拍手アンケート第二弾
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【無自覚】
ここは海軍の廊下。アルトは部屋に戻るため歩いていた。
「お~アルト君~」
『ああ、黄猿サン』
「こんなとこで合うなんて奇遇だねェ~」
と言いつつ、本当はずっと待っていた。
黄猿は今日、アルトをデートに誘うつもりなのだ。
『そうだね。ところで黄猿サン、どこか行くのかい?』
「えッ!!?」
『…だってこの廊下の先は船しかないだろ?』
そう。この先は船がある倉庫。アルトはロール達と船の整備に注文をつけていた。大将がここにいる理由は無いに等しい。
黄猿は、ん~~っと指で頬をかく。
『??』
「実はねェ~アルト君。わっしはアルト君を誘いに来たんだよォ~~」
『えっ!?僕を?』
「そうなんだよォ、これ一緒にどうかなって思ってねェ~」
黄猿はポケットから2枚の券を取り出す。 アルトは目を輝かせた。
『それ!!フレイバーの10周年の特別招待券じゃないか!!?』
それはアルト行きつけのケーキ屋“フレイバー”の新作ケーキがいち早く食べられるプラチナチケット。アルトの笑顔を見て、気分が良くなる黄猿。
「今日なんだけど、一緒にどうかなァ?」
『行く、行くよ!!黄猿サンすごいね。これプラチナチケットだよ!!』
アルトは黄猿にわ~いっと抱きつく。黄猿はヨシヨシとアルトの頭を撫でた。
「ちょっと何してるの!!?」
ベリッと音が鳴りそうなくらいアルトを黄猿から剥がす。
そのまま青キジは自分の手に収めた。
『あっ、クザンクン!』
「何すんだい青キジィ~(今、いい感じだったのに)」
「(何がいい感じだ!!)……勝手にうちの部下に餌付けしないでくれるかな」
目には見えないが何か二人の間にバチバチと光が走る。
アルトが顔をあげて青キジを見る。
『クザンクン、どうしたの?』
「(見上げちゃってアルト、かわいいな…)……じゃなくて。
ロール少将との打ち合わせが終わったらすぐ戻る様にって言ったでしょ」
『ああ。そうだった、ごめん』
「まぁ、迎えに来て正解だったからいいけど」
青キジは黄猿を見る。
『そんなに急ぎの仕事だったのかい?』
「違うよ。これに誘おうと思ってたんだ」
ペラッと青キジがアルトに見せたのは、フレイバーの10周年特別招待券。
『え!!クザンクンも持ってるの?』
「行きたがってただろ?………ってクザンクン“も”って何??」
青キジは首を傾げる。アルトは黄猿を指していう。
『黄猿サンも持ってるんだよ!!』
「………は?」
青キジは黄猿を見る。黄猿は余裕タップリの顔を見せる。
『さっき誘われてたんだ』
「なっ…!!」
「そうなんだよォ~。悪いねェ、青キジィ」
「………でも、アルトに先約を入れてたのはおれだから」
「上司の特権振り回しちゃいけないねェ。
わっしはこの券を手に入れるために戦闘丸君にわざわざ頼んだんだよォ」
「いやいや、アンタの方が上司の特権振り回し過ぎだから」
青キジは軽く戦闘丸に同情した。
『……で、後一人誰を誘うの?』
「「えっ!!?」」
びっくりした大将の二人。青キジは手を緩めると、アルトをアゴに手をあてながら思案する。
「あ、あのアルト君……?」
「誰か誘うってどういうことかなァ~……??」
青キジと黄猿が聞く。するとアルトは二人の方を見る。
『だって!チケットは4枚あるんだよ。せっかくだから後一人、誘わないと』
「「えェ―!!?」」
「アルト君、わっしはアルト君と二人で行きたくて……」
「おれだってアルトと久々にデート…いや、出掛けれると思って……」
二人はアルトに言った。
「お前ら!!」
ワァワァと騒ぐ大将二人に怒鳴る人物。そう、赤犬だ。
「こんなところで何を騒いでいるんだ!部下達に示しがつかんだろう」
「赤犬は黙っててよ!!今、この光るおっさんからアルトを守ってるんだ」
「光るおっさんとは心外だねェ~青キジィ。アルト君の上司だからってアルト君を独占するのは頂けないよォ~」
