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―――――
――――――――
『……』
「中将……?」
『!』
ロールはぼーっとするアルトに声をかける。アルトはロールに顔を向けた。
『…ああ、すまない。考え事をしていた』
「……やはりまだ休まれた方が」
アルトはロールの言葉に首を横に振った。
『いや、今からクザンクンの所に顔を出してくる。キミのことは僕から言っておくから』
「!?青キジさんの所へ行くのですか?」
『うん。どこにいるかわかるかい?』
「だぶん自室だと思いますが…。何か急ぎの仕事があるみたいですよ」
『そうなの?…でもまぁ、大丈夫だろう。そう言う訳だからキミは休んでくれ』
「しかし……」
『ロールクン』
アルトの少し強い口調に、ロールは口をつぐむ。
『今はいつ戦争が始まるかわからないんだ。大事な時にキミに倒れられるのはとても困る』
「……。わかりました。ですが中将、無理はなさらないで下さいね」
『わかってるさ』
ロールの言葉にアルトは深く頷いた。
『それじゃあ、僕は行くよ。医者には言っといて』
「はい。それでは失礼します…!」
青キジの部屋。
ドサドサドサ
また物が大量に落ちる音が部屋に響く、青キジの部屋には大量のホコリが舞った。
「ゴホゴホ…あーあったあった。ここだったか。まったく整理ってもんをしないツケがこんなとこでくるなんてなァ」
青キジは半日かけて部屋の至る所をひっくり返していた。
そしてようやく物置と化した棚から目当ての分厚い封筒を引っ張り出す。その封筒のホコリをパンパンと払った。
「それにしても、これを開ける時がまた来るとは。なんて言うか…」
分厚い封筒を眺める青キジは複雑な気持ちだった。
ホコリを払い、執務机に座ると封筒の紐を外し、中身を取り出す。
封筒の中身は手紙と大量の紙の束。
「あん時はなんのことやらさっぱりだったが……今ならわかるかもな」
青キジはそう呟きながら、大量の紙を手に取り、目を通して始めた。
それから小1時間後。アルトが目覚め、部屋に訪れる。
コンコンコン
「ん?」
『クザンクン、いる?』
「!?……アルトか?」
『うん。今入ってもいいかな?』
「ちょっと待って」
『ああ』
青キジは机に広がった大量の紙とメモを大まかにまとめて引き出しにしまった。
「いいよ」
ガチャ
『悪いね、仕事中に……ってすごくホコリっぽいんだけど』
「ん?ああ、そうだな」
『……そうだな、じゃないよ。換気すればいいのに』
アルトは部屋の奥に進み、窓を開ける。新鮮な空気が部屋に入って来た。
「お!新鮮な空気だ」
『開ければ入るだろ』
「いや、なんか椅子に座ったら動く気なくなちゃってなァ」
『はあ…4日ぶりくらいだけど相変わらずだね、キミは。
――ところで何か探し物してたの?部屋相当散らかってるけど』
奥の部屋の窓も開けて来たアルトは、ホコリを払いながら尋ねる。青キジは平然と答えた。
「まぁな。ところでもういいのか?」
『あ、うん。迷惑かけたね』
「原因は何だったの?」
『ロールクンの話では貧血らしい。でも、もうなんともないから出て来た。ああ、ロールクンには休むように言ったから』
「そうか。まぁ、仕事の無理はほどほどにな」
『……僕、謹慎中だよ。しかも普通は“無理するな”じゃなの?』
「ああ、そうだったな。まぁ、いいじゃない!若いうちは無理するもんだから」
『そうなのかなぁ』
首を傾げるアルト。青キジは机にあったカップに手を伸ばし飲もうとしたが、カップには何も残っていなかった。
「アルト、なんか飲むか?」
『それ自分に言ってないかい?』
「あらら。ばれてたか」
『バレバレだよ。まぁいいけどさ』
アルトはカップを受け取る。そしてコーヒーメーカーでコーヒーを作り始める。
そして自分用にカップを取り、ホットチョコを入れる。
「で、どうしたんだ?」
『?何が』
「話したいことがあるんだろ?」
『えっ…』
アルトはきょとんとする。出来たコーヒーとホットチョコを執務机に置きながら不思議そうに言った。
『よくわかったね』
「顔に書いてあるからな」
『そうなの?』
アルトは自分の頬に触れる。しかし分かるはずなく、首を傾げた。
青キジは苦笑しながらコーヒーを一口飲む。アルトもホットチョコに口を付けた。
