拍手アンケート第一弾
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
【海鳴りと渡り鳥】
日付が変わる1時間前、ジンは酒場で遅い夕食を取っていた。酒場はいつになく賑わっている。
『…………』
『…………』
『…あの……何か…?』
ジンはさっきからひとつ隣のテーブルから熱い視線ぶつけてくる人物に我慢が出来ず、声をかける。
頭にヘッドフォンをつけた、一際派手な格好の人物。見た目から一般人でないのはわかる。
ジンは人物を見ながら転写した手配書を頭の中で探す、それはすぐに見つかった。
「おめぇ“渡り鳥”だろ?」
『貴方は“海鳴り”さんですか…』
「オラッチのこと知ってんのか、さすがだな」
『……どうも』
何がさすがなのかわからず飲み物を口にするジン。
「オイオイなんかノリが悪いじゃねぇか“渡り鳥”さんよぉ」
『この時間にノリを良くというのはどうかと思います』
「カタいなぁ…オラッチは人を怒らせてトンズラこきてぇのに、そんなスマされちゃつまんねェ」
『貴方の心情は僕には関係ないでしょう』
ジンは手を合わせ食事に終わりを告げる。
「そんなこといいながらオラッチとの会話楽しんでるじゃねぇか」
『…………』
「………途端に黙んじゃねぇ」
『はぁ…』
「ため息もつくな!!おめぇはオラッチを怒らせてたいのか!!」
『はぁ……』
文句を言うアプーを尻目にジンは金時計で時間を確認する。
ちょうど日付が変わったところだった。
「……?なんだ?その時計変わってやがんな。喋るのか?」
『……何のことですか?』
「あっ?…気づかねぇのか。そうか普通に聞いたら音だもんな。貸してみな」
そういうとアプーはジンから金時計を奪い取る。
『返してください』
「オラッチに任せろ!」
アプーは金時計に耳を近づける。
「アアン?……ア、リ……ガ…ト…ウ……“ありがとう”って言ってるな」
『えっ?』
「ほら良く聞いてみな」
アプーはジンに金時計を返す。
『…………』
ジンは耳を傾ける。
針の動く規則正しい音。さらに良く聞くと不規則な音が混ざっていることがわかる。
長針が12をさすと不規則な音は消え、規則正しい針の音だけが鳴る。
「おっ、消えたな」
『……“海鳴り”さん。先程聞こえた針の音が…少しズレた音が言葉というのですか?』
「そうだ。オラッチは絶対音感で耳もいい。はっきりと聞こえたぜ」
『……“ありがとう”と言っていたと?』
「そうだ。おもしれぇ時計だ。知らねぇってことは誰かからもらったのか?」
『………はい。頂き物です』
「シャレたプレゼントだ。音楽のセンスがイイ」
『…………』
「しかしなんで12時から1分間だけなんだァ??」
アプーが不思議がる。ジンはこれをもらったときのことを思い出す。
確かあの日もちょうど日付が変わるときに…
―――ジン。これを
―――何ってプレゼントだよ。あなたの誕生日を今日にしたわ。
―――それでね、この時間に渡したかったの。
―――だってこの時間に私と貴方に会ったんのだから。
―――ジン。私と出逢ってくれて“ありがとう”
『“海鳴り”さん』
「アン?」
『ありがとうございます。とてもいいことを教えて頂けました』
ジンはニコッと笑う。アプーは一瞬怯む。
「なっなんだァ、さっきは無表情だったやつが笑うとコェーな」
『素直にお礼を言っているだけですよ』
「ほぉ、ならその時計くれよ!いいやつなんだろ?」
『なぜ、そうなるのですか…?』
「ほしいもんは奪う。海賊なら普通だろ。テメェが仲間になるってなら考えてやらなくもねぇが」
『……?なんの話ですか次は』
「だから、5億の賞金首なら強ェからいいじゃねぇか。仲間として迎えてやるよ」
『どちらも却下です』
「即答すんな!………ん~~なんかテメェといると調子が狂うなァ」
『それはお互い様ですよ』
END
『では、失礼します。またお会い出来たらいいですね』
