海賊王の隠し事
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「じゃあ、行って来る」
「はぁい!」
「おう!シャッキーによろしくな」
『ああ』
レイリーとレニーは久々に遠出をすると言って出掛けて行った。行き先はシャボンティ諸島。旧友に会いに行くらしい。
「行ってらっしゃーい!」
見送るルージュは遠のく船に手を振った。
「……行っちゃった」
「なんだ、淋しいのか」
「ううん。帰って来るから平気よ」
「おれァ嬉しいぜ。レニーの目をかいくぐるのは苦労するからなァ」
そう言うとロジャーはルージュを正面からギュッと抱き締める。ルージュもロジャーの背中に手を回した。
「レニーはダメだなんて言わないわ。だから話してもいいと思うんだけど……」
「それじゃ面白くねェだろ?」
「面白く…?」
抱き締める手を緩め、ロジャーは首を傾げるルージュを見下ろす。
「そうだ!おれはアイツを驚かせてやりてェんだ」
「……フフ。ありがとう、ロジャー」
「何てことねェ。人生楽しく生きねェとな!」
ロジャーはニンと笑う。ルージュもニコッと微笑んだ。
「ねェ、ロジャー」
「?」
「いいこと教えてあげようか?」
「?なんだなんだ?」
「フフッ……耳貸してね」
ルージュはロジャーの顔に手を伸ばすと耳打ちをする。ロジャーはルージュの言葉に目を見開いた。
シャボンティ諸島、16番G。シャッキーのバー
「ハハハ。ロジャーの奴、お前が本当に気付いていないと思ってるぞ」
『まったく……我の目はそれ程節穴ではない』
「フフッ……。男ってのは恋をすると周りが見えなくなるから」
レイリーとレニー、そしてカウンターを挟んだ先にシャッキーは酒を酌み交わしていた。
「そういうもんかね」
「そう言うものよ。ねェ、レニー」
『吸血鬼の我に聞くことか?』
「あら、だってルージュちゃんに初めに恋をしたのはレニーでしょ」
『!』
レニーは目を見張る。カウンターに肘をつくシャッキーはタバコに火をつけた。
「……違うの?」
『我ら吸血鬼に“恋”などという感情はない』
「あなたはどうなの?」
『……?』
「吸血鬼という種族の一般的な意見ではなく。あなた自身はどう思っているのかを聞きたいわ」
『我の……』
「ええ。あなた自身のね」
『……』
「どうした、レニー?」
黙り込んだレニーにレイリーが尋ねる。レニーは言った。
『いや…。我はまもなく1000を生きる身になるが、そのようなことを尋ねられたのは初めてじゃ』
「ほう。一度もか?」
『ああ…考えたこともなかった故、すぐに答えられぬ』
「直感でいいんじゃないかしら」
『直感か……』
レニーはグラスをカウンターにおく。グラスの中にある氷がカランと音を立てた。
『我にとってルージュは大切な人間じゃ』
「「……」」
『あの子の存在が、我の生きる意味となる。我の存在の意味となる……』
「“存在の意味”……か」
「ロマンチックね」
『故に我は、あの子の幸せを望む。あの子が…ルージュがロジャーと共にあることを幸せだと言うならば、それで構わぬ』
「レニーのそれは“恋”ではなく“愛”なのね」
『“愛”……。そうなのかも、しれぬな』
「「!」」
レニーのとても穏やかな顔にレイリーとシャッキーは一瞬驚いたが、優しく笑った。
「本当か!!ルージュ!!」
「ええ。昨日、診てもらったの」
「最高だな!お前は…!!」
「キャ…!」
ロジャーはルージュをまた一段とギュッと抱きしめる。
「ロジャー、苦しい…!!」
「おお、すまねェ」
「いいよ。そんなに喜んでもらえたら嬉しい」
ルージュは綺麗な笑顔で、心底嬉しそうに笑った。ロジャーはルージュの頬を撫でる。
「シシシ。レニーにまた隠し事が増えたな」
「まだ隠すの??」
「こんなスゲーことそんなすぐに教えるかよ!」
ニンッと笑うロジャー。ルージュもまたほほ笑んだ。
【海賊王の隠し事】終
