近くて遠い存在
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マリージョア、円卓の部屋。
顔合わせから3日経ち、円卓の部屋にはバーソロミュー・くまとゲッコー・モリアが到着していた。
一瞬足りとも気が抜けない雰囲気が漂う。
もちろんそれは七武海が5人揃った威圧感が出す雰囲気なのだが…。
「フフ…フフフフ」
『……いい加減にしてくれないか』
「フフフフ…そんなに気になるかァ。おれが」
『アンタの“笑い声”が…だ』
アルトは手を休めずチョコをバリバリと食べる。
『…頭が痛いんだから少しくらい黙れって言ってるんだよ』
頻発する頭痛とドフラミンゴのしつこさが相まって、アルトは無表情にも関わらず明らかにイライラしていた。
他の七武海と言えば、さっきからたまに起こるこのやりとりを面白そうに傍観する者と全く関心を示さない者の2局に分かれていた。
アルトは椅子に深くもたれたまま、天を仰ぐ。
『はぁ…。早く、おつるサン来ないかな…僕、もう限界だ』
「「「……」」」
アルトの発言に周りにいる海兵達は冷や汗をかいた。つるは昨日の夜から緊急招集に呼ばれており、今も席を外している。
その間アルトと将校が七武海の側についているのだが、どうやらそれも限界に来ている様だ。
海兵達も心から大参謀の到着を願った。
「失礼します。大参謀殿はいらっしゃいますか…??」
『ん??』
アルトは入口の方に目を向ける。海兵が一人、手にファイルを持って来た。アルトの前で敬礼する。
アルトはファイルに目をやりつつ言った。
『残念だけど、おつるサンまだ帰って来てないよ』
「そうですか!それではまた改めて…」
『ねェ。そのファイルを渡す仕事だけなら僕が受け取るけど』
「えっ……!!?」
『ん…?僕から渡したら都合が悪いのかい?』
アルトは海兵の様子に疑問を抱き、尋ねる。海兵は大げさに首を横に振った。
「いえ…!!これは大参謀に直接お渡しする様にと言われておりまして」
『それって僕に見られたら不都合ってことだよね?』
「そっ、そんなことは!!?」
アルトの言葉にタジタジになる海兵。アルトはじーっと海兵を見ていたが、ふっと息を吐いた。
『……なんてね。悪かった、変なこと言って。おつるサンに直接渡すのが命令なら、僕は受け取れない』
アルトは肩を竦め、謝る。海兵は安心し、息をついた。
『でも…』
そうアルトが呟いた瞬間、海兵の手からファイルが消えた。
「「「!!?」」」
『隠されたら見たくなる。それが人間の心理だよね』
アルトは瞬間的に海兵の手からファイルを奪っていた。海兵は一瞬何が起こったかわからない。
その海兵と周りにいた海兵、そして七武海達までもそのスピードに目を奪われていた。
「はっ…!!中将!!?ファイルを…」
ファイルが取られ呆然としていた海兵は我に返り、アルトに声をかける。
しかしその時にすでにアルトはファイルの資料をペラペラとめくっていた。海兵は一気に顔が青くなる。
『なんだ、特に何もないじゃない…か』
つまらなさそうに声を上げたアルトは、バッと一枚の資料に手を止めた。
『……これ…!!?』
《現在、シャボンティ諸島にいると確認された、億越えルーキーのリスト一覧》
アルトは期待と焦りを持ちながらリストに目を通す。海兵の抗議の言葉など耳には入らない。
リストにはルフィ・ホーキンス・キッド・ロー…と名だたるルーキーが名を連ねていた。
そしてアルトは探していた名を見つける。
《ノースブルー出身。ドレーク海賊団船長、
“赤旗”X(ディエス)・ドレーク 懸賞金2億2200万ベリー》
アルトはリストに書かれたドレークの名を見て、胸が躍った。
『シャボンティ諸島……。こんな近くに来てたのか…!!』
「ちゅ、中将!!お返しくださ…」
『ありがとう、これを返すよ』
「??」
アルトは立ち上がり、ファイルを海兵に渡すとスタスタと前を通り過ぎる。
海兵は驚きと疑問の表情を浮かべ、恐る恐る尋ねた。
「あの、中将……どちらへ??」
『ああ、ちょっと“シャボンティ諸島”に行って来る。おつるサンに言っといて』
「ノティ中将!!!」
一つ空けた席にいる将校が初日と同様に怒鳴る。アルトはめんどくさそうにため息をついた。
『おつるサンが帰って来る間くらい将校はキミだけでどうにでもなるだろ?』
「なっ!?」
『って訳で、よろしく』
「まっ、待て!!」
『邪魔…しないでね』
「「「!!」」」
アルトは引きとめる将校や海兵にそれだけ言うと、ひらひら手を振り、出て行く。
アルトを取り押さえてでも止めれる者はいなかった。そこに居た将校でさえ、アルトから漂う“強い覇気”に蹴落とされていたのだ。
七武海達はそんなアルトを静かに、しかし興味深く見送っていた。
『センゴクサンやおつるサンに怒られるだろうな…』
円卓の間を出て、マリージョアの廊下を歩きながらアルトは静かに呟いた。
しかし歩みを止める気は全くない。
『でも……ここで行かない訳にはいかないよね』
アルトの口元は自然に弧を描いていた。