バチバチと火花を散らす、二人。
『こんにちわ、赤犬サン』
「ああ、アルトか。久しぶりだな」
『うん!久しぶり』
「コラ。上司にきちんとした敬語を使わなければならないと言っているだろう」
赤犬は優しく怒る。アルトは素直に謝った。
『ごめん!!でも今は仕事じゃないから許してほしいな』
「……まぁ、いい。だいぶ良くなって来たからな」
『ありがとう、赤犬サン!』
アルトは笑う。赤犬は表情を緩めない様に保った。
「アルト……。前にやった菓子はどうだった?」
『ああ。とてもおいしかったよ。赤犬サンは食べなかったの?』
「……お前にやったので全部だ」
『そうだったの…!!?悪いことした、ごめんなさい』
「……別に構わないぞ」
赤犬はしゅんとしたアルトの頭を撫でる。それを見た青キジと黄猿はぼそぼそと話す。
「何…あの雰囲気………!!?」
「まさかあの赤犬がアルト君に……」
アルトはバッと顔を上げた。
『そうだ。赤犬サン、今暇?』
「……ああ。とりあえず仕事はないが」
『なら一緒に“フレイバー”に行こうよ!』
「「「!!?」」」
大将3人はびっくりする。アルトは赤犬に話す。
『実は今、フレイバーのプラチナチケットが4枚あるんだ!クザンクンと黄猿サンも行くから赤犬サンも一緒に行こう!』
青キジはびっくりしてすかさず間を割る。
「ちょっと待ってアルト!!アルトは赤犬が苦手じゃなかったの!!?」
『え?苦手じゃないよ』
「えェ!!?」
アルトは言う。
『赤犬サンとは最近、たまにだけど一緒にお茶するよ』
「「……!!?(あの赤犬がお菓子食べながらお茶……!?)」」
「……菓子はアルトが食べているぞ」
「「(なぜわかる…!!?)」」
心の声に答えられた青キジと黄猿はびっくりした。
『赤犬サンどうかな……?』
「………」
『ダメ……??』
アルトは赤犬を見上げる。赤犬はいつもの表情を保ちながら、息をつく。内心嬉しくて仕方がない。
「仕事がないから数時間なら構わないぞ」
『やった――!!』
「「………」」
『クザンクン、黄猿サン!!これで揃ったよ!行こう!!』
アルトは元気一杯に言う。アルトのウキウキした様子に青キジも黄猿も何も言えなくなった。
ケーキ屋“フレイバー”店内。
「「「………」」」
いちばん奥のテーブルへ案内され、4人は席を丸いテーブルにアルトから時計回りに青キジ、黄猿、赤犬と座る。
ケーキ屋に大男の大将3人が並ぶと流石に浮いてしまう。周りからチラチラとアルト達のテーブルに視線が刺さるのを大将3人は感じていた。
『おいしい~!!』
しかしアルトはそんなことをまるで気に留めずにケーキを食べる。
一口ケーキを口に入れたアルトは今までにないくらい表情が綻ぶ。普段無表情な分、綻んだ顔は宝石の様にキラキラしている。
「「「(かっ、かわいすぎる…!!)」」」
青キジと黄猿は表情が緩む。赤犬は表情を緩めないように必死だった。
『どうしたの?みんな食べないの??』
「た、食べるよ!」
「わっしも頂くよ~」
「………」
3人が食べ出す。赤犬はケーキを一口食べた後、皿をアルトの前に置いた。
『え…!?』
「おれはこれでいい。残りはやる。お前が食べたのとは別の種類みたいだから、これも食べるといい」
『本当……!?ありがとう!!赤犬サン!!あっ、なら僕のも一口あげる』
アルトは自分のフォークにケーキを一口分のせ赤犬に食べさせる。流石の赤犬も顔が赤くなった。
「赤犬!!抜け駆けじゃないの!」
「このムッツリが!!?」
黄猿と青キジが文句を言う。赤犬は赤い顔を反らす。アルトはそのままフォークでケーキを使おうとした。
「アルト!!フォーク変えようね」
青キジがフォークを取り上げて新しいのを渡す。アルトは首を傾げるながら新しいフォークで食べる。
「アルト君。これも食べなよ~」
「アンタのはアルトのと一緒だよ!!」
青キジが黄猿に怒鳴る。黄猿は悪びれず、ケーキをフォークに乗せアルトに食べさせようとする。赤犬は耳まで赤くなった顔を見せないように必死だった。
『おいし~!!』
