アルトは麦わらの船からしばらく歩き、半欠の島“リコル”に着いた。 島に着いた頃には日が傾いていたため、その日は宿を取る。

「いや～すいませんね、海軍さん」

『構わないさ。こっちも無理言って悪かったね』

アルトは頭を下げる宿の店主に手を挙げ答えて、部屋のドアを開ける。部屋はベッドと机だけの簡素でシンプルなもの。アルトはさして気にすることなく足を踏み入れ、バイオリンケースを机に置く。そして外套（ポンチョ）を脱ぎ、ベッドに寝転んだ。
ギシッとベッドが少し軋むのを感じつつ、手を頭をの下に置き、アルトは天井を見る。

『子電伝虫は反応なし、宿の電伝虫は修理中…。お菓子屋は定休日だし、買った水水アメはガープサンの船……。はぁ、ついてないな』

アルトはポツリと呟き、目を閉じる。

『何も出来ないし、とりあえず今は寝よう……全部明日……』

アルトはそう自分に言ったかと思えば、静かに寝息をたて眠った。





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