拍手アンケート第一弾
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【火拳と渡り鳥】
『さて、宿に戻りますか』
ジンは手品を終え、今日泊まる宿へ足を進める。
しばらく歩き、後2軒先に宿がある所まで来たジンは地面に倒れている人を発見する。
『………』
ジンはゆっくりと人物に歩みよる。
家のあかりで見えた人物は上半身裸で背中にドクロが見えた。
『このマークは白ひげ…?』
ジンは関わらない方がいいのか少し悩むが、やはり屈んで声をかけることにした。
『あの……このような所で寝ると風邪を引かれますよ』
「………」
『……起きませんか』
ジンは肩に手を置き、ゆする。
『起きてください。道の真ん中で寝るのはオススメしませんよ』
「………」
『困りましたね』
ダダッと走ってくる足音が聞こえジンは振り返る。
「おい!あんた、そいつのツレか??」
『えっ、いえ…』
「何でもいい。とりあえず、金を払ってほしいんだ」
『お金…ですか?』
「そうなんだ!!このニィちゃん食い逃げしやがったんだ」
『……無銭飲食ですか…』
ジンは倒れている男を呆れた目で見る。
「あんたがツレじゃないなら、コイツを海軍につき出すだけだ」
(白ひげのクルーが無銭飲食で海軍とは…あまりいい状況ではありませんね)
ジンは、はぁっとため息をつき。店主に声をかける。
『………おいくらですか?』
ジンは店主に金を払い、帰す。
意外に高額だったことに驚いたが払わぬ訳にはいかず、今日の稼ぎを注ぎ込んでしまった。
『…そして、当の本人は起きないと…今日は厄日でしょうか』
ジンは思案する。そしてため息をひとつつく。
『このままには出来ませんし……とりあえず、宿に連れて行きましょう』
ジンは“ガーブル(文字化け)”を発動し、男を担ぐ。
そして宿の店主の視線を浴びながらジンは部屋へ向かった。ジンは男をベッドに寝かし、風呂に入る。
「…………ん?あれ、おれ寝てたのか」
ベッドに寝てた男、もとい“火拳”のエースはむくっと起きる。
キョロキョロと辺りを見渡し首を傾げる。
金がなく食い逃げした自分が堂々とベッドに寝てるとはどういうことだ。
しかもさっきらシャワーの音がする。
「ん…??食い逃げした後のこと思い出せねぇ」
ガチャっと風呂場のドアが開く。エースは目をそっちにやる。
黒いズボンにワイシャツを軽く羽織り、タオルで髪を拭きながら出で来たジンと目が合った。
「どうも」
『あっ、どうも』
会釈する二人。
「これ、どういう状況?」
ジンはベッドの近くにあるイスに腰かける。
『はい。簡単に説明しますと、まず無銭飲食で逃亡されていた貴方の仲間だと勘違いされた僕が飲食代を払い、尚且起こしても起きて頂けなかったので僕のとった宿にお連れしました』
「……それはいろいろとありがとうございました」
エースは頭を下げる。
『いえ…しかしさすがに“火拳”のエースさんが道端で寝てらっしゃるとは思いもよりませんでした』
「おっ、おれを知ってるのか?あんたは?」
『僕はクロスロード・ジンです。通り名は“渡り鳥”。一応賞金首です』
「へぇ、あんたみたいなべっぴんさんが賞金首か」
『……残念ですが僕は男ですよ』
「ほぅ!!…見えないな。いや見えなくはないか」
ジンはひとり問答するエースを見て笑う。エースも、笑顔になる。
「ジンは海賊なのか」
『ええ、一応ですが…』
「一応?」
『はい。一人海賊として島を回っています』
「一人海賊?」
『ええ。簡単に言うと一匹狼です』
『ところで白ひげ2番隊長の“火拳”のエースさんがなぜお一人でこのような偏狭に?』
「おれは人を探してるんだ!!」
『人を?』
「そう。昔うちのクルーだった。今は仲間殺した裏切り者だ」
エースは眉間にシワを寄せる。
『………白ひげの船では仲間殺しは大罪でしたね』
「そうだ。だからおれが探してる。なぁ、ジンは知らねぇか?“黒ひげ”と名乗ってるんだが」
『………』