アルトはみんなの気も知らず、ケーキをニコニコと食べていた。
fin
ここは海軍の廊下。アルトは部屋に戻るため歩いていた。
「お~アルト君~」
『ああ、黄猿サン』
「こんなとこで合うなんて奇遇だねェ~」
と言いつつ、本当はずっと待っていた。
黄猿は今日、アルトをデートに誘うつもりなのだ。
『そうだね。ところで黄猿サン、どこか行くのかい?』
「えッ!!?」
『…だってこの廊下の先は船しかないだろ?』
そう。この先は船がある倉庫。アルトはロール達と船の整備に注文をつけていた。大将がここにいる理由は無いに等しい。
黄猿は、ん~~っと指で頬をかく。
『??』
「実はねェ~アルト君。わっしはアルト君を誘いに来たんだよォ~~」
『えっ!?僕を?』
「そうなんだよォ、これ一緒にどうかなって思ってねェ~」
黄猿はポケットから2枚の券を取り出す。 アルトは目を輝かせた。
『それ!!フレイバーの10周年の特別招待券じゃないか!!?』
それはアルト行きつけのケーキ屋“フレイバー”の新作ケーキがいち早く食べられるプラチナチケット。アルトの笑顔を見て、気分が良くなる黄猿。
「今日なんだけど、一緒にどうかなァ?」
『行く、行くよ!!黄猿サンすごいね。これプラチナチケットだよ!!』
アルトは黄猿にわ~いっと抱きつく。黄猿はヨシヨシとアルトの頭を撫でた。
「ちょっと何してるの!!?」
ベリッと音が鳴りそうなくらいアルトを黄猿から剥がす。
そのまま青キジは自分の手に収めた。
『あっ、クザンクン!』
「何すんだい青キジィ~(今、いい感じだったのに)」
「(何がいい感じだ!!)……勝手にうちの部下に餌付けしないでくれるかな」
目には見えないが何か二人の間にバチバチと光が走る。
アルトが顔をあげて青キジを見る。
『クザンクン、どうしたの?』
「(見上げちゃってアルト、かわいいな…)……じゃなくて。
ロール少将との打ち合わせが終わったらすぐ戻る様にって言ったでしょ」
『ああ。そうだった、ごめん』
「まぁ、迎えに来て正解だったからいいけど」
青キジは黄猿を見る。
『そんなに急ぎの仕事だったのかい?』
「違うよ。これに誘おうと思ってたんだ」
ペラッと青キジがアルトに見せたのは、フレイバーの10周年特別招待券。
『え!!クザンクンも持ってるの?』
「行きたがってただろ?………ってクザンクン“も”って何??」
青キジは首を傾げる。アルトは黄猿を指していう。
『黄猿サンも持ってるんだよ!!』
「………は?」
青キジは黄猿を見る。黄猿は余裕タップリの顔を見せる。
『さっき誘われてたんだ』
「なっ…!!」
「そうなんだよォ~。悪いねェ、青キジィ」
「………でも、アルトに先約を入れてたのはおれだから」
「上司の特権振り回しちゃいけないねェ。
わっしはこの券を手に入れるために戦闘丸君にわざわざ頼んだんだよォ」
「いやいや、アンタの方が上司の特権振り回し過ぎだから」
青キジは軽く戦闘丸に同情した。
『……で、後一人誰を誘うの?』
「「えっ!!?」」
びっくりした大将の二人。青キジは手を緩めると、アルトをアゴに手をあてながら思案する。
「あ、あのアルト君……?」
「誰か誘うってどういうことかなァ~……??」
青キジと黄猿が聞く。するとアルトは二人の方を見る。
『だって!チケットは4枚あるんだよ。せっかくだから後一人、誘わないと』
「「えェ―!!?」」
「アルト君、わっしはアルト君と二人で行きたくて……」
「おれだってアルトと久々にデート…いや、出掛けれると思って……」
二人はアルトに言った。
「お前ら!!」
ワァワァと騒ぐ大将二人に怒鳴る人物。そう、赤犬だ。
「こんなところで何を騒いでいるんだ!部下達に示しがつかんだろう」
「赤犬は黙っててよ!!今、この光るおっさんからアルトを守ってるんだ」
「光るおっさんとは心外だねェ~青キジィ。アルト君の上司だからってアルト君を独占するのは頂けないよォ~」
バチバチと火花を散らす、二人。
『こんにちわ、赤犬サン』
「ああ、アルトか。久しぶりだな」
