1000年目の約束
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「おれの財宝かァ?欲しけりゃくれてやる。
―――探せ!!!この世の全てをそこに置いてきた!!!!」
ピシャァァァァァ!!!
世界中が注目する中、雷鳴と共に一つの首が飛んだ。同時に降り出した雨、そして怒号のように響く海賊たちの歓声。
それは世界が新しい時を迎えたことを示すもの。
そう、時代は“今ここで”変わったのだ。
『最期まで騒がしい奴じゃなァ、お主は』
雨が降る中、黒いローブをまとったレニーは処刑台に目を向ける。
その頬を伝う雨、本来ならばレニーの身を焼く水。
しかしこの雨はレニーの肌を焼くことはなかった。
レニーもそれを知ってか、その雨を拭うことのなく、ありのままに頬を歩かせる。
そして雨が頬を伝い落ちると同時にその口元は弧を描いた。ギラッと犬歯が覗く。
『さて、“船長(キャプテン)”。“我ら”の願い今ここで果そうぞ……!!』
【1000年目の約束――新時代のはじまり――】
ロジャーの首が飛ぶ間際に放った一言で湧きあがる海賊達の声。
今にも暴れ出しそうな荒くれ共を前に海兵達は武器を持ち、重々しい空気で上の指示を待っていた。
ヒュン―――――
そんな海兵達の列に一陣の風が吹く。大雨とは違う横から薙ぐような風。
「風?」
「どうした?」
「いや、こんな大雨なのになんだか真横から風が…」
ズパン!!!!!!
「え……」
「「「うわあああああ!!」」」
突然辺り一帯の海兵達が血を吹いた。上がっていた歓声も全て止み、静まりかえる。
「突然“斬られた”!!?」
「何がどうなって!!?」
「おい!処刑台を見ろ!!」
誰かが叫んだ。皆、一斉に処刑台に目を向ける。
嵐が近づくかのごとく荒れる空。そんな空を従えるように処刑台に立つのは左手に“陽”をもつレニーだ。
「「「!!!」」」
「「「レニー・レニゲイド!!」」」
「海賊王のところの吸血鬼だ!!」
「なぜあいつを処刑台にあげた!!」
「センゴク大将!!」
「奴を包囲しろ!!」
センゴクが怒鳴る。海軍内に緊張が走った。
「レニー……何をしに来たんじゃ」
センゴクの隣に控えるガープはレニーの行動に眉をひそめた。
「レニーさん!!!」
「なんであの人がこんな雨の日に…!!?」
ロジャーの死に涙を流していたバギーとシャンクスは驚き、処刑台に釘づけになる。
いつ“消した”のか、処刑台に処刑人の姿はなかった。
『……なかなか良い眺めじゃな、小僧』
レニーは処刑台から自分を見つめる全て視線を見下ろす。
その右手には布にくるんだ何かを持っていた。よく見ると布は赤く染まっている。
「見ろ!!処刑台にあった海賊王の首がない!!」
「なに!!?」
処刑台にあるはずの首、それはどこにもなかった。
「レニー、貴様!!なんのつもりだ!!」
センゴクは怒鳴る。
『クク……』
レニーは笑う。そして布を掲げた。
「まさか!!!」
ガープが叫ぶ。レニーは皆が一心に見つめる布の中身を―――“消し去った”。
「「「!!!!」」」
「な!!!」
「まさか、ロジャーの首を…!!?」
「喰いやがったのか…!!!?」
さすがのセンゴクもガープも目を見張った。レニーは口元を拭うと、聴衆に向けて話を始めた。
『悪いが、奴との“約束の証”故、奴の首は我が貰い受けた!!』
「「「!!!」」」
「(“約束…?”)」
ガープの疑問をよそに、レニーは“陽”を鞘から抜き話を続ける。
『人間の小僧共、よく聞け。今をもって“時代”の一つが終幕し、新たな時代の始まりとなった』
レニーの凛とした声は嵐であるのにかかわらず、広場によく通った。
『これから始める新たな時代に“我ら、ロジャー海賊団”はいらぬ』
「「「???」」」
レニーのもの言いに皆が目を白黒させる。若き日の七武海の面々は静かに状況を見守っている。
『故に、今日を持って我が“ロジャー海賊団”への私念、断ち切ってもらうぞ!!』
「「「!!!!」」」
『“時代”は終わった。いつまでも我らにすがられるのは面倒じゃ』
「何だと!!」
「ロジャー海賊団が何をしてきたか、わかって言ってんのかァ!!」
ヒュン…―――ズパァアアアン!!!
レニーは“陽”を薙いだ。瞬間、広場に一陣の刀傷が走る。
「「「!!!」」」
『喚くな、耳障りじゃ』
「「「……!!!」」」
レニーは息をつくと、話を続ける。
『“そんなこと”百も承知しておる。じゃから“我”がおるのじゃよ』
「「「!!!?」」」
『“ロジャー”の小僧や“ロジャー海賊団”への恨み。今ここで晴らさせてやると言っておるのじゃ』
「「「!!!」」
“陽”を広場に向ける。空気がザワッと震えた。
『我が直々に相手をしてやる。恨みのあるもの、我を倒し名を挙げたいものはその力を存分に示すがよい…!!』
ゴクッと息をのむ音が広場に響く。そして徐々に武器を手に持つ金属の擦れた音が広場に響き渡る。
レニーはその音に犬歯をむき出しニヤッと笑った。
『そうじゃ。言い忘れておったが、“宝”の在処は教えぬよ。“冒険”とは楽しくなくてはならんからのォ』
レニーはそういたずら好きの子どものように目を輝かせると、処刑台から広場へ飛び降りた。
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―――探せ!!!この世の全てをそこに置いてきた!!!!」
ピシャァァァァァ!!!
