中将のお仕事2・謀られた正義[前編]
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アルトは久々の一人任務を終え、本部に帰還した。
プルプルプルプル……
部屋に入るそうそう電伝虫が鳴っている。アルトは外套を脱ぐと、受話器を取った。
『待たせたね、ノティだ』
[ノティ中将、ロールです。任務お疲れ様でした]
『ああ、ロールクンか。どうしたんだい?』
[はっ! 実は中将不在の際に隊に任務が入りまして…]
『そうなの? すぐ出るかい??』
[いえ。中将がいない場合、少将が隊を率いるように…と書いておりましたので、僭越ながら私が隊を率いて出撃致しました。
連絡並びに、お帰りのお出迎えが出来ず申し訳ございませんでした]
『そうなのか…そんなの構わないよ。僕も帰る予定が少し遅くなったからね。任務は長くなるのかい?』
[いえ。我々は本日中に帰還できる予定です。なので中将はゆっくりとお休みください]
『わかった、ありがとう。ロールクン達も気をつけてね。帰還前に一報を入れてくれたらいいから』
[はっ!! それでは失礼します!!]
会話が終わり、アルトは受話器を置く。
『さて、ではお言葉に甘えてゆっくりしよう』
【中将のお仕事2・謀られた正義[前編]】
「アルト、いる?」
『……? どうしたの…??』
部屋でホットチョコを飲みながら読書をしていたアルト。そこに青キジが入って来る。 手にはケーキの箱を持っていた。
「アルト、任務お疲れ。おれ今から出るから、これやるよ」
青キジはケーキの箱をアルトの執務机に置く。 アルトは本に栞をはさんで閉じ、机の端に置くとケーキの箱を引き寄せた。
『……出るって仕事?』
「そう、“例の極秘任務”。様子を見て来るんだ」
『ああ…あれか』
アルトはケーキの箱を開け、2つの内1つをお皿に移す。いただきますっと食べ始めた。それを見届けてから青キジが言う。
「だから残りの仕事よろしくね。報酬はそのケーキたち!!」
イェイ!と言わんばかりにピースする青キジ。アルトはフォークを落とす。
『………何の…仕事?』
「デスクワーク♪」
『嫌だ。キミの部下に任せなよ』
「それがダメなんだ。“極秘任務”中だからね」
『………今日、ロールクン達は違う仕事でいないんだけど』
「大丈夫大丈夫!!アルトだけでも出来るよ! そんな多くないし!!有能なアルトなら一瞬さ!」
『………』
「仕事はハンコ押して、ササッと届けたら終わり!」
『………い…』
「時間だ。じゃあ、よろしく!!」
アルトが“嫌”と言う前に出ていった青キジ。取り残されたアルトはケーキの箱にケーキと一緒に入っている青キジの部屋の鍵を見つける。
『用意周到とはこのことだね…』
鍵を持ち上げアルトはため息をつく。とりあえずケーキを食べてからでいいか、っと気持ちを切り替えた。
青キジの部屋。
青キジの机にはアルトの予想以上の書類の山。アルトは唖然とする。
『これを一人で…? ここまで溜めたことなかったのに。ケーキ食べるんじゃなかったな……』
アルトはトボトボと青キジの席に座った。机の上にはアメの箱が置いている。
『……丁寧なことだね、まったく』
アルトはアメを1つ口に入れ、書類の束にさらっと目を通しながらハンコを捺して行く。同時に渡す相手別に仕分けを行った。
アルトはデスクワークが不得意ではない。流れる様に読んだ書類も内容をしっかり理解しているのだ。青キジがアルトを有能だという理由はここにあった。アルトのおかげで何度期限間近の書類を抱えた青キジが救われたことか。
『………』
アルトは書類の山をひとつひとつ崩すようにハンコを捺していった。
5時間後……
『……終わった』
アルトはハンコを投げる。箱にあったアメはすっかりなくなっていた。机に山積みになっていた書類は今や配布先別に分けられて新たな山を築いている。
『届け先はセンゴクサンに黄猿サン、赤犬サン、おつるサン、ガープサンの5つか…』
はぁ…っと息をつく。
『一気に行くのは無理だな。1つずつ持って行くとしようか』
アルトは食事返上で期日直前の書類を抱えて上へ行った。
プルプルプルプル……
部屋に入るそうそう電伝虫が鳴っている。アルトは外套を脱ぐと、受話器を取った。
『待たせたね、ノティだ』
[ノティ中将、ロールです。任務お疲れ様でした]
『ああ、ロールクンか。どうしたんだい?』
[はっ! 実は中将不在の際に隊に任務が入りまして…]
『そうなの? すぐ出るかい??』
[いえ。中将がいない場合、少将が隊を率いるように…と書いておりましたので、僭越ながら私が隊を率いて出撃致しました。
連絡並びに、お帰りのお出迎えが出来ず申し訳ございませんでした]
『そうなのか…そんなの構わないよ。僕も帰る予定が少し遅くなったからね。任務は長くなるのかい?』
[いえ。我々は本日中に帰還できる予定です。なので中将はゆっくりとお休みください]
『わかった、ありがとう。ロールクン達も気をつけてね。帰還前に一報を入れてくれたらいいから』
[はっ!! それでは失礼します!!]
