【スキット】鬼の居ぬ間に
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
【鬼の居ぬ間に…】
恒例になったおさぼりスポットにて。
「アルト、気になることがあるのだが……」
『なんだい? ドレーククン』
ロリポップキャンディーを食べながらドレークを見るアルト。ドレークは言うか言うまいか迷った上で言葉にした。
「お前はいつも、そのお菓子ばかり……食べているが、食事はちゃんと取っているのか?」
『……ん。取っているよ』
「そ、そうか」
ドレークはホッとする。
「ちなみに昨日は何を食べたんだ?」
『えーっと確か…朝はハチミツたっぷりのホットケーキ。昼はパフェとワッフル。夜は黄猿サンからケーキもらってそれ食べた。それから……』
「ちょっと待て、アルト…!!? それはちゃんとした食事とは言わないぞ!?」
メニューを聞いて、胸焼けしそうになったドレークは慌てて止める。
『そう?』
当のアルトは首を傾げる。
「………普通のは…例えばカレーとかだ。食堂で食べないのか?」
『ああ…カレーか。僕辛いのキライなんだよ』
「………じゃあ食べないのか?」
『いや……食べるよ』
アルトは表情には出ないが、はぁっと息をつく。雰囲気が暗い。
「ど、どうした!!? なぜ暗くなるんだ……!?」
ドレークのその言葉にアルトは、だってさぁ…っと言う。
『食べないとクザンクンに“氷漬け”にされるんだ』
「………は?」
ドレークは止まった。アルトは話す。
『一度カレーを食べるのが嫌で逃げたことがあるんだけど……。その後、クザンクンに全力で追い回されて……捕まった後は首から下を凍らされ…説教された』
「………」
『あの時は流石に凍死するかと思ったよ』
「…………。だ、だが、さっき言った昨日のメニューに食事らしいのはなかったぞ」
『そう! 昨日はクザンクンが仕事だったんだ。だから久しぶりに…』
ジリリリリ……
「ん? アルト、電伝虫が鳴ってるぞ」
『………』
「……出ないのか?」
ジリリリリ………ガチャ
アルトは電伝虫を取らず、切る。
「出なくてよかったのか?」
『ああ…』
アルトは頷くが落ち着きがなくなった。
「……どうした? 大丈夫か??」
『……すまない、ドレーククン。急用が出来た』
アルトは立つ。冷や汗がだらだらと流れていた。
「…アルト?…………!!?」
ドレークは悪寒を感じる。というか冷気が漂ってきた。
「なんだ急に寒く……」
『来た……っ。早いな…!!』
パリパリと足音が聞こえる。その音はまるで氷を踏むような音…。
「やぁ、ドレーク少将。いつもアルトがすまないね」
「『!!』」
おさぼりスポットに来たのはもちろん青キジ。身体から冷気が立っている。ドレークは立って敬礼した。
「お久しぶりです、青キジ殿……」
「いやいや堅苦しいのはいいよ。部下が世話になってるからね」
青キジは笑っている、ちょっと恐いくらいに。その背後に感じる圧にドレークの顔が引きつる。
そしてその笑顔はアルトへ向けられた。
「さて…アルト君」
『なっ、なんだい? クザンクン』
「なんで電話に出なかったの?」
『………やっぱりクザンクンだったのか』
アルトは後ずさる。青キジはアルトと一定の距離を取るため一歩前に出る。
「わかってるなら取りなさいな」
『怒られる電話に出たくないよ』
「ほう、怒られるってわかってるんじゃないの」
『……あ』
しまったっとアルトが言う。ドレークは端で見ているだけだが、アルトの緊張している気配も感じていた。
「コックに聞いたよ。昨日は好き勝手してたみたいだな。そんな懲りない子には説教だよ」
青キジの手が氷になる。 アルトは青キジを見据えた。
『ドレーククン、またね!』
「アルト!!?」
「“アイスタイムカプセル”!!!」
「!!」
タンッとかわすアルト。ドレークの隣は凍りついた。 アルトは木の上に立つ。
『前みたいになるのはごめんだ』
アルトはそのまま逃げる。
「逃がさねェよ!」
青キジはすぐにアルトを追いかけた。
「………」
ドレークは呆然と凍りついた地面に目をやることしかできなかった。
