中将のお仕事2・謀られた正義[前編]
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
アルトとコビー・ヘルメッポが対峙する。
「ガープ中将……2対1ですか…?」
「わっはっはっは。心配せんでもいい」
「「………」」
コビーとヘルメッポは顔を見合わせた。アルトはガープに尋ねる。
『武器は?』
「チビはなし。お前らは持ってよし」
『了解』
「「はいっ」」
コビーは素手。ヘルメッポはククリ刀を持ち構える。 アルトは銃を地面に置いた。
『さていいよ。いつでも』
アルトは構えず立つ。 二人は息を整えた。
「行くよ! ヘルメッポ」
「おうっ!!」
「“剃 ”」
『!?……へぇ』
コビーが消える。ヘルメッポはそのまま突進してきた。
『CP の技か』
「キィエ~~!!」
ヘルメッポがククリ刀を振り上げる。アルトの後ろにはコビーが現れた。一瞬で囲まれるアルト。
『………』
二人は同時に頭と体に攻撃を向ける。アルトは目を閉じた。
スッ…
「「!?」」
まるで何もなかったかの様にアルトは二人の初撃をかわし、二人からトンッと距離を置く。
『…ふむ。なかなかいいコンビネーションだね』
「今、確実に入ったと思ったのに…」
「瞬間で、かわされた」
二人は呆然とする。
『詰めが甘い。訓練だからって躊躇しない方がいいよ』
アルトは、ん~っと背筋を伸ばす。
『……次、こっちから行くよ』
そう言ったかと思えばアルトは一瞬でヘルメッポに近づく。
「!!?」
ヘルメッポは咄嗟にククリ刀で応戦するが、避けられる。その間にも間合いを詰めたアルトはヘルメッポの目の前まで来た。親指と人差し指を立て鉄砲に見立ててヘルメッポの首筋に当てる。
『一人目…』
「…ぐっ」
「たァ!!」
コビーは足払いをアルトにかける。アルトはそれを見越していたのか、右足でコビーの“足”を押さえた。そしてヘルメッポと同じ様に銃に見立てた人差し指をコビー眉間に当てる。
勝負がついた瞬間だった。
「「………」」
コビーとヘルメッポは冷や汗がタラタラと流れ、ゴクリと息を飲む。
「ぶわっはっはっは!! やはり敵わんかぁ」
ガープはどこから取り出したのか、せんべいを食べながら豪快に笑っていた。
『なかなか楽しかったよ』
アルトは二人から手を離し。足もどけた。二人はボケっとアルトを見る。
「強い…強すぎる」
「相手にならねェ…これが中将…」
「まぁ当然の結果じゃな。コイツは近接に関してはプロみたいなもんじゃからな」
「近接のプロって…まさかあなたが“0”のアルトさんですか!!?」
「“あの”!? 銃を持っているのに…??」
「銃を持っているくせにてんで下手じゃがなァ。わっはっはっはっ」
『失敬だな。練習はしてるよ』
アルトは銃を拾い、しまう。
「「ありがとうございました!!」」
コビーとヘルメッポは敬礼する。
『ああ…いや。大したことしてないし、いいよ敬礼なんて…』
「相変わらずじゃなぁ。お前も上の立場の人間じゃ、そろそろ慣れろ」
『上の役目は下に敬礼されるものじゃないと思うだけだ』
「ほう…チビが言うじゃねェか」
くつくつと笑うガープ。そしてコビーとヘルメッポに指示を出し、演習場の掃除に取りかかった。
しばらくその光景を見ていたアルトは腰をあげる。
『じゃあ、僕行くよ』
「ああ。そうじゃアルト」
『……何?』
急に名前を呼ばれ、驚きガープを見る。
「気をつけろよ。お前の周りから何か“不穏な気配”がしとる」
『……“不穏な気配”?』
ガープの言葉をアルトは聞き返す。
「あの青二才もそれを探りに行ったんじゃろう」
『クザンクンが? 彼は“バスターコール”のために出ると言っていたよ』
「……そう言ったんか。まぁ、あいつ自身が動いとる訳じゃあるまい」
『遠まわし過ぎてよくわからないな』
ガープはアルトに真剣な目を向ける。
「とりあえず、部下の動向に目を配っておいてやれ」
『……ロールクン達の…??』
アルトは意味がわからず、頭に手を置き、少し考えてからガープの言葉に頷いた。
『わかった。帰ったらロールクンに連絡を取るよ』
「なにかあれば連絡して来い」
『ああ、じゃあね』
アルトは演習場を出ていった。
部屋に戻るアルトは自然に足早になっていた。
