大将青キジ殿からの頼みなら断りませんが……」
会議室の前で唐突に青キジからお願いされたドレークは困惑していた。青キジから頼み事、それはある少将の相手をしてやってほしいというものだった。
「確か、その少将はあなたのお気に入りですよね?」
噂程度でしか知らないその人物を知るためドレークは恐る恐るだが尋ねる。
「ん~~まぁ、そんなことないんだが。縁があって面倒をみてるんだ」
「……ちなみに彼とはどの様に接すれば……?」
ドレークの問いに青キジはああっと答える。
「簡単だよ、同僚として扱ってくれ。あいつ同僚に友達がいないみたいだから、この機会にドレーク少将が仲良くしてやってくれると助かる」
「はぁ…」
同じ階級の少将ならば周りに何人かいるのに関わらずなぜ自分が選ばれたのかわからない。
「まぁ、会議の間だけだから宜しく頼むよ。あそこの部屋に待たせてるから」
会議室から2部屋ほど離れたところを指差す。そちらに目をやれば青キジは手を挙げて会議室に入っていった。
ドレークはため息をつき、部屋に向かう。その際今から会う相手の情報を頭に浮かべる。
「確か、名はノティ・アルト。階級は同じ少将。変わった奴だ、と言うくらいしか知らないな」
ドレークはドアの前に立ち、息を整えたあと、ドアを叩いた。
コンコンコン……ガチャ
「失礼する……っ!?」
ドレークはドアを開ける。その瞬間甘い匂いに包まれた。
『ん…?』
部屋の真ん中にソファに寝そべりながらこちらに目を向ける人物。
くせっ毛の強い黒髪に多少目付きが悪い緑の目。制服である白いコートを纏わず、礼儀も知らなさそうなその姿は噂通り変わり者という印象が与えられる。
その人物はテーブルに山程置かれたケーキを食べていた。
『えっと…誰?』
「……大将青キジから相手を頼まれた。ドレークと言う、階級は少将だ」
『ドレーク……。ああ、中将昇進間近、少将の中の出世頭とはキミのことか』
アルトは無表情で答える。アルトはソファに座りなおし、ドアにいるドレークに向かいのソファに座るように言う。
ドレークは表情が読めないアルトに怪訝な顔をしながらも席につく。アルトは相変わらずケーキを食べる。
「そちらも名乗ったらどうだ?」
ドレークが半ば呆れたように言う。アルトは食べるのを止め、ドレークを見た。
『……あ、ごめん。名乗ることないから忘れてた。僕はノティ・アルト。階級はキミと同じ少将だよ』
「………(表情が変わらないな)」
言葉の雰囲気から察すれば悪いと思っている様だが、表情からは何も読めない。
『ドレーク少将、ケーキ食べる?』
「いや、いい。コーヒーはもらおう」
ドレークは自分でコーヒーを入れる。
「…………」
『…………どうかした?』
ドレークがケーキを食べるアルトを見つめていたのを不思議に思ったアルトが聞く。
「………そのケーキは美味くないのか?」
『? おいしいよ。なんで?』
「ノティ少将はあまりにも感情が表に出ないようなのでな。聞いてみようと思っただけなのだが…」
『…………ハハハ』
アルトは笑う。笑うと微かに口角が上がり表情が変わる。本当に微かだが、ドレークは初めてアルトの表情の変化を感じた。
『面白いな。僕に直接聞いてみようなんて言われたことなかった』
アルトは興味津津にドレークをじーっとみる。
「ノティ少将は同僚とは話さないのか?」
『無いな。相手が僕を避けることが多いし。まず、こんな風に話すことはない。なぁ、ドレーククン。僕のことはアルトと呼んでくれないか?ノティ少将は堅苦しくてキライなんだ』
アルトはダメかな?と聞く。ドレークは多少戸惑いながらも構わないと頷く。
『ありがとう。キミとは仲良く出来そうだ』
「そうか…?」
『ああ。よくわからないけど、そう感じる相手もいるとクザンクンから聞いたことがある』
それから1時間程他愛もない話をする。互いに打ち解けたようだった。
コンコンコン、ガチャ
「アルト。ドレーク少将お待たせ」
『ああ、クザンクンか』
「青キジ殿」
ドレークは立ち上がり青キジを迎えるがアルトは相変わらず座ってケーキを摘まんでいた。ドレークが呆れてアルトを諭す。
「アルト。こういう時はちゃんと立って迎えなければならないんだぞ」
『そうなの…?』
ドレークに言われアルトはフォークを置き、立ち上がる。
それを見た青キジはびっくりした。
「あらあら、えらく仲良しになったもんだなぁ」
青キジは笑ってアルトの頭をヨシヨシと撫でながら言った。アルトは相変わらず無表情で大人しく撫でられる。
「それでは、青キジ殿。私はここで失礼します」
「ああ、ありがとう。無理言ってすまなかったね」
「いえ」
ドアを開け出ていこうとするドレークをアルトは待って!と引き留める。
『ドレーククン。また話せるかい? キミの能力が見てみたいんだ』
「……ああ。構わない。次はおれの部隊に来るといい。だがちゃんと礼儀を覚えてくるんだぞ」
『わかった! 必ず覚えて行くよ』
