謀られた正義[後編]
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スコーンはニタァと笑みを浮かべる。しかしこの喜びは一瞬で飛び、目を見張った。
「………そっ、そんな」
「……ちゅ、中将……!!」
銃を撃ったロールも驚く。
『言っただろ? 僕は“死なない”って』
アルトの目の前でまるで時が止まっているかの様に、弾丸が静止していた。そして重力に従いカランカランっと音を立て、弾丸が甲板に落ちる。一同は驚愕し、言葉を失った。
「なぜだ。何がどうなってんだ……!!? 近接しか能がない野郎が………ま、まさか!!」
スコーンは叫ぶ。その声は悲鳴に近い。 アルトはスコーンを見て言った。
『そうだ。僕は“能力者”になった』
「「「!!!?」」」
スコーンは焦っていた。
「嘘だ。そんな話聞いてない!!」
『それはそうだろう。なったのは、“さっき”だからね』
アルトは平然と言う。
「くそっ!! おい、早く砲撃しろ!!」
スコーンは固まっていた船長に命令する。
「金は……??」
「救護船にまだあるだろ!! はやくあいつを殺れ!!」
「……仕方ねェ。砲撃!!撃てー――!!」
海賊達は一斉に砲撃した。
ドカーンッ!!ドカーンッ!!ドカーンッ!!
「何の能力であっても全方向からの砲撃は避けれねェだろ。部下と仲良く死にやがれ!!」
砲撃の煙が立ち込める中、スコーンは勝ち誇った様に言う。
「……」
しばらくして煙が少しずつ晴れてくる。スコーンは驚き一歩退いた。
「う……嘘だ…!!」
スコーンの目には映ったのは、砲撃を受けたはずの船。砲撃の痕は無い。
『“聖域 ”……』
「………」
ロールは死を覚悟したが、無傷だった自分に驚いた。周りに目を配ると六角形のガラスの様な物がパズルのピースみたいに組まれ、ドーム状になり船を包まれている。 アルトに目を向ける。
「……中将…これは……?」
『“タテタテの実”と言うらしい。この能力は、このピースに触れる“力を相殺し、無効化”にする』
「……む、“無効化”だと!!?」
『そう。この空間にいる限り、全ての攻撃を無効にする。もう、アンタ達に僕の部下を傷つけることは出来ないよ』
「………っ!!」
アルトはスコーンに言うと、一歩ずつ歩き出した。そして銃をおろしたロールの隣に来る。アルトはスコーンの方を向き、ロールはスコーンに背を向けている。二人は顔を合わせていない。
『“合図”を覚えていてくれてありがとう』
「……!! 忘れる訳ありません。戦闘中、中将が私に“右手で左の腕を触る”動作を見せるのは“作戦がある”ということ…」
『ケガしてる時以外はね。今まで使うことがなかったけど、役に立つものだね』
アルトはフッと笑う。ロールは銃を落とし、震えていた。
「……中将、私は…」
そんなロールの言葉をアルトは遮る。
『ロールクン、話は全てが終わってからにしよう』
「…えっ……!?」
『僕は“任務”を続行する』
「任務ですか……??」
『ああ。だからロールクン達はここで待機していてほしい。後は僕がカタをつける。みんなのことは“キミに任す”。傷の手当ては出来る範囲でしといてくれ』
アルトの言葉にロールは驚く。
「……裏切った私を許すのですか……!?」
『ロールクン。僕らは今の“最良”を取るだけだ。僕は僕、キミはキミの判断がある。互いに別の判断をしたとしても、それは全て隊のため。そうだろ?』
ロールの言葉にアルトはいつもの調子で答えた。ロールはアルトに向き直り、敬礼する。
「……ここで待機します。部下のことは私に任せ、中将は“任務遂行”に力を注ぎください!!」
『ああ…!』
アルトもロールの方を向く。そして敬礼した。
『行ってくる。みんなももう少し待っていてくれ』
アルトの言葉に部下たちは、はっ!!っと大きな声で答えた。それを聞いたアルトはロール達に背を向け、そっと船を包む透明なピースに触れる。するとそのピースは外れた。
アルトがそこから外に出て、スコーンのいる本船に乗り込む。アルトが離れると、外れた部分のピースが新たに構築された。
『さて、僕はこれから2つ目の“任務”に取りかかる』
アルトはスコーンや海賊達に目を向けながら言う。そして、頭に置いていたスナイパーグラスをかける。
「にっ、任務だと…」
スコーンが怯えるように言う。アルトは次に両手に銃を取り、前で構えた。 海賊達はアルトの覇気に圧され、呆然としている。
『僕に課せられた任務は2つ。1つは部下の“救出”。……そして海軍に不利益な情報を流した疑いのある“元准将”、並びに手を貸した“海賊”の……“完全抹殺”だ………!!!』
「「「!!!」」」
スコーンは腰を抜かす。
『始めるよ。ただし、スコーン。アンタは最後だ』
「!!」
アルトは銃をスコーンに突き付け、笑った。 その笑みはまるでこれから始まる闘いを楽しみにするかのよう。タンッ!っとアルトは本船から隣にある船に移った。
『さァ、始めよう………!!』
バンバンバン……!!!