『なんだか気持ち悪いな…』
ガープに言われたせいかアルトは妙な予感にかられる。わからないけどなにかある、わかることと言えばその予感が良い物でないことだけだった。
部屋に戻ったアルトはお菓子にも手をつけず、受話器を取る。
[…………]
『??』
直接、船にかけるが何も反応がない。受話器を置き、かけなおす。
やはり反応がない。
『?…そんなに離れているのか…??』
アルトは受話器を取る。
プルプルプルプル……
[はい、海軍本部です]
『ノティだ。今日僕の隊に来た任務内容の確認をしたいんだけど』
[はい、しばらくお待ちください]
アルトは机を指でコツコツと叩く。
[……申し訳ありませんが、本日ノティ中将の隊に任務は出ていません]
『なんだって……!!? もう一度確認してほしい』
[――再確認しました。一番新しい任務は昨日のノティ中将単独任務のみです]
『……どういうことだ?』
アルトは一刻も早くロールに連絡を取る必要性を感じた。
『わかった。すまないが、今すぐロール少将に連絡が取りたい。部屋から取れないので繋いでくれないか』
[はい。しばらくお待ちください]
『………』
沈黙が走る。 しばらくして電伝虫が喋った。
[申し訳ありませんが、こちらからも連絡が取れません]
『!!? そんな…』
アルトは受話器を置く。
『何が起こっているんだ……??』
アルトは考える。明らかに何かに巻き込まれている。
“不穏な気配”
ガープの言葉が頭に浮かんだ。これは“気配”や“予感”という言葉ではもう済まされない。
『先手を取られてるじゃないか…』
アルトは受話器を取った。
プルプルプルプル……
[………はい! ガープ中将の電伝虫です]
『!?…コビーか』
[あっ、ノティ中将!! 先程はありがと……]
『すまないが、ガープサンに代わってくれ。急ぎなんだ』
アルトは焦っていた。コビーにもそれが伝わる。
[はっ、はい!!……ガープ中将!!!]
『……』
受話器が人から人へ渡った音がする。少ししてドアが開いて閉まる音がした。コビーが出て行ったようだ。
[わしじゃ。状況を説明しろ]
アルトは受話器を力いっぱい握りしめ、言った。
『ガープサン、キミの予感通りだ。ロールクン達と連絡が取れなくなった』
⇒あとがき
「ガープ中将……2対1ですか…?」
「わっはっはっは。心配せんでもいい」
「「………」」
コビーとヘルメッポは顔を見合わせた。アルトはガープに尋ねる。
『武器は?』
「チビはなし。お前らは持ってよし」
『了解』
「「はいっ」」
コビーは素手。ヘルメッポはククリ刀を持ち構える。 アルトは銃を地面に置いた。
『さていいよ。いつでも』
アルトは構えず立つ。 二人は息を整えた。
「行くよ! ヘルメッポ」
「おうっ!!」
「“
『!?……へぇ』
コビーが消える。ヘルメッポはそのまま突進してきた。
『
「キィエ~~!!」
ヘルメッポがククリ刀を振り上げる。アルトの後ろにはコビーが現れた。一瞬で囲まれるアルト。
『………』
二人は同時に頭と体に攻撃を向ける。アルトは目を閉じた。
スッ…
「「!?」」
まるで何もなかったかの様にアルトは二人の初撃をかわし、二人からトンッと距離を置く。
『…ふむ。なかなかいいコンビネーションだね』
「今、確実に入ったと思ったのに…」
「瞬間で、かわされた」
二人は呆然とする。
『詰めが甘い。訓練だからって躊躇しない方がいいよ』
アルトは、ん~っと背筋を伸ばす。
『……次、こっちから行くよ』
そう言ったかと思えばアルトは一瞬でヘルメッポに近づく。
「!!?」
ヘルメッポは咄嗟にククリ刀で応戦するが、避けられる。その間にも間合いを詰めたアルトはヘルメッポの目の前まで来た。親指と人差し指を立て鉄砲に見立ててヘルメッポの首筋に当てる。
『一人目…』
「…ぐっ」
「たァ!!」
コビーは足払いをアルトにかける。アルトはそれを見越していたのか、右足でコビーの“足”を押さえた。そしてヘルメッポと同じ様に銃に見立てた人差し指をコビー眉間に当てる。
勝負がついた瞬間だった。
「「………」」
コビーとヘルメッポは冷や汗がタラタラと流れ、ゴクリと息を飲む。
「ぶわっはっはっは!! やはり敵わんかぁ」
ガープはどこから取り出したのか、せんべいを食べながら豪快に笑っていた。