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『……』
「中将……?」
『!』
ロールはぼーっとするアルトに声をかける。アルトはロールに顔を向けた。
『…ああ、すまない。考え事をしていた』
「……やはりまだ休まれた方が」
アルトはロールの言葉に首を横に振った。
『いや、今からクザンクンの所に顔を出してくる。キミのことは僕から言っておくから』
「!?青キジさんの所へ行くのですか?」
『うん。どこにいるかわかるかい?』
「だぶん自室だと思いますが…。何か急ぎの仕事があるみたいですよ」
『そうなの?…でもまぁ、大丈夫だろう。そう言う訳だからキミは休んでくれ』
「しかし……」
『ロールクン』
アルトの少し強い口調に、ロールは口をつぐむ。
『今はいつ戦争が始まるかわからないんだ。大事な時にキミに倒れられるのはとても困る』
「……。わかりました。ですが中将、無理はなさらないで下さいね」
『わかってるさ』
ロールの言葉にアルトは深く頷いた。
『それじゃあ、僕は行くよ。医者には言っといて』
「はい。それでは失礼します…!」
青キジの部屋。
ドサドサドサ
また物が大量に落ちる音が部屋に響く、青キジの部屋には大量のホコリが舞った。
「ゴホゴホ…あーあったあった。ここだったか。まったく整理ってもんをしないツケがこんなとこでくるなんてなァ」
青キジは半日かけて部屋の至る所をひっくり返していた。
そしてようやく物置と化した棚から目当ての分厚い封筒を引っ張り出す。その封筒のホコリをパンパンと払った。
「それにしても、これを開ける時がまた来るとは。なんて言うか…」
分厚い封筒を眺める青キジは複雑な気持ちだった。
ホコリを払い、執務机に座ると封筒の紐を外し、中身を取り出す。
封筒の中身は手紙と大量の紙の束。
「あん時はなんのことやらさっぱりだったが……今ならわかるかもな」
青キジはそう呟きながら、大量の紙を手に取り、目を通して始めた。
それから小1時間後。アルトが目覚め、部屋に訪れる。
コンコンコン
「ん?」
『クザンクン、いる?』
「!?……アルトか?」
『うん。今入ってもいいかな?』
「ちょっと待って」
『ああ』
青キジは机に広がった大量の紙とメモを大まかにまとめて引き出しにしまった。
「いいよ」
ガチャ
『悪いね、仕事中に……ってすごくホコリっぽいんだけど』
「ん?ああ、そうだな」
『……そうだな、じゃないよ。換気すればいいのに』
アルトは部屋の奥に進み、窓を開ける。新鮮な空気が部屋に入って来た。
「お!新鮮な空気だ」
『開ければ入るだろ』
「いや、なんか椅子に座ったら動く気なくなちゃってなァ」
『はあ…4日ぶりくらいだけど相変わらずだね、キミは。
――ところで何か探し物してたの?部屋相当散らかってるけど』
奥の部屋の窓も開けて来たアルトは、ホコリを払いながら尋ねる。青キジは平然と答えた。
「まぁな。ところでもういいのか?」
『あ、うん。迷惑かけたね』
「原因は何だったの?」
『ロールクンの話では貧血らしい。でも、もうなんともないから出て来た。ああ、ロールクンには休むように言ったから』
「そうか。まぁ、仕事の無理はほどほどにな」
『……僕、謹慎中だよ。しかも普通は“無理するな”じゃなの?』
「ああ、そうだったな。まぁ、いいじゃない!若いうちは無理するもんだから」
『そうなのかなぁ』
首を傾げるアルト。青キジは机にあったカップに手を伸ばし飲もうとしたが、カップには何も残っていなかった。
「アルト、なんか飲むか?」
『それ自分に言ってないかい?』
「あらら。ばれてたか」
『バレバレだよ。まぁいいけどさ』
アルトはカップを受け取る。そしてコーヒーメーカーでコーヒーを作り始める。
そして自分用にカップを取り、ホットチョコを入れる。
「で、どうしたんだ?」
『?何が』
「話したいことがあるんだろ?」
『えっ…』
アルトはきょとんとする。出来たコーヒーとホットチョコを執務机に置きながら不思議そうに言った。
『よくわかったね』
「顔に書いてあるからな」
『そうなの?』
アルトは自分の頬に触れる。しかし分かるはずなく、首を傾げた。
青キジは苦笑しながらコーヒーを一口飲む。アルトもホットチョコに口を付けた。
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