麦わらとゼロ
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『もういいよね?……ちょっと失礼するよ』
アルトはスタスタと麦わら達を通り過ぎ、ベンチの上に置いていたバイオリンケースを取った。
「そうだ。それ気になってたんだけど、中身なんなの? お金?」
『………。これはバイオリンだよ』
アルトはそう言いながらケースを開ける。バイオリンと言う単語にルフィはいち早く反応した。
「バイオリン!? お前音楽家なのか…??」
『いや、海軍だけど』
「音楽家なんだな!」
『だから海軍だよ』
「お前仲間にならねェか!!?」
『はぁ!?』
「「「ちょっと待てぃ!!!!」」」
ルフィの突然の提案にアルトは呆れた声を出す。クルー達は怒鳴った。ナミはルフィの頭をボコッと殴る。
「痛てェぞ、ナミ!!」
「痛くしてんのよ!! あんた何考えてんの!! こいつは海軍よ!海軍の中将よ!!」
「知ってるよ。でも、音楽家だろ? 音楽家ほしいじゃねェか」
「だからって海軍を誘うな!! 思いっ切り敵じゃねェか!!!」
サンジがルフィに踵落としをする。 ゾロは呆れてものも言えない。
『………この身勝手さ…本当にガープサンを見てる様だな。キミ達も苦労するね』
アルトは素直に同情する。そしてクルーがルフィにわいわいと文句を言っている間にベンチに座り、バイオリンが壊れていないか確認した。
『うん、外傷なし。弦も無事』
アルトは弦をポンッと軽く指で弾く。
「いいじゃねェか~海賊は歌うんだぞ!!」
ルフィがクルーに反撃する。しかしそれが通る訳がない。
『…海賊は歌う、か』
アルトはルフィの言葉にクスッ笑う。
「アルトと呼んでもいいかしら?」
ロビンが声をかける。アルトはバイオリンから顔を上げた。
『別に構わないよ、ニコクン。キミ達はキライな方の海賊ではないみたいだから』
「あら、ありがとう。私もロビンでいいわ。素敵なバイオリンね」
『うん』
ロビンの言葉にアルトは素直に頷く。表情は変わらないが声を聞く限り嬉しいのだろう、とロビンは思った。
「誰かからの贈り物かしら?」
『まぁね』
アルトは再びバイオリンに目を向ける。
「もし良かったら一曲弾いて貰える?」
『……いいよ。ケーキのお礼もあるしね』
アルトはそう頷くと、静かにバイオリンを構えた。
~~♪~~♪♪♪~
バイオリンの音がサニー号に響く。わいわいと騒いでいたクルーが一気に静かになった。ルフィとチョッパーは音色に目を輝かせる。
~~♪♪~♪~~
アルトは明るい曲を弾く。船旅の無事を祈る曲だ。海軍が海賊に弾くには少しおかしいかな…とアルトは弾きながら思った。
ルフィやチョッパー、ウソップが曲に合わせわいわいと騒ぐ。ナミやロビンは笑顔で曲を聞き、サンジやフランキーはアルトの技量に驚いていた。ゾロは静かに目を閉じて聞き入る。
~~♪♪~♪♪~
~~♪~♪♪♪~♪~~♪♪~♪.