『なかなか楽しかったよ』
アルトは二人から手を離し。足もどけた。二人はボケっとアルトを見る。
「強い…強すぎる」
「相手にならねェ…これが中将…」
「まぁ当然の結果じゃな。コイツは近接に関してはプロみたいなもんじゃからな」
「近接のプロって…まさかあなたが“0”のアルトさんですか!!?」
「“あの”!? 銃を持っているのに…??」
「銃を持っているくせにてんで下手じゃがなァ。わっはっはっはっ」
『失敬だな。練習はしてるよ』
アルトは銃を拾い、しまう。
「「ありがとうございました!!」」
コビーとヘルメッポは敬礼する。
『ああ…いや。大したことしてないし、いいよ敬礼なんて…』
「相変わらずじゃなぁ。お前も上の立場の人間じゃ、そろそろ慣れろ」
『上の役目は下に敬礼されるものじゃないと思うだけだ』
「ほう…チビが言うじゃねェか」
くつくつと笑うガープ。そしてコビーとヘルメッポに指示を出し、演習場の掃除に取りかかった。
しばらくその光景を見ていたアルトは腰をあげる。
『じゃあ、僕行くよ』
「ああ。そうじゃアルト」
『……何?』
急に名前を呼ばれ、驚きガープを見る。
「気をつけろよ。お前の周りから何か“不穏な気配”がしとる」
『……“不穏な気配”?』
ガープの言葉をアルトは聞き返す。
「あの青二才もそれを探りに行ったんじゃろう」
『クザンクンが? 彼は“バスターコール”のために出ると言っていたよ』
「……そう言ったんか。まぁ、あいつ自身が動いとる訳じゃあるまい」
『遠まわし過ぎてよくわからないな』
ガープはアルトに真剣な目を向ける。
「とりあえず、部下の動向に目を配っておいてやれ」
『……ロールクン達の…??』
アルトは意味がわからず、頭に手を置き、少し考えてからガープの言葉に頷いた。
『わかった。帰ったらロールクンに連絡を取るよ』
「なにかあれば連絡して来い」
『ああ、じゃあね』
アルトは演習場を出ていった。
部屋に戻るアルトは自然に足早になっていた。
『なんだか気持ち悪いな…』
ガープに言われたせいかアルトは妙な予感にかられる。わからないけどなにかある、わかることと言えばその予感が良い物でないことだけだった。
部屋に戻ったアルトはお菓子にも手をつけず、受話器を取る。
[…………]
『??』
直接、船にかけるが何も反応がない。受話器を置き、かけなおす。
やはり反応がない。
『?…そんなに離れているのか…??』
アルトは受話器を取る。
プルプルプルプル……
[はい、海軍本部です]
『ノティだ。今日僕の隊に来た任務内容の確認をしたいんだけど』
[はい、しばらくお待ちください]
アルトは机を指でコツコツと叩く。
[……申し訳ありませんが、本日ノティ中将の隊に任務は出ていません]
『なんだって……!!? もう一度確認してほしい』
[――再確認しました。一番新しい任務は昨日のノティ中将単独任務のみです]
『……どういうことだ?』
アルトは一刻も早くロールに連絡を取る必要性を感じた。
『わかった。すまないが、今すぐロール少将に連絡が取りたい。部屋から取れないので繋いでくれないか』
[はい。しばらくお待ちください]
『………』
沈黙が走る。 しばらくして電伝虫が喋った。
[申し訳ありませんが、こちらからも連絡が取れません]
『!!? そんな…』
アルトは受話器を置く。
『何が起こっているんだ……??』
アルトは考える。明らかに何かに巻き込まれている。
“不穏な気配”
ガープの言葉が頭に浮かんだ。これは“気配”や“予感”という言葉ではもう済まされない。
『先手を取られてるじゃないか…』
アルトは受話器を取った。
プルプルプルプル……
[………はい! ガープ中将の電伝虫です]
『!?…コビーか』
[あっ、ノティ中将!! 先程はありがと……]
『すまないが、ガープサンに代わってくれ。急ぎなんだ』
アルトは焦っていた。コビーにもそれが伝わる。
[はっ、はい!!……ガープ中将!!!]
『……』
受話器が人から人へ渡った音がする。少ししてドアが開いて閉まる音がした。コビーが出て行ったようだ。
[わしじゃ。状況を説明しろ]
アルトは受話器を力いっぱい握りしめ、言った。
『ガープサン、キミの予感通りだ。ロールクン達と連絡が取れなくなった』
⇒あとがき