中将のお仕事2・謀られた正義[前編]
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センゴク元帥の部屋。
コンコンコン
「誰だ?」
『アルトだけど入っていい?』
「ああ。構わない」
ガチャ
『こんにちわ、センゴクサン。クザンクンの書類を届けにきたんだけど』
アルトの手には大量の書類。バランス感覚がいいのか上手く持っている。
「なんだその量は…青キジめ、いくら溜めれば気が済むんだ…」
アルトは書類を2つの山に分けながらセンゴクの机に置く。
『怒るなら、クザンクンに怒ってね。僕は巻き込まれただけだから』
「わかっておる」
アルトは間を少し置いて尋ねる。
『………ねぇ、センゴクサン』
「どうした?」
『……いや。今回の“バスターコール”に僕が召集されなかったのはなんでかなって思ってね』
「さぁな、おれは知らんが、しいて言えばお前がスパンダムの指示に従うと思わなかったからじゃないか」
『ああ、なるほど。でも“それ”がクザンクンの指示なら従うさ……たぶんね』
センゴクは呆れたようにため息をついた。
「……お前はよく中将になれたな」
『……本当にね。じゃあ、失礼するよ』
アルトは手を挙げ、センゴクの部屋を後にした。
大参謀つるの部屋
コンコンコン
『おつるサン、いる?』
「アルトかい。お入り」
ガチャ
「どうしたんだい……と聞くまでもないね。青キジの書類だね?」
『そ。でもおつるサンのはそんなに多くないよ。センゴクサンのが一番多かったから』
「そこに置いとくれ」
『わかった』
ドサッとおつるの机に書類を置く。
「目を通すのが大変そうだね」
『内容を簡単に言おうか? 読む手間は省けると思うけど』
「急ぎがあれば教えてくれるかい」
アルトは5件程急ぎの件を説明する。
「相変わらずいい記憶力だね」
『シュフォンクンには負けるけどね。一応急ぎの書類は上に置いてるから目を通しといて』
「わかったよ。ありがとうね」
『うん。それじゃ』
「アルト、ご飯は食べるんだよ」
『………よくわかったね』
「年の功さ」
『おつるサンはすごいな』
アルトは感心し、ご飯を食べることを約束し部屋を後にした。
赤犬の部屋。
『………』
アルトは深呼吸する。
コンコンコン
「誰じゃい?」
『アルト……じゃなくてノティです。クザンク…
いや、クザン大将の書類を持って来ました』
「入れ」
『失礼します』
「だいぶ挨拶が出来るようになったのぅ」
『どうも…。これ書類』
アルトは赤犬に手渡す。受け取った赤犬は眉間にしわを寄せた。
「……相変わらず仕事の出来ん奴じゃ。こちらのことも考えんか」
『僕に言わないでほしいな…』
「他に用件は?」
『いや、僕の用はこれだけ…』
「入室した時から話し方が戻っちょるぞ、“ノティ中将”」
『……です』
「いいじゃろう。もう下がって構わん」
『……はい。失礼します』
アルトは部屋を出た。
『はぁぁ……緊張した…』
アルトは盛大にため息をついた。
黄猿の部屋。
コンコンコン
『黄猿サンいるかい? アルトだけど』
「オー……アルト君かぁ」
ガチャ
黄猿がドアを開ける。
「紙がいっぱいあるねェ~どうしたんだい」
『クザンクンの書類を届けに来たんだ』
「あぁ~クザンのォ。ごくろうだったねェ~。お入りなさいな」
『うん。失礼するよ』
黄猿に招かれアルトは部屋に入る。
『ここに置いとくよ』
アルトは黄猿の机に書類を置く。
「アルト君、お茶飲んで行くかい?」
『いや、まだ行くところが……』
断ろうとしたアルトの目の前にあるのはケーキ。 黄猿が残念そうに話す。
「今から食べようと思ってたんだけどねェ~…良かったら一緒にと思ったんだけどねェ~」
『………』
空腹のアルトはケーキに釘付けだった。
『食べる。大丈夫。後は1つだし』
「そうかいそうかい。じゃあ、紅茶を入れるから座って待っておくれ」
『うん』
アルトはケーキをご馳走になった。食べながら世間話をいくつかする。黄猿は嬉しそうな顔でアルトの話を聞いていた。
「アルト君は偉いねェ~クザンの部下にはもったいないねェ」
『そうかなぁ?』
そう言ってアルトの頭を撫でる黄猿。アルトは素直に撫でられる。
アルトは、んーっと背中を伸ばす。
『予想以上に遅くなった……』