アルトはその船にいる海賊に一瞬で間合いを詰める。そして首に銃を突き付け、撃った。 一瞬に二人の海賊は血を吹いて倒れる。
「ひぃぃぃ!!」」
「くそォ!!」
「殺せ!!」
海賊達はアルト斬りかかるが、アルトはスッと避け、間合いを取る。
『実戦で能力を試す、いい機会だ』
アルトは手を胸の前で交差する。
『……“無秩序 ”……』
アルトの周りにいくつかのピースが現れた。 海賊が後ろからアルトに斬りかかるが、同時にピースが後ろに移動する。
ガキィン……!!
「なっ……」
海賊の斬撃はピースにより“無効化”された。ピースにヒビすら入らない。
『なるほど。僕の反射に対応出来るのか』
アルトは既に迎撃体制に入り海賊を撃っていた。刀が床に刺さる。 アルトは右手に持った金色の銃をしまい、床に刺さった刀を取った。そして、ふっと一呼吸おいたかと思えば瞬く間にその船にいる海賊達を屍に変える。海賊達は気配すら感じられなかった。
『…これでこの船は全員だな』
切れ味の落ちた剣を捨て、また金色の銃を持ち直す。アルトはすぐに次の船に移った。
「死ねェ!!」
待ち構え様にアルトに向けて銃が撃たれる。瞬間的にピースが組まれ、壁が出来る。弾丸は届かない。何十発もの弾丸をアルトは見もしなかった。
「嘘だろ!!?」
『残念』
アルトはピースのひとつに足を添える。
『………あっ!?』
何かに気付いたアルトは咄嗟にピースを海賊の銃に当て、反対の足で蹴り飛ばした。
『……ピースを介すと僕の攻撃も無効か。これは問題だな』
アルトは学びながら順調に艦を落としていく。
「なっ、なんだ……これは」
スコーンは潰されて行く艦隊を見て唖然としていた。そして閃く。
「そうかアイツは悪魔の実の能力者…!! 海に落とせばこっちのモンだ!! おい、ノティがいる船を砲撃しろ!!!」
「おいおい仲間に砲撃しろって言うんか、あんたは!!!」
船長がスコーンに聞き返す。
「仲間? ただの寄り合いじゃねェか。てめェの命がおしいなら撃て!!」
「………」
船長は己の命を守るため、砲撃をアルトが居る船の方向へ向ける。
「撃てー―――!!!」
ドカーンッ!!ドカーンッ!!
