【CP9編】新たな辞令
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ガチャと金属の錠が開く音、そして少し遅れてキィイイ…!!と格子状の扉の嫌な音が響いた。扉の先には石ばかりが積み上げられた壁と1石分の小さな窓、そして簡易のベッド。
そんな殺風景な部屋に黒いスーツに身を包んだ濃い金髪の男が足を踏み入れた。カツカツと石の床を歩く音を反響させる。部屋は狭かったのか。男は3歩目の音を立てたところで目的にたどり着いた。
「元気にしてたか?」
男は事務的に尋ねる。彼は現CP9長官の部下で長い間CP9として闇の正義で活躍していた。今はその座を退き、長官の護衛と新星CP9育成の任に当たっている。
長官の命令は簡単。いずれ長官になる自身の息子につけるCP9を“史上最強”にしろと言うものだ。その命令を受けた彼は手始めに若干13歳でCP9入りしたロブ・ルッチの加入を決めた。その他に訓練所からクマドリ、フクロウ、ブルーノを、またすでに任務に入っているジャブラも新チームに合流させる手配をした。
そして実力としてまだCP9に加入させることは出来ないが、最終的なメンバー予定として伸びしろがあるカクと彼自身の娘、カリファもチームに加えた。娘を入れたのはもちろん贔屓目ではなく、彼女の実力を見込んでの選出だ。
実力・将来性共に有望な彼ら。彼らならば長官の息子、スパンダムが長官になる頃には命令通り最強のメンバーになることは請け合いだ。
そんなこんなで現在彼が選んだのは7人。しかし長官からは“8人”の選出を求められていた。彼は考えに考えた末、8人目として今この“懲罰房”に入っている20歳の青年、ライク・ルンペンを選んだのだった。
「……」
『……』
彼は青年、ルンペンを見る。ルンペンは雪のような白い肌、宝石のように赤い瞳を持つ美しい青年だ。しかしその表情は長く伸びた白い髪で大半が隠され、伺うことは出来ない。
もちろん視界を遮るには理由 がある。ルンペンの持つ“ある素質”せいだ。
その素質は“CP9にとっては最高”で“正義にとっては最悪”と言える。もしルンペンの素質が最悪の方に傾いてしまえば、せっかく組織した新星CP9が一瞬で壊滅してしまう。
彼にとってもある意味賭けのような人選であった。
「手を出しなさい」
彼はそう言うとルンペンの手を引く。そしてその手首につけられた錠にガキを差しこんだ。能力者であるルンペンを大人しくさせるために海楼石で作られた特別な錠、それがガシャンと言う音と共に地面に叩きつけられる。ルンペンは手錠の外れた手をじっと見ていた。
彼はそんなルンペンの頭に手を置く。ルンペンは長い髪の合間から彼を睨み付けた。
「ルンペン、新しい辞令だ」
『……』
「辞令は“新星CP9に加入すること”。一度全ての任務を外れてもらう」
『……新生CP9……?』
「そうだ。これからお前が所属するチームだ。明日、召集がかかる。部屋に戻って備えなさい」
そんな殺風景な部屋に黒いスーツに身を包んだ濃い金髪の男が足を踏み入れた。カツカツと石の床を歩く音を反響させる。部屋は狭かったのか。男は3歩目の音を立てたところで目的にたどり着いた。
「元気にしてたか?」
男は事務的に尋ねる。彼は現CP9長官の部下で長い間CP9として闇の正義で活躍していた。今はその座を退き、長官の護衛と新星CP9育成の任に当たっている。
長官の命令は簡単。いずれ長官になる自身の息子につけるCP9を“史上最強”にしろと言うものだ。その命令を受けた彼は手始めに若干13歳でCP9入りしたロブ・ルッチの加入を決めた。その他に訓練所からクマドリ、フクロウ、ブルーノを、またすでに任務に入っているジャブラも新チームに合流させる手配をした。
そして実力としてまだCP9に加入させることは出来ないが、最終的なメンバー予定として伸びしろがあるカクと彼自身の娘、カリファもチームに加えた。娘を入れたのはもちろん贔屓目ではなく、彼女の実力を見込んでの選出だ。
実力・将来性共に有望な彼ら。彼らならば長官の息子、スパンダムが長官になる頃には命令通り最強のメンバーになることは請け合いだ。
そんなこんなで現在彼が選んだのは7人。しかし長官からは“8人”の選出を求められていた。彼は考えに考えた末、8人目として今この“懲罰房”に入っている20歳の青年、ライク・ルンペンを選んだのだった。
「……」
『……』
彼は青年、ルンペンを見る。ルンペンは雪のような白い肌、宝石のように赤い瞳を持つ美しい青年だ。しかしその表情は長く伸びた白い髪で大半が隠され、伺うことは出来ない。
もちろん視界を遮るには
その素質は“CP9にとっては最高”で“正義にとっては最悪”と言える。もしルンペンの素質が最悪の方に傾いてしまえば、せっかく組織した新星CP9が一瞬で壊滅してしまう。
彼にとってもある意味賭けのような人選であった。
「手を出しなさい」
彼はそう言うとルンペンの手を引く。そしてその手首につけられた錠にガキを差しこんだ。能力者であるルンペンを大人しくさせるために海楼石で作られた特別な錠、それがガシャンと言う音と共に地面に叩きつけられる。ルンペンは手錠の外れた手をじっと見ていた。
彼はそんなルンペンの頭に手を置く。ルンペンは長い髪の合間から彼を睨み付けた。
「ルンペン、新しい辞令だ」
『……』
「辞令は“新星CP9に加入すること”。一度全ての任務を外れてもらう」
『……新生CP9……?』
「そうだ。これからお前が所属するチームだ。明日、召集がかかる。部屋に戻って備えなさい」