黄猿とケーキを食べていたら、いつの間にか夜になっていた。
『最後はガープサンか』
コンコンコン
「………」
『……? いないのか?』
アルトはもう一度ノックするが反応はなかった。
『困ったなぁ…。ガープサンが行きそうなところ……センゴクサンのところか』
アルトはセンゴクの部屋に行き尋ねると、演習場にいると言われた。
『めんどくさいな…まぁ、ケーキ食べたからいいけど』
アルトは演習場に向かうことにした。
明かりがついてるのは1箇所。第一演習場。
ガラガラ
「うわぁ!!? びっくりした」
「誰だてめェ!?」
そこに居たのは若い士官が二人。びっくりした表情を浮かべるのは短髪にバンダナ。そのバンダナの上にメガネをのせた華奢な青年。
もう一人は長髪にサングラスの顔が長い男。
『……あれ? キミ達、誰?』
「てめェに聞いてんだよ!!」
「ヘルメッポ失礼だよ。あっ、僕はコビー。軍曹です。よろしくお願いします」
怒鳴るヘルメッポの横でお辞儀をするコビー。
『……なんだか変わった取り合わせだな。僕はノティ・アルト。そうだ。僕、今ガープサン探してるんだけど見なかった?』
「“ガープサン”だと!!? ガープ中将になんて言葉遣いだ!!失礼だぞ、てめェ!!」
『いや、キミに聞いてない』
「あんだとォ!!」
『ねぇ、キミは知ってる?』
アルトはコビーに聞く。コビーはハッとしながらも答える。
「はい。ガープ中将は今、僕らの鍛練をそちらでご覧に…」
『……ご覧に?』
アルトはコビーの見る方向に目を向ける。ガープはガーガーと寝息を立てながら寝ていた。
『…はぁ、ワンパターンだな。コビー…だったよね? これ持ってて』
「はっ、はい!!?」
ドサッと書類の山をコビーに渡すアルト。そして少し屈伸をしてからガープに向かって走った。
ダッと左足を軸にジャンプし、体を回転させ右足のかかとをガープの側頭部に添えるように置く、つまり回し蹴りだ。軽そうに見えて重い蹴りがガープを吹っ飛ばす。
ドカーン!!
「「………!!?」」
アルトは軽く着地する。コビーとヘルメッポはアゴが外れるんじゃないかってくらい驚き、釘つげになった。
『ガープサン?? 起きたかい?』
吹っ飛んだガープが体を起こす。
「おお…寝とったか。なんじゃ青二才のとこのチビじゃないか」
起きたガープが何事もなかったように、欠伸をしながらアルトを見た。
『チビじゃない、アルトだよ。いい加減名前で呼んでほしいな』
「ああ、そんな名前だったなぁ。だがワシから見たらまだまだチビじゃ」
ガープは笑う。 もういいよっとアルトは肩を落とした。
「ガープ中将!!」
「大丈夫ですか?」
ヘルメッポと書類を抱えたコビーが走ってくる。
「てめェ、何しやがるだ?」
ヘルメッポがアルトに向かって怒鳴る。
『何って目覚ましだよ。ガープサンは揺すったくらいじゃ起きないだろ』
「だからってなァ!!」
「まぁ、気にするなァ。コイツはいつもそんな感じじゃ。ところで何しに来たんじゃ?」
『ああ。クザンクンの書類を渡しに来たんだ。期日直前のもあるから直接渡したくてね』
「どうせ青二才が溜めとったんだろ」
『その言葉、今日何回も聞いた。もういいよ』
「ぶわっはっはっは!! そうかそうか」
豪快に笑うガープ。アルトはため息をつく。
「「クザンクン…!!?」」
『?』
「ガープ中将その方は…」
コビーが尋ねた。ガープがああっとアルトを親指で指差しながら言う。
「コイツは青二才とこのチビじゃ。こんなチビが中将じゃ海軍も考えもんじゃなぁ。わっはっはっは」
「「中将ー―!!?」」
『否定はしないよ。めんどうだからね』
驚き過ぎて腰が抜けたコビーとヘルメッポ。ガープが元の席に座りなおした。
「そうじゃちょうどいい。チビ、こいつらの相手をしろ」
『……え?』
「なかなか骨がある奴らじゃからな。どうせ上司も部下もおらんし暇じゃろ」
『……クザンクンのことならともかく。今、ロールクン達がいないことまでなんでガープサンが知ってるんだい?』
アルトは首を傾げる。ガープが笑う。
「わざわざお前が書類を届けに来るとしたらそれくらいじゃろ」
『………ああ、なるほど。それはそうだね。――いいよ。仕事は終わったから』
アルトは納得し、承諾した。
