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聖地マリージョア
『……“声”のこと話した方が良かったのかな』
正義のコートを羽織り、コツコツと足音を響かせながら部屋に向かうアルトはポツリと呟いた。
ーーーーリコル島で聞こえた女の人の声
アルトは立ち止まり、ポケットから白い箱を取り出す。
『……これが何か分かれば、“あの人”のことも分かるのかな……?? “あの言葉”の意味も…』
アルトはしばらく箱を眺めた。ふと、船で見た夢のこと思い出す。
『あの楽譜の“暗号”…。もしかして』
アルトは白い箱に思考を集中する。しかし何も浮かばなかった。
『……はぁ。こういう時は思い出さないのか』
アルトは肩を竦め、再び白い箱をポケットにしまう。そしてまた歩き出した。
*
「ノティ中将、お疲れ様です!!」
『ああ。お疲れ』
アルトは七武海が待つ部屋の前に来た。扉を守る海兵がアルトに敬礼する。
『開けてもらっていい?』
「はっ! 只今」
ギギギと重い扉が開かれる。アルトは礼を言い、中に入って行った。
コツコツと足音をたてながら進むと、程なくして大きな空間に出る。その瞬間、部屋中の全ての視線がアルトに集まった。特に1名はニヤニヤしているのが見なくてもわかり、少し苛立ちを覚える。
『僕は、見せ物じゃないんだけど』
鬱陶しい、と言う様にアルトが周りを一蹴する。周りを囲む海兵達は慌てて視線を外した。
「帰ってすぐで悪いね」
つるが座ったままアルトに顔を向ける。アルトは横に首を振った。
『構わないさ。報告はいる?』
「いや、さっき聞いた。お座り」
『うん』
「フフッ…フフフフ。アルト、待ってたぜ。こっちに座れよ」
さっきからニヤニヤと笑っている、ドンキホーテ・ドフラミンゴだ。ドフラミンゴは自分の隣の机をコツコツと叩く。
『アンタの隣なんてお断りだ』
「フッフッフッフ…相変わらずつれねェなァ」
『言ってろ』
「アルト…。すまないが、そこ座っておくれ」
『……え』
つるの言葉にアルトは嫌な声をあげる。
「今日アンタは顔合わせだけだから……ね」
諭すように言うつる。アルトはため息をついた。
『……わかったよ』
そう言うとつるとドフラミンゴの間の席に座る。
これで海軍のアルト、つる、将校から時計回りに“鷹の目”ジュラキュール・ミホーク、“黒ひげ”マーシャル・D・ティーチ、ドンキホーテ・ドフラミンゴの順で円卓を囲む形になった。
ドフラミンゴがアルトに話しかける。
「フフフフ。なぁアルト、この後時間を作れよ。おれはお前と話がしてェ」
『イヤだね。アンタと話すことなんてない』
「ゼハハハ。だいぶ嫌われてるなァ、ドフラミンゴ」
黒ひげがチェリーパイを食べながら笑う。
「フフッ…てめェは黙ってな」
『……。キミ、誰?』
アルトは正面にいるティーチに尋ねた。ティーチは一瞬驚いた顔をしたが、すぐに笑い出す。
「ゼハハハ。ここにいるなら七武海に決まってるじゃねェか」
『それはわかるさ。でも僕は鷹の目クンにくまクン、それとこのドフラミンゴしか顔を知らなくてね』
「報告書は見てないのかい?」
つるが尋ねる。アルトは、ん?っと首を傾げた。
『見たけど…って、じゃあキミが“黒ひげ”って海賊なのかい?』
「そうだ。おれが“黒ひげ”だ…! そう言うおめェは?」
『キミが“黒ひげ”クンか。覚えておこう。僕はノティ、海軍本部中将だ』
「中将か。しかしおめェ、ドフラミンゴにえらく好かれてるが、何かあんのか?」
『さぁ……知らないよ。興味ないし。知りたいなら本人に聞いたら?』
「フフフ。アルトになら教えてやるよ」
『黙れ、迷惑だ』
「……。なるほどなァ、海軍にしては面白ェ野郎じゃねェか」
