謀られた正義[後編]

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アルトの部屋。 アルトは、机の上の電伝虫を睨み付けながら連絡を待つ。


[センゴクにはわしが連絡する。少し待っておれ]

とガープに言われたからだ。 アルトはひたすら沈黙していた。



プルプル……ガチャ



『ガープサン!』

[アルト。今すぐセンゴクの部屋に来い]

ガープが言ったのはそれだけ。


『……すぐに行く』

アルトは受話器を叩きつける様に置き、銃を持って部屋を飛び出した。








センゴクの部屋。


ガチャ

『センゴクサン!……え?』

アルトが部屋に入るとセンゴクをはじめガープやつる、黄猿に赤犬がそれぞれ部屋にある椅子に腰かけていた。


『……なんで、みんなが…』

アルト、席に座れ」

『………いい。それよりロールクン達のことを…!!』

センゴクはため息をつく。


「ガープから話しは聞いた。そして今しがた犯人から要求の連絡があった」

『!!? 要求って……!?』

アルト、今から内容を言うから、座りなさい」

つるが言い、センゴクも頷く。アルトは渋々席についた。


「相手の要求はこうだよ。人質の解放と交換に10億ベリーの“金”。そしてノティアルト中将の“死”を求める……と」

『………僕の死?』

アルトは驚いた。つるは続ける。


「……タイムリミットは今夜0時まで。救護船に金を乗せアルトが持って行く。そして目の前でアルトが死ぬ。これらが済めば人質達を解放するとね」

『………のんだの?』

「のむわけなかろう。保留だ」

アルトの問いにセンゴクがイライラを露わにした。アルトは不思議そうに言った。


『……なぜ、のまなかったの?』

「「「!!?」」」

アルトの声も表情も何もかもが真剣だった。


「なんじゃ、アルトは死んでもいいのか?」

ガープが聞く。アルトはガープに顔を向け、頷く。


『構わない。ロールクン達が助かるならね』

その言葉にダンッと赤犬が立ち上がった。アルトを怒鳴る。


「何を言っちょるんじゃ、アルト!! 海軍が海賊に屈するような要求をのむ訳なかろう! “当然”の話じゃ」

アルトは赤犬を見る。そして淡々とした態度で言った。


『だが、その“当然”でロールクン達が命を落とす必要がどこにあるんだ?』

「だがねェ~アルト君。君が命を落とす必要もないんだよォ」

黄猿はアルトを説得する。


『僕の命よりもロールクン達の命の方が重い。ロールクン達が助かるなら、僕は命なんていらない…!』

「お前の命とロール達の命。どちらが大切かなんて、優劣はないよ」

後ろから諌める声がした。アルトは振り向く。そこに居たのは青キジだった。


『クザンクン…!!?』

「青キジ、今帰ったのかい?」

アルトは立ち上がる。つるの言葉に頷きながら青キジはセンゴクの部屋に入ってきた。


『クザンクン、キミはこの事態を知ってたのか?』

アルトが青キジに駆け寄る。青キジはアルトを見下ろしながら、話した。


「“情報“を掴んで“調査”してる最中だった。まさかこんな展開が早いとは思わなかったんだよ」

『なぜ、僕に言わなかった!!』

アルト落ち着くんじゃ。で、黒幕はわかったのか? 青キジ」

アルトの言葉を制止、ガープが尋ねる。青キジが頷き、センゴクに書類を渡した。








「おれの隊の調査によると犯人の主犯は1ヶ月前免責になったスコーン元准将だ。そいつが海賊団を率いてアルトを標的に今回の事件を起こした」

『僕を標的に? スコーン准将って……?』

アルトは覚えていないかも知れないが、2度程仕事をしたことがある。“秘密任務”の方でだ」

「確か、アルトの昇進をわざわざ反対しに来た奴だね。問題を起こして免責になった」

青キジに続きつるも言う。


「最初はロールが標的なのか、アルトが標的なのかわからなかったが…」

『なぜ、そいつは僕を直接狙わないんだ……!!』

アルトの怒りのこもった言葉に、つるが静かに答える。


「単純にアルトの経歴に傷をつけるため、またはアルトやロール達に精神的なダメージを与えるためだろう」

「クザン。その海賊団とはどれくらいの規模なんだい?」

黄猿が青キジに聞く。


「いつくかの海賊船が共謀して、10隻程の船を有してるという報告を聞いている」

「10隻か…さすがのロールもかわしきれんかったんじゃな」

『ねぇ……センゴクサン』

「「「?」」」

黙っていたアルトはセンゴクに声をかける。皆、アルトに注目した。


『早く命令してくれ』

「………状況把握がまだだ」

『そんなことどうでもいいじゃないか!! ロールクン達を助けに行かせてくれ!!!』

アルトから眉間にしわを寄せはっきりと怒りの表情が現れる。青キジ以外はアルトがこんなに怒るのを見たことなかったため少し驚いた。


「……現状も把握しないで行くつもりか? お前は。死にに行くようなものだぞ」

センゴクが諌める。しかしアルトは聞かない。


『そいつは僕の“死”を要求してるんだろ? ならくれてやる!僕の命なんて……』



パシンッ!!



『……!?』

青キジはアルトの頬を思いっ切り平手打ちで叩いた。アルトは突然のことに驚き、青キジを見るばかり。部屋は静まり返る。


「バカ言うんじゃないよ」

青キジは怒っていた。眉間にシワが寄る。


『……クザンクン…?』

アルト。自分の命を捨てることがロール達かれらのためになると思うのは間違いだ」

『………』

アルトの肩に手を置く。


「さっきも言ったでしょ。アルトとロール達の命の重さに差はないって。そんなに熱くなってたら救えるもんも救えなくなるよ」

『………。…じゃあ、どうすればいいんだ』

アルトが聞く。青キジは困惑しているアルトにしっかりと目を合わせた。


「まずは冷静になれ。正しく状況を判断するんだ」

『………。わかった』

アルトは目を瞑る。何度か深呼吸し、気持ちを落ち着ける。








『もう、大丈夫だ…』

アルトは目を開け、青キジを見た。 いつものアルトだ。青キジは安心して肩から手を離す。


『迷惑をかけた、クザンクン。それにセンゴクサン、みんな。ごめんなさい』

「……構わん」

センゴクは言った。皆も頷く。


「さて、どうする。返事は保留だが」

「わしらが出れば問題なかろう」

センゴクの問いに赤犬が答える。それをアルトが制した。


『いや、今回は僕だけで行かせてほしい』
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