吸血鬼を仲間に

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まだ大海賊時代とは呼ばれていなかった時代。

海を出る者は今より多いとは言えなかったが、白ひげや金獅子をはじめ、この時代の海賊は強者ばかりであった。ルーキーから台頭したロジャーもその名を轟かせていた海賊の一人。
ロジャーは双子岬のクロッカスを仲間に入れ、今もなお仲間と共にGLグランドラインの海を駆けていた。









【吸血鬼を仲間に】








「「「きゅ…“吸血鬼”!!?」」」

クルー達の悲鳴にも似た声に海賊船が大きく揺らいだ。ロジャーは嬉しそうな笑みを浮かべ、言う。

「ああ、そうだ! 何でも1000年近く生きてる“吸血鬼”らしいぜ」

「「「……」」」

ロジャーの発言にクルー達は絶句する。この船の見習いであるバギーが近くにいた副船長を捕まえ、訴える様に尋ねた。


「ちょっと、レイリーさん!! 船長本気なんですかァ!!? きゅ、“吸血鬼”を仲間にしようだなんて…!?」

「……。ロジャーがあの手のことで本気じゃなかったことなんて今まであったか?」

「!!」

レイリーはため息混じりに言う。そしてクルー達に決定打を与えた。


「それに船の進路はその“吸血鬼”が今いるらしい島に向かっている」

「え…!!」

「「「えェェェェェェ!!!!」」」

レイリーの発言にまた船が大きく揺らいだ。














ここはGLグランドラインにあるひとつの島。
少し寂れたこのトコナシ村に今、海賊の一団が乗り込んでいた。


「“吸血鬼”はどこだ!!」
「“吸血鬼”を探せ!!」

海賊達は躍起やっきになり、村中を荒しながら探す。村人達は各々の家に必死に逃げ込むが、所々で略奪に遇っていた。

「ぎゃあ!!?」
「「「!!!」」」

海賊の一人から悲鳴が聞こえた。仲間の声に反応した海賊達は一斉に振り向く。しかしそこには仲間の姿はなく、黒いフードを目深に被った背の高い人物が手を前に出した状態で立っていた。
その人物の足元にはさっき悲鳴を上げたであろう海賊の服だけが転がっている。


「な、なんだ…?」

「何が起こったんだ? アイツはどこ行ったんだ?」

「てめェ何者だ…??」

目の前の人物に不信感を感じた海賊達は、口々に言葉にする。黒フードの人物は静かに口を開いた。


『主らか。先程から五月蝿く我を呼ぶ輩は』

ザワッ…!!と海賊達の空気が動く。


「お前が“吸血鬼”レニー・……ぐは!!」

「「「え!!?」」」

言葉を発した海賊がレニーと呼ばれた黒フードの人物に手を向けられた途端、塵となった。皆、目を見張る。


『”美味くもない”小僧共が容易く我が名を呼ぶでない』

「!!」
「消えた…!!?」
「くっ、くそう! 野郎共やっちまぇ~!!!」

「「「おおー!!!」」」

ひしめきあう様にいた海賊達が手に手に武器を取り、黒フードの人物に襲いかかる。黒フードの人物は手を海賊達に向ける。そしてサファイア色のでギラッと睨んだ。



『この村の平穏と我の眠りを妨げた罪は重いぞ、小僧共…!!』
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