拍手アンケート第一弾
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【海賊女帝と渡り鳥】
「誰じゃわらわの通り道にねこを置いたのは」
バシィィンっと猫を蹴り飛ばしたのは、絶世の美女。
“七武海”の中でも“海賊女帝”と呼ばれるボア・ハンコック。
街に向かうため姉妹達と共に船を降りたところだ。
「申し訳ありません、蛇姫様!!」
「お気をつけなさい」
ハンコックはクルーにそう言うと、歩き出そうとする。そこでハッと気配を感じた。
「誰じゃ!そこにおるのは!!」
ハンコックの声で戦闘体勢に入る九蛇の戦士達。ガサガサと草をかき分け出てきたのは猫を抱えたジンだった。
『猫を蹴るのは感心しませんね…』
「何者だ!!?」
『怪しい者ではありません。クロスロード・ジンと申します。そこで猫を拾ったのでお渡ししようと。
なので構える必要はありませんよ』
「クロスロード・ジンじゃと…?お前はあの“渡り鳥”か」
『ご存知でしたか…失礼ですが貴女は?』
「貴様!蛇姫様になんて口を!!」
「よい、下がれ」
ハンコックの言葉で黙るクルー達。
「わらわはボア・ハンコック」
『!!?……貴女が“海賊女帝”ボア・ハンコック……七武海ですか』
「お前の話は聞いておる」
ハンコックは近づきジンのアゴをあげ顔を見る。
「顔に似合わず、なかなか面白いことをしたではないか」
『…………』
ジンは眉を潜める。ハンコックはジンから手を離す。
「案ずるな、わらわは世界政府が嫌いじゃ。あやつらの命令などどうでもよい」
『………』
「しかしわらわに歯向かう気なら…」
『歯向かう気はありませんよ。僕はただ守るべきモノを無闇に傷つけることはやめた方がよい、とお伝えしたいだけです』
「なんじゃと!!?」
『ボア・ハンコックさん。貴女は力のある方です。だからこそ守るという責務を負う。一国の王ならば尚更です』
「黙れ!!わらわに指図するな!!
もうよい!!気が変わった。貴様を石にしてやろう。
―――くらえ、“メロメロ甘風(メロウ)”!!」
ハンコックは手を合わせハートの形にする。ジンに向けハート型のハンコを放つ。
『!?』
ジンは猫を庇い、ハートのハンコを受ける。 しかし体に変調はなかった。
『……?』
「なっ、なぜ効かぬのじゃ!!?」
「この男は姉様を見ても何も思わないのか!?」
九蛇の戦士たちがどよめく。
『………とりあえず、よくわかりませんが…ボア・ハンコックさん、彼女に謝りましょう』
「はぁ!?」
ジンは猫をハンコックに差し出す。
ハンコックをはじめ、九蛇の戦士達もポカーンとなる。
「……“渡り鳥”。何を勘違いしているかしらぬが、わらわは何をしても許される。
皆が許してくれるのじゃ、なぜならそう…わらわが美しいから」
「「「キャー!!」」」
「蛇姫様―――!!」
「だから“謝る”なんて言葉、わらわにはない」
『……それは違いますよ、ボア・ハンコックさん。貴女を諌めるのは貴女自身です。他人ではありません』
「……!?」
諭すジンの言葉や表情が儚く、綺麗に感じたハンコック。
ジンに釘付けになる。
『心配しないで。ほら頭を撫でてあげてください。仲直りです』
ジンの言葉のままにハンコックはゆっくりと猫に手を伸ばす。
「………」
「ニ゙ャ!!」
『いけません!!』
シャッと猫はハンコックの手を引っ掻こうとする。ジンはそれを庇いジンの手が引っ掛かれた。
ジンが手を離したため猫は飼い主の元に走って行った。
『……っ』
「姉様!?大丈夫!!?」
「あぁ、わらわは大丈夫じゃ……“渡り鳥”なぜ庇った」
