STRONG WORLD 渡り鳥×ゼロ
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こんな風に皆がバラバラになることは、ジンが麦わらの一味と旅を始めてからはじめてだった。
ことのはじまりは今から1週間前、サウザントサニー号に乗る麦わらの一味と
ジンがいつも通りGL(グランドライン)で船をすすめていた“あの日”。
いつもは賑わうメンバー。今回も各々が冒険に備え思い思いの格好をしている。ジンもその興に乗った一人だ。
しかしその楽しい雰囲気は一変し、今はみんながみんな神妙な顔つきで、
芝生が敷かれた甲板でナミを囲むように立っている。
「“東の海(イーストブルー)”がなんだって!!?」
声を上げたのは麦わらの一味の船長、ルフィだ。ナミはそれに答える。
「“襲いかかる脅威! 突如、消えゆく街の謎”……“東の海(イーストブルー)”で次々と街が滅んでいるみたい」
新聞に書かれた奇怪な事件の内容を語るナミ。その事件では一夜にして街が消えてしまうという恐ろしいものだった。
「おれの村(シロップ村)は、だいじょうぶだろうな……?」
ウソップが故郷を心配していた。その表情から大切な人達の顔が過っているのが窺える。
「今のところ、私達に関係ある島は無事みたいだけど……」
ナミはルフィに新聞を渡す。
『……』
「ルフィとゾロとナミと、ウソップは“東の海(イーストブルー)”の出身なんだ」
チョッパーは新入りのブルックとジンに説明する。
「それは、さぞかし心配でしょう」
ブルックは仲間の気持ちを察した。一度死んで、かつての海賊仲間を失った彼だからこそ、
帰れる場所があることの大切さは痛いほど理解できるのだ。
「あれ? サンジもだっけ?」
チョッパーが階段に座るサンジに尋ねた。ジンは首を傾げる。
『? サンジさんは“北の海(ノースブルー)”出身ではないのですか?』
「生まれは“北の海(ノースブルー)”だが、育ちは“東(イースト)”だ……思い出はあそこにしかねェ。
おれが知ってる連中は、そう簡単にはくたばるタマじゃねェが……」
そうは言ったものの、サンジの顔はタバコを吹かしながら、沈んでいるように見えた。
彼ら5人が麦わらの一味として旅立つまで、少年時代を過ごしたのが、“東の海(イーストブルー)”だった。
「なんだこりゃ……隕石……?」
ルフィが持つ新聞にずいっと顔を寄せるウソップ。
その言葉にジンも横から覗きこんだ。
記事の傍らに載っている写真には破壊された街を検分する海兵達。そしてその前に、巨大な物体が写っている。
しかし写真は不鮮明で、それが何であるかはわからない。
新聞に目を向けていると、上空を影が覆う。
それを不振に思った各々は空を仰いだ。
その影は彼らが乗るサウザントサニー号を完全に覆っていた。そしてその巨大な姿に悲鳴が上がる。
「ぎゃああああああっ!!」
「なんだ、ありゃあっ!」
「「「『!!!』」」」
悲鳴を上げたのはチョッパー・ウソップ・ブルック。3人とも巨大な岩の塊を見てパニックに陥っていた。
それもそのはず、今サニー号の頭上に“巨大な島”が浮かんでいたのだ。
「なんで飛んでるんだ、あの島……!」
頭上を通過していく空飛ぶ島を追って、ルフィは船首に走った。
「帆があるわ……」
「“船”か、ありゃあ……?」
ロビンと、舵輪をにぎったフランキーがまぶしそうに見つめる。
いうなればそれは島船だった。そのスケールと圧倒的な質量と、
それが空を飛んでいるという非現実さに、みんなが圧倒されていた。
『どういう仕掛けなのでしょう……?』
「おお、おい。“海賊旗(ドクロ)”だ! 人影も見えるぞ!」
『あの島が“海賊船”?』
ジンの疑問の声よそに、甲板に日差しが戻って来た。
他の仲間達が呆然と島船を見送っていたとき、ふいにナミが警戒の声を上げた。
「この風……まずいわ! もうじきサイクロンが来る!」
「「『!?』」」
今現在、周辺はとても穏やかだ。嵐なんてきそうにない。