『……何が面白いんだ?』
アルトはため息をつく。ふと、ミホークから視線を感じた。
『なんだい?鷹の目クン??』
アルトはミホークに視線の意味を尋ねる。
「……ドフラミンゴがお前に興味を持つのはわからんでもない」
『? 何だいそれ』
「………」
アルトの問いにミホークは答えず、また目を閉じた。
『??』
「……。…アルト、これを」
アルトは視線をつるに移した。つるの手には三折りにされた紙、指令書があった。
『ありがと。今読むべき…?』
「ああ」
『わかった』
アルトは自分だけ確認出来る様に気を配りながら指令書を開いた。
『……え』
アルトは指令書を読んで固まる。
『なに……これ。おつるサン、タイミング良すぎじゃない?』
「先手を打っておこうと思ってね」
『………』
アルトは指令書をぐしゃと握り潰す。
「フフフフ。何て書いてたんだ?」
『アンタには関係ない…!!……ったく』
アルトは悪態をつきながらチョコレートを2個程口に放り込むとガタッと席を立った。つるが尋ねる。
「アルト、どうしたんだい?」
『部屋に戻る。顔合わせは終わったしね』
アルトは円卓に背を向ける。
「ノティ中将!! 勝手が過ぎるぞ!!!」
つるの隣に座っていた将校が立ち上がり、怒鳴る。アルトは将校に目を向けた。
『勝手ね……。まぁ、このままここに居てもいいけど…居たら居たで、僕は“この命令”を守りきれないよ』
アルトは将校に握り潰した指令書を投げつける。将校はそれを開いた。
「!」
『そうなったらキミは責任取ってくれるの?』
「……うっ」
将校は指令書とアルトの態度を見て、たじろぐ。
『…もういいよね? ついでにそれ捨てといて』
アルトはそう言うと将校に背を向け、部屋を出て行った。
「まったく……仕方ない子だねェ」
つるはため息をつく。
「フフッ…フフフフ」
部屋を出て行ったアルトを見送ったドフラミンゴは口角を釣り上げ、楽し気に笑っていた。
⇒あとがき
『……“声”のこと話した方が良かったのかな』
正義のコートを羽織り、コツコツと足音を響かせながら部屋に向かうアルトはポツリと呟いた。
ーーーーリコル島で聞こえた女の人の声
アルトは立ち止まり、ポケットから白い箱を取り出す。
『……これが何か分かれば、“あの人”のことも分かるのかな……?? “あの言葉”の意味も…』
アルトはしばらく箱を眺めた。ふと、船で見た夢のこと思い出す。
『あの楽譜の“暗号”…。もしかして』
アルトは白い箱に思考を集中する。しかし何も浮かばなかった。
『……はぁ。こういう時は思い出さないのか』
アルトは肩を竦め、再び白い箱をポケットにしまう。そしてまた歩き出した。
*
「ノティ中将、お疲れ様です!!」
『ああ。お疲れ』
アルトは七武海が待つ部屋の前に来た。扉を守る海兵がアルトに敬礼する。
『開けてもらっていい?』
「はっ! 只今」
ギギギと重い扉が開かれる。アルトは礼を言い、中に入って行った。
コツコツと足音をたてながら進むと、程なくして大きな空間に出る。その瞬間、部屋中の全ての視線がアルトに集まった。特に1名はニヤニヤしているのが見なくてもわかり、少し苛立ちを覚える。
『僕は、見せ物じゃないんだけど』
鬱陶しい、と言う様にアルトが周りを一蹴する。周りを囲む海兵達は慌てて視線を外した。
「帰ってすぐで悪いね」
つるが座ったままアルトに顔を向ける。アルトは横に首を振った。
『構わないさ。報告はいる?』
「いや、さっき聞いた。お座り」
『うん』
「フフッ…フフフフ。アルト、待ってたぜ。こっちに座れよ」
さっきからニヤニヤと笑っている、ドンキホーテ・ドフラミンゴだ。ドフラミンゴは自分の隣の机をコツコツと叩く。
『アンタの隣なんてお断りだ』
「フッフッフッフ…相変わらずつれねェなァ」