不思議そうな顔をするハンコック。
『貴女が傷つくと悲しむ方はたくさんいます。僕にはそんな人はいないので…貴女に怪我がなく本当に良かった』
ジンは心から笑う。その笑顔に九蛇の戦士だけでなく絶世の美女、ハンコックさえも顔を赤くした。
『ご迷惑をおかけしてしまいました。それでは、僕は失礼しますね』
ジンはハンコック達におじぎをして背を向ける。
「………っ」
なんだか胸がズキズキと苦しい…ハンコックは胸を押さえる。
何なんだこの胸の痛みは
なんでこんなに頭が痛い
目の前にいる“渡り鳥”が離れるだけで、はないか。
それだけなのに、“渡り鳥”が一歩一歩、離れるだけでどんどん苦しくなる
わらわはどうしたのだ……
ハンコックはあまりの苦しさに膝をつく。
突然のことに九蛇の戦士はびっくりし悲鳴をあげる。
ジンその声に振り返るとハンコックが苦しそうにしているのが目に入った。
ジン思わずかけ戻る。
『ボア・ハンコックさん!!?』
ハンコックの側で膝をつきハンコックの肩に手を置く。
ハンコックは肩で息をしながら顔を上げる。ジンと目があった瞬間、一気に頬が紅潮した。
この者は他の男とはどこか違う。
中性的な顔であるだけでない。
わらわのことを本気で心配したり
無事を喜んだり
なぜこの男の顔を見るだけでこんなに胸が高鳴る………
『―――ックさん!!?』
もっと……声が聞きたい……
ハンコックは気を失った。
九蛇の船
「………ハァ、ハァ」
「姉様!大丈夫?」
ハンコックは目をあける。ソニアとマリーが心配そうに顔を見る。
「…わらわはどうしたのじゃ……?」
「姉様は倒れたの。ここは九蛇の船」
「………“渡り鳥”は??」
「どうしても、姉様が起きるまで待つと聞かなくて。部屋の外で縄をつけて待たせているわ」
「………連れてくるのじゃ」
「姉様!??」
「早く呼ぶのじゃ。話がしたい」
ソニアとマリーは顔を見合せる。そして外に出てジンを連れて来た。
「“渡り鳥”の縄を外すのじゃ……ハァ…外したらソニア、マリーは表へ。二人で話したい」
ソニアとマリーはびっくりしたが、ハンコックの指示に従い出ていく。
『…ボア・ハンコックさん。お加減は…?』
「わらわは病などに支配はされぬ」
『そうですか…あの、お近くに行っても?』
「かまわぬ」
ジンはハンコックの枕元まで行く。ハンコックは体を起こそうとしたためジンが支え、座らせた。
『先程より顔色が良いですね』
ジンが笑う。ハンコックはサッと視線を外した。
………いかん、こやつの目を見られぬ……
『…ボア・ハンコックさん?』
「……ハンコック」
『?』
「ハンコックと…呼んで下さいまし…」
『………ハンコックさん?』
「………ハンコックと呼び捨てに…」
『………』
ジンはきょとんとしていたがクスッと笑顔になる。
『わかりました、ハンコック』
あぁ……ハンコックと呼び捨てにしてくれた……
嬉しさで胸が熱くなるわ
ハンコックはキューンとときめく。
『では、僕のことはジンと呼んで頂けますか?』
「……##NAME3##、ジン」
『はい、ありがとうございます、ハンコック。嬉しいです』
「わらわもじゃ…」
なぜ名前を呼ばれるだけでこんなにも嬉しいのだ……
「ジン…おぬしに聞きたいことがある」
『はい、何でしょうか』
「…ジンはわらわを見ても美しいとは思わんのか……?」
『……?』
ジンは驚いた顔をする。
『そんな、貴女はとても美しいですよ』
「……そうか」
ハンコックは目を反らす。
『ハンコック』
ジンはそんなハンコックを見てクスッと笑う。
『貴女はとても“愛らしい”方ですね』
“愛”!?ジンは今、“愛”と!!
