知らされる病
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「ガープ中将!! ロジャーの船です!!」
「おおし!しっかり追え!! 逃がすんじゃねェぞ」
「「「はっ!!」」」
海軍本部中将“拳骨”のガープは指をバキバキと鳴らしながら、遠くに見えるロジャーの海賊船を見る。
「こんなとこにいたか…」
ガープはニヤリと笑みを溢した。
【知らされる病】
「海軍だ!!」
見張り台から大きな声が降ってくる。
「誰かわかるか?」
「「「レイリー副船長!!」」」
甲板に現れたレイリーが見張り台を見上げ尋ねる。
「ガープです…!!」
「ガープ!? あのめちゃくちゃな海兵じゃねェか!!?」
バギーが目を見開き、驚きの声をあげる。
「お前ら、一応戦闘準備をしておけ!」
「「おおー!!」」
『レイリー』
レニーはレイリーの隣に現れる。
「レニー、なんだ?」
『あやつはどうした?』
「……。今、寝ている」
『? なぜ叩き起こさぬのだ?』
「……悪いが今、アイツを起こす訳にはいかん」
『なんじゃと……??』
「……」
『レイリー、話が見えぬ。あやつに“何か”あるのか?』
「……今は言えん」
『……』
珍しく歯切れの悪いレイリーにレニーは眉をひそめる。
『フン。ならばあの海軍を退けた後、我があやつ自身に問う。今は目先を片付けるぞ』
「仕掛けるぞ!! 砲弾を」
「はっ」
正義のコートを脱ぎ捨てたガープに海兵は砲弾を渡す。ガープはそれをまるで野球ボールのように持って、思いっきりロジャーの船に投げた。
「“拳・骨 ”…“隕石 ”!!」
グィン!!……ドカァーン!!
ガープが放った砲弾は曲がりつつロジャーの船の出前に落下し爆発する。
「よし、キョリは掴んだ。どんどん持ってこい!!」
「「はっ!!」」
ガープの指示で大量の砲弾が積まれたカートが現れる。ガープはバキバキと指を鳴らした後、砲弾を掴む。そして次々に投げ始めた。
「そりゃそりゃそりゃ……!!」
ドカァン!!ドカァン!!ドカァン!!と大量の砲弾が撃ち込まれ、ロジャーの船は大きく揺れる。
レニーは少なからず、自分の目を疑っていた。
『……あの若僧、素手で大砲を撃っておるのか?』
「そうだ。あいつは“拳骨”のガープ。ロジャーの宿命 だ」
『あれで人間か。ひどく信じ難い』
「ハハッ!! お前に言われるとは、あいつは相当だな。――さて、どうするか」
『……。ならば我が出よう。その代わり好きにさせてもらうがな』
「?」
レニーは【陽】を取り出すと鞘に入れたまま、トントンッと切っ先を甲板で叩く。
『“魔瑞 ”……』
レニーが言うと、巨大な4枚の鏡がロジャーの船を守るように現れる。そこにガープが放った砲弾が鏡に写った。
「なんだァ?」
『“影 ”』
さらにレニーが言葉を重ねる。すると鏡から鏡に写った砲弾と同じ砲弾がキュポンッと現れた。そして鏡の砲弾は本物の砲弾に当たる。
ドカァーン!!
砲弾は空中で相殺される形で破壊された。
「「「!!?」」」
「“鏡”……?? 能力者か」
ガープは怪訝な顔で鏡を見る。そこに黒い影が現れた。
『左様、この鏡は我が能力。主らの砲撃はもう効かぬぞ』
「何か浮いてるぞ!!」
「「“人”!!?」」
鏡の側に漂う黒い影…レニーに海兵達は声を上げる。
フードをかぶっているためレニーの表情は伺えない。ガープはレニーを睨み付け、ギリッと奥歯を噛んだ。
「ロジャーめ、また仲間を増やしやがったな」
レニーは手を前に出した。ガープや海兵は構える。
ガクン!!