曲が終わる。アルトは目を開けた。パチパチパチパチと自然に拍手がおこる。
「お前すげェな!!」
「キレイだったぞ!!」
「人は見かけに寄らねェな」
ルフィとチョッパーがアルトに駆け寄り、フランキーがニヤリと笑う。ルフィはアルトにキラキラとした目を向ける。
「なぁ、一緒に海賊やろうぜ!! 海賊は楽しいぞ!」
アルトはバイオリンをケースにしまいながら答える。
『お断りだ。キミ、僕が海軍だってこと忘れてるだろ』
「けどよ~音楽家なんだろ?」
『そんな風に名乗った覚えはない』
「なァ、仲間になろうぜ!!!」
『……はぁ』
アルトはケースを閉じ、立ち上がった。
『僕、帰るよ。なんか疲れたし』
「ええ!!?」
「ちょっと!! 帰るってどうやって!?」
ルフィが落胆の声をあげる。ナミが尋ねた。
『確かこのあたりに浮島があったと思うから、そこでクザンクンが来るのを待つよ。来なかったら…最悪これ見ながら本部に帰るさ』
アルトはエターナルポースを取り出す。
「海軍本部のエターナルポース……!!? でも船は? 貸さないわよ!!」
『別にいらないよ。歩いて帰るから』
「「「!!?」」」
「歩くってお前、この海をか??」
『うん』
ウソップの問いにアルトは頷く。
「なァ、仲間に…」
「だから入れようとすんじゃねェよ」
ゴンッと鞘でルフィを殴るゾロ。アルトは呆れながらもルフィの方へ振り向く。
『麦わらクン。僕は海軍から出る気はない。あきらめて他をあたってくれ』
「ええ~~!!」
『じゃあ、失礼するよ』
アルトは縁に乗る。そしてエターナルポースで方角を確認する。
『“道 ”』
アルトが言うとピースが出現し、組み合わさっていく。ほどなく人が歩けそうな透明の道が海の上に出来た。
「す、すげェー――!!」
「道を作ったのか……!?」
「おもしろい利用法ね」
皆口々に話す。アルトはピースの上に乗った。ルフィが言う。
「おい! 本当に行くのか?」
『ああ。フロリアントライアングルに巻き込まれたくはないからね。ーーーーーそうだ、麦わらクン』
「なんだァ?」
『キミ達がコビークン達の言う通り、変わった海賊だと言うことはよくわかった。だからこれは忠告だ。これから先、なるべく“拾いものはしないように”ね』
「? 何かわかんねぇけど、わかった! またなワカメ!!コビーによろしく!」
『アルトだ。ちゃんと覚えてくれ』
そう言い、ため息をつくとアルトは透明な道を歩き出す。
「本当に歩いてる……」
「不思議ね」
海の上を歩くと言う不思議な光景にナミとロビンが言葉を発する。麦わら一味は呆然としながらもアルトを見送った。
⇒あとがき
アルトはスタスタと麦わら達を通り過ぎ、ベンチの上に置いていたバイオリンケースを取った。
「そうだ。それ気になってたんだけど、中身なんなの? お金?」
『………。これはバイオリンだよ』
アルトはそう言いながらケースを開ける。バイオリンと言う単語にルフィはいち早く反応した。
「バイオリン!? お前音楽家なのか…??」
『いや、海軍だけど』
「音楽家なんだな!」
『だから海軍だよ』
「お前仲間にならねェか!!?」
『はぁ!?』
「「「ちょっと待てぃ!!!!」」」
ルフィの突然の提案にアルトは呆れた声を出す。クルー達は怒鳴った。ナミはルフィの頭をボコッと殴る。
「痛てェぞ、ナミ!!」
「痛くしてんのよ!! あんた何考えてんの!! こいつは海軍よ!海軍の中将よ!!」
「知ってるよ。でも、音楽家だろ? 音楽家ほしいじゃねェか」
「だからって海軍を誘うな!! 思いっ切り敵じゃねェか!!!」
サンジがルフィに踵落としをする。 ゾロは呆れてものも言えない。
『………この身勝手さ…本当にガープサンを見てる様だな。キミ達も苦労するね』
アルトは素直に同情する。そしてクルーがルフィにわいわいと文句を言っている間にベンチに座り、バイオリンが壊れていないか確認した。
『うん、外傷なし。弦も無事』
アルトは弦をポンッと軽く指で弾く。
「いいじゃねェか~海賊は歌うんだぞ!!」
ルフィがクルーに反撃する。しかしそれが通る訳がない。
『…海賊は歌う、か』
アルトはルフィの言葉にクスッ笑う。
「アルトと呼んでもいいかしら?」
ロビンが声をかける。アルトはバイオリンから顔を上げた。
『別に構わないよ、ニコクン。キミ達はキライな方の海賊ではないみたいだから』
「あら、ありがとう。私もロビンでいいわ。素敵なバイオリンね」
『うん』
ロビンの言葉にアルトは素直に頷く。表情は変わらないが声を聞く限り嬉しいのだろう、とロビンは思った。
「誰かからの贈り物かしら?」
『まぁね』
アルトは再びバイオリンに目を向ける。
「もし良かったら一曲弾いて貰える?」
『……いいよ。ケーキのお礼もあるしね』
アルトはそう頷くと、静かにバイオリンを構えた。
~~♪~~♪♪♪~
バイオリンの音がサニー号に響く。わいわいと騒いでいたクルーが一気に静かになった。ルフィとチョッパーは音色に目を輝かせる。
~~♪♪~♪~~
アルトは明るい曲を弾く。船旅の無事を祈る曲だ。海軍が海賊に弾くには少しおかしいかな…とアルトは弾きながら思った。
ルフィやチョッパー、ウソップが曲に合わせわいわいと騒ぐ。ナミやロビンは笑顔で曲を聞き、サンジやフランキーはアルトの技量に驚いていた。ゾロは静かに目を閉じて聞き入る。
~~♪♪~♪♪~
~~♪~♪♪♪~♪~~♪♪~♪.