ニョン婆に昔聞いたことがある…確か“恋”という感情が実れば“愛”になると……
つまりわらわは“恋”をし、ジンはわらわを……わらわを………
「……これが“恋”……そして両想い…なのか」
ボンッと音がなるくらいに顔が紅くなるハンコック。
ハンコックの目から見たジンはキラキラと輝いていた。
『ハンコック。お食事は食べれますか?』
「ああ。…ジン」
『どうしましたか、ハンコック?』
「その…食べさせてはくれぬか?」
『そういうと思っていましたよ。ほらハンコック、口を開けてください。
それとも“口移し”がよろしいですか?』
ジンはニコニコと笑顔で食事をスプーンに取り、ふーふーと冷ます。
「ジン、わらわをからかうな…。でも、出来れば…口移しで……」
なんてことに、なったりして…
ハンコックは頬を押さえ、キャーっと照れる。
『なにやら楽しそうですね、ハンコック。何か良いことでもありましたか?』
「なっ、何も。気にするでない」
ハンコックの慌てぶりにジンはクスクスと笑った。
ハンコックは笑うジンを見て思う。
「わらわはジンの笑顔、好きじゃ」
『……!』
ハンコックはハッとする。心の中で思ったつもりが口してしまったからだ。
恐る恐るハンコックはジンの顔をみる。
するとジンの頬が紅くなっていた。
ハンコックはジンの思ってもみない顔に胸がときめいた。
「……ジン」
『とても、とても嬉しいです…ありがとうございます』
そう言ってジンはシルクハットを下げて、顔を隠す。
「ジン、顔をもっと見せてほしい」
『………』
ジンはゆっくりとシルクハットを取る。短い時間だったがハンコックはいつも笑うジンの表情に、違う感情があることを知った。今みたいに少し淋しそうに笑う顔もそのひとつ。
ハンコックはジンをもっと見ていたい、もっと知りたいと思うようになっていた。
『ハンコック…』
「……ジン。時間が許すのであれば、もう少し、、側にいておくれ」
ハンコックは誰にも見せたことのないとびきりの笑顔をジンに見せた。
ジンはその笑顔に静かに頷いた。
END
「誰じゃわらわの通り道にねこを置いたのは」
バシィィンっと猫を蹴り飛ばしたのは、絶世の美女。
“七武海”の中でも“海賊女帝”と呼ばれるボア・ハンコック。
街に向かうため姉妹達と共に船を降りたところだ。
「申し訳ありません、蛇姫様!!」
「お気をつけなさい」
ハンコックはクルーにそう言うと、歩き出そうとする。そこでハッと気配を感じた。
「誰じゃ!そこにおるのは!!」
ハンコックの声で戦闘体勢に入る九蛇の戦士達。ガサガサと草をかき分け出てきたのは猫を抱えたジンだった。
『猫を蹴るのは感心しませんね…』
「何者だ!!?」
『怪しい者ではありません。クロスロード・ジンと申します。そこで猫を拾ったのでお渡ししようと。
なので構える必要はありませんよ』
「クロスロード・ジンじゃと…?お前はあの“渡り鳥”か」
『ご存知でしたか…失礼ですが貴女は?』
「貴様!蛇姫様になんて口を!!」
「よい、下がれ」
ハンコックの言葉で黙るクルー達。
「わらわはボア・ハンコック」
『!!?……貴女が“海賊女帝”ボア・ハンコック……七武海ですか』
「お前の話は聞いておる」
ハンコックは近づきジンのアゴをあげ顔を見る。
「顔に似合わず、なかなか面白いことをしたではないか」
『…………』
ジンは眉を潜める。ハンコックはジンから手を離す。
「案ずるな、わらわは世界政府が嫌いじゃ。あやつらの命令などどうでもよい」
『………』
「しかしわらわに歯向かう気なら…」
『歯向かう気はありませんよ。僕はただ守るべきモノを無闇に傷つけることはやめた方がよい、とお伝えしたいだけです』
「なんじゃと!!?」
『ボア・ハンコックさん。貴女は力のある方です。だからこそ守るという責務を負う。一国の王ならば尚更です』
「黙れ!!わらわに指図するな!!