「なんだ!?」
ガープは急に力が抜け膝をつく。周りの海兵はバタバタと倒れた。
「お前ら、どうした!?……くそっ、力が抜けた。覇気使いか…?」
『ほう…まだ立てるか』
口を拭うレニーは、ふん!!っと力を入れて立ち上がろうとするガープを見下す。
「お前、何者だ!!?」
『我が名はレニー・レニゲイド。――“吸血鬼”じゃ』
「吸血鬼だァ!? ロジャーの野郎、またえれェのを仲間にしたもんだな。ぐっ……」
ガープは片膝をつく。
『主は我に血を吸われておる。あまり動くと命を無くすぞ』
「……っ。こんな程度でおれは倒せねェぞ!!」
ガープはそう言うとダッと力強く立ち上がり、甲板から飛び出した。
『なっ!?』
ガシャァァァン!!
レニーはガープの攻撃を避ける。ガープはそのまま後ろにあった鏡を殴り、破壊した。
『!』
「へへッ」
ガープはニヤッと笑うとそのまま海に落ちる。
バシャーン!!
『……』
レニーはフードをとり、海に落ちたガープを見下ろす。そして呟いた。
『わが身を惜しまず“鏡”を素手で割るとは…ますます人間とは思えん』
「ぶはァ……!」
海から顔を出したガープはレニーを見上げる。一方ガープはレニーの顔を見て驚いた。
「なんだ、ガキじゃねェか」
『……。主は歳の割りに老けていそうじゃな』
「舐めた口利きやがって!! てめェ、いつからロジャーの船に乗ってる!!?」
『“年長者”への口の利き方がなっとらん若僧に、言う必要はあるまい』
レニーはフンッとガープを見下すと、背を向けた。
『レイリー、終わった。船の速度を上げよ』
「待て!!」
『主の名はガープだったな……。我が鏡を割った功績に免じて名は覚えておいてやろう』
レニーはそう言うと、フッと黒い霧になり鏡を越えて行った。
船はスピードを増し、まもなく軍艦が見えなくなる。船に戻ったレニーはレイリーの下へ行った。
「レニー、よくやった」
『フン……本来ならば一瞬で片がついておったよ』
「……。あいつを生かしたのは、ロジャーの宿敵 だと言ったからか?」
『……。違う、我の腹が満たされたからじゃ。あやつのためではない』
勘違いするな、っと顔を反らすレニーにレイリーはククッと笑う。
『して、レイリー。あやつはどうだ?』
「ああ、夜には起きれるだろうとクロッカスが言っていた」
『そうか。ならば我はそれまで部屋で寝る。ロジャーに伝えておけ』
「ああ、わかった」
そう言うとレニーは船室へ戻って行った。
「おおし!しっかり追え!! 逃がすんじゃねェぞ」
「「「はっ!!」」」
海軍本部中将“拳骨”のガープは指をバキバキと鳴らしながら、遠くに見えるロジャーの海賊船を見る。
「こんなとこにいたか…」
ガープはニヤリと笑みを溢した。
【知らされる病】
「海軍だ!!」
見張り台から大きな声が降ってくる。
「誰かわかるか?」
「「「レイリー副船長!!」」」
甲板に現れたレイリーが見張り台を見上げ尋ねる。
「ガープです…!!」
「ガープ!? あのめちゃくちゃな海兵じゃねェか!!?」
バギーが目を見開き、驚きの声をあげる。
「お前ら、一応戦闘準備をしておけ!」
「「おおー!!」」
『レイリー』
レニーはレイリーの隣に現れる。
「レニー、なんだ?」
『あやつはどうした?』
「……。今、寝ている」
『? なぜ叩き起こさぬのだ?』
「……悪いが今、アイツを起こす訳にはいかん」
『なんじゃと……??』
「……」
『レイリー、話が見えぬ。あやつに“何か”あるのか?』
「……今は言えん」
『……』
珍しく歯切れの悪いレイリーにレニーは眉をひそめる。
『フン。ならばあの海軍を退けた後、我があやつ自身に問う。今は目先を片付けるぞ』
「仕掛けるぞ!! 砲弾を」
「はっ」
正義のコートを脱ぎ捨てたガープに海兵は砲弾を渡す。ガープはそれをまるで野球ボールのように持って、思いっきりロジャーの船に投げた。
「“
グィン!!……ドカァーン!!