これがアルトの日常の一幕。
その後、もちろんアルトは2度目の氷漬けを体験するのであった。
恒例になったおさぼりスポットにて。
「アルト、気になることがあるのだが……」
『なんだい? ドレーククン』
ロリポップキャンディーを食べながらドレークを見るアルト。ドレークは言うか言うまいか迷った上で言葉にした。
「お前はいつも、そのお菓子ばかり……食べているが、食事はちゃんと取っているのか?」
『……ん。取っているよ』
「そ、そうか」
ドレークはホッとする。
「ちなみに昨日は何を食べたんだ?」
『えーっと確か…朝はハチミツたっぷりのホットケーキ。昼はパフェとワッフル。夜は黄猿サンからケーキもらってそれ食べた。それから……』
「ちょっと待て、アルト…!!? それはちゃんとした食事とは言わないぞ!?」
メニューを聞いて、胸焼けしそうになったドレークは慌てて止める。
『そう?』
当のアルトは首を傾げる。
「………普通のは…例えばカレーとかだ。食堂で食べないのか?」
『ああ…カレーか。僕辛いのキライなんだよ』
「………じゃあ食べないのか?」
『いや……食べるよ』
アルトは表情には出ないが、はぁっと息をつく。雰囲気が暗い。
「ど、どうした!!? なぜ暗くなるんだ……!?」
ドレークのその言葉にアルトは、だってさぁ…っと言う。
『食べないとクザンクンに“氷漬け”にされるんだ』
「………は?」
ドレークは止まった。アルトは話す。
『一度カレーを食べるのが嫌で逃げたことがあるんだけど……。その後、クザンクンに全力で追い回されて……捕まった後は首から下を凍らされ…説教された』
「………」
『あの時は流石に凍死するかと思ったよ』
「…………。だ、だが、さっき言った昨日のメニューに食事らしいのはなかったぞ」
『そう! 昨日はクザンクンが仕事だったんだ。だから久しぶりに…』
ジリリリリ……
「ん? アルト、電伝虫が鳴ってるぞ」
『………』
「……出ないのか?」
ジリリリリ………ガチャ
アルトは電伝虫を取らず、切る。
「出なくてよかったのか?」
『ああ…』
アルトは頷くが落ち着きがなくなった。
「……どうした? 大丈夫か??」
『……すまない、ドレーククン。急用が出来た』
アルトは立つ。冷や汗がだらだらと流れていた。
「…アルト?…………!!?」
ドレークは悪寒を感じる。というか冷気が漂ってきた。
「なんだ急に寒く……」
『来た……っ。早いな…!!』
パリパリと足音が聞こえる。その音はまるで氷を踏むような音…。
「やぁ、ドレーク少将。いつもアルトがすまないね」
「『!!』」
おさぼりスポットに来たのはもちろん青キジ。身体から冷気が立っている。ドレークは立って敬礼した。
「お久しぶりです、青キジ殿……」
「いやいや堅苦しいのはいいよ。部下が世話になってるからね」
青キジは笑っている、ちょっと恐いくらいに。その背後に感じる圧にドレークの顔が引きつる。
そしてその笑顔はアルトへ向けられた。
「さて…アルト君」
『なっ、なんだい? クザンクン』
「なんで電話に出なかったの?」
『………やっぱりクザンクンだったのか』
アルトは後ずさる。青キジはアルトと一定の距離を取るため一歩前に出る。
「わかってるなら取りなさいな」
『怒られる電話に出たくないよ』
「ほう、怒られるってわかってるんじゃないの」
『……あ』
しまったっとアルトが言う。ドレークは端で見ているだけだが、アルトの緊張している気配も感じていた。
「コックに聞いたよ。昨日は好き勝手してたみたいだな。そんな懲りない子には説教だよ」
青キジの手が氷になる。 アルトは青キジを見据えた。
『ドレーククン、またね!』
「アルト!!?」
「“アイスタイムカプセル”!!!」
「!!」
タンッとかわすアルト。ドレークの隣は凍りついた。 アルトは木の上に立つ。
『前みたいになるのはごめんだ』
アルトはそのまま逃げる。
「逃がさねェよ!」
青キジはすぐにアルトを追いかけた。
「………」
ドレークは呆然と凍りついた地面に目をやることしかできなかった。
これがアルトの日常の一幕。
その後、もちろんアルトは2度目の氷漬けを体験するのであった。