しかし、ナミは抜群の航海センスを持つ航海士。彼女の天候を見る目に間違いはない。
つまり、突発的な嵐がまもなく来る。
『ナミさん、進路の変更は?』
「取り舵よ!」
「なら、あいつらにも教えてやろう」
ルフィはサニー号の船首(ビークヘッド)から空に、空中に浮かぶ島船に向かって大きなジェスチャーで手を振った。
―――そっちはサイクロンが来るぞ。早く逃げろ、と。
すると、ややあって島船が速度をゆるめた。
「お~い……んん?」
そして島船からふわふわと落ちてきたものを手にすると、ルフィはきょとんとして、それをナミに投げてよこした。
「これ、“音貝(トーンダイヤル)”じゃねェか……!!」
ウソップは驚きの声を上げる。
それもそのはず。“音貝”は空島で取れる特殊な貝である。
これを持っているということは、上空1万メートル上にある空島、
ルフィ達も行ったことがあるその場所に島船の海賊も行ったことがあるということになる。
「へェ、あいつらも空島に行ったことがあるのか」
「そうみたいだな」
サンジとゾロが珍しく、静かに言葉を交わしていた。2人共島船の海賊に興味を持ったようだ。
接触を図って来た相手に意図を組んで、ナミはサイクロンの襲来と回避方法を“音貝”に声をふきこんだ。
ほどなく音貝は、またふわふわ浮かび上がり、島船に戻って行った。
「さァ、こっちも回避するわよ! 取り舵いっぱい!」
「おおっ!」
フランキーが舵をきる。縦帆に風を受けて、サニー号は転進した。
「フランキー、準備を!」
「アウッ! まかせとけ!」
早くも荒れはじめた海上では、ナミの指示を受けたフランキーは、
彼が船に導入した自慢の秘密装備を起動させた。
ソルジャードックシステム、チャンネル0―――
「コーラエンジン! バトルシップ・サニー号!」
左右の船腹に備えられたパドルがはり出す。
帆はすべて、手際良く仲間たちの手でたたまれた。全速回転をはじめたパドルが嵐の波をも打ち破り、強烈な加速を生じさせた。
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ことのはじまりは今から1週間前、サウザントサニー号に乗る麦わらの一味と
ジンがいつも通りGL(グランドライン)で船をすすめていた“あの日”。
いつもは賑わうメンバー。今回も各々が冒険に備え思い思いの格好をしている。ジンもその興に乗った一人だ。
しかしその楽しい雰囲気は一変し、今はみんながみんな神妙な顔つきで、
芝生が敷かれた甲板でナミを囲むように立っている。
「“東の海(イーストブルー)”がなんだって!!?」
声を上げたのは麦わらの一味の船長、ルフィだ。ナミはそれに答える。
「“襲いかかる脅威! 突如、消えゆく街の謎”……“東の海(イーストブルー)”で次々と街が滅んでいるみたい」
新聞に書かれた奇怪な事件の内容を語るナミ。その事件では一夜にして街が消えてしまうという恐ろしいものだった。
「おれの村(シロップ村)は、だいじょうぶだろうな……?」
ウソップが故郷を心配していた。その表情から大切な人達の顔が過っているのが窺える。
「今のところ、私達に関係ある島は無事みたいだけど……」
ナミはルフィに新聞を渡す。
『……』
「ルフィとゾロとナミと、ウソップは“東の海(イーストブルー)”の出身なんだ」
チョッパーは新入りのブルックとジンに説明する。
「それは、さぞかし心配でしょう」
ブルックは仲間の気持ちを察した。一度死んで、かつての海賊仲間を失った彼だからこそ、
帰れる場所があることの大切さは痛いほど理解できるのだ。
「あれ? サンジもだっけ?」
チョッパーが階段に座るサンジに尋ねた。ジンは首を傾げる。
『? サンジさんは“北の海(ノースブルー)”出身ではないのですか?』
「生まれは“北の海(ノースブルー)”だが、育ちは“東(イースト)”だ……思い出はあそこにしかねェ。
おれが知ってる連中は、そう簡単にはくたばるタマじゃねェが……」