ガープが放った砲弾は曲がりつつロジャーの船の出前に落下し爆発する。
「よし、キョリは掴んだ。どんどん持ってこい!!」
「「はっ!!」」
ガープの指示で大量の砲弾が積まれたカートが現れる。ガープはバキバキと指を鳴らした後、砲弾を掴む。そして次々に投げ始めた。
「そりゃそりゃそりゃ……!!」
ドカァン!!ドカァン!!ドカァン!!と大量の砲弾が撃ち込まれ、ロジャーの船は大きく揺れる。
レニーは少なからず、自分の目を疑っていた。
『……あの若僧、素手で大砲を撃っておるのか?』
「そうだ。あいつは“拳骨”のガープ。ロジャーの
『あれで人間か。ひどく信じ難い』
「ハハッ!! お前に言われるとは、あいつは相当だな。――さて、どうするか」
『……。ならば我が出よう。その代わり好きにさせてもらうがな』
「?」
レニーは【陽】を取り出すと鞘に入れたまま、トントンッと切っ先を甲板で叩く。
『“
レニーが言うと、巨大な4枚の鏡がロジャーの船を守るように現れる。そこにガープが放った砲弾が鏡に写った。
「なんだァ?」
『“
さらにレニーが言葉を重ねる。すると鏡から鏡に写った砲弾と同じ砲弾がキュポンッと現れた。そして鏡の砲弾は本物の砲弾に当たる。
ドカァーン!!
砲弾は空中で相殺される形で破壊された。
「「「!!?」」」
「“鏡”……?? 能力者か」
ガープは怪訝な顔で鏡を見る。そこに黒い影が現れた。
『左様、この鏡は我が能力。主らの砲撃はもう効かぬぞ』
「何か浮いてるぞ!!」
「「“人”!!?」」
鏡の側に漂う黒い影…レニーに海兵達は声を上げる。
フードをかぶっているためレニーの表情は伺えない。ガープはレニーを睨み付け、ギリッと奥歯を噛んだ。
「ロジャーめ、また仲間を増やしやがったな」
レニーは手を前に出した。ガープや海兵は構える。
ガクン!!
「なんだ!?」
ガープは急に力が抜け膝をつく。周りの海兵はバタバタと倒れた。
「お前ら、どうした!?……くそっ、力が抜けた。覇気使いか…?」
『ほう…まだ立てるか』
口を拭うレニーは、ふん!!っと力を入れて立ち上がろうとするガープを見下す。
「お前、何者だ!!?」
『我が名はレニー・レニゲイド。――“吸血鬼”じゃ』
「吸血鬼だァ!? ロジャーの野郎、またえれェのを仲間にしたもんだな。ぐっ……」
ガープは片膝をつく。
『主は我に血を吸われておる。あまり動くと命を無くすぞ』
「……っ。こんな程度でおれは倒せねェぞ!!」
ガープはそう言うとダッと力強く立ち上がり、甲板から飛び出した。
『なっ!?』
ガシャァァァン!!
レニーはガープの攻撃を避ける。ガープはそのまま後ろにあった鏡を殴り、破壊した。
『!』
「へへッ」
ガープはニヤッと笑うとそのまま海に落ちる。
バシャーン!!
『……』
レニーはフードをとり、海に落ちたガープを見下ろす。そして呟いた。
『わが身を惜しまず“鏡”を素手で割るとは…ますます人間とは思えん』
「ぶはァ……!」
海から顔を出したガープはレニーを見上げる。一方ガープはレニーの顔を見て驚いた。
「なんだ、ガキじゃねェか」
『……。主は歳の割りに老けていそうじゃな』
「舐めた口利きやがって!! てめェ、いつからロジャーの船に乗ってる!!?」
『“年長者”への口の利き方がなっとらん若僧に、言う必要はあるまい』
レニーはフンッとガープを見下すと、背を向けた。
『レイリー、終わった。船の速度を上げよ』
「待て!!」
『主の名はガープだったな……。我が鏡を割った功績に免じて名は覚えておいてやろう』
レニーはそう言うと、フッと黒い霧になり鏡を越えて行った。
船はスピードを増し、まもなく軍艦が見えなくなる。船に戻ったレニーはレイリーの下へ行った。
「レニー、よくやった」
『フン……本来ならば一瞬で片がついておったよ』
「……。あいつを生かしたのは、ロジャーの
『……。違う、我の腹が満たされたからじゃ。あやつのためではない』
勘違いするな、っと顔を反らすレニーにレイリーはククッと笑う。
『して、レイリー。あやつはどうだ?』
「ああ、夜には起きれるだろうとクロッカスが言っていた」
『そうか。ならば我はそれまで部屋で寝る。ロジャーに伝えておけ』
「ああ、わかった」
そう言うとレニーは船室へ戻って行った。