【W7編】 ヤガラレース
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
いざこざもなく平和でちょっと退屈な1日がまもなく終わる。
いつも通り仕事に勤しんだガレーラの船大工達は、自分の仕事道具の手入れをしていた。
『カク』
道具の手入れを終え、腰の道具を入れるポーチにしまったカクは名を呼ばれ後ろを振り返る。そこにはルンペンがいた。
「? おお、ルンペンか。どうしたんじゃ?」
『お前らが注文した資材を発注してきた。仕事終わりで悪いが、確認してくれ』
「もう来たのか! 資材部は仕事が早いのォ」
『急ぎだと聞いていたからな』
ルンペンはそう言うとこっちだとカクを先導する。そして到着した資材の山をリストを元に確認作業を始めた。
「おお~い! ルンペン、カク!」
「『?』」
資材を確認する二人にヒラヒラと手を振り、歩み寄ってくるのはパウリーだ。やけに機嫌がいい。
「なんじゃ、パウリー?」
「遊びに行こうぜ!」
『……仕事中だ』
「わーってるって、ルンペン! だから、それ終わったらヤガラレースに行こうぜ!」
「ヤガラレース…!? 懲りん奴じゃな。また借金が増えるぞ!」
「大丈夫だって! 今日のおれはツイてんだ。ルンペンも行くよな?」
『……興味ないな』
「なんだよ!!てめェはいつも無愛想だな! 飲みにも行かねェし。たまには付き合えよ!!」
『……面倒だ』
「……っ」
「…ふむ」
カクは2人のやり取りを見て、仲裁に入った。
「まぁまぁ、二人共落ち着くんじゃ。ルンペン、パウリーの言うことも確かじゃ。たまにはみんなで遊んでみんか?」
「へへん! さすがカク。わかってんじゃねェか」
『……』
ルンペンはパタンと資材リストを閉じる。二人の期待の視線に、ひとつため息をついた。
『……ヤガラだけならいい』
「おっしゃ! じゃあ、行こうぜ!」
ヤガラレース会場
「おし、今日は当ててパァと騒ぐぞ! おばちゃん、6-3で10枚」
「あいよ」
「お前らも買えよ!」
「うむ、そうじゃな。5-2で3枚じゃ」
「おお! 5ね。カクお前、なかなかわかってんじゃねェか!」
「ハハ。そうか……(こりゃ多分当たらんなァ)」
カクはため息をつく。パウリーの予想はアテにならないからだ。
「ルンペン、てめェはどうすんだ?」
『……』
ルンペンは掲示板ではなく、賭け切符販売店の隣にある大きな樹を見上げていた。
「また樹かよ。おい、ルンペン!!」
『……ああ、8-4。1枚でいい』
「8-4!? おいおい、大丈夫かよ。そいつら最近勝ってないぜェ」
『……構わない』
「……。もったいねェな。まぁいいや! よぉし!レースを見に行くぞ!!」
「おう!」
[おおっと今回のヤガラレースは波乱の展開!! 一着はなんと8番!そして二着は4番だ!!!]
「「!!!」」
『……』
パウリーとカクは目を見開く。ギギギと壊れたロボットみたいにパウリーは顔をルンペンに向けた。
「お、おい!ルンペン! お、お前何番だった?」
『?…さっき言ったはずだが』
「確認だよ、確認!!!」
『……8-4だ』
「!! カ、カクくん。8-4の倍率は?」
「倍率も何も……大穴じゃ」
『?』
「「……」」
パウリーとカクはぎこちなさそうに互いに顔を向ける。そして、ニヤッと笑った。
「「やったー―!!!」」
『!』
「やったのォ、ルンペン!!」
『……』
パウリーとカクがバンザーイと騒ぐ。ルンペンはそんな2人を呆れた目でみていた。
「やべェやべェぞ! ルンペン、さっさと交換して来いよ!」
『……はぁ』
ルンペンはパウリーにヤグラ券を差し出す。パウリーは目を丸くした。
「な、なんだ? 換えて来いってか?」
『いや。欲しいならやる。おれには必要ない』
「「!」」
「マジか……お前、これ給料の2倍以上あんだぞ。いや、くれるっつうなら貰ってやるが…」
「いかんぞ、ルンペン!! パウリーにやったらまた借金を作るだけじゃ!!」
『じゃあ、換金をしなければいい…』
「「言い訳ないだろ(じゃろ)!!」」
ルンペンは券を裂こうとするが、パウリーとカクがすごい勢いでそれを阻止した。ルンペンは至極面倒そうに眉を寄せる。
『……なんなんだ?』
「ルンペンは興味なさすぎるぞ!」
「まったくだ。とりあえず、換金に行くぞ。んでルンペンのおごりで飲もうぜ!」
「おう!そりゃいいのォ! ルッチも呼ぶか??」
「いいんじゃねェか。ルルやタイルスタインも呼ぼうぜ! みんなでドンチャン騒ぎだ!」
『……待て、おれはヤガラだけだと…』
「ダメじゃ! 主役が消えては話にならん!!」
「そうだ!ほら行くぞ!! タダ酒飲みに!!」
「おう!」
『……はぁ。これだから、嫌なんだ』
「「なんか言ったか??」」
ルンペンの呟きに暢気な二人が首を傾げる。ルンペンは首を横に振った。
『……何もない』
「そうか、じゃあブルーノ店に出発~~~!!!」
「行くぞルンペン!」
『おっ、おい……!?』
