エッド・ウォー海戦 (※0巻話)
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「ロジャー船長ォ~~~~!!! 命が一番だって!!! ここは一つ一時的に金獅子の言う事聞いてさ!!」
たった一隻の海賊船を数十隻の船が囲む。そのたった一隻であるロジャー海賊船の甲板ではバギーが一人ギャーギャーと涙を流しながら訴えた。
「お前、いくら切られても死なねェ体になったんだからいいじゃねェか」
「弱点はいっぱいあんだよ!! バーカ!!」
前方で剣に手を添えるシャンクスが呆れたような声を出す。バギーはあっかんべーっと舌を出しながら悪態をついた。
「そうだクロッカスさん、船長の容体はどうだ!? 戦わねェ方がいいよな! ドクターストップかけてくれ」
バギーは後方に控えるクロッカスに説得を試みる。だが当のクロッカスはたくさんの銛 を背負い、その一つを構えた。そして船の先、シキの艦隊を見据えながら言う。
「生憎だが絶好調だ」
「えぇ!!?」
「諦めろ。長ェ付き合いだが、おれ達がロジャーを止められた事はねェ!!」
悲鳴を上げるバギーの帽子のボンボンを掴み、笑うクルー。バギーは最後の頼みとレイリーへ視線を向ける。
「レイリーさん!!!」
「トムの船、オーロ・ジャクソンを信じろ!!」
「!」
「―――ロジャーにはもう時間がない…!!」
「この話は何十回目だロジャー!! 若ェ頃にゃあ色々あったが水に流そう!!」
海賊艦隊を従え、脅迫を含んだ説得を行うのは“金獅子”のシキ。ロジャー達を見下ろす。
「お前が在り処 を知る“世界を滅ぼす兵器”と!!! おれの兵力!!!
そしておれが長い月日を費やして立てた完璧な計画があれば今すぐにでもこの世界を支配できる!!! おれの右腕になれ、ロジャー!!!!」
「おれは“支配”に興味がねェんだよ、シキ!!! やりてェ様にやらねェと海賊やってる意味がねェだろ?―――どんな圧力をかけて来ようとも」
ロジャーは、ハッキリと言った。
「お前の申し出は断る!!! “金獅子”ィ!!!」
「やめてー!!船長~~~~!! コレ何十隻いると思ってんだよォ!!!」
「どけ」
悲鳴を上げるバギーをレイリーは手でかわす。ロジャーとシキは火花が散りそうな程睨みあっていた。
「つまりその答えは今ここで殺してくれという意味だよな!!!?」
「てめェら全員叩き潰すって意味だよ!!」
ロジャーは剣を振り抜く。瞬間、ロジャー海賊船の大砲が火を噴いた。
ドドーン!!
「……」
シキの横にいた海賊船が大砲により炎上、大破した。それをシキは横目で見る。
「いい度胸だ………てめェら、やっちまえ!!」
「1隻で俺たちに勝てると思うなよ!!」
『“覇土歩須人 ”』
レニーは【陽】を振り下ろす。まるで津波のような巨大な斬撃が真っ直ぐ敵船を破壊する。一気に2隻の船が沈んだ。
「「「“吸血鬼”!!?」」」
『何十隻もあれば勝てると言う神経は好かんな。ロジャー、奴らは良いであろう?』
「おう! ほどほどにな」
『フン…ならば右側はもらい受ける。主らはその他を当たれ』
レニーは霧になって、シキの海賊艦隊へ飛ぶ。
「レニーだ…!!」
ブンッ!!っとレニーは【陽】を薙ぎ、船を半壊させる。そして慌てるシキの傘下の海賊達に左手を向けた。
「ぐはァ……!!」
「うわァァ…」
傘下の海賊達はバタバタと倒れる。レニーはペロリと舌を出した。
『“吸血 ”で殺しはせぬ。感謝するんじゃな。寛容なる我が船長 に』
血を吸いとったレニーは再び【陽】で風を薙ぐ。【陽】から発せられた斬撃が半壊した船のマストを破壊すると身体を霧に変え、船に舞い戻った。
『……む』
船に戻ったレニーは空を見上げて眉を潜める。
脱いでいたフードをかぶると、右舷から襲いかかる残りの敵船を【陽】で薙ぎ払う。それからレニーはロジャーのいる船首へ向かった。
『ロジャー、レイリー』
「なんだ?」
「どうした?」
『我は船内に戻るぞ』
「「!」」
その言葉に二人はピンと来る。
「雨が降るのか??」
『ああ、この感じはサイクロンやもしれぬ』
「サイクロン……なら“嵐”になるな」
『もって後5分…。それまで耐えれば我らが勝つ』
「天候が味方ってか」
「活路は見えたな」
『ああ。我は今から船内に戻り舵を見る。数名舵へ回すが、よいな?』
「おう!! 舵はお前に任せるぜ、レニー」
「後方に何人かいるはずだ、そいつらを使え」
『心得た』
「うわー!! レニーさん助けて!!」
『バギー…』
バギーが半ベソかきながらレニーに飛び付く。レニーはため息をついた。
『バギーよ』
「?」
『泣いてる暇があるなら手伝え』
「えっ!?」
『ゆくぞ』
「ちょ…レニーさんどこ行くんだよー!!?」
レニーはローブを翻し、バギーの帽子を引っ張りながら後方に向かって行った。
海賊大艦隊の大親分として知られる“金獅子のシキ”と――
後の“海賊王”ゴールド・ロジャーが激突――――
世にこれを“エッド・ウォーの海戦”と呼び、絶体絶命と思われたロジャーの船はレニーの言葉通り、荒れ狂った天候に救われ
―――結果