そうは言ったものの、サンジの顔はタバコを吹かしながら、沈んでいるように見えた。
彼ら5人が麦わらの一味として旅立つまで、少年時代を過ごしたのが、“東の海(イーストブルー)”だった。
「なんだこりゃ……隕石……?」
ルフィが持つ新聞にずいっと顔を寄せるウソップ。
その言葉にジンも横から覗きこんだ。
記事の傍らに載っている写真には破壊された街を検分する海兵達。そしてその前に、巨大な物体が写っている。
しかし写真は不鮮明で、それが何であるかはわからない。
新聞に目を向けていると、上空を影が覆う。
それを不振に思った各々は空を仰いだ。
その影は彼らが乗るサウザントサニー号を完全に覆っていた。そしてその巨大な姿に悲鳴が上がる。
「ぎゃああああああっ!!」
「なんだ、ありゃあっ!」
「「「『!!!』」」」
悲鳴を上げたのはチョッパー・ウソップ・ブルック。3人とも巨大な岩の塊を見てパニックに陥っていた。
それもそのはず、今サニー号の頭上に“巨大な島”が浮かんでいたのだ。
「なんで飛んでるんだ、あの島……!」
頭上を通過していく空飛ぶ島を追って、ルフィは船首に走った。
「帆があるわ……」
「“船”か、ありゃあ……?」
ロビンと、舵輪をにぎったフランキーがまぶしそうに見つめる。
いうなればそれは島船だった。そのスケールと圧倒的な質量と、
それが空を飛んでいるという非現実さに、みんなが圧倒されていた。
『どういう仕掛けなのでしょう……?』
「おお、おい。“海賊旗(ドクロ)”だ! 人影も見えるぞ!」
『あの島が“海賊船”?』
ジンの疑問の声よそに、甲板に日差しが戻って来た。
他の仲間達が呆然と島船を見送っていたとき、ふいにナミが警戒の声を上げた。
「この風……まずいわ! もうじきサイクロンが来る!」
「「『!?』」」
今現在、周辺はとても穏やかだ。嵐なんてきそうにない。
しかし、ナミは抜群の航海センスを持つ航海士。彼女の天候を見る目に間違いはない。
つまり、突発的な嵐がまもなく来る。
『ナミさん、進路の変更は?』
「取り舵よ!」
「なら、あいつらにも教えてやろう」
ルフィはサニー号の船首(ビークヘッド)から空に、空中に浮かぶ島船に向かって大きなジェスチャーで手を振った。
―――そっちはサイクロンが来るぞ。早く逃げろ、と。
すると、ややあって島船が速度をゆるめた。
「お~い……んん?」
そして島船からふわふわと落ちてきたものを手にすると、ルフィはきょとんとして、それをナミに投げてよこした。
「これ、“音貝(トーンダイヤル)”じゃねェか……!!」
ウソップは驚きの声を上げる。
それもそのはず。“音貝”は空島で取れる特殊な貝である。
これを持っているということは、上空1万メートル上にある空島、
ルフィ達も行ったことがあるその場所に島船の海賊も行ったことがあるということになる。
「へェ、あいつらも空島に行ったことがあるのか」
「そうみたいだな」
サンジとゾロが珍しく、静かに言葉を交わしていた。2人共島船の海賊に興味を持ったようだ。
接触を図って来た相手に意図を組んで、ナミはサイクロンの襲来と回避方法を“音貝”に声をふきこんだ。
ほどなく音貝は、またふわふわ浮かび上がり、島船に戻って行った。
「さァ、こっちも回避するわよ! 取り舵いっぱい!」
「おおっ!」
フランキーが舵をきる。縦帆に風を受けて、サニー号は転進した。
「フランキー、準備を!」
「アウッ! まかせとけ!」
早くも荒れはじめた海上では、ナミの指示を受けたフランキーは、
彼が船に導入した自慢の秘密装備を起動させた。
ソルジャードックシステム、チャンネル0―――
「コーラエンジン! バトルシップ・サニー号!」
左右の船腹に備えられたパドルがはり出す。
帆はすべて、手際良く仲間たちの手でたたまれた。全速回転をはじめたパドルが嵐の波をも打ち破り、強烈な加速を生じさせた。
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