「「うわぁぁぁ―…!!?」」
「「グワァァァ…!!」」
船が2隻が砲撃により沈む。
『………』
アルトは砲撃が当たる瞬間ジャンプし、ピースを海面より少し上に集める。 すると土台が出来た。アルトはそこに軽く着地する。
「海に落ちねェ……!!」
「どうしてくれるんだ!! 殺しちまったじゃねェか!!」
「うるせェんだよ!!! 逃げる準備をしやがれ」
スコーンと船長は怒鳴り合う。
『味方に砲撃……2隻程減ったか。そんなに慌てなくてもいいのに』
アルトピースを組み、階段のような物を作る。
『意識すれば、少し歩いている感覚はあるんだな』
「つ、次こっちに来る!!!」
「嫌だ死にたくねェ!!! 逃げよう」
アルトが階段を伸ばした船の海賊をあらかた片付けたところで、隣の船が舵を切り出したのを捉えた。舳先を外に向ける。
『言ったでしょ。僕の任務は“完全抹殺”だって』
アルトは手を交差する。
『“妨害行動 ”……!』
アルトは巨大なピースを形成し、組合せ全ての艦隊をまるごと包む大きな球体を作りあげた。
「中将…すげェ……!!!」
「………悪魔の実の能力がこれ程とは…」
ロール達は守られて居る船から外の状況を見る。みんな息を飲んでいた。そして先程逃げようとした船はピースに阻まれる。
「クソッ……進めねェ!!!」
「出してくれ!!」
喚く海賊達。
「こうなったら、泳いででも!!」
バシャーンッ!!と数名の海賊が海に飛び込む。しかし球体で囲まれているため海からも出れない。
「ヤベェ…ヤベェよ!!」
「助け……ぐはァ!!……」
バンバンバン
「ひぃ」
バンバンバン
アルトはその船での白兵戦を終え、海に落ちた海賊も能力を使い海面付近から銃を撃ち片づけた。
『逃がさないと言っただろう』
アルトそう言うと残りの船に乗り込んだ。
目の前で次々に落とされる船、アルトが通った後の船に、海に、生きている物はいない。
『数だけだな……』
アルトは返り血を浴びながら“無傷”で船を落としていく。そして……とうとう、残りはスコーンのいる本船のみとなった。アルトが本船に改めて乗り込む。本船にいる海賊の息の根を確実に止めながらスコーンに歩みよる。
「くっ来るなァ!!」
船長が銃を乱射する。アルトの前にはピース。攻撃を無効にしながらゆっくりと歩く。とうとう目の前まで来た。そして船長の額に銃を突き付け、無慈悲に撃つ。
バンバンバンバン
「………っ!!?」
「ひぃ……!!」
バタンっと声すら出せず死んだ船長。スコーンは間近でそれを見たせいかまた腰を抜かした。
「………そっ、そんな」
「……ちゅ、中将……!!」
銃を撃ったロールも驚く。
『言っただろ? 僕は“死なない”って』
アルトの目の前でまるで時が止まっているかの様に、弾丸が静止していた。そして重力に従いカランカランっと音を立て、弾丸が甲板に落ちる。一同は驚愕し、言葉を失った。
「なぜだ。何がどうなってんだ……!!? 近接しか能がない野郎が………ま、まさか!!」
スコーンは叫ぶ。その声は悲鳴に近い。 アルトはスコーンを見て言った。
『そうだ。僕は“能力者”になった』
「「「!!!?」」」
スコーンは焦っていた。
「嘘だ。そんな話聞いてない!!」
『それはそうだろう。なったのは、“さっき”だからね』
アルトは平然と言う。
「くそっ!! おい、早く砲撃しろ!!」
スコーンは固まっていた船長に命令する。
「金は……??」
「救護船にまだあるだろ!! はやくあいつを殺れ!!」
「……仕方ねェ。砲撃!!撃てー――!!」
海賊達は一斉に砲撃した。
ドカーンッ!!ドカーンッ!!ドカーンッ!!