『言ってろ』
「アルト…。すまないが、そこ座っておくれ」
『……え』
つるの言葉にアルトは嫌な声をあげる。
「今日アンタは顔合わせだけだから……ね」
諭すように言うつる。アルトはため息をついた。
『……わかったよ』
そう言うとつるとドフラミンゴの間の席に座る。
これで海軍のアルト、つる、将校から時計回りに“鷹の目”ジュラキュール・ミホーク、“黒ひげ”マーシャル・D・ティーチ、ドンキホーテ・ドフラミンゴの順で円卓を囲む形になった。
ドフラミンゴがアルトに話しかける。
「フフフフ。なぁアルト、この後時間を作れよ。おれはお前と話がしてェ」
『イヤだね。アンタと話すことなんてない』
「ゼハハハ。だいぶ嫌われてるなァ、ドフラミンゴ」
黒ひげがチェリーパイを食べながら笑う。
「フフッ…てめェは黙ってな」
『……。キミ、誰?』
アルトは正面にいるティーチに尋ねた。ティーチは一瞬驚いた顔をしたが、すぐに笑い出す。
「ゼハハハ。ここにいるなら七武海に決まってるじゃねェか」
『それはわかるさ。でも僕は鷹の目クンにくまクン、それとこのドフラミンゴしか顔を知らなくてね』
「報告書は見てないのかい?」
つるが尋ねる。アルトは、ん?っと首を傾げた。
『見たけど…って、じゃあキミが“黒ひげ”って海賊なのかい?』
「そうだ。おれが“黒ひげ”だ…! そう言うおめェは?」
『キミが“黒ひげ”クンか。覚えておこう。僕はノティ、海軍本部中将だ』
「中将か。しかしおめェ、ドフラミンゴにえらく好かれてるが、何かあんのか?」
『さぁ……知らないよ。興味ないし。知りたいなら本人に聞いたら?』
「フフフ。アルトになら教えてやるよ」
『黙れ、迷惑だ』
「……。なるほどなァ、海軍にしては面白ェ野郎じゃねェか」
『……何が面白いんだ?』
アルトはため息をつく。ふと、ミホークから視線を感じた。
『なんだい?鷹の目クン??』
アルトはミホークに視線の意味を尋ねる。
「……ドフラミンゴがお前に興味を持つのはわからんでもない」
『? 何だいそれ』
「………」
アルトの問いにミホークは答えず、また目を閉じた。
『??』
「……。…アルト、これを」
アルトは視線をつるに移した。つるの手には三折りにされた紙、指令書があった。
『ありがと。今読むべき…?』
「ああ」
『わかった』
アルトは自分だけ確認出来る様に気を配りながら指令書を開いた。
『……え』
アルトは指令書を読んで固まる。
『なに……これ。おつるサン、タイミング良すぎじゃない?』
「先手を打っておこうと思ってね」
『………』
アルトは指令書をぐしゃと握り潰す。
「フフフフ。何て書いてたんだ?」
『アンタには関係ない…!!……ったく』
アルトは悪態をつきながらチョコレートを2個程口に放り込むとガタッと席を立った。つるが尋ねる。
「アルト、どうしたんだい?」
『部屋に戻る。顔合わせは終わったしね』
アルトは円卓に背を向ける。
「ノティ中将!! 勝手が過ぎるぞ!!!」
つるの隣に座っていた将校が立ち上がり、怒鳴る。アルトは将校に目を向けた。
『勝手ね……。まぁ、このままここに居てもいいけど…居たら居たで、僕は“この命令”を守りきれないよ』
アルトは将校に握り潰した指令書を投げつける。将校はそれを開いた。
「!」
『そうなったらキミは責任取ってくれるの?』
「……うっ」
将校は指令書とアルトの態度を見て、たじろぐ。
『…もういいよね? ついでにそれ捨てといて』
アルトはそう言うと将校に背を向け、部屋を出て行った。
「まったく……仕方ない子だねェ」
つるはため息をつく。
「フフッ…フフフフ」
部屋を出て行ったアルトを見送ったドフラミンゴは口角を釣り上げ、楽し気に笑っていた。
⇒あとがき