ユレルココロ
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
―――――ドレーク海賊団、医務室。
「……アルト、もう大丈夫なのか?」
『ああ』
「そう、か……」
ドレークは戸惑いつつも返事を返した。涙を拭うために渡したタオルを顔に当てているアルトを見て思う。
「(アルトが纏う空気が以前よりも幾分穏やかに感じるが…)」
『ロールクン、キミも使うかい?』
今にも泣き出しそうなロールにアルトはタオルを差出した。ロールは首を横に振る。
「いえ…大丈夫です!!」
『そうか』
「……。なぁ、アルト。お前、何かあったのか?」
『何かって?』
ドレークは青キジとの一戦で疲弊しているであろうアルトになんて声を掛けようか、考えていた。
もしかしたらその前になぜ、“裏切り者”が目の前にいるのか説明が必要なのではないか、と。
しかし、目覚めたアルトには動揺も不安も感じられない。
いや余裕すら感じられると言っていい。
ドレークは久しく会う友の変化に少し戸惑っていた。
「…いや、なんとなくだが持つ雰囲気が変わったように思えてな」
『……』
アルトはドレークの言葉に口を閉ざし、窓に目を向ける。
「? アルト??」
『……思い出したんだ』
「「??」」
アルトの言葉に、ドレークとロールは視線を交わた。
その刹那、互いに感づいたのか、アルトに視線を戻す。
「思い出したって……!!?」
「中将まさか、記憶が」
アルトは窓に向けていた視線をドレークとロールに戻し頷いた。
『ああ、だいたいは戻ったみたいだよ』
「「!!」」
「それは、本当なのか?」
『うん。だからキミとロールクンが友達だったことも、ロールクンの機転で