もうよい!!気が変わった。貴様を石にしてやろう。
―――くらえ、“メロメロ甘風(メロウ)”!!」
ハンコックは手を合わせハートの形にする。ジンに向けハート型のハンコを放つ。
『!?』
ジンは猫を庇い、ハートのハンコを受ける。 しかし体に変調はなかった。
『……?』
「なっ、なぜ効かぬのじゃ!!?」
「この男は姉様を見ても何も思わないのか!?」
九蛇の戦士たちがどよめく。
『………とりあえず、よくわかりませんが…ボア・ハンコックさん、彼女に謝りましょう』
「はぁ!?」
ジンは猫をハンコックに差し出す。
ハンコックをはじめ、九蛇の戦士達もポカーンとなる。
「……“渡り鳥”。何を勘違いしているかしらぬが、わらわは何をしても許される。
皆が許してくれるのじゃ、なぜならそう…わらわが美しいから」
「「「キャー!!」」」
「蛇姫様―――!!」
「だから“謝る”なんて言葉、わらわにはない」
『……それは違いますよ、ボア・ハンコックさん。貴女を諌めるのは貴女自身です。他人ではありません』
「……!?」
諭すジンの言葉や表情が儚く、綺麗に感じたハンコック。
ジンに釘付けになる。
『心配しないで。ほら頭を撫でてあげてください。仲直りです』
ジンの言葉のままにハンコックはゆっくりと猫に手を伸ばす。
「………」
「ニ゙ャ!!」
『いけません!!』
シャッと猫はハンコックの手を引っ掻こうとする。ジンはそれを庇いジンの手が引っ掛かれた。
ジンが手を離したため猫は飼い主の元に走って行った。
『……っ』
「姉様!?大丈夫!!?」
「あぁ、わらわは大丈夫じゃ……“渡り鳥”なぜ庇った」
不思議そうな顔をするハンコック。
『貴女が傷つくと悲しむ方はたくさんいます。僕にはそんな人はいないので…貴女に怪我がなく本当に良かった』
ジンは心から笑う。その笑顔に九蛇の戦士だけでなく絶世の美女、ハンコックさえも顔を赤くした。
『ご迷惑をおかけしてしまいました。それでは、僕は失礼しますね』
ジンはハンコック達におじぎをして背を向ける。
「………っ」
なんだか胸がズキズキと苦しい…ハンコックは胸を押さえる。
何なんだこの胸の痛みは
なんでこんなに頭が痛い
目の前にいる“渡り鳥”が離れるだけで、はないか。
それだけなのに、“渡り鳥”が一歩一歩、離れるだけでどんどん苦しくなる
わらわはどうしたのだ……
ハンコックはあまりの苦しさに膝をつく。
突然のことに九蛇の戦士はびっくりし悲鳴をあげる。
ジンその声に振り返るとハンコックが苦しそうにしているのが目に入った。
ジン思わずかけ戻る。
『ボア・ハンコックさん!!?』
ハンコックの側で膝をつきハンコックの肩に手を置く。
ハンコックは肩で息をしながら顔を上げる。ジンと目があった瞬間、一気に頬が紅潮した。
この者は他の男とはどこか違う。
中性的な顔であるだけでない。
わらわのことを本気で心配したり
無事を喜んだり
なぜこの男の顔を見るだけでこんなに胸が高鳴る………
『―――ックさん!!?』
もっと……声が聞きたい……
ハンコックは気を失った。
九蛇の船
「………ハァ、ハァ」
「姉様!大丈夫?」
ハンコックは目をあける。ソニアとマリーが心配そうに顔を見る。
「…わらわはどうしたのじゃ……?」
「姉様は倒れたの。ここは九蛇の船」
「………“渡り鳥”は??」
「どうしても、姉様が起きるまで待つと聞かなくて。部屋の外で縄をつけて待たせているわ」
「………連れてくるのじゃ」
「姉様!??」
「早く呼ぶのじゃ。話がしたい」
ソニアとマリーは顔を見合せる。そして外に出てジンを連れて来た。
「“渡り鳥”の縄を外すのじゃ……ハァ…外したらソニア、マリーは表へ。二人で話したい」
