麦わらとゼロ
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アルトの部屋。
『結構ほこりかぶってるな…』
アルトは棚から下ろしたバイオリンケースの埃を払う。
『手の調子が良くなってきたし、久々に弾いてみようかな』
ガチャ
『!』
急に部屋のドア開く。アルトは訝しげにドアに目を向ける。そこには同僚が仁王立ちで立っていた。
「チビ、入るぞ」
『……ガープサンそれはもう入ってるって言うんだよ』
「細かい男じゃなァ。そんなんじゃモテんぞ!」
『別に構わない』
「つまらん奴め」
ガープは面白くないとばかりため息をつく。
『で。何か用?』
「ああ。忘れておったわい。チビ、今暇じゃろ?」
『あのね…クザンクンじゃないんだから。僕は仕事が……』
アルトは机に目を向ける。デスクワークは昨日済ませたばかり。机には何もない。
『……船の修理に注文つけに行かないと』
「そんなのは後でいいじゃろ。付き合え!」
『ちょっ……待っ…!!?』
いつの間にか間合いを詰めていたガープにアルトは襟首を掴まれ、強制的に連れていかれた。
【麦わらとゼロ】
「出航ー!!」
艦が港を出る。ガープはアルトを艦に投げ入れた後、部下に茶を出してもらい、甲板にある椅子に座っていた。アルトは頭をさすりながらガープを睨む。
「ノティ中将…お、おはようございまっ………ひぃ!!」
アルトに声を掛けてきたのはコビー。アルトは、何?っと不機嫌そうに返す。しかしコビーだとわかるとすぐにいつもの調子になった。
『ああ、コビークンか。おはよう』
「(良かった……)あっ、あのノティ中将。お席を用意してますので」
『いらない。今はガープサンの隣には行きたくない』
「何を言っとるか。チビ、早く座れ。菓子があるぞ」
『………仕方ないな』
「「「(軽っ!!)」」」
海兵達は心の中で叫ぶ。アルトは立ち上がり、つい持って来てしまったバイオリンケースを椅子の側に置く。そして机を挟んだガープの隣にある椅子に腰掛け、机を見る。 目つきが少しキツくなった。
『……って。せんべいしかないじゃないか…。チョコレートくらいないの?』
「わっはっはっ! んなもんある訳ないじゃろ!!」
『………はぁ』
アルトは机に頬杖をつく。
『もう…いいや。コビークン、紅茶はあるかい?』
「はい!! お砂糖はどれくらいが…」
『砂糖は自分で入れるからビンごと持ってきて欲しい。後、ミルクはたっぷりめでよろしく』
「はい!!」
コビーはキッチンに走って行く。アルトは足を組み、椅子にもたれた。
『で、ガープサン。どこに行くの??』
「ああ。ウォーターセブンじゃ」
『ウォーターセブンね…』
アルトは言葉を濁す。コビーが戻って来た。失礼しますっと机に紅茶の入ったティーカップを置く。その隣には砂糖のビンを置いた。
『ありがと』
アルトは礼をいい、添えられたスプーンを取り、砂糖をすくう。
バサッ、バサッ、バサッ、バサッ、バサッ、バサッ、バサッ、バサッ……
「「「……!!」」」
「ノティ中将、それは入れ過ぎでは……!?」
『そうかい?』
あまりの量についコビーも口を出した。ノティは首を傾げながら、さらに2杯砂糖を入れ混ぜる。砂糖が溶けきれない上にミルクたっぷりの真っ白な紅茶に口をつけた。
『ふぅ…おいしい』
「「「(ええー――嘘ォ!!!)」」」
「ありえねェ…」
砂糖漬けの紅茶飲むアルトに海兵達は声に出さないが、目が飛び出すくらい驚いていた。ヘルメッポはつい言葉をこぼす。アルトはそれを気にも留めず、ガープに話しかける。
『それで、何をしに行くんだい?』
「孫に会いに行くんじゃ」
『………へっ?』
アルトはカップを机に置くと、目を反らし考えるような仕草を取った。
『キミの孫って……確か海賊“麦わら”のルフィだよね。海軍がのんきに海賊に会いに行っていいの?』
「意外に頭が固い奴じゃなァ」
『別にダメだとは言っていない。尋ねてるだけだ』
「今日はなァ。コイツらが孫に会いたいと言うもんじゃから連れて行くだけじゃ」
ガープがコビーとヘルメッポを指さす。
『2人は、麦わらと知り合いなの?』
「はい!! 僕が海軍に入れたのはルフィさんのおかげで!!」
コビーが熱く語リ始めた。アルトは紅茶を飲みながら聞く。
「がはは。まぁそんな感じでな。せっかくじゃから会わせてやりたくてのォ」
『なるほど。なかなかおもしろい話だ』
