24番GR。


「号外～～！！号外だよ～～！！！」

新聞が宙舞う。人々は手に手に新聞を取り、見た。


「正気か！？世界政府………！！！」

「本当に…！！？」

「こんなことしたら……！！！」

「はぁ！！？？」

「「……」」

「船長、コレ大変な事に！！！」

「……」

ルーキー達をはじめ、海賊達がざわめく。


「そういう事か……！！」

ドレークが口にする。それにクルーが反応した。


「何か？ドレーク船長」

「……納得したんだ。これだけ“海軍本部”に近いこの島でやけに海兵が手薄だと思ったが」

「何があったので！？」

「“白ひげ”の船の2番隊隊長、火拳のエースの“公開処刑”が確定した」

「え！？…」

「「ええ～～～～～！！！？」」

「そんな事したら“白ひげ”が動くのでは！！？」

ドレークのクルー達は慌てふためく。ドレークは静かに、しかし力強く言った。


「戦争が起きるぞ……！！！」





シャボンティ諸島1番GR“人間屋(ﾋｭｰﾏﾝｼｮｯﾌﾟ)”会場内。


ドン！！ドォン…！！！


「きゃあああああ！！！」


「「「………！！！」」」

麦わらのルフィが現れ、騒然としていたオークション会場が悲鳴と共に一瞬にして静まりかえった。
天竜人が引いた引き金によって魚人のハチが血を流したのだ。 撃った天竜人は嬉しそうに踊る。


「むふふふ。むふーんむふーん♪♪当たったえ～～～っ！！魚人を仕留めたえ～～！！」

「ハチ！！！」

ナミが悲鳴に似た声で叫ぶ。目には驚きで涙が浮かんでいた。


「は～あ撃たれて良かったわ。近づいて何か病気でもうつされたら大変だもの」

「何か企んでたに違いない。所詮脳は魚だろう」

ひそひそと交わされる人々の言葉はひどく冷たい。この島での魚人・人魚の差別が残っていることが伺われる。


「………！！」

ﾄﾞﾝﾄﾞﾝﾄﾞﾝ！と声が届かない水槽の中で人魚のケイミーはひたすらハチの名を叫んでいた。


「……」

一方、ルフィは天竜人を睨み一歩足を踏み出す、今にも怒りが爆発しそうだ。そんなルフィの気も知らず、天竜人は今も楽しげに歌っている。


「お父上様！！！ご覧下さい！！！魚人を捕まえましたえ！！！
自分で捕ったからこれタダだえ～～～！！

タ～ダ～タ～ダ～。タコがタダ～！！！」

「………！！」


ルフィはﾑｶｯと深く青筋を立てた。さらに一歩、ハチの横を通り過ぎる様に踏み出す。


「…待っ…てくれﾞ…ハァ、麦わら…！！！ハァ、ハァ」

「！」

ルフィの腕をハチが掴んだ。


「だめだ…ハァ…ハァ…怒るな…おれがドジったんだよ…。目の前で“誰が撃たれても”！！天竜人には逆らわねェって……約束しただろ…」

ルフィの手を力強く握りしめ、ハチは懺悔する様に話し続ける。


「どうせおれは海賊だったんだ……！！悪ィ事したから…その報いだ。ハァ…ハァ…ゴメンなァ、ご…ごんなつもりじゃなかったのになあ…！！」

ルフィは膝を折り、ハチの顔を真剣に、じっと見た。


「ナミに…！！ちょっとでも償いをしたくて…おめェらの役に立ちたかったんだげどもﾞ………」

「ハチ……」

ナミは口元を抑え、目を見張る。


「やっぱりおれは昔から…何やってもドジだから…」

ハチは涙を流す。


「……結局迷惑ばっかりかけて…ゴベンなァ～～…！！」

「魚め～！！」

「！」

天竜人の言葉にルフィは反応し、ルフィは天竜人からハチを庇う様に手を広げる。


「撃ったのにまだベラベラ喋って…お前ムカツクえ～～！！！」


ルフィは青筋は更に深くなった。そして立ち上がる。ヒトデのパッパグが泣きながら叫んだ。


「やめろ、ムギ！！！おめェらもただじゃ済まねェぞ！！！」

「！」

「何する気だあいつ…！！」

「本気か…！！」

会場に居合わせた人々、そしてユースタス・“キャプテン”・キッドがルフィの行動の先を辿り、目を見張る。
しかしルフィは止まらない。


「お前もムカツクえ～～！！！」

ﾄﾞﾝﾄﾞﾝﾄﾞﾝ！！とルフィに向けて引き金を引く天竜人。ルフィは銃弾などお構いなしに、拳を力強く構え、天竜人に向かって思いっきり拳を振るった。


ドゴォン！！！


「ウォゲァア！！！！」


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