世界中が注目する中、雷鳴と共に一つの首が飛んだ。同時に降り出した雨、そして怒号のように響く海賊たちの歓声。
それは世界が新しい時を迎えたことを示すもの。
そう、時代は“今ここで”変わったのだ。
『最期まで騒がしい奴じゃなァ、お主は』
雨が降る中、黒いローブをまとったレニーは処刑台に目を向ける。
その頬を伝う雨、本来ならばレニーの身を焼く水。
しかしこの雨はレニーの肌を焼くことはなかった。
レニーもそれを知ってか、その雨を拭うことのなく、ありのままに頬を歩かせる。
そして雨が頬を伝い落ちると同時にその口元は弧を描いた。ギラッと犬歯が覗く。
『さて、“船長(キャプテン)”。“我ら”の願い今ここで果そうぞ……!!』
【1000年目の約束――新時代のはじまり――】
ロジャーの首が飛ぶ間際に放った一言で湧きあがる海賊達の声。
今にも暴れ出しそうな荒くれ共を前に海兵達は武器を持ち、重々しい空気で上の指示を待っていた。
ヒュン―――――
そんな海兵達の列に一陣の風が吹く。大雨とは違う横から薙ぐような風。
「風?」
「どうした?」
「いや、こんな大雨なのになんだか真横から風が…」
ズパン!!!!!!
「え……」
「「「うわあああああ!!」」」
突然辺り一帯の海兵達が血を吹いた。上がっていた歓声も全て止み、静まりかえる。
「突然“斬られた”!!?」
「何がどうなって!!?」
「おい!処刑台を見ろ!!」
誰かが叫んだ。皆、一斉に処刑台に目を向ける。
嵐が近づくかのごとく荒れる空。そんな空を従えるように処刑台に立つのは左手に“陽”をもつレニーだ。
「「「!!!」」」
「「「レニー・レニゲイド!!」」」
「海賊王のところの吸血鬼だ!!」
「なぜあいつを処刑台にあげた!!」
「センゴク大将!!」
「奴を包囲しろ!!」
センゴクが怒鳴る。海軍内に緊張が走った。
「レニー……何をしに来たんじゃ」
センゴクの隣に控えるガープはレニーの行動に眉をひそめた。
「レニーさん!!!」
「なんであの人がこんな雨の日に…!!?」
ロジャーの死に涙を流していたバギーとシャンクスは驚き、処刑台に釘づけになる。
いつ“消した”のか、処刑台に処刑人の姿はなかった。
『……なかなか良い眺めじゃな、小僧』
レニーは処刑台から自分を見つめる全て視線を見下ろす。
その右手には布にくるんだ何かを持っていた。よく見ると布は赤く染まっている。
「見ろ!!処刑台にあった海賊王の首がない!!」
「なに!!?」
処刑台にあるはずの首、それはどこにもなかった。
「レニー、貴様!!なんのつもりだ!!」
センゴクは怒鳴る。
『クク……』
レニーは笑う。そして布を掲げた。
「まさか!!!」
ガープが叫ぶ。レニーは皆が一心に見つめる布の中身を―――“消し去った”。
「「「!!!!」」」
「な!!!」
「まさか、ロジャーの首を…!!?」
「喰いやがったのか…!!!?」
さすがのセンゴクもガープも目を見張った。レニーは口元を拭うと、聴衆に向けて話を始めた。
『悪いが、奴との“約束の証”故、奴の首は我が貰い受けた!!』
「「「!!!」」」
「(“約束…?”)」
ガープの疑問をよそに、レニーは“陽”を鞘から抜き話を続ける。
『人間の小僧共、よく聞け。今をもって“時代”の一つが終幕し、新たな時代の始まりとなった』
レニーの凛とした声は嵐であるのにかかわらず、広場によく通った。
『これから始める新たな時代に“我ら、ロジャー海賊団”はいらぬ』
「「「???」」」
レニーのもの言いに皆が目を白黒させる。若き日の七武海の面々は静かに状況を見守っている。
『故に、今日を持って我が“ロジャー海賊団”への私念、断ち切ってもらうぞ!!』
「「「!!!!」」」
『“時代”は終わった。いつまでも我らにすがられるのは面倒じゃ』
「何だと!!」
「ロジャー海賊団が何をしてきたか、わかって言ってんのかァ!!」
ヒュン…―――ズパァアアアン!!!
レニーは“陽”を薙いだ。瞬間、広場に一陣の刀傷が走る。
「「「!!!」」」
『喚くな、耳障りじゃ』
「「「……!!!」」」
レニーは息をつくと、話を続ける。
『“そんなこと”百も承知しておる。じゃから“我”がおるのじゃよ』
「「「!!!?」」」
『“ロジャー”の小僧や“ロジャー海賊団”への恨み。今ここで晴らさせてやると言っておるのじゃ』
「「「!!!」」
“陽”を広場に向ける。空気がザワッと震えた。
『我が直々に相手をしてやる。恨みのあるもの、我を倒し名を挙げたいものはその力を存分に示すがよい…!!』
ゴクッと息をのむ音が広場に響く。そして徐々に武器を手に持つ金属の擦れた音が広場に響き渡る。
レニーはその音に犬歯をむき出しニヤッと笑った。
『そうじゃ。言い忘れておったが、“宝”の在処は教えぬよ。“冒険”とは楽しくなくてはならんからのォ』
レニーはそういたずら好きの子どものように目を輝かせると、処刑台から広場へ飛び降りた。
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