拍手アンケート第二弾
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【闇に光】
『お手をどうぞ、ロビン』
「ありがとう、ジン」
ジンがロビンの手を取り、壊れた遺跡を登る。
「ジンごめんなさい。付き合わせてしまって」
『謝らないで下さい、ロビン。僕は貴女とのデートを楽しんでいるのですから』
「フフ。これはデートと言えるものかしら?」
『もちろん。言えますとも』
ジンは微笑む。今、ジンとロビンは上陸したナツカシ島に残された遺跡を巡っていた。
「すごいわ……ここの遺跡はとても古い……」
『……』
「これも、見たことない模様……」
『………』
ロビンは熱心に遺跡を見る。ジンは遺跡の丘に座り、そんなロビンを微笑ましく見ていた。
ロビンは調査を終え、ジンを見た。
「ジン、つまらなくない?」
『全然。ロビンの顔を見ていれば満足です。調査は終わりましたか?』
「ええ。あなたが付き合ってくれたから早く終わったわ」
『それは良かった』
「フフ。嬉しそうね」
『そんなことありませんよ。ところでロビン、あの上に行きませんか?』
「上?」
ジンの指差す先にロビンは目を向ける。 そこは遺跡の中でも一番高い場所。
「いいけど、とてもじゃないけど登れないわ」
『それはご心配に及びません』
ジンはそう言うと、ロビンを抱えた。お姫様抱っこだ。
「前もこんなことあったわね」
ロビンは抱きかかえられたことに驚きつつも、言う。
『初めてお会いした時ですね』
「ええ。無茶なのはあの時と変わらない」
『……確かに、でも安全な無茶を心掛けますので』
ジンは笑い。タンッタンッと弾む様に飛び、あっという間に頂上に来た。
「まぁ、綺麗ね」
『ええ』
二人が登った頃、陽は傾き始めていた。紅い夕暮れが青空を飲み込み、夜を連れてくる。空がたくさん色を持つこの時間は幻想的だった。
『ちょうど、いい時間でしたね』
ジンはロビンを降ろす。立ったロビンが落ちない様に腰に手を回した。
「世界がこんなにも綺麗だとは思わなかったわ」
『そうですね。でも、ロビンもお綺麗ですよ』
「ジン、相変わらずお世辞が上手いわね」
ロビンはクスクスと笑う。ジンは苦笑した。
『お世辞ではありません。ロビン、貴女の喜ぶ顔が見たかったのです』
「フフ」
『……でも、確かにこの景色は予想以上ですね。見れて良かった』
ジンは空に視線を戻し、呟く。その呟きが少し哀しい色に感じたロビンはジンを見た。
「……ジン?」
ジンはロビンの腰をそっと自分に寄せる。ロビンはジンに寄りかかる形になった。
「どうしたの?」
『怖いんです』
「怖い?」
『紅い夕暮れが闇に変わる瞬間…心が狂気する自分が居るんです』
「……それはいいことだと思うわ」
『?』
ロビンはジンと向き合う。互いの顔を合わせた。ジンは戸惑った顔をしている。そんなジンにロビンは優しく、背中に手を回す。
「私達は闇で生きて来た。でも、人間を捨てた訳じゃない」
『………』
「この景色に心が動くのなら、それが狂気でも素晴らしいことよ。だから、そんな悲しい顔しないで」
『!?ロビン…』
ジンもロビンの背中に手を回す。
ロビンはジンの温もりに目を閉じる。
「もし、自分の狂気が怖いのなら私が側にいるわ。私達は闇で繋がってる…だから離れることはない」
『……ロビンはお強いですね』
「そうね…歳の差かしら」
ロビンとジンは抱きしめ合いながら笑う。ジンはギュとロビンを強く抱きしめる。
『ロビンは温かい』
「……ジンも温かいわ」
『もう少しこのままでいいですか?』
「ええ」