シキの大艦隊の半分を海に沈め、さらにシキに襲いかかった不慮の事故により、からくも痛み分けとなり戦場を突破した――
それから約2年後、ロジャー海賊団はついに不可能と言われた“偉大なる航路 ”制覇を成し遂げ、ゴールド・ロジャーは“海賊王”と呼ばれる様になる。
【エッド・ウォー海戦】終
たった一隻の海賊船を数十隻の船が囲む。そのたった一隻であるロジャー海賊船の甲板ではバギーが一人ギャーギャーと涙を流しながら訴えた。
「お前、いくら切られても死なねェ体になったんだからいいじゃねェか」
「弱点はいっぱいあんだよ!! バーカ!!」
前方で剣に手を添えるシャンクスが呆れたような声を出す。バギーはあっかんべーっと舌を出しながら悪態をついた。
「そうだクロッカスさん、船長の容体はどうだ!? 戦わねェ方がいいよな! ドクターストップかけてくれ」
バギーは後方に控えるクロッカスに説得を試みる。だが当のクロッカスはたくさんの
「生憎だが絶好調だ」
「えぇ!!?」
「諦めろ。長ェ付き合いだが、おれ達がロジャーを止められた事はねェ!!」
悲鳴を上げるバギーの帽子のボンボンを掴み、笑うクルー。バギーは最後の頼みとレイリーへ視線を向ける。
「レイリーさん!!!」
「トムの船、オーロ・ジャクソンを信じろ!!」
「!」
「―――ロジャーにはもう時間がない…!!」
「この話は何十回目だロジャー!! 若ェ頃にゃあ色々あったが水に流そう!!」
海賊艦隊を従え、脅迫を含んだ説得を行うのは“金獅子”のシキ。ロジャー達を見下ろす。
「お前が在り
そしておれが長い月日を費やして立てた完璧な計画があれば今すぐにでもこの世界を支配できる!!! おれの右腕になれ、ロジャー!!!!」
「おれは“支配”に興味がねェんだよ、シキ!!! やりてェ様にやらねェと海賊やってる意味がねェだろ?―――どんな圧力をかけて来ようとも」
ロジャーは、ハッキリと言った。
「お前の申し出は断る!!! “金獅子”ィ!!!」
「やめてー!!船長~~~~!! コレ何十隻いると思ってんだよォ!!!」
「どけ」
悲鳴を上げるバギーをレイリーは手でかわす。ロジャーとシキは火花が散りそうな程睨みあっていた。
「つまりその答えは今ここで殺してくれという意味だよな!!!?」
「てめェら全員叩き潰すって意味だよ!!」
ロジャーは剣を振り抜く。瞬間、ロジャー海賊船の大砲が火を噴いた。
ドドーン!!
「……」
シキの横にいた海賊船が大砲により炎上、大破した。それをシキは横目で見る。
「いい度胸だ………てめェら、やっちまえ!!」
「1隻で俺たちに勝てると思うなよ!!」
『“
レニーは【陽】を振り下ろす。まるで津波のような巨大な斬撃が真っ直ぐ敵船を破壊する。一気に2隻の船が沈んだ。
「「「“吸血鬼”!!?」」」
『何十隻もあれば勝てると言う神経は好かんな。ロジャー、奴らは良いであろう?』
「おう! ほどほどにな」
『フン…ならば右側はもらい受ける。主らはその他を当たれ』
レニーは霧になって、シキの海賊艦隊へ飛ぶ。
「レニーだ…!!」
ブンッ!!っとレニーは【陽】を薙ぎ、船を半壊させる。そして慌てるシキの傘下の海賊達に左手を向けた。
「ぐはァ……!!」
「うわァァ…」
傘下の海賊達はバタバタと倒れる。レニーはペロリと舌を出した。
『“
血を吸いとったレニーは再び【陽】で風を薙ぐ。【陽】から発せられた斬撃が半壊した船のマストを破壊すると身体を霧に変え、船に舞い戻った。
『……む』
船に戻ったレニーは空を見上げて眉を潜める。
脱いでいたフードをかぶると、右舷から襲いかかる残りの敵船を【陽】で薙ぎ払う。それからレニーはロジャーのいる船首へ向かった。
『ロジャー、レイリー』
「なんだ?」
「どうした?」
『我は船内に戻るぞ』
「「!」」
その言葉に二人はピンと来る。
「雨が降るのか??」
『ああ、この感じはサイクロンやもしれぬ』
「サイクロン……なら“嵐”になるな」
『もって後5分…。それまで耐えれば我らが勝つ』
「天候が味方ってか」
「活路は見えたな」
『ああ。我は今から船内に戻り舵を見る。数名舵へ回すが、よいな?』
「おう!! 舵はお前に任せるぜ、レニー」
「後方に何人かいるはずだ、そいつらを使え」
『心得た』
「うわー!! レニーさん助けて!!」
『バギー…』
バギーが半ベソかきながらレニーに飛び付く。レニーはため息をついた。
『バギーよ』
「?」
『泣いてる暇があるなら手伝え』
「えっ!?」
『ゆくぞ』
「ちょ…レニーさんどこ行くんだよー!!?」
レニーはローブを翻し、バギーの帽子を引っ張りながら後方に向かって行った。
海賊大艦隊の大親分として知られる“金獅子のシキ”と――
後の“海賊王”ゴールド・ロジャーが激突――――
世にこれを“エッド・ウォーの海戦”と呼び、絶体絶命と思われたロジャーの船はレニーの言葉通り、荒れ狂った天候に救われ
―――結果
シキの大艦隊の半分を海に沈め、さらにシキに襲いかかった不慮の事故により、からくも痛み分けとなり戦場を突破した――
それから約2年後、ロジャー海賊団はついに不可能と言われた“
【エッド・ウォー海戦】終