ジンは首を横に振る。
ざっと転写を探したがわからなかった。
「そうか…」
『お役に立てず、申し訳ありません』
「いや、いいんだ。構わねぇよ」
『仲間と言うのはやはりどこの海賊でも大切なのですね』
「当たり前だろ。ジンは大切じゃねぇのか!?」
エースが怪訝な表情をする。ジンはそんなことないですよっと言った。
「なぁ、ジン。白ひげに来ないか?」
『突然ですね』
「いや、会ったときから思ってたさ。ジンは優しいからオヤジも迎え入れてくれる」
『僕が優しい…?』
「だってそうだろ?おれを助けてくれたじゃねぇか」
『それは性分と言うやつですよ…』
「そこがいいんだろ。でも、この海でずっと優しくとはいかない。
そんなことしたらジンの方が先にやられちまう。だから、おれと来い!」
『残念ながらご期待には添えません』
「なんでだ!!?オヤジもクルーもみんないい奴らなんだぜ」
ジンは首を横に振る。
『そういう意味で断った訳ではありません。“火拳”のエースさん、貴方の夢はなんですか?』
「おれの夢はオヤジを海賊王にすることだ」
『それならば、尚更僕を仲間にしようなど考えない方がいいですよ』
「……??どういうことだ?」
『僕を仲間にすると白ひげはいつか壊滅します』
「なっ、何言ってんだ!!?そんなことある訳……」
『仮定の話ですが。0ではないのです』
「………」
エースは血の気が引いた。ジンの隠れていない目を見る限り言葉がおよそ嘘には思えなかったからだ。
『誘って頂いたことに感謝はします。嬉しかったです』
「………そっか」
残念だなっと帽子を触るエース。
ギュルルル
『………』
「……ああ、腹へった」
(あれだけ食べてまだ減るのですか…驚異ですね)
ジンはそう思い笑い、テーブルにあったバレッタで髪を止め簡単に服を整える。
『せっかくなのでお食事をしながらもう少しお話しませんか?代金は僕が持ちますよ』
「おぉ、いけるクチか?」
エースは酒を飲むポーズを取る。ジンは笑った。
『ええ、いくらでも。そうだ白ひげさん達のお話を聞かせてください』
END
『さて、宿に戻りますか』
ジンは手品を終え、今日泊まる宿へ足を進める。
しばらく歩き、後2軒先に宿がある所まで来たジンは地面に倒れている人を発見する。
『………』
ジンはゆっくりと人物に歩みよる。
家のあかりで見えた人物は上半身裸で背中にドクロが見えた。
『このマークは白ひげ…?』
ジンは関わらない方がいいのか少し悩むが、やはり屈んで声をかけることにした。
『あの……このような所で寝ると風邪を引かれますよ』
「………」
『……起きませんか』
ジンは肩に手を置き、ゆする。
『起きてください。道の真ん中で寝るのはオススメしませんよ』
「………」
『困りましたね』
ダダッと走ってくる足音が聞こえジンは振り返る。
「おい!あんた、そいつのツレか??」
『えっ、いえ…』
「何でもいい。とりあえず、金を払ってほしいんだ」
『お金…ですか?』
「そうなんだ!!このニィちゃん食い逃げしやがったんだ」
『……無銭飲食ですか…』
ジンは倒れている男を呆れた目で見る。
「あんたがツレじゃないなら、コイツを海軍につき出すだけだ」
(白ひげのクルーが無銭飲食で海軍とは…あまりいい状況ではありませんね)
ジンは、はぁっとため息をつき。店主に声をかける。
『………おいくらですか?』
ジンは店主に金を払い、帰す。
意外に高額だったことに驚いたが払わぬ訳にはいかず、今日の稼ぎを注ぎ込んでしまった。
『…そして、当の本人は起きないと…今日は厄日でしょうか』
ジンは思案する。そしてため息をひとつつく。
『このままには出来ませんし……とりあえず、宿に連れて行きましょう』
ジンは“ガーブル(文字化け)”を発動し、男を担ぐ。
そして宿の店主の視線を浴びながらジンは部屋へ向かった。ジンは男をベッドに寝かし、風呂に入る。
「…………ん?あれ、おれ寝てたのか」
ベッドに寝てた男、もとい“火拳”のエースはむくっと起きる。