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「はぁい!」
「おう!シャッキーによろしくな」
『ああ』
レイリーとレニーは久々に遠出をすると言って出掛けて行った。行き先はシャボンティ諸島。旧友に会いに行くらしい。
「行ってらっしゃーい!」
見送るルージュは遠のく船に手を振った。
「……行っちゃった」
「なんだ、淋しいのか」
「ううん。帰って来るから平気よ」
「おれァ嬉しいぜ。レニーの目をかいくぐるのは苦労するからなァ」
そう言うとロジャーはルージュを正面からギュッと抱き締める。ルージュもロジャーの背中に手を回した。
「レニーはダメだなんて言わないわ。だから話してもいいと思うんだけど……」
「それじゃ面白くねェだろ?」
「面白く…?」
抱き締める手を緩め、ロジャーは首を傾げるルージュを見下ろす。
「そうだ!おれはアイツを驚かせてやりてェんだ」
「……フフ。ありがとう、ロジャー」
「何てことねェ。人生楽しく生きねェとな!」
ロジャーはニンと笑う。ルージュもニコッと微笑んだ。
「ねェ、ロジャー」
「?」
「いいこと教えてあげようか?」
「?なんだなんだ?」
「フフッ……耳貸してね」
ルージュはロジャーの顔に手を伸ばすと耳打ちをする。ロジャーはルージュの言葉に目を見開いた。
シャボンティ諸島、16番G。シャッキーのバー
「ハハハ。ロジャーの奴、お前が本当に気付いていないと思ってるぞ」
『まったく……我の目はそれ程節穴ではない』
「フフッ……。男ってのは恋をすると周りが見えなくなるから」
レイリーとレニー、そしてカウンターを挟んだ先にシャッキーは酒を酌み交わしていた。
「そういうもんかね」
「そう言うものよ。ねェ、レニー」
『吸血鬼の我に聞くことか?』
「あら、だってルージュちゃんに初めに恋をしたのはレニーでしょ」
『!』
レニーは目を見張る。カウンターに肘をつくシャッキーはタバコに火をつけた。
「……違うの?」
『我ら吸血鬼に“恋”などという感情はない』
「あなたはどうなの?」
『……?』
「吸血鬼という種族の一般的な意見ではなく。あなた自身はどう思っているのかを聞きたいわ」
『我の……』
「ええ。あなた自身のね」
『……』
「どうした、レニー?」
黙り込んだレニーにレイリーが尋ねる。レニーは言った。
『いや…。我はまもなく1000を生きる身になるが、そのようなことを尋ねられたのは初めてじゃ』
「ほう。一度もか?」
『ああ…考えたこともなかった故、すぐに答えられぬ』
「直感でいいんじゃないかしら」
『直感か……』
レニーはグラスをカウンターにおく。グラスの中にある氷がカランと音を立てた。
『我にとってルージュは大切な人間じゃ』
「「……」」
『あの子の存在が、我の生きる意味となる。我の存在の意味となる……』
「“存在の意味”……か」
「ロマンチックね」
『故に我は、あの子の幸せを望む。あの子が…ルージュがロジャーと共にあることを幸せだと言うならば、それで構わぬ』
「レニーのそれは“恋”ではなく“愛”なのね」
『“愛”……。そうなのかも、しれぬな』
「「!」」
レニーのとても穏やかな顔にレイリーとシャッキーは一瞬驚いたが、優しく笑った。
「本当か!!ルージュ!!」
「ええ。昨日、診てもらったの」
「最高だな!お前は…!!」
「キャ…!」
ロジャーはルージュをまた一段とギュッと抱きしめる。
「ロジャー、苦しい…!!」
「おお、すまねェ」
「いいよ。そんなに喜んでもらえたら嬉しい」
ルージュは綺麗な笑顔で、心底嬉しそうに笑った。ロジャーはルージュの頬を撫でる。
「シシシ。レニーにまた隠し事が増えたな」
「まだ隠すの??」
「こんなスゲーことそんなすぐに教えるかよ!」
ニンッと笑うロジャー。ルージュもまたほほ笑んだ。
【海賊王の隠し事】終
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