「ほれ、お前ら。チビが相手してくれるそうじゃ、コイツは見た目より強いぞ。覚悟してかかれ」
「「はっ!!」」
コンコンコン
「誰だ?」
『アルトだけど入っていい?』
「ああ。構わない」
ガチャ
『こんにちわ、センゴクサン。クザンクンの書類を届けにきたんだけど』
アルトの手には大量の書類。バランス感覚がいいのか上手く持っている。
「なんだその量は…青キジめ、いくら溜めれば気が済むんだ…」
アルトは書類を2つの山に分けながらセンゴクの机に置く。
『怒るなら、クザンクンに怒ってね。僕は巻き込まれただけだから』
「わかっておる」
アルトは間を少し置いて尋ねる。
『………ねぇ、センゴクサン』
「どうした?」
『……いや。今回の“バスターコール”に僕が召集されなかったのはなんでかなって思ってね』
「さぁな、おれは知らんが、しいて言えばお前がスパンダムの指示に従うと思わなかったからじゃないか」
『ああ、なるほど。でも“それ”がクザンクンの指示なら従うさ……たぶんね』
センゴクは呆れたようにため息をついた。
「……お前はよく中将になれたな」
『……本当にね。じゃあ、失礼するよ』
アルトは手を挙げ、センゴクの部屋を後にした。
大参謀つるの部屋
コンコンコン
『おつるサン、いる?』
「アルトかい。お入り」
ガチャ
「どうしたんだい……と聞くまでもないね。青キジの書類だね?」
『そ。でもおつるサンのはそんなに多くないよ。センゴクサンのが一番多かったから』
「そこに置いとくれ」
『わかった』
ドサッとおつるの机に書類を置く。
「目を通すのが大変そうだね」
『内容を簡単に言おうか? 読む手間は省けると思うけど』
「急ぎがあれば教えてくれるかい」
アルトは5件程急ぎの件を説明する。
「相変わらずいい記憶力だね」
『シュフォンクンには負けるけどね。一応急ぎの書類は上に置いてるから目を通しといて』
「わかったよ。ありがとうね」
『うん。それじゃ』
「アルト、ご飯は食べるんだよ」
『………よくわかったね』
「年の功さ」
『おつるサンはすごいな』
アルトは感心し、ご飯を食べることを約束し部屋を後にした。
赤犬の部屋。
『………』
アルトは深呼吸する。
コンコンコン
「誰じゃい?」
『アルト……じゃなくてノティです。クザンク…
いや、クザン大将の書類を持って来ました』
「入れ」
『失礼します』
「だいぶ挨拶が出来るようになったのぅ」
『どうも…。これ書類』
アルトは赤犬に手渡す。受け取った赤犬は眉間にしわを寄せた。
「……相変わらず仕事の出来ん奴じゃ。こちらのことも考えんか」
『僕に言わないでほしいな…』
「他に用件は?」
『いや、僕の用はこれだけ…』
「入室した時から話し方が戻っちょるぞ、“ノティ中将”」
『……です』
「いいじゃろう。もう下がって構わん」
『……はい。失礼します』
アルトは部屋を出た。
『はぁぁ……緊張した…』
アルトは盛大にため息をついた。
黄猿の部屋。
コンコンコン
『黄猿サンいるかい? アルトだけど』
「オー……アルト君かぁ」
ガチャ
黄猿がドアを開ける。
「紙がいっぱいあるねェ~どうしたんだい」
『クザンクンの書類を届けに来たんだ』
「あぁ~クザンのォ。ごくろうだったねェ~。お入りなさいな」
『うん。失礼するよ』
黄猿に招かれアルトは部屋に入る。
『ここに置いとくよ』
アルトは黄猿の机に書類を置く。
「アルト君、お茶飲んで行くかい?」
『いや、まだ行くところが……』
断ろうとしたアルトの目の前にあるのはケーキ。 黄猿が残念そうに話す。
「今から食べようと思ってたんだけどねェ~…良かったら一緒にと思ったんだけどねェ~」
『………』
空腹のアルトはケーキに釘付けだった。
『食べる。大丈夫。後は1つだし』
「そうかいそうかい。じゃあ、紅茶を入れるから座って待っておくれ」
『うん』
アルトはケーキをご馳走になった。食べながら世間話をいくつかする。黄猿は嬉しそうな顔でアルトの話を聞いていた。
「アルト君は偉いねェ~クザンの部下にはもったいないねェ」
『そうかなぁ?』
そう言ってアルトの頭を撫でる黄猿。アルトは素直に撫でられる。
アルトは、んーっと背中を伸ばす。
『予想以上に遅くなった……』
黄猿とケーキを食べていたら、いつの間にか夜になっていた。
『最後はガープサンか』