「大将青キジ殿からの頼みなら断りませんが……」
会議室の前で唐突に青キジからお願いされたドレークは困惑していた。青キジから頼み事、それはある少将の相手をしてやってほしいというものだった。
「確か、その少将はあなたのお気に入りですよね?」
噂程度でしか知らないその人物を知るためドレークは恐る恐るだが尋ねる。
「ん~~まぁ、そんなことないんだが。縁があって面倒をみてるんだ」
「……ちなみに彼とはどの様に接すれば……?」
ドレークの問いに青キジはああっと答える。
「簡単だよ、同僚として扱ってくれ。あいつ同僚に友達がいないみたいだから、この機会にドレーク少将が仲良くしてやってくれると助かる」
「はぁ…」
同じ階級の少将ならば周りに何人かいるのに関わらずなぜ自分が選ばれたのかわからない。
「まぁ、会議の間だけだから宜しく頼むよ。あそこの部屋に待たせてるから」
会議室から2部屋ほど離れたところを指差す。そちらに目をやれば青キジは手を挙げて会議室に入っていった。
ドレークはため息をつき、部屋に向かう。その際今から会う相手の情報を頭に浮かべる。
「確か、名はノティ・アルト。階級は同じ少将。変わった奴だ、と言うくらいしか知らないな」
ドレークはドアの前に立ち、息を整えたあと、ドアを叩いた。
コンコンコン……ガチャ
「失礼する……っ!?」
ドレークはドアを開ける。その瞬間甘い匂いに包まれた。
『ん…?』
部屋の真ん中にソファに寝そべりながらこちらに目を向ける人物。
くせっ毛の強い黒髪に多少目付きが悪い緑の目。制服である白いコートを纏わず、礼儀も知らなさそうなその姿は噂通り変わり者という印象が与えられる。
その人物はテーブルに山程置かれたケーキを食べていた。
『えっと…誰?』
「……大将青キジから相手を頼まれた。ドレークと言う、階級は少将だ」
『ドレーク……。ああ、中将昇進間近、少将の中の出世頭とはキミのことか』
アルトは無表情で答える。アルトはソファに座りなおし、ドアにいるドレークに向かいのソファに座るように言う。
ドレークは表情が読めないアルトに怪訝な顔をしながらも席につく。アルトは相変わらずケーキを食べる。
「そちらも名乗ったらどうだ?」
ドレークが半ば呆れたように言う。アルトは食べるのを止め、ドレークを見た。
『……あ、ごめん。名乗ることないから忘れてた。僕はノティ・アルト。階級はキミと同じ少将だよ』
「………(表情が変わらないな)」
言葉の雰囲気から察すれば悪いと思っている様だが、表情からは何も読めない。
『ドレーク少将、ケーキ食べる?』
「いや、いい。コーヒーはもらおう」
ドレークは自分でコーヒーを入れる。
「…………」
『…………どうかした?』
ドレークがケーキを食べるアルトを見つめていたのを不思議に思ったアルトが聞く。
「………そのケーキは美味くないのか?」
『? おいしいよ。なんで?』
「ノティ少将はあまりにも感情が表に出ないようなのでな。聞いてみようと思っただけなのだが…」
『…………ハハハ』
アルトは笑う。笑うと微かに口角が上がり表情が変わる。本当に微かだが、ドレークは初めてアルトの表情の変化を感じた。
『面白いな。僕に直接聞いてみようなんて言われたことなかった』
アルトは興味津津にドレークをじーっとみる。
「ノティ少将は同僚とは話さないのか?」
『無いな。相手が僕を避けることが多いし。まず、こんな風に話すことはない。なぁ、ドレーククン。僕のことはアルトと呼んでくれないか?ノティ少将は堅苦しくてキライなんだ』
アルトはダメかな?と聞く。ドレークは多少戸惑いながらも構わないと頷く。
『ありがとう。キミとは仲良く出来そうだ』
「そうか…?」
『ああ。よくわからないけど、そう感じる相手もいるとクザンクンから聞いたことがある』
それから1時間程他愛もない話をする。互いに打ち解けたようだった。
コンコンコン、ガチャ
「アルト。ドレーク少将お待たせ」
『ああ、クザンクンか』
「青キジ殿」
ドレークは立ち上がり青キジを迎えるがアルトは相変わらず座ってケーキを摘まんでいた。ドレークが呆れてアルトを諭す。
「アルト。こういう時はちゃんと立って迎えなければならないんだぞ」
『そうなの…?』
ドレークに言われアルトはフォークを置き、立ち上がる。
それを見た青キジはびっくりした。
「あらあら、えらく仲良しになったもんだなぁ」
青キジは笑ってアルトの頭をヨシヨシと撫でながら言った。アルトは相変わらず無表情で大人しく撫でられる。
「それでは、青キジ殿。私はここで失礼します」
「ああ、ありがとう。無理言ってすまなかったね」
「いえ」
ドアを開け出ていこうとするドレークをアルトは待って!と引き留める。
『ドレーククン。また話せるかい? キミの能力が見てみたいんだ』
「……ああ。構わない。次はおれの部隊に来るといい。だがちゃんと礼儀を覚えてくるんだぞ」
『わかった! 必ず覚えて行くよ』