キョロキョロと辺りを見渡し首を傾げる。
金がなく食い逃げした自分が堂々とベッドに寝てるとはどういうことだ。
しかもさっきらシャワーの音がする。
「ん…??食い逃げした後のこと思い出せねぇ」
ガチャっと風呂場のドアが開く。エースは目をそっちにやる。
黒いズボンにワイシャツを軽く羽織り、タオルで髪を拭きながら出で来たジンと目が合った。
「どうも」
『あっ、どうも』
会釈する二人。
「これ、どういう状況?」
ジンはベッドの近くにあるイスに腰かける。
『はい。簡単に説明しますと、まず無銭飲食で逃亡されていた貴方の仲間だと勘違いされた僕が飲食代を払い、尚且起こしても起きて頂けなかったので僕のとった宿にお連れしました』
「……それはいろいろとありがとうございました」
エースは頭を下げる。
『いえ…しかしさすがに“火拳”のエースさんが道端で寝てらっしゃるとは思いもよりませんでした』
「おっ、おれを知ってるのか?あんたは?」
『僕はクロスロード・ジンです。通り名は“渡り鳥”。一応賞金首です』
「へぇ、あんたみたいなべっぴんさんが賞金首か」
『……残念ですが僕は男ですよ』
「ほぅ!!…見えないな。いや見えなくはないか」
ジンはひとり問答するエースを見て笑う。エースも、笑顔になる。
「ジンは海賊なのか」
『ええ、一応ですが…』
「一応?」
『はい。一人海賊として島を回っています』
「一人海賊?」
『ええ。簡単に言うと一匹狼です』
『ところで白ひげ2番隊長の“火拳”のエースさんがなぜお一人でこのような偏狭に?』
「おれは人を探してるんだ!!」
『人を?』
「そう。昔うちのクルーだった。今は仲間殺した裏切り者だ」
エースは眉間にシワを寄せる。
『………白ひげの船では仲間殺しは大罪でしたね』
「そうだ。だからおれが探してる。なぁ、ジンは知らねぇか?“黒ひげ”と名乗ってるんだが」
『………』
ジンは首を横に振る。
ざっと転写を探したがわからなかった。
「そうか…」
『お役に立てず、申し訳ありません』
「いや、いいんだ。構わねぇよ」
『仲間と言うのはやはりどこの海賊でも大切なのですね』
「当たり前だろ。ジンは大切じゃねぇのか!?」
エースが怪訝な表情をする。ジンはそんなことないですよっと言った。
「なぁ、ジン。白ひげに来ないか?」
『突然ですね』
「いや、会ったときから思ってたさ。ジンは優しいからオヤジも迎え入れてくれる」
『僕が優しい…?』
「だってそうだろ?おれを助けてくれたじゃねぇか」
『それは性分と言うやつですよ…』
「そこがいいんだろ。でも、この海でずっと優しくとはいかない。
そんなことしたらジンの方が先にやられちまう。だから、おれと来い!」
『残念ながらご期待には添えません』
「なんでだ!!?オヤジもクルーもみんないい奴らなんだぜ」
ジンは首を横に振る。
『そういう意味で断った訳ではありません。“火拳”のエースさん、貴方の夢はなんですか?』
「おれの夢はオヤジを海賊王にすることだ」
『それならば、尚更僕を仲間にしようなど考えない方がいいですよ』
「……??どういうことだ?」
『僕を仲間にすると白ひげはいつか壊滅します』
「なっ、何言ってんだ!!?そんなことある訳……」
『仮定の話ですが。0ではないのです』
「………」
エースは血の気が引いた。ジンの隠れていない目を見る限り言葉がおよそ嘘には思えなかったからだ。
『誘って頂いたことに感謝はします。嬉しかったです』
「………そっか」
残念だなっと帽子を触るエース。
ギュルルル
『………』
「……ああ、腹へった」
(あれだけ食べてまだ減るのですか…驚異ですね)
ジンはそう思い笑い、テーブルにあったバレッタで髪を止め簡単に服を整える。
『せっかくなのでお食事をしながらもう少しお話しませんか?代金は僕が持ちますよ』
「おぉ、いけるクチか?」
エースは酒を飲むポーズを取る。ジンは笑った。
『ええ、いくらでも。そうだ白ひげさん達のお話を聞かせてください』
END