力量の差
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ガチャっと開いた扉から入って来たのは海軍本部元帥“仏のセンゴク”だ。
「くだらんマネをするな、貴様ら戦争でもしにきたのか?」
にっこり…と笑顔を作るセンゴク。
「あァ…いやいや…あいさつが遅れた…よく来たな、“海のグズ共”」
「フフ!!フフフ!! おーおー…えれェ言われ様だぜ……」
「――だが、的を射ている」
ドフラミンゴはにやつき、静観していたくまが初めて口を開いた。
「ノティ中将。銃をおろせ」
『……センゴクサン、それは命令?』
「“命令”だ」
センゴクの言葉にアルトは銀色の銃を退く。肩は真っ赤染まっていた。アルトが部屋に入ると海兵が救急セットを持ってくる。
「中将。傷の手当てを」
『いらない』
アルトは差しだされた救急セットを断ると、つるに釘をさされる。
「アルト、止血はしときなさい。話し合いが長くなるかもしれないからね」
『…わかったよ、おつるサン』
アルトは白いコートとスーツの上着を脱ぎ、渡された救急セットで止血の処置をする。そして席につく。センゴクも席につき、話しを始めた。
「始めようか…これ以上待っても、もう誰も来まい…。6人中2人も来てくれるとは私の予想以上だ」
「――だろうな。おれも来る気はなかった。島の興業が今あまりにもうまくいき過ぎてて退屈なんで来たんだ」
ドフラミンゴは円卓のテーブルに座る。くまはドフラミンゴから2席離れたところに座る。
「成程。それは迷惑な話だ。海賊の興業がうまくいく事程我々にとって不景気な話はない」
「フフフ!!フフ!! ずいぶんツッかかってくれるじゃねェか“仏”の名が泣くぜ!? センゴク元帥…!!」
「つまらぬ言い合いが聞こえるな。おれは来る場所を間違えたかな?」
「!」
「「「“鷹の目”!!!」」」
『………』
将校達が驚く中、アルトは冷めた目をむける。
「“海軍本部”に“七武海”……対峙する勢力同士では、その“円卓”もあまり意味を成さん様だな」
「……まさかお前が…!!」
「これはこれは。最も意外な男が来なすった」
センゴクは驚き、ドフラミンゴの皮肉な言葉を言う。
「……フン…なに、おれはただの傍観希望者だ。今回の議題にかかわる海賊達に少々興味があってな……それだけだ」
「ならば私も傍観希望という事でよろしいか?」
「「「!」」」
円卓の外、窓の方から声がかかった。皆そちらを向く。
「…いや、傍観というのも少々違いますか。しかしそうそうたる顔ぶれですな」
「貴様、何者だ!!! 一体どこから入った!!!」
将校が怒鳴る。しかしその人物は気にせず話を続ける。
「あわよくば……ぜひこの集会」
「アン!?」
その人物は手に持ったステッキをクルクル回し、軽快にステップをきざむ。
「参加させて頂きたく……」
タタンッとステップを決めた。
「参上いたしました。この度のクロコダイル氏の称号剥奪に受けて、後継者を探しておいでではないかと」
「!」
「お前ラフィットだね」
つるはテーブルに肘をのせ、静かに言う。
「……おや、私の名などご存知で…これは恐縮千万」
ラフィットはステッキを回しながら言う。 センゴクが聞く。
「誰だおつるさん」
「“ウエストブルー”で広く名の通った保安官だよ。度を越えた暴力で国を追われた男さ……」
「ホホ…昔の話です。私の事などどうでもよろしい。私は“ある男”を“七武海”に推薦したくここへ来たのです」
『誰を推薦したいんだい?』
アルトが聞く。
「お話が早くて助かります。“ティーチ”という男です」
「ティーチ……!?」
「そう……それが我が海賊団の船長の名前」
センゴクは鼻で笑う。
「知らんな。どこの馬の骨ともわからん奴では他の海賊共への威嚇にならん」
「ええ、承知しております。その辺りも抜かりなき計画を立てておりますので少々時間を頂きたい」
「フフ!!フフフフ!!! 面白ェ!! オイやらせてみろよ、センゴク!!フフ!!」
「我らが一味の名は……“黒ひげ海賊団”ご記憶くださいます様に」
*
ラフィットが去り、七武海の会議もお開きになった。 皆、席を立つ。アルトはまだ座っていた。 そこへドフラミンゴが寄ってくる。
「おめェアルトってのか。面白ェ奴だな、気に入ったぜ。フフ!!」
『………』
「アン? 無視か? フフッ!! おれを無視するなんてつくづく面白ェ野郎だ」
『僕はアンタがキライだ。気に入られたくなんかないね』
アルトは立ち上がり、ドフラミンゴを睨み付けた。 ドフラミンゴは口角を上げる。