「何の能力であっても全方向からの砲撃は避けれねェだろ。部下と仲良く死にやがれ!!」
砲撃の煙が立ち込める中、スコーンは勝ち誇った様に言う。
「……」
しばらくして煙が少しずつ晴れてくる。スコーンは驚き一歩退いた。
「う……嘘だ…!!」
スコーンの目には映ったのは、砲撃を受けたはずの船。砲撃の痕は無い。
『“
「………」
ロールは死を覚悟したが、無傷だった自分に驚いた。周りに目を配ると六角形のガラスの様な物がパズルのピースみたいに組まれ、ドーム状になり船を包まれている。 アルトに目を向ける。
「……中将…これは……?」
『“タテタテの実”と言うらしい。この能力は、このピースに触れる“力を相殺し、無効化”にする』
「……む、“無効化”だと!!?」
『そう。この空間にいる限り、全ての攻撃を無効にする。もう、アンタ達に僕の部下を傷つけることは出来ないよ』
「………っ!!」
アルトはスコーンに言うと、一歩ずつ歩き出した。そして銃をおろしたロールの隣に来る。アルトはスコーンの方を向き、ロールはスコーンに背を向けている。二人は顔を合わせていない。
『“合図”を覚えていてくれてありがとう』
「……!! 忘れる訳ありません。戦闘中、中将が私に“右手で左の腕を触る”動作を見せるのは“作戦がある”ということ…」
『ケガしてる時以外はね。今まで使うことがなかったけど、役に立つものだね』
アルトはフッと笑う。ロールは銃を落とし、震えていた。
「……中将、私は…」
そんなロールの言葉をアルトは遮る。
『ロールクン、話は全てが終わってからにしよう』
「…えっ……!?」
『僕は“任務”を続行する』
「任務ですか……??」
『ああ。だからロールクン達はここで待機していてほしい。後は僕がカタをつける。みんなのことは“キミに任す”。傷の手当ては出来る範囲でしといてくれ』
アルトの言葉にロールは驚く。
「……裏切った私を許すのですか……!?」
『ロールクン。僕らは今の“最良”を取るだけだ。僕は僕、キミはキミの判断がある。互いに別の判断をしたとしても、それは全て隊のため。そうだろ?』
ロールの言葉にアルトはいつもの調子で答えた。ロールはアルトに向き直り、敬礼する。
「……ここで待機します。部下のことは私に任せ、中将は“任務遂行”に力を注ぎください!!」
『ああ…!』
アルトもロールの方を向く。そして敬礼した。
『行ってくる。みんなももう少し待っていてくれ』
アルトの言葉に部下たちは、はっ!!っと大きな声で答えた。それを聞いたアルトはロール達に背を向け、そっと船を包む透明なピースに触れる。するとそのピースは外れた。
アルトがそこから外に出て、スコーンのいる本船に乗り込む。アルトが離れると、外れた部分のピースが新たに構築された。
『さて、僕はこれから2つ目の“任務”に取りかかる』
アルトはスコーンや海賊達に目を向けながら言う。そして、頭に置いていたスナイパーグラスをかける。
「にっ、任務だと…」
スコーンが怯えるように言う。アルトは次に両手に銃を取り、前で構えた。 海賊達はアルトの覇気に圧され、呆然としている。
『僕に課せられた任務は2つ。1つは部下の“救出”。……そして海軍に不利益な情報を流した疑いのある“元准将”、並びに手を貸した“海賊”の……“完全抹殺”だ………!!!』
「「「!!!」」」
スコーンは腰を抜かす。
『始めるよ。ただし、スコーン。アンタは最後だ』
「!!」
アルトは銃をスコーンに突き付け、笑った。 その笑みはまるでこれから始まる闘いを楽しみにするかのよう。タンッ!っとアルトは本船から隣にある船に移った。
『さァ、始めよう………!!』
バンバンバン……!!!
アルトはその船にいる海賊に一瞬で間合いを詰める。そして首に銃を突き付け、撃った。 一瞬に二人の海賊は血を吹いて倒れる。
「ひぃぃぃ!!」」
「くそォ!!」
「殺せ!!」
海賊達はアルト斬りかかるが、アルトはスッと避け、間合いを取る。
『実戦で能力を試す、いい機会だ』
アルトは手を胸の前で交差する。
『……“
アルトの周りにいくつかのピースが現れた。 海賊が後ろからアルトに斬りかかるが、同時にピースが後ろに移動する。
ガキィン……!!