コンコンコン
「………」
『……? いないのか?』
アルトはもう一度ノックするが反応はなかった。
『困ったなぁ…。ガープサンが行きそうなところ……センゴクサンのところか』
アルトはセンゴクの部屋に行き尋ねると、演習場にいると言われた。
『めんどくさいな…まぁ、ケーキ食べたからいいけど』
アルトは演習場に向かうことにした。
明かりがついてるのは1箇所。第一演習場。
ガラガラ
「うわぁ!!? びっくりした」
「誰だてめェ!?」
そこに居たのは若い士官が二人。びっくりした表情を浮かべるのは短髪にバンダナ。そのバンダナの上にメガネをのせた華奢な青年。
もう一人は長髪にサングラスの顔が長い男。
『……あれ? キミ達、誰?』
「てめェに聞いてんだよ!!」
「ヘルメッポ失礼だよ。あっ、僕はコビー。軍曹です。よろしくお願いします」
怒鳴るヘルメッポの横でお辞儀をするコビー。
『……なんだか変わった取り合わせだな。僕はノティ・アルト。そうだ。僕、今ガープサン探してるんだけど見なかった?』
「“ガープサン”だと!!? ガープ中将になんて言葉遣いだ!!失礼だぞ、てめェ!!」
『いや、キミに聞いてない』
「あんだとォ!!」
『ねぇ、キミは知ってる?』
アルトはコビーに聞く。コビーはハッとしながらも答える。
「はい。ガープ中将は今、僕らの鍛練をそちらでご覧に…」
『……ご覧に?』
アルトはコビーの見る方向に目を向ける。ガープはガーガーと寝息を立てながら寝ていた。
『…はぁ、ワンパターンだな。コビー…だったよね? これ持ってて』
「はっ、はい!!?」
ドサッと書類の山をコビーに渡すアルト。そして少し屈伸をしてからガープに向かって走った。
ダッと左足を軸にジャンプし、体を回転させ右足のかかとをガープの側頭部に添えるように置く、つまり回し蹴りだ。軽そうに見えて重い蹴りがガープを吹っ飛ばす。
ドカーン!!
「「………!!?」」
アルトは軽く着地する。コビーとヘルメッポはアゴが外れるんじゃないかってくらい驚き、釘つげになった。
『ガープサン?? 起きたかい?』
吹っ飛んだガープが体を起こす。
「おお…寝とったか。なんじゃ青二才のとこのチビじゃないか」
起きたガープが何事もなかったように、欠伸をしながらアルトを見た。
『チビじゃない、アルトだよ。いい加減名前で呼んでほしいな』
「ああ、そんな名前だったなぁ。だがワシから見たらまだまだチビじゃ」
ガープは笑う。 もういいよっとアルトは肩を落とした。
「ガープ中将!!」
「大丈夫ですか?」
ヘルメッポと書類を抱えたコビーが走ってくる。
「てめェ、何しやがるだ?」
ヘルメッポがアルトに向かって怒鳴る。
『何って目覚ましだよ。ガープサンは揺すったくらいじゃ起きないだろ』
「だからってなァ!!」
「まぁ、気にするなァ。コイツはいつもそんな感じじゃ。ところで何しに来たんじゃ?」
『ああ。クザンクンの書類を渡しに来たんだ。期日直前のもあるから直接渡したくてね』
「どうせ青二才が溜めとったんだろ」
『その言葉、今日何回も聞いた。もういいよ』
「ぶわっはっはっは!! そうかそうか」
豪快に笑うガープ。アルトはため息をつく。
「「クザンクン…!!?」」
『?』
「ガープ中将その方は…」
コビーが尋ねた。ガープがああっとアルトを親指で指差しながら言う。
「コイツは青二才とこのチビじゃ。こんなチビが中将じゃ海軍も考えもんじゃなぁ。わっはっはっは」
「「中将ー―!!?」」
『否定はしないよ。めんどうだからね』
驚き過ぎて腰が抜けたコビーとヘルメッポ。ガープが元の席に座りなおした。
「そうじゃちょうどいい。チビ、こいつらの相手をしろ」
『……え?』
「なかなか骨がある奴らじゃからな。どうせ上司も部下もおらんし暇じゃろ」
『……クザンクンのことならともかく。今、ロールクン達がいないことまでなんでガープサンが知ってるんだい?』
アルトは首を傾げる。ガープが笑う。
「わざわざお前が書類を届けに来るとしたらそれくらいじゃろ」
『………ああ、なるほど。それはそうだね。――いいよ。仕事は終わったから』
アルトは納得し、承諾した。
「ほれ、お前ら。チビが相手してくれるそうじゃ、コイツは見た目より強いぞ。覚悟してかかれ」
「「はっ!!」」