会話が終わり、アルトは受話器を置く。
『さて、ではお言葉に甘えてゆっくりしよう』
【中将のお仕事2・謀られた正義[前編]】
「アルト、いる?」
『……? どうしたの…??』
部屋でホットチョコを飲みながら読書をしていたアルト。そこに青キジが入って来る。 手にはケーキの箱を持っていた。
「アルト、任務お疲れ。おれ今から出るから、これやるよ」
青キジはケーキの箱をアルトの執務机に置く。 アルトは本に栞をはさんで閉じ、机の端に置くとケーキの箱を引き寄せた。
『……出るって仕事?』
「そう、“例の極秘任務”。様子を見て来るんだ」
『ああ…あれか』
アルトはケーキの箱を開け、2つの内1つをお皿に移す。いただきますっと食べ始めた。それを見届けてから青キジが言う。
「だから残りの仕事よろしくね。報酬はそのケーキたち!!」
イェイ!と言わんばかりにピースする青キジ。アルトはフォークを落とす。
『………何の…仕事?』
「デスクワーク♪」
『嫌だ。キミの部下に任せなよ』
「それがダメなんだ。“極秘任務”中だからね」
『………今日、ロールクン達は違う仕事でいないんだけど』
「大丈夫大丈夫!!アルトだけでも出来るよ! そんな多くないし!!有能なアルトなら一瞬さ!」
『………』
「仕事はハンコ押して、ササッと届けたら終わり!」
『………い…』
「時間だ。じゃあ、よろしく!!」
アルトが“嫌”と言う前に出ていった青キジ。取り残されたアルトはケーキの箱にケーキと一緒に入っている青キジの部屋の鍵を見つける。
『用意周到とはこのことだね…』
鍵を持ち上げアルトはため息をつく。とりあえずケーキを食べてからでいいか、っと気持ちを切り替えた。
青キジの部屋。
青キジの机にはアルトの予想以上の書類の山。アルトは唖然とする。
『これを一人で…? ここまで溜めたことなかったのに。ケーキ食べるんじゃなかったな……』
アルトはトボトボと青キジの席に座った。机の上にはアメの箱が置いている。
『……丁寧なことだね、まったく』
アルトはアメを1つ口に入れ、書類の束にさらっと目を通しながらハンコを捺して行く。同時に渡す相手別に仕分けを行った。
アルトはデスクワークが不得意ではない。流れる様に読んだ書類も内容をしっかり理解しているのだ。青キジがアルトを有能だという理由はここにあった。アルトのおかげで何度期限間近の書類を抱えた青キジが救われたことか。
『………』
アルトは書類の山をひとつひとつ崩すようにハンコを捺していった。
5時間後……
『……終わった』
アルトはハンコを投げる。箱にあったアメはすっかりなくなっていた。机に山積みになっていた書類は今や配布先別に分けられて新たな山を築いている。
『届け先はセンゴクサンに黄猿サン、赤犬サン、おつるサン、ガープサンの5つか…』
はぁ…っと息をつく。
『一気に行くのは無理だな。1つずつ持って行くとしようか』
アルトは食事返上で期日直前の書類を抱えて上へ行った。