二人に肩を組まれるルンペン。わいわいと騒ぐ二人に諦めたルンペンは黙ってついて行った。
いつも通り仕事に勤しんだガレーラの船大工達は、自分の仕事道具の手入れをしていた。
『カク』
道具の手入れを終え、腰の道具を入れるポーチにしまったカクは名を呼ばれ後ろを振り返る。そこにはルンペンがいた。
「? おお、ルンペンか。どうしたんじゃ?」
『お前らが注文した資材を発注してきた。仕事終わりで悪いが、確認してくれ』
「もう来たのか! 資材部は仕事が早いのォ」
『急ぎだと聞いていたからな』
ルンペンはそう言うとこっちだとカクを先導する。そして到着した資材の山をリストを元に確認作業を始めた。
「おお~い! ルンペン、カク!」
「『?』」
資材を確認する二人にヒラヒラと手を振り、歩み寄ってくるのはパウリーだ。やけに機嫌がいい。
「なんじゃ、パウリー?」
「遊びに行こうぜ!」
『……仕事中だ』
「わーってるって、ルンペン! だから、それ終わったらヤガラレースに行こうぜ!」
「ヤガラレース…!? 懲りん奴じゃな。また借金が増えるぞ!」
「大丈夫だって! 今日のおれはツイてんだ。ルンペンも行くよな?」
『……興味ないな』
「なんだよ!!てめェはいつも無愛想だな! 飲みにも行かねェし。たまには付き合えよ!!」
『……面倒だ』
「……っ」
「…ふむ」
カクは2人のやり取りを見て、仲裁に入った。
「まぁまぁ、二人共落ち着くんじゃ。ルンペン、パウリーの言うことも確かじゃ。たまにはみんなで遊んでみんか?」
「へへん! さすがカク。わかってんじゃねェか」
『……』
ルンペンはパタンと資材リストを閉じる。二人の期待の視線に、ひとつため息をついた。
『……ヤガラだけならいい』
「おっしゃ! じゃあ、行こうぜ!」
ヤガラレース会場
「おし、今日は当ててパァと騒ぐぞ! おばちゃん、6-3で10枚」
「あいよ」
「お前らも買えよ!」
「うむ、そうじゃな。5-2で3枚じゃ」
「おお! 5ね。カクお前、なかなかわかってんじゃねェか!」
「ハハ。そうか……(こりゃ多分当たらんなァ)」
カクはため息をつく。パウリーの予想はアテにならないからだ。
「ルンペン、てめェはどうすんだ?」
『……』
ルンペンは掲示板ではなく、賭け切符販売店の隣にある大きな樹を見上げていた。
「また樹かよ。おい、ルンペン!!」
『……ああ、8-4。1枚でいい』
「8-4!? おいおい、大丈夫かよ。そいつら最近勝ってないぜェ」
『……構わない』
「……。もったいねェな。まぁいいや! よぉし!レースを見に行くぞ!!」
「おう!」
[おおっと今回のヤガラレースは波乱の展開!! 一着はなんと8番!そして二着は4番だ!!!]
「「!!!」」
『……』
パウリーとカクは目を見開く。ギギギと壊れたロボットみたいにパウリーは顔をルンペンに向けた。
「お、おい!ルンペン! お、お前何番だった?」
『?…さっき言ったはずだが』
「確認だよ、確認!!!」
『……8-4だ』
「!! カ、カクくん。8-4の倍率は?」
「倍率も何も……大穴じゃ」
『?』
「「……」」
パウリーとカクはぎこちなさそうに互いに顔を向ける。そして、ニヤッと笑った。
「「やったー―!!!」」
『!』
「やったのォ、ルンペン!!」
『……』
パウリーとカクがバンザーイと騒ぐ。ルンペンはそんな2人を呆れた目でみていた。
「やべェやべェぞ! ルンペン、さっさと交換して来いよ!」
『……はぁ』
ルンペンはパウリーにヤグラ券を差し出す。パウリーは目を丸くした。
「な、なんだ? 換えて来いってか?」
『いや。欲しいならやる。おれには必要ない』
「「!」」
「マジか……お前、これ給料の2倍以上あんだぞ。いや、くれるっつうなら貰ってやるが…」
「いかんぞ、ルンペン!! パウリーにやったらまた借金を作るだけじゃ!!」
『じゃあ、換金をしなければいい…』
「「言い訳ないだろ(じゃろ)!!」」
ルンペンは券を裂こうとするが、パウリーとカクがすごい勢いでそれを阻止した。ルンペンは至極面倒そうに眉を寄せる。
『……なんなんだ?』
「ルンペンは興味なさすぎるぞ!」
「まったくだ。とりあえず、換金に行くぞ。んでルンペンのおごりで飲もうぜ!」
「おう!そりゃいいのォ! ルッチも呼ぶか??」
「いいんじゃねェか。ルルやタイルスタインも呼ぼうぜ! みんなでドンチャン騒ぎだ!」
『……待て、おれはヤガラだけだと…』
「ダメじゃ! 主役が消えては話にならん!!」
「そうだ!ほら行くぞ!! タダ酒飲みに!!」
「おう!」
『……はぁ。これだから、嫌なんだ』
「「なんか言ったか??」」
ルンペンの呟きに暢気な二人が首を傾げる。ルンペンは首を横に振った。
『……何もない』
「そうか、じゃあブルーノ店に出発~~~!!!」
「行くぞルンペン!」
『おっ、おい……!?』
二人に肩を組まれるルンペン。わいわいと騒ぐ二人に諦めたルンペンは黙ってついて行った。
1/1ページ