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顔合わせから3日経ち、円卓の部屋にはバーソロミュー・くまとゲッコー・モリアが到着していた。
一瞬足りとも気が抜けない雰囲気が漂う。
もちろんそれは七武海が5人揃った威圧感が出す雰囲気なのだが…。
「フフ…フフフフ」
『……いい加減にしてくれないか』
「フフフフ…そんなに気になるかァ。おれが」
『アンタの“笑い声”が…だ』
アルトは手を休めずチョコをバリバリと食べる。
『…頭が痛いんだから少しくらい黙れって言ってるんだよ』
頻発する頭痛とドフラミンゴのしつこさが相まって、アルトは無表情にも関わらず明らかにイライラしていた。
他の七武海と言えば、さっきからたまに起こるこのやりとりを面白そうに傍観する者と全く関心を示さない者の2局に分かれていた。
アルトは椅子に深くもたれたまま、天を仰ぐ。
『はぁ…。早く、おつるサン来ないかな…僕、もう限界だ』
「「「……」」」
アルトの発言に周りにいる海兵達は冷や汗をかいた。つるは昨日の夜から緊急招集に呼ばれており、今も席を外している。
その間アルトと将校が七武海の側についているのだが、どうやらそれも限界に来ている様だ。
海兵達も心から大参謀の到着を願った。
「失礼します。大参謀殿はいらっしゃいますか…??」
『ん??』
アルトは入口の方に目を向ける。海兵が一人、手にファイルを持って来た。アルトの前で敬礼する。
アルトはファイルに目をやりつつ言った。
『残念だけど、おつるサンまだ帰って来てないよ』
「そうですか!それではまた改めて…」
『ねェ。そのファイルを渡す仕事だけなら僕が受け取るけど』
「えっ……!!?」
『ん…?僕から渡したら都合が悪いのかい?』
アルトは海兵の様子に疑問を抱き、尋ねる。海兵は大げさに首を横に振った。
「いえ…!!これは大参謀に直接お渡しする様にと言われておりまして」
『それって僕に見られたら不都合ってことだよね?』
「そっ、そんなことは!!?」
アルトの言葉にタジタジになる海兵。アルトはじーっと海兵を見ていたが、ふっと息を吐いた。
『……なんてね。悪かった、変なこと言って。おつるサンに直接渡すのが命令なら、僕は受け取れない』
アルトは肩を竦め、謝る。海兵は安心し、息をついた。
『でも…』
そうアルトが呟いた瞬間、海兵の手からファイルが消えた。
「「「!!?」」」
『隠されたら見たくなる。それが人間の心理だよね』
アルトは瞬間的に海兵の手からファイルを奪っていた。海兵は一瞬何が起こったかわからない。
その海兵と周りにいた海兵、そして七武海達までもそのスピードに目を奪われていた。
「はっ…!!中将!!?ファイルを…」
ファイルが取られ呆然としていた海兵は我に返り、アルトに声をかける。
しかしその時にすでにアルトはファイルの資料をペラペラとめくっていた。海兵は一気に顔が青くなる。
『なんだ、特に何もないじゃない…か』
つまらなさそうに声を上げたアルトは、バッと一枚の資料に手を止めた。
『……これ…!!?』
《現在、シャボンティ諸島にいると確認された、億越えルーキーのリスト一覧》
アルトは期待と焦りを持ちながらリストに目を通す。海兵の抗議の言葉など耳には入らない。
リストにはルフィ・ホーキンス・キッド・ロー…と名だたるルーキーが名を連ねていた。
そしてアルトは探していた名を見つける。
《ノースブルー出身。ドレーク海賊団船長、
“赤旗”X(ディエス)・ドレーク 懸賞金2億2200万ベリー》
アルトはリストに書かれたドレークの名を見て、胸が躍った。
『シャボンティ諸島……。こんな近くに来てたのか…!!』
「ちゅ、中将!!お返しくださ…」
『ありがとう、これを返すよ』
「??」
アルトは立ち上がり、ファイルを海兵に渡すとスタスタと前を通り過ぎる。
海兵は驚きと疑問の表情を浮かべ、恐る恐る尋ねた。
「あの、中将……どちらへ??」
『ああ、ちょっと“シャボンティ諸島”に行って来る。おつるサンに言っといて』
「ノティ中将!!!」
一つ空けた席にいる将校が初日と同様に怒鳴る。アルトはめんどくさそうにため息をついた。
『おつるサンが帰って来る間くらい将校はキミだけでどうにでもなるだろ?』
「なっ!?」
『って訳で、よろしく』
「まっ、待て!!」
『邪魔…しないでね』
「「「!!」」」
アルトは引きとめる将校や海兵にそれだけ言うと、ひらひら手を振り、出て行く。
アルトを取り押さえてでも止めれる者はいなかった。そこに居た将校でさえ、アルトから漂う“強い覇気”に蹴落とされていたのだ。
七武海達はそんなアルトを静かに、しかし興味深く見送っていた。
『センゴクサンやおつるサンに怒られるだろうな…』
円卓の間を出て、マリージョアの廊下を歩きながらアルトは静かに呟いた。
しかし歩みを止める気は全くない。
『でも……ここで行かない訳にはいかないよね』
アルトの口元は自然に弧を描いていた。
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