【W7編】 資材長の一日
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―――とある日の朝
「「「おはようございます!」」」
『……ああ』
ルンペンが資材部のドアを開く。中で待機している資材部の社員達が元気よく挨拶した。
「ルンペンさん!」
『……今日の到着時間は?』
「はい! 時間はいつも通り、7時です」
差しだされたリストを受け取ったルンペンは、サッと目を通す。そしてリストを閉じた。
『今から港に向かう。資材搬入班はついて来い。後のメンバーは昨日までに入った資材を各ドッグに配送。船大工達 の作業開始までには済ませろ』
「「「はい!」」」
港。
「キャー!! ルンペンさんよ!」
「白衣姿がカッコイイ!!」
「綺麗で頭が良くて……!!」
「船大工に負けねェ強さ!!」
「ああ、朝からルンペンさんが見られるなんて幸せ……!」
資材を乗せた船が停まる港ではルンペンを一目見ようと朝早くから人が集まっていた。心なしか女性が多い。
「ルンペンさんの人気は留まることを知らねェな」
「ああ、でも綺麗でカッコイイもんな」
『……仕事中だ。無駄口を叩くな』
「「は、はい! すいません!!!」」
『……』
ルンペンは部下を静かに一蹴する。周りからの黄色い声援はいつも通り流した。
「おはようございます。ルンペン資材長……今日もお日柄もよく……」
『興味はない。資材を見せてもらう』
「は、はいィ…こちらです!!」
「「……」」
ルンペンにビビりながらも資材を持ち込んだ業者達は布を取る。そこには様々な真新しい木が並んでいた。
『……』
ルンペンは静かに資材のチェックに入る。ルンペンの木を見る洞察力はガレーラ内、いや木を扱う業者達でさえ舌を巻く程だ。木に対し一切妥協しないルンペンのチェックは厳しく、資材キャンセルが起こることも少なくない。
業者達はこのチェック時にいつも肝を冷やすのだ。
『……』
……
………
ルンペンはひとつひとつの木を撫でる。表情や声は周りには聞こえていない。周りは緊張で息をのんで見守っていた。程なくしてルンペンのチェックが終わる。
『今回は全部引き取る。支払いの手続きを』
「あ!ありがとうございます!!」
業者は安堵と喜びを深いおじきで表現し、支払いを済ませる。
『残りは?』
「明日お持ちします!」
『わかった』
支払いを終えたルンペンは業者に新たな注文リストを渡す。業者は喜び勇んで帰って行った。
―――昼
「ルンペン」
『……ルッチか』
「資材の追加を頼みたいッポ」
肩にハットリを乗せたルッチが現る。ルンペンは資材を置いてルッチが持って来た設計図に目を通した。
「この部分に使う木なんだ」
『……』
ルンペンは設計図をルッチに返すとフラッと資材置き場に歩いて行く。ルッチは腕を組みルンペンは見ていた。ルンペンは資材置き場のある場所にまっすぐ歩いて行く。その足取りは目的のものがそこにあるのがわかってるかのように迷いがない。
少しして、資材を抱えたルンペンがルッチの下に来た。
『これがその部分の加工に適している』
「クルッポー。助かった」
『構わない』
「さすがだな、ルンペンさん!!」
「あの目利き!!いつ見ても鳥肌が立つぜ」
ルンペンの目利きに資材部の面々は目を輝かせた。
「そうだ、ルンペン」
『?』
「今夜ブルーノの店でパウリーのおごりで飯を食うんだが、来ないか?」
『パウリーのおごり?』
「ああ。珍しく賭けに勝ったらしいッポ」
『……そうか』
ルンペンは背を向ける。机に乗っている細かな資材を片づけ始めた。
『おれはいい……』
「……」
『仕事があるんだ。そう伝えておいてくれ』
「はぁ。わかったッポ」
―――夜
「お疲れ様です」
「お先失礼します」
『ああ……』
先に帰って行く部下を尻目に、作業続けるルンペン。いつの間にか資材部に一人きりになっていた。
コンコンコン
『!』
「ンマールンペン、ちょっといいか?」
開いたドアをノックするのはアイスバーグ。ルンペンは顔を上げた。
『……ええ。なんですか?』
「急ぎで頼みたいもんがある」
アイスバーグからリストが渡される。ルンペンはリストに目を通した。
『これはいつまでに?』
「明日だ」
『……。これなら今、倉庫にある資材で賄えます。明日朝一に1番ドックへ届ける手配をしておきます』
「ンマー。さすがだな。助かる」
『…いえ、仕事ですから』
ルンペンはリストを机に置く。アイスバーグは腕を組んだ。
「相変わらず、謙虚だな」
『……』
「ルンペンが資材長になってから今まで以上に上質な木が揃ってると船大工達の評判がいいのは事実だぞ」
『……ありがとうございます』
「……」
『……』
「疲れてないか?」
『?』
「働き詰めは身体に悪いぞ」
『……。おれは大丈夫です』
「なら一杯どうだ?」
『え……?』
アイスバーグは酒を飲むジャスチャーをする。ルンペンは首を横に振った。
『いや、おれは…』
「そうか。じゃあ紅茶を入れよう」
『?』
「社員を労うのはおれの仕事だからな。借りるぞ」
アイスバーグは資材部にある台所へ向かう。
「カリファほど上手くは入れれんが許せ」
『……。いえ、ありがとうございます』
「これを飲んだら帰るぞ」
カタッと置かれたカップに湯気を立てた紅茶が入っている。アイスバーグはルンペンに席に座るよう言うと、自身も座る。そして自分が淹れた紅茶に口をつけた。
「ンマー。酒のない一日もいいもんだ」