「はい!! 本当にルフィさんはすごい人なんです!!!」
嬉しそうに笑うコビーにアルトは表情にこそ出ないが少し複雑な気持ちになった。ぼそっと呟く。
『海賊は“敵”なのに、嬉しそうだな。コビークンは』
「……」
アルトの呟きは騒がしい周りかき消される。唯一ガープだけが消えた呟きを聞き取っていた。
コビーの話に区切りがついた所でアルトはガープに聞いた。
『ところで、そういうことなら僕は必要ないだろう。なぜ巻き込んだの…?』
「巻き込んだとは人聞きが悪いのォ。言ったじゃろ、暇そうだったからじゃ」
『ガープサン、はぐらかさないでくれ。キミの目的はそれだけじゃないだろ?』
アルトの言葉にガープ大笑いする。
「わっはっはっ。わかっとるじゃないか!」
『わからない訳ないさ。ガープサンが“わざわざ”僕の部屋まで来たんだから』
「うむ。お前を呼んだのは、“古巣”を倒した一味に興味があるじゃろうと思ってな」
『………』
ガープの“古巣”という言葉にアルトの表情が一瞬険しくなった。
「えっ……!! ノティ中将は元“CP9 ”なんですか…!?」
コビーをはじめ、海兵達はびっくりした。アルトは息をつく。
『……違うよ』
「えっ……?」
『確かに僕はCP に居たけど、“CP9 ”に所属はしてない』
アルトは足を伸ばし、椅子に体重をかける。
『まぁ。CP9と関わったことがないと言えば嘘になるけどね』
「すごい……!! じゃあノティ中将はCPから海軍に来たんですか!? だからこんな若くして中将という地位に…!!」
『………それは……』
アルトは言葉を詰まらす。
「コビー。それくらいにしてやってくれ。チビは自分の話が苦手なんじゃ」
ガープが笑いながら言う。コビーはハッとし、失礼しましたと頭を下げた。
『すまないね』
アルトは短くそう言い、紅茶に口をつける。
「まァ、本当はお前にうちの孫を見せたかっただけじゃがなァ。わっはっはっは」
アルトは呆れた視線をガープに寄越す。
『………だと思ったよ』
「なんじゃバレてたのか」
『バレるさ。何回キミから孫の話を聞いたか…。まぁ、かのロブ・ルッチを倒したってことには多少興味あるけどね。ガープサンの孫ならありそうだ』
「そりャ、わしの孫じゃからなァ!」
『……否定しないんだね、相変わらず』
大笑いするガープにアルトはため息まじりに言葉を返した。
『結構ほこりかぶってるな…』
アルトは棚から下ろしたバイオリンケースの埃を払う。
『手の調子が良くなってきたし、久々に弾いてみようかな』
ガチャ
『!』
急に部屋のドア開く。アルトは訝しげにドアに目を向ける。そこには同僚が仁王立ちで立っていた。
「チビ、入るぞ」
『……ガープサンそれはもう入ってるって言うんだよ』
「細かい男じゃなァ。そんなんじゃモテんぞ!」
『別に構わない』
「つまらん奴め」
ガープは面白くないとばかりため息をつく。
『で。何か用?』
「ああ。忘れておったわい。チビ、今暇じゃろ?」
『あのね…クザンクンじゃないんだから。僕は仕事が……』
アルトは机に目を向ける。デスクワークは昨日済ませたばかり。机には何もない。
『……船の修理に注文つけに行かないと』
「そんなのは後でいいじゃろ。付き合え!」
『ちょっ……待っ…!!?』
いつの間にか間合いを詰めていたガープにアルトは襟首を掴まれ、強制的に連れていかれた。
【麦わらとゼロ】
「出航ー!!」
艦が港を出る。ガープはアルトを艦に投げ入れた後、部下に茶を出してもらい、甲板にある椅子に座っていた。アルトは頭をさすりながらガープを睨む。
「ノティ中将…お、おはようございまっ………ひぃ!!」
アルトに声を掛けてきたのはコビー。アルトは、何?っと不機嫌そうに返す。しかしコビーだとわかるとすぐにいつもの調子になった。
『ああ、コビークンか。おはよう』
「(良かった……)あっ、あのノティ中将。お席を用意してますので」
『いらない。今はガープサンの隣には行きたくない』
「何を言っとるか。チビ、早く座れ。菓子があるぞ」
『………仕方ないな』
「「「(軽っ!!)」」」
海兵達は心の中で叫ぶ。アルトは立ち上がり、つい持って来てしまったバイオリンケースを椅子の側に置く。そして机を挟んだガープの隣にある椅子に腰掛け、机を見る。 目つきが少しキツくなった。
『……って。せんべいしかないじゃないか…。チョコレートくらいないの?』
「わっはっはっ! んなもんある訳ないじゃろ!!」
『………はぁ』