ソニアとマリーはびっくりしたが、ハンコックの指示に従い出ていく。
『…ボア・ハンコックさん。お加減は…?』
「わらわは病などに支配はされぬ」
『そうですか…あの、お近くに行っても?』
「かまわぬ」
ジンはハンコックの枕元まで行く。ハンコックは体を起こそうとしたためジンが支え、座らせた。
『先程より顔色が良いですね』
ジンが笑う。ハンコックはサッと視線を外した。
………いかん、こやつの目を見られぬ……
『…ボア・ハンコックさん?』
「……ハンコック」
『?』
「ハンコックと…呼んで下さいまし…」
『………ハンコックさん?』
「………ハンコックと呼び捨てに…」
『………』
ジンはきょとんとしていたがクスッと笑顔になる。
『わかりました、ハンコック』
あぁ……ハンコックと呼び捨てにしてくれた……
嬉しさで胸が熱くなるわ
ハンコックはキューンとときめく。
『では、僕のことはジンと呼んで頂けますか?』
「……##NAME3##、ジン」
『はい、ありがとうございます、ハンコック。嬉しいです』
「わらわもじゃ…」
なぜ名前を呼ばれるだけでこんなにも嬉しいのだ……
「ジン…おぬしに聞きたいことがある」
『はい、何でしょうか』
「…ジンはわらわを見ても美しいとは思わんのか……?」
『……?』
ジンは驚いた顔をする。
『そんな、貴女はとても美しいですよ』
「……そうか」
ハンコックは目を反らす。
『ハンコック』
ジンはそんなハンコックを見てクスッと笑う。
『貴女はとても“愛らしい”方ですね』
“愛”!?ジンは今、“愛”と!!
ニョン婆に昔聞いたことがある…確か“恋”という感情が実れば“愛”になると……
つまりわらわは“恋”をし、ジンはわらわを……わらわを………
「……これが“恋”……そして両想い…なのか」
ボンッと音がなるくらいに顔が紅くなるハンコック。
ハンコックの目から見たジンはキラキラと輝いていた。
『ハンコック。お食事は食べれますか?』
「ああ。…ジン」
『どうしましたか、ハンコック?』
「その…食べさせてはくれぬか?」
『そういうと思っていましたよ。ほらハンコック、口を開けてください。
それとも“口移し”がよろしいですか?』
ジンはニコニコと笑顔で食事をスプーンに取り、ふーふーと冷ます。
「ジン、わらわをからかうな…。でも、出来れば…口移しで……」
なんてことに、なったりして…
ハンコックは頬を押さえ、キャーっと照れる。
『なにやら楽しそうですね、ハンコック。何か良いことでもありましたか?』
「なっ、何も。気にするでない」
ハンコックの慌てぶりにジンはクスクスと笑った。
ハンコックは笑うジンを見て思う。
「わらわはジンの笑顔、好きじゃ」
『……!』
ハンコックはハッとする。心の中で思ったつもりが口してしまったからだ。
恐る恐るハンコックはジンの顔をみる。
するとジンの頬が紅くなっていた。
ハンコックはジンの思ってもみない顔に胸がときめいた。
「……ジン」
『とても、とても嬉しいです…ありがとうございます』
そう言ってジンはシルクハットを下げて、顔を隠す。
「ジン、顔をもっと見せてほしい」
『………』
ジンはゆっくりとシルクハットを取る。短い時間だったがハンコックはいつも笑うジンの表情に、違う感情があることを知った。今みたいに少し淋しそうに笑う顔もそのひとつ。
ハンコックはジンをもっと見ていたい、もっと知りたいと思うようになっていた。
『ハンコック…』
「……ジン。時間が許すのであれば、もう少し、、側にいておくれ」
ハンコックは誰にも見せたことのないとびきりの笑顔をジンに見せた。
ジンはその笑顔に静かに頷いた。
END