「おい、そういうことはもうちょっと心を込めて言え!!オラッチが傷つくだろ!!」
END
日付が変わる1時間前、ジンは酒場で遅い夕食を取っていた。酒場はいつになく賑わっている。
『…………』
『…………』
『…あの……何か…?』
ジンはさっきからひとつ隣のテーブルから熱い視線ぶつけてくる人物に我慢が出来ず、声をかける。
頭にヘッドフォンをつけた、一際派手な格好の人物。見た目から一般人でないのはわかる。
ジンは人物を見ながら転写した手配書を頭の中で探す、それはすぐに見つかった。
「おめぇ“渡り鳥”だろ?」
『貴方は“海鳴り”さんですか…』
「オラッチのこと知ってんのか、さすがだな」
『……どうも』
何がさすがなのかわからず飲み物を口にするジン。
「オイオイなんかノリが悪いじゃねぇか“渡り鳥”さんよぉ」
『この時間にノリを良くというのはどうかと思います』
「カタいなぁ…オラッチは人を怒らせてトンズラこきてぇのに、そんなスマされちゃつまんねェ」
『貴方の心情は僕には関係ないでしょう』
ジンは手を合わせ食事に終わりを告げる。
「そんなこといいながらオラッチとの会話楽しんでるじゃねぇか」
『…………』
「………途端に黙んじゃねぇ」
『はぁ…』
「ため息もつくな!!おめぇはオラッチを怒らせてたいのか!!」
『はぁ……』
文句を言うアプーを尻目にジンは金時計で時間を確認する。
ちょうど日付が変わったところだった。
「……?なんだ?その時計変わってやがんな。喋るのか?」
『……何のことですか?』
「あっ?…気づかねぇのか。そうか普通に聞いたら音だもんな。貸してみな」
そういうとアプーはジンから金時計を奪い取る。
『返してください』
「オラッチに任せろ!」
アプーは金時計に耳を近づける。
「アアン?……ア、リ……ガ…ト…ウ……“ありがとう”って言ってるな」
『えっ?』
「ほら良く聞いてみな」
アプーはジンに金時計を返す。
『…………』
ジンは耳を傾ける。
針の動く規則正しい音。さらに良く聞くと不規則な音が混ざっていることがわかる。
長針が12をさすと不規則な音は消え、規則正しい針の音だけが鳴る。
「おっ、消えたな」
『……“海鳴り”さん。先程聞こえた針の音が…少しズレた音が言葉というのですか?』
「そうだ。オラッチは絶対音感で耳もいい。はっきりと聞こえたぜ」
『……“ありがとう”と言っていたと?』
「そうだ。おもしれぇ時計だ。知らねぇってことは誰かからもらったのか?」
『………はい。頂き物です』
「シャレたプレゼントだ。音楽のセンスがイイ」
『…………』
「しかしなんで12時から1分間だけなんだァ??」
アプーが不思議がる。ジンはこれをもらったときのことを思い出す。
確かあの日もちょうど日付が変わるときに…
―――ジン。これを
―――何ってプレゼントだよ。あなたの誕生日を今日にしたわ。
―――それでね、この時間に渡したかったの。
―――だってこの時間に私と貴方に会ったんのだから。
―――ジン。私と出逢ってくれて“ありがとう”
『“海鳴り”さん』
「アン?」
『ありがとうございます。とてもいいことを教えて頂けました』
ジンはニコッと笑う。アプーは一瞬怯む。
「なっなんだァ、さっきは無表情だったやつが笑うとコェーな」
『素直にお礼を言っているだけですよ』
「ほぉ、ならその時計くれよ!いいやつなんだろ?」
『なぜ、そうなるのですか…?』
「ほしいもんは奪う。海賊なら普通だろ。テメェが仲間になるってなら考えてやらなくもねぇが」
『……?なんの話ですか次は』
「だから、5億の賞金首なら強ェからいいじゃねぇか。仲間として迎えてやるよ」
『どちらも却下です』
「即答すんな!………ん~~なんかテメェといると調子が狂うなァ」
『それはお互い様ですよ』
END
『では、失礼します。またお会い出来たらいいですね』
「おい、そういうことはもうちょっと心を込めて言え!!オラッチが傷つくだろ!!」
END