「フフ!!フッフッフッ!! てめェは海軍にいちゃ勿体ねェ。おれと来いよ」
ドフラミンゴがアルトの腕を掴む。パシッとアルトはドフラミンゴの手をはじいた。
『バカはキライだと言ってる。さっさと帰れ。これ以上やるなら次は撃つ』
「フフフフ!! ああ、恐ェ恐ェ。まぁ、気長に待ってやるよ」
『……』
アルトは銃を抜こうとして、つるに止められた。
「アルト、部屋に戻りなさい。傷の手当てを受けておくんだよ」
『…っ』
アルトは何も言わず背を向け、本部へキビを返す。
「フフ!! 今日は収穫があったな…」
ドフラミンゴは機嫌よく船へ帰って行った。誰もいなくなった円卓でつるは呟く。
「…アルトは苦労するね」
*
傷の手当てを受け、部屋に戻ったアルト。
正装からいつもの格好に着替え、ソファーに寝転び、テーブルにあるチョコを1つ口に放り込む。
『能力者か……』
アルトは天井を見ながら呟いた。右手で左肩に触る。痛みはひいた様だ。
『ドンキホーテ・ドフラミンゴ……あいつ全然本気じゃなかった』
なんの能力者かわからないがその能力で自分は操られた。あの場でなければ肩ではなく頭を撃つことになったはず…
最初から手加減されていた。
『反射神経だけで突きつけた銃なんてアイツにとってはなんの脅威にもならない』
アルトは目を閉じる。
『僕は…まだまだ弱い』
アルトは自分に言い聞かせる様に呟いた。
そしてしばらく目を閉じていたアルトはふと目を開けると、テーブルにおいた電伝虫に手を伸ばす。かける先は決まっていた。
プルプルプルプル……
[――はい]
『クザンクン、僕だ』
[アルト? 会議終わったの?]
『ああ、少し前にね。クザンクン今、暇だよね?』
[あのなァ、アルト。おれがいつも暇だと思ったら…]
『手合わせしてほしいんだ』
[……どうしちゃったの?]
『第2演習場で待ってるから』
[えらく急だな]
『頼むよ』
[わかったわかった。今から行くよ]
『ありがとう』
アルトはガチャっと受話器を置いた。
『強くならないと』
アルトは言う。同時に昔の友に言われた言葉を思い出す。
“アルトはなんのために強くなるんだ?”
アルトは聞かれたその時、答えをはぐらかした。彼のように守るものを背負っていなかったからだ。
『今なら答えられたのかな』
アルトは呟き、部屋を後にした。
⇒あとがき
「くだらんマネをするな、貴様ら戦争でもしにきたのか?」
にっこり…と笑顔を作るセンゴク。
「あァ…いやいや…あいさつが遅れた…よく来たな、“海のグズ共”」
「フフ!!フフフ!! おーおー…えれェ言われ様だぜ……」
「――だが、的を射ている」
ドフラミンゴはにやつき、静観していたくまが初めて口を開いた。
「ノティ中将。銃をおろせ」
『……センゴクサン、それは命令?』
「“命令”だ」
センゴクの言葉にアルトは銀色の銃を退く。肩は真っ赤染まっていた。アルトが部屋に入ると海兵が救急セットを持ってくる。
「中将。傷の手当てを」
『いらない』
アルトは差しだされた救急セットを断ると、つるに釘をさされる。
「アルト、止血はしときなさい。話し合いが長くなるかもしれないからね」
『…わかったよ、おつるサン』
アルトは白いコートとスーツの上着を脱ぎ、渡された救急セットで止血の処置をする。そして席につく。センゴクも席につき、話しを始めた。
「始めようか…これ以上待っても、もう誰も来まい…。6人中2人も来てくれるとは私の予想以上だ」
「――だろうな。おれも来る気はなかった。島の興業が今あまりにもうまくいき過ぎてて退屈なんで来たんだ」
ドフラミンゴは円卓のテーブルに座る。くまはドフラミンゴから2席離れたところに座る。
「成程。それは迷惑な話だ。海賊の興業がうまくいく事程我々にとって不景気な話はない」
「フフフ!!フフ!! ずいぶんツッかかってくれるじゃねェか“仏”の名が泣くぜ!? センゴク元帥…!!」
「つまらぬ言い合いが聞こえるな。おれは来る場所を間違えたかな?」
「!」
「「「“鷹の目”!!!」」」
『………』
将校達が驚く中、アルトは冷めた目をむける。
「“海軍本部”に“七武海”……対峙する勢力同士では、その“円卓”もあまり意味を成さん様だな」
「……まさかお前が…!!」
「これはこれは。最も意外な男が来なすった」
センゴクは驚き、ドフラミンゴの皮肉な言葉を言う。
「……フン…なに、おれはただの傍観希望者だ。今回の議題にかかわる海賊達に少々興味があってな……それだけだ」
「ならば私も傍観希望という事でよろしいか?」