曲が終わる。アルトは目を開けた。パチパチパチパチと自然に拍手がおこる。
「お前すげェな!!」
「キレイだったぞ!!」
「人は見かけに寄らねェな」
ルフィとチョッパーがアルトに駆け寄り、フランキーがニヤリと笑う。ルフィはアルトにキラキラとした目を向ける。
「なぁ、一緒に海賊やろうぜ!! 海賊は楽しいぞ!」
アルトはバイオリンをケースにしまいながら答える。
『お断りだ。キミ、僕が海軍だってこと忘れてるだろ』
「けどよ~音楽家なんだろ?」
『そんな風に名乗った覚えはない』
「なァ、仲間になろうぜ!!!」
『……はぁ』
アルトはケースを閉じ、立ち上がった。
『僕、帰るよ。なんか疲れたし』
「ええ!!?」
「ちょっと!! 帰るってどうやって!?」
ルフィが落胆の声をあげる。ナミが尋ねた。
『確かこのあたりに浮島があったと思うから、そこでクザンクンが来るのを待つよ。来なかったら…最悪これ見ながら本部に帰るさ』
アルトはエターナルポースを取り出す。
「海軍本部のエターナルポース……!!? でも船は? 貸さないわよ!!」
『別にいらないよ。歩いて帰るから』
「「「!!?」」」
「歩くってお前、この海をか??」
『うん』
ウソップの問いにアルトは頷く。
「なァ、仲間に…」
「だから入れようとすんじゃねェよ」
ゴンッと鞘でルフィを殴るゾロ。アルトは呆れながらもルフィの方へ振り向く。
『麦わらクン。僕は海軍から出る気はない。あきらめて他をあたってくれ』
「ええ~~!!」
『じゃあ、失礼するよ』
アルトは縁に乗る。そしてエターナルポースで方角を確認する。
『“
アルトが言うとピースが出現し、組み合わさっていく。ほどなく人が歩けそうな透明の道が海の上に出来た。
「す、すげェー――!!」
「道を作ったのか……!?」
「おもしろい利用法ね」
皆口々に話す。アルトはピースの上に乗った。ルフィが言う。
「おい! 本当に行くのか?」
『ああ。フロリアントライアングルに巻き込まれたくはないからね。ーーーーーそうだ、麦わらクン』
「なんだァ?」
『キミ達がコビークン達の言う通り、変わった海賊だと言うことはよくわかった。だからこれは忠告だ。これから先、なるべく“拾いものはしないように”ね』
「? 何かわかんねぇけど、わかった! またなワカメ!!コビーによろしく!」
『アルトだ。ちゃんと覚えてくれ』
そう言い、ため息をつくとアルトは透明な道を歩き出す。
「本当に歩いてる……」
「不思議ね」
海の上を歩くと言う不思議な光景にナミとロビンが言葉を発する。麦わら一味は呆然としながらもアルトを見送った。
⇒あとがき