アルトは机に頬杖をつく。
『もう…いいや。コビークン、紅茶はあるかい?』
「はい!! お砂糖はどれくらいが…」
『砂糖は自分で入れるからビンごと持ってきて欲しい。後、ミルクはたっぷりめでよろしく』
「はい!!」
コビーはキッチンに走って行く。アルトは足を組み、椅子にもたれた。
『で、ガープサン。どこに行くの??』
「ああ。ウォーターセブンじゃ」
『ウォーターセブンね…』
アルトは言葉を濁す。コビーが戻って来た。失礼しますっと机に紅茶の入ったティーカップを置く。その隣には砂糖のビンを置いた。
『ありがと』
アルトは礼をいい、添えられたスプーンを取り、砂糖をすくう。
バサッ、バサッ、バサッ、バサッ、バサッ、バサッ、バサッ、バサッ……
「「「……!!」」」
「ノティ中将、それは入れ過ぎでは……!?」
『そうかい?』
あまりの量についコビーも口を出した。ノティは首を傾げながら、さらに2杯砂糖を入れ混ぜる。砂糖が溶けきれない上にミルクたっぷりの真っ白な紅茶に口をつけた。
『ふぅ…おいしい』
「「「(ええー――嘘ォ!!!)」」」
「ありえねェ…」
砂糖漬けの紅茶飲むアルトに海兵達は声に出さないが、目が飛び出すくらい驚いていた。ヘルメッポはつい言葉をこぼす。アルトはそれを気にも留めず、ガープに話しかける。
『それで、何をしに行くんだい?』
「孫に会いに行くんじゃ」
『………へっ?』
アルトはカップを机に置くと、目を反らし考えるような仕草を取った。
『キミの孫って……確か海賊“麦わら”のルフィだよね。海軍がのんきに海賊に会いに行っていいの?』
「意外に頭が固い奴じゃなァ」
『別にダメだとは言っていない。尋ねてるだけだ』
「今日はなァ。コイツらが孫に会いたいと言うもんじゃから連れて行くだけじゃ」
ガープがコビーとヘルメッポを指さす。
『2人は、麦わらと知り合いなの?』
「はい!! 僕が海軍に入れたのはルフィさんのおかげで!!」
コビーが熱く語リ始めた。アルトは紅茶を飲みながら聞く。
「がはは。まぁそんな感じでな。せっかくじゃから会わせてやりたくてのォ」
『なるほど。なかなかおもしろい話だ』
「はい!! 本当にルフィさんはすごい人なんです!!!」
嬉しそうに笑うコビーにアルトは表情にこそ出ないが少し複雑な気持ちになった。ぼそっと呟く。
『海賊は“敵”なのに、嬉しそうだな。コビークンは』
「……」
アルトの呟きは騒がしい周りかき消される。唯一ガープだけが消えた呟きを聞き取っていた。
コビーの話に区切りがついた所でアルトはガープに聞いた。
『ところで、そういうことなら僕は必要ないだろう。なぜ巻き込んだの…?』
「巻き込んだとは人聞きが悪いのォ。言ったじゃろ、暇そうだったからじゃ」
『ガープサン、はぐらかさないでくれ。キミの目的はそれだけじゃないだろ?』
アルトの言葉にガープ大笑いする。
「わっはっはっ。わかっとるじゃないか!」
『わからない訳ないさ。ガープサンが“わざわざ”僕の部屋まで来たんだから』
「うむ。お前を呼んだのは、“古巣”を倒した一味に興味があるじゃろうと思ってな」
『………』
ガープの“古巣”という言葉にアルトの表情が一瞬険しくなった。
「えっ……!! ノティ中将は元“
コビーをはじめ、海兵達はびっくりした。アルトは息をつく。
『……違うよ』
「えっ……?」
『確かに僕は
アルトは足を伸ばし、椅子に体重をかける。
『まぁ。CP9と関わったことがないと言えば嘘になるけどね』
「すごい……!! じゃあノティ中将はCPから海軍に来たんですか!? だからこんな若くして中将という地位に…!!」
『………それは……』
アルトは言葉を詰まらす。
「コビー。それくらいにしてやってくれ。チビは自分の話が苦手なんじゃ」
ガープが笑いながら言う。コビーはハッとし、失礼しましたと頭を下げた。
『すまないね』
アルトは短くそう言い、紅茶に口をつける。
「まァ、本当はお前にうちの孫を見せたかっただけじゃがなァ。わっはっはっは」
アルトは呆れた視線をガープに寄越す。
『………だと思ったよ』
「なんじゃバレてたのか」
『バレるさ。何回キミから孫の話を聞いたか…。まぁ、かのロブ・ルッチを倒したってことには多少興味あるけどね。ガープサンの孫ならありそうだ』
「そりャ、わしの孫じゃからなァ!」
『……否定しないんだね、相変わらず』
大笑いするガープにアルトはため息まじりに言葉を返した。