「「「!」」」
円卓の外、窓の方から声がかかった。皆そちらを向く。
「…いや、傍観というのも少々違いますか。しかしそうそうたる顔ぶれですな」
「貴様、何者だ!!! 一体どこから入った!!!」
将校が怒鳴る。しかしその人物は気にせず話を続ける。
「あわよくば……ぜひこの集会」
「アン!?」
その人物は手に持ったステッキをクルクル回し、軽快にステップをきざむ。
「参加させて頂きたく……」
タタンッとステップを決めた。
「参上いたしました。この度のクロコダイル氏の称号剥奪に受けて、後継者を探しておいでではないかと」
「!」
「お前ラフィットだね」
つるはテーブルに肘をのせ、静かに言う。
「……おや、私の名などご存知で…これは恐縮千万」
ラフィットはステッキを回しながら言う。 センゴクが聞く。
「誰だおつるさん」
「“ウエストブルー”で広く名の通った保安官だよ。度を越えた暴力で国を追われた男さ……」
「ホホ…昔の話です。私の事などどうでもよろしい。私は“ある男”を“七武海”に推薦したくここへ来たのです」
『誰を推薦したいんだい?』
アルトが聞く。
「お話が早くて助かります。“ティーチ”という男です」
「ティーチ……!?」
「そう……それが我が海賊団の船長の名前」
センゴクは鼻で笑う。
「知らんな。どこの馬の骨ともわからん奴では他の海賊共への威嚇にならん」
「ええ、承知しております。その辺りも抜かりなき計画を立てておりますので少々時間を頂きたい」
「フフ!!フフフフ!!! 面白ェ!! オイやらせてみろよ、センゴク!!フフ!!」
「我らが一味の名は……“黒ひげ海賊団”ご記憶くださいます様に」
*
ラフィットが去り、七武海の会議もお開きになった。 皆、席を立つ。アルトはまだ座っていた。 そこへドフラミンゴが寄ってくる。
「おめェアルトってのか。面白ェ奴だな、気に入ったぜ。フフ!!」
『………』
「アン? 無視か? フフッ!! おれを無視するなんてつくづく面白ェ野郎だ」
『僕はアンタがキライだ。気に入られたくなんかないね』
アルトは立ち上がり、ドフラミンゴを睨み付けた。 ドフラミンゴは口角を上げる。
「フフ!!フッフッフッ!! てめェは海軍にいちゃ勿体ねェ。おれと来いよ」
ドフラミンゴがアルトの腕を掴む。パシッとアルトはドフラミンゴの手をはじいた。
『バカはキライだと言ってる。さっさと帰れ。これ以上やるなら次は撃つ』
「フフフフ!! ああ、恐ェ恐ェ。まぁ、気長に待ってやるよ」
『……』
アルトは銃を抜こうとして、つるに止められた。
「アルト、部屋に戻りなさい。傷の手当てを受けておくんだよ」
『…っ』
アルトは何も言わず背を向け、本部へキビを返す。
「フフ!! 今日は収穫があったな…」
ドフラミンゴは機嫌よく船へ帰って行った。誰もいなくなった円卓でつるは呟く。
「…アルトは苦労するね」
*
傷の手当てを受け、部屋に戻ったアルト。
正装からいつもの格好に着替え、ソファーに寝転び、テーブルにあるチョコを1つ口に放り込む。
『能力者か……』
アルトは天井を見ながら呟いた。右手で左肩に触る。痛みはひいた様だ。
『ドンキホーテ・ドフラミンゴ……あいつ全然本気じゃなかった』
なんの能力者かわからないがその能力で自分は操られた。あの場でなければ肩ではなく頭を撃つことになったはず…
最初から手加減されていた。
『反射神経だけで突きつけた銃なんてアイツにとってはなんの脅威にもならない』
アルトは目を閉じる。
『僕は…まだまだ弱い』
アルトは自分に言い聞かせる様に呟いた。
そしてしばらく目を閉じていたアルトはふと目を開けると、テーブルにおいた電伝虫に手を伸ばす。かける先は決まっていた。
プルプルプルプル……
[――はい]
『クザンクン、僕だ』
[アルト? 会議終わったの?]
『ああ、少し前にね。クザンクン今、暇だよね?』
[あのなァ、アルト。おれがいつも暇だと思ったら…]
『手合わせしてほしいんだ』
[……どうしちゃったの?]
『第2演習場で待ってるから』
[えらく急だな]
『頼むよ』
[わかったわかった。今から行くよ]
『ありがとう』
アルトはガチャっと受話器を置いた。
『強くならないと』
アルトは言う。同時に昔の友に言われた言葉を思い出す。
“アルトはなんのために強くなるんだ?”
アルトは聞かれたその時、答えをはぐらかした。彼のように守るものを背負っていなかったからだ。
『今なら答えられたのかな』
アルトは呟き、部屋を後にした。
⇒あとがき