『……そうですね』
ルンペンは静かに答えを返すと、紅茶に口をつける。少し甘めの紅茶にホッと息をついた。
「「「おはようございます!」」」
『……ああ』
ルンペンが資材部のドアを開く。中で待機している資材部の社員達が元気よく挨拶した。
「ルンペンさん!」
『……今日の到着時間は?』
「はい! 時間はいつも通り、7時です」
差しだされたリストを受け取ったルンペンは、サッと目を通す。そしてリストを閉じた。
『今から港に向かう。資材搬入班はついて来い。後のメンバーは昨日までに入った資材を各ドッグに配送。
「「「はい!」」」
港。
「キャー!! ルンペンさんよ!」
「白衣姿がカッコイイ!!」
「綺麗で頭が良くて……!!」
「船大工に負けねェ強さ!!」
「ああ、朝からルンペンさんが見られるなんて幸せ……!」
資材を乗せた船が停まる港ではルンペンを一目見ようと朝早くから人が集まっていた。心なしか女性が多い。
「ルンペンさんの人気は留まることを知らねェな」
「ああ、でも綺麗でカッコイイもんな」
『……仕事中だ。無駄口を叩くな』
「「は、はい! すいません!!!」」
『……』
ルンペンは部下を静かに一蹴する。周りからの黄色い声援はいつも通り流した。
「おはようございます。ルンペン資材長……今日もお日柄もよく……」
『興味はない。資材を見せてもらう』
「は、はいィ…こちらです!!」
「「……」」
ルンペンにビビりながらも資材を持ち込んだ業者達は布を取る。そこには様々な真新しい木が並んでいた。
『……』
ルンペンは静かに資材のチェックに入る。ルンペンの木を見る洞察力はガレーラ内、いや木を扱う業者達でさえ舌を巻く程だ。木に対し一切妥協しないルンペンのチェックは厳しく、資材キャンセルが起こることも少なくない。
業者達はこのチェック時にいつも肝を冷やすのだ。
『……』
……
………
ルンペンはひとつひとつの木を撫でる。表情や声は周りには聞こえていない。周りは緊張で息をのんで見守っていた。程なくしてルンペンのチェックが終わる。
『今回は全部引き取る。支払いの手続きを』
「あ!ありがとうございます!!」
業者は安堵と喜びを深いおじきで表現し、支払いを済ませる。
『残りは?』
「明日お持ちします!」
『わかった』
支払いを終えたルンペンは業者に新たな注文リストを渡す。業者は喜び勇んで帰って行った。
―――昼
「ルンペン」
『……ルッチか』
「資材の追加を頼みたいッポ」
肩にハットリを乗せたルッチが現る。ルンペンは資材を置いてルッチが持って来た設計図に目を通した。
「この部分に使う木なんだ」
『……』
ルンペンは設計図をルッチに返すとフラッと資材置き場に歩いて行く。ルッチは腕を組みルンペンは見ていた。ルンペンは資材置き場のある場所にまっすぐ歩いて行く。その足取りは目的のものがそこにあるのがわかってるかのように迷いがない。
少しして、資材を抱えたルンペンがルッチの下に来た。
『これがその部分の加工に適している』
「クルッポー。助かった」
『構わない』
「さすがだな、ルンペンさん!!」
「あの目利き!!いつ見ても鳥肌が立つぜ」
ルンペンの目利きに資材部の面々は目を輝かせた。
「そうだ、ルンペン」
『?』
「今夜ブルーノの店でパウリーのおごりで飯を食うんだが、来ないか?」
『パウリーのおごり?』
「ああ。珍しく賭けに勝ったらしいッポ」
『……そうか』
ルンペンは背を向ける。机に乗っている細かな資材を片づけ始めた。
『おれはいい……』
「……」
『仕事があるんだ。そう伝えておいてくれ』
「はぁ。わかったッポ」
―――夜
「お疲れ様です」
「お先失礼します」
『ああ……』
先に帰って行く部下を尻目に、作業続けるルンペン。いつの間にか資材部に一人きりになっていた。
コンコンコン
『!』
「ンマールンペン、ちょっといいか?」
開いたドアをノックするのはアイスバーグ。ルンペンは顔を上げた。
『……ええ。なんですか?』
「急ぎで頼みたいもんがある」
アイスバーグからリストが渡される。ルンペンはリストに目を通した。
『これはいつまでに?』
「明日だ」
『……。これなら今、倉庫にある資材で賄えます。明日朝一に1番ドックへ届ける手配をしておきます』
「ンマー。さすがだな。助かる」
『…いえ、仕事ですから』
ルンペンはリストを机に置く。アイスバーグは腕を組んだ。
「相変わらず、謙虚だな」
『……』
「ルンペンが資材長になってから今まで以上に上質な木が揃ってると船大工達の評判がいいのは事実だぞ」
『……ありがとうございます』
「……」
『……』
「疲れてないか?」
『?』
「働き詰めは身体に悪いぞ」
『……。おれは大丈夫です』
「なら一杯どうだ?」
『え……?』
アイスバーグは酒を飲むジャスチャーをする。ルンペンは首を横に振った。
『いや、おれは…』
「そうか。じゃあ紅茶を入れよう」
『?』
「社員を労うのはおれの仕事だからな。借りるぞ」
アイスバーグは資材部にある台所へ向かう。
「カリファほど上手くは入れれんが許せ」
『……。いえ、ありがとうございます』
「これを飲んだら帰るぞ」
カタッと置かれたカップに湯気を立てた紅茶が入っている。アイスバーグはルンペンに席に座るよう言うと、自身も座る。そして自分が淹れた紅茶に口をつけた。
「ンマー。酒のない一日もいいもんだ」
『……そうですね』
ルンペンは静かに答えを返すと、紅茶に口をつける。少し甘めの紅茶にホッと息をついた。