夕暮れが闇に染まり、夜が訪れるその時まで、二人は互いのぬくもりを感じていた。
fin
『お手をどうぞ、ロビン』
「ありがとう、ジン」
ジンがロビンの手を取り、壊れた遺跡を登る。
「ジンごめんなさい。付き合わせてしまって」
『謝らないで下さい、ロビン。僕は貴女とのデートを楽しんでいるのですから』
「フフ。これはデートと言えるものかしら?」
『もちろん。言えますとも』
ジンは微笑む。今、ジンとロビンは上陸したナツカシ島に残された遺跡を巡っていた。
「すごいわ……ここの遺跡はとても古い……」
『……』
「これも、見たことない模様……」
『………』
ロビンは熱心に遺跡を見る。ジンは遺跡の丘に座り、そんなロビンを微笑ましく見ていた。
ロビンは調査を終え、ジンを見た。
「ジン、つまらなくない?」
『全然。ロビンの顔を見ていれば満足です。調査は終わりましたか?』
「ええ。あなたが付き合ってくれたから早く終わったわ」
『それは良かった』
「フフ。嬉しそうね」
『そんなことありませんよ。ところでロビン、あの上に行きませんか?』
「上?」
ジンの指差す先にロビンは目を向ける。 そこは遺跡の中でも一番高い場所。
「いいけど、とてもじゃないけど登れないわ」
『それはご心配に及びません』
ジンはそう言うと、ロビンを抱えた。お姫様抱っこだ。
「前もこんなことあったわね」
ロビンは抱きかかえられたことに驚きつつも、言う。
『初めてお会いした時ですね』
「ええ。無茶なのはあの時と変わらない」
『……確かに、でも安全な無茶を心掛けますので』
ジンは笑い。タンッタンッと弾む様に飛び、あっという間に頂上に来た。
「まぁ、綺麗ね」
『ええ』
二人が登った頃、陽は傾き始めていた。紅い夕暮れが青空を飲み込み、夜を連れてくる。空がたくさん色を持つこの時間は幻想的だった。
『ちょうど、いい時間でしたね』
ジンはロビンを降ろす。立ったロビンが落ちない様に腰に手を回した。
「世界がこんなにも綺麗だとは思わなかったわ」
『そうですね。でも、ロビンもお綺麗ですよ』
「ジン、相変わらずお世辞が上手いわね」
ロビンはクスクスと笑う。ジンは苦笑した。
『お世辞ではありません。ロビン、貴女の喜ぶ顔が見たかったのです』
「フフ」
『……でも、確かにこの景色は予想以上ですね。見れて良かった』
ジンは空に視線を戻し、呟く。その呟きが少し哀しい色に感じたロビンはジンを見た。
「……ジン?」
ジンはロビンの腰をそっと自分に寄せる。ロビンはジンに寄りかかる形になった。
「どうしたの?」
『怖いんです』
「怖い?」
『紅い夕暮れが闇に変わる瞬間…心が狂気する自分が居るんです』
「……それはいいことだと思うわ」
『?』
ロビンはジンと向き合う。互いの顔を合わせた。ジンは戸惑った顔をしている。そんなジンにロビンは優しく、背中に手を回す。
「私達は闇で生きて来た。でも、人間を捨てた訳じゃない」
『………』
「この景色に心が動くのなら、それが狂気でも素晴らしいことよ。だから、そんな悲しい顔しないで」
『!?ロビン…』
ジンもロビンの背中に手を回す。
ロビンはジンの温もりに目を閉じる。
「もし、自分の狂気が怖いのなら私が側にいるわ。私達は闇で繋がってる…だから離れることはない」
『……ロビンはお強いですね』
「そうね…歳の差かしら」
ロビンとジンは抱きしめ合いながら笑う。ジンはギュとロビンを強く抱きしめる。
『ロビンは温かい』
「……ジンも温かいわ」
『もう少しこのままでいいですか?』
「ええ」
夕暮れが闇に染まり、夜が訪れるその時まで、二人は互いのぬくもりを感じていた。
fin