「なっ……」
海賊の斬撃はピースにより“無効化”された。ピースにヒビすら入らない。
『なるほど。僕の反射に対応出来るのか』
アルトは既に迎撃体制に入り海賊を撃っていた。刀が床に刺さる。 アルトは右手に持った金色の銃をしまい、床に刺さった刀を取った。そして、ふっと一呼吸おいたかと思えば瞬く間にその船にいる海賊達を屍に変える。海賊達は気配すら感じられなかった。
『…これでこの船は全員だな』
切れ味の落ちた剣を捨て、また金色の銃を持ち直す。アルトはすぐに次の船に移った。
「死ねェ!!」
待ち構え様にアルトに向けて銃が撃たれる。瞬間的にピースが組まれ、壁が出来る。弾丸は届かない。何十発もの弾丸をアルトは見もしなかった。
「嘘だろ!!?」
『残念』
アルトはピースのひとつに足を添える。
『………あっ!?』
何かに気付いたアルトは咄嗟にピースを海賊の銃に当て、反対の足で蹴り飛ばした。
『……ピースを介すと僕の攻撃も無効か。これは問題だな』
アルトは学びながら順調に艦を落としていく。
「なっ、なんだ……これは」
スコーンは潰されて行く艦隊を見て唖然としていた。そして閃く。
「そうかアイツは悪魔の実の能力者…!! 海に落とせばこっちのモンだ!! おい、ノティがいる船を砲撃しろ!!!」
「おいおい仲間に砲撃しろって言うんか、あんたは!!!」
船長がスコーンに聞き返す。
「仲間? ただの寄り合いじゃねェか。てめェの命がおしいなら撃て!!」
「………」
船長は己の命を守るため、砲撃をアルトが居る船の方向へ向ける。
「撃てー―――!!!」
ドカーンッ!!ドカーンッ!!
「「うわぁぁぁ―…!!?」」
「「グワァァァ…!!」」
船が2隻が砲撃により沈む。
『………』
アルトは砲撃が当たる瞬間ジャンプし、ピースを海面より少し上に集める。 すると土台が出来た。アルトはそこに軽く着地する。
「海に落ちねェ……!!」
「どうしてくれるんだ!! 殺しちまったじゃねェか!!」
「うるせェんだよ!!! 逃げる準備をしやがれ」
スコーンと船長は怒鳴り合う。
『味方に砲撃……2隻程減ったか。そんなに慌てなくてもいいのに』
アルトピースを組み、階段のような物を作る。
『意識すれば、少し歩いている感覚はあるんだな』
「つ、次こっちに来る!!!」
「嫌だ死にたくねェ!!! 逃げよう」
アルトが階段を伸ばした船の海賊をあらかた片付けたところで、隣の船が舵を切り出したのを捉えた。舳先を外に向ける。
『言ったでしょ。僕の任務は“完全抹殺”だって』
アルトは手を交差する。
『“
アルトは巨大なピースを形成し、組合せ全ての艦隊をまるごと包む大きな球体を作りあげた。
「中将…すげェ……!!!」
「………悪魔の実の能力がこれ程とは…」
ロール達は守られて居る船から外の状況を見る。みんな息を飲んでいた。そして先程逃げようとした船はピースに阻まれる。
「クソッ……進めねェ!!!」
「出してくれ!!」
喚く海賊達。
「こうなったら、泳いででも!!」
バシャーンッ!!と数名の海賊が海に飛び込む。しかし球体で囲まれているため海からも出れない。
「ヤベェ…ヤベェよ!!」
「助け……ぐはァ!!……」
バンバンバン
「ひぃ」
バンバンバン
アルトはその船での白兵戦を終え、海に落ちた海賊も能力を使い海面付近から銃を撃ち片づけた。
『逃がさないと言っただろう』
アルトそう言うと残りの船に乗り込んだ。
目の前で次々に落とされる船、アルトが通った後の船に、海に、生きている物はいない。
『数だけだな……』
アルトは返り血を浴びながら“無傷”で船を落としていく。そして……とうとう、残りはスコーンのいる本船のみとなった。アルトが本船に改めて乗り込む。本船にいる海賊の息の根を確実に止めながらスコーンに歩みよる。
「くっ来るなァ!!」
船長が銃を乱射する。アルトの前にはピース。攻撃を無効にしながらゆっくりと歩く。とうとう目の前まで来た。そして船長の額に銃を突き付け、無慈悲に撃つ。
バンバンバンバン
「………っ!!?」
「ひぃ……!!」
バタンっと声すら出せず死んだ船長。スコーンは間近でそれを見たせいかまた腰を抜かした。