鼓動は思うよりも正直で
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「ねェ、ジン」
『なんでしょうか、メイ』
メイはジンの背中にもたれる。ジンは当たり前の様にその背中を受け止めた。
「月が綺麗よ」
『そうですね。先程見ましたが綺麗でした』
屋敷の屋上で互いに別の方角を見ながら会話する。
「……ジン、次はいつ来るの?」
『いつになるでしょうね』
メイの問いにジンははぐらかす様に答えた。 メイはムッと頬を膨らます。
「あなたはずるいわ」
『……』
「すぐにはぐらかすし、いつも余裕だし」
『……』
「“通り名”通り、自由に色んな島に行ってさ」
『ならば、メイも一緒に行きますか?』
「!」
メイは目を見開き、ジンの方を向こうとした。
『メイ、それはルール違反ですよ』
「……わかってるわよ。でもあなたもルール違反だわ。私がしたくてもそれが出来ないのわかってるのに…!!」
メイは文句をいい、またジンの背にもたれかかる。
『すみません……失言でした』
素直に謝るジンにメイは自分の膝を抱え、バツが悪そうに言った。
「……いいのよ。私が最初に言ったことが悪いんだから」
『しかし願ってもいいことだと思いますよ』
「そうね……。でもいいの。あなたが知ってるなら、それでいい」
『……』
これは互いのために決めたルール。
一人は大切に思う、少女のために
一人は国を背負う王女と言う責任のために
その苦しさと孤独を分かち合うために互いに背中を預ける。
孤独な二人にとって世界に背中を預けることが出来る人がいると言うのは、とても大きいのだ。
「でも、重くないの? 私すごく体重かけてるけど」
『そうですね…』
「そうですねって、ちょっとジン……!!」
メイは失礼よ!っと言葉を続け様と口を開く。しかしジンに先を越された。
『重さよりも貴女の心音がとても“心地好い”です』
「!!」
さらりとくさいこと言うジン。メイは顔が真っ赤になった。
「(!!…背中合わせだから、バレないよね)」
真っ赤になった顔を冷ますため、手で顔を仰ぐ。ジンの背中が微かに揺れた。
「な、なに?」
『フフ…メイは相変わらず正直な方ですね』
「?」
『今の貴女の心音、とても早いですよ』
「!」
ジンに言われメイは胸に手をあてる。確かにバクバクと早い音を立てていた。
「……あなたは相変わらず失礼な人ね。人の感情を盗み見るなんて」
『ははは。手厳しいお言葉です』
ジンは笑う。メイは少し悔しくなり、背中にグッともたれかかった。
「(私もジンの心音を聞いてやるわ!!)」
『メイ?』
メイは目を瞑り、全身の神経を背中に集中させるイメージで自分の心音ではない音を探す。
トクトク…
「(あ、見つけた…)」
メイは耳を澄ます。
トクトクトクトク…
「?」
メイはジンの心音と自分の心音を比べる。そしてふと、口に出した。
「あなたも早いじゃないの、心音」
メイの言葉にジンは苦笑の声をもらす。
『それは当たり前ですよ』
「?」
ジンはメイの心音と体温を背中に感じながら、静かに笑った。
『貴女の側にいるんですから』
【鼓動は思うより正直で】
「それってどう言う…」
『フフ…メイ、また心音が速くなってますよ』
「もう、からかわないで!」
fin
⇒あとがき
『なんでしょうか、メイ』
メイはジンの背中にもたれる。ジンは当たり前の様にその背中を受け止めた。
「月が綺麗よ」
『そうですね。先程見ましたが綺麗でした』
屋敷の屋上で互いに別の方角を見ながら会話する。
「……ジン、次はいつ来るの?」
『いつになるでしょうね』
メイの問いにジンははぐらかす様に答えた。 メイはムッと頬を膨らます。
「あなたはずるいわ」
『……』
「すぐにはぐらかすし、いつも余裕だし」
『……』
「“通り名”通り、自由に色んな島に行ってさ」
『ならば、メイも一緒に行きますか?』
「!」
メイは目を見開き、ジンの方を向こうとした。
『メイ、それはルール違反ですよ』
「……わかってるわよ。でもあなたもルール違反だわ。私がしたくてもそれが出来ないのわかってるのに…!!」
メイは文句をいい、またジンの背にもたれかかる。
『すみません……失言でした』
素直に謝るジンにメイは自分の膝を抱え、バツが悪そうに言った。
「……いいのよ。私が最初に言ったことが悪いんだから」
『しかし願ってもいいことだと思いますよ』
「そうね……。でもいいの。あなたが知ってるなら、それでいい」
『……』
これは互いのために決めたルール。
一人は大切に思う、少女のために
一人は国を背負う王女と言う責任のために
その苦しさと孤独を分かち合うために互いに背中を預ける。
孤独な二人にとって世界に背中を預けることが出来る人がいると言うのは、とても大きいのだ。
「でも、重くないの? 私すごく体重かけてるけど」
『そうですね…』
「そうですねって、ちょっとジン……!!」
メイは失礼よ!っと言葉を続け様と口を開く。しかしジンに先を越された。
『重さよりも貴女の心音がとても“心地好い”です』
「!!」
さらりとくさいこと言うジン。メイは顔が真っ赤になった。
「(!!…背中合わせだから、バレないよね)」
真っ赤になった顔を冷ますため、手で顔を仰ぐ。ジンの背中が微かに揺れた。
「な、なに?」
『フフ…メイは相変わらず正直な方ですね』
「?」
『今の貴女の心音、とても早いですよ』
「!」
ジンに言われメイは胸に手をあてる。確かにバクバクと早い音を立てていた。
「……あなたは相変わらず失礼な人ね。人の感情を盗み見るなんて」
『ははは。手厳しいお言葉です』
ジンは笑う。メイは少し悔しくなり、背中にグッともたれかかった。
「(私もジンの心音を聞いてやるわ!!)」
『メイ?』
メイは目を瞑り、全身の神経を背中に集中させるイメージで自分の心音ではない音を探す。
トクトク…
「(あ、見つけた…)」
メイは耳を澄ます。
トクトクトクトク…
「?」
メイはジンの心音と自分の心音を比べる。そしてふと、口に出した。
「あなたも早いじゃないの、心音」
メイの言葉にジンは苦笑の声をもらす。
『それは当たり前ですよ』
「?」
ジンはメイの心音と体温を背中に感じながら、静かに笑った。
『貴女の側にいるんですから』
【鼓動は思うより正直で】
「それってどう言う…」
『フフ…メイ、また心音が速くなってますよ』
「もう、からかわないで!」
fin
⇒あとがき
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