『うん!久しぶり』
「コラ。上司にきちんとした敬語を使わなければならないと言っているだろう」
赤犬は優しく怒る。アルトは素直に謝った。
『ごめん!!でも今は仕事じゃないから許してほしいな』
「……まぁ、いい。だいぶ良くなって来たからな」
『ありがとう、赤犬サン!』
アルトは笑う。赤犬は表情を緩めない様に保った。
「アルト……。前にやった菓子はどうだった?」
『ああ。とてもおいしかったよ。赤犬サンは食べなかったの?』
「……お前にやったので全部だ」
『そうだったの…!!?悪いことした、ごめんなさい』
「……別に構わないぞ」
赤犬はしゅんとしたアルトの頭を撫でる。それを見た青キジと黄猿はぼそぼそと話す。
「何…あの雰囲気………!!?」
「まさかあの赤犬がアルト君に……」
アルトはバッと顔を上げた。
『そうだ。赤犬サン、今暇?』
「……ああ。とりあえず仕事はないが」
『なら一緒に“フレイバー”に行こうよ!』
「「「!!?」」」
大将3人はびっくりする。アルトは赤犬に話す。
『実は今、フレイバーのプラチナチケットが4枚あるんだ!クザンクンと黄猿サンも行くから赤犬サンも一緒に行こう!』
青キジはびっくりしてすかさず間を割る。
「ちょっと待ってアルト!!アルトは赤犬が苦手じゃなかったの!!?」
『え?苦手じゃないよ』
「えェ!!?」
アルトは言う。
『赤犬サンとは最近、たまにだけど一緒にお茶するよ』
「「……!!?(あの赤犬がお菓子食べながらお茶……!?)」」
「……菓子はアルトが食べているぞ」
「「(なぜわかる…!!?)」」
心の声に答えられた青キジと黄猿はびっくりした。
『赤犬サンどうかな……?』
「………」
『ダメ……??』
アルトは赤犬を見上げる。赤犬はいつもの表情を保ちながら、息をつく。内心嬉しくて仕方がない。
「仕事がないから数時間なら構わないぞ」
『やった――!!』
「「………」」
『クザンクン、黄猿サン!!これで揃ったよ!行こう!!』
アルトは元気一杯に言う。アルトのウキウキした様子に青キジも黄猿も何も言えなくなった。
ケーキ屋“フレイバー”店内。
「「「………」」」
いちばん奥のテーブルへ案内され、4人は席を丸いテーブルにアルトから時計回りに青キジ、黄猿、赤犬と座る。
ケーキ屋に大男の大将3人が並ぶと流石に浮いてしまう。周りからチラチラとアルト達のテーブルに視線が刺さるのを大将3人は感じていた。
『おいしい~!!』
しかしアルトはそんなことをまるで気に留めずにケーキを食べる。
一口ケーキを口に入れたアルトは今までにないくらい表情が綻ぶ。普段無表情な分、綻んだ顔は宝石の様にキラキラしている。
「「「(かっ、かわいすぎる…!!)」」」
青キジと黄猿は表情が緩む。赤犬は表情を緩めないように必死だった。
『どうしたの?みんな食べないの??』
「た、食べるよ!」
「わっしも頂くよ~」
「………」
3人が食べ出す。赤犬はケーキを一口食べた後、皿をアルトの前に置いた。
『え…!?』
「おれはこれでいい。残りはやる。お前が食べたのとは別の種類みたいだから、これも食べるといい」
『本当……!?ありがとう!!赤犬サン!!あっ、なら僕のも一口あげる』
アルトは自分のフォークにケーキを一口分のせ赤犬に食べさせる。流石の赤犬も顔が赤くなった。
「赤犬!!抜け駆けじゃないの!」
「このムッツリが!!?」
黄猿と青キジが文句を言う。赤犬は赤い顔を反らす。アルトはそのままフォークでケーキを使おうとした。
「アルト!!フォーク変えようね」
青キジがフォークを取り上げて新しいのを渡す。アルトは首を傾げるながら新しいフォークで食べる。
「アルト君。これも食べなよ~」
「アンタのはアルトのと一緒だよ!!」
青キジが黄猿に怒鳴る。黄猿は悪びれず、ケーキをフォークに乗せアルトに食べさせようとする。赤犬は耳まで赤くなった顔を見せないように必死だった。
『おいし~!!』
アルトはみんなの気も知らず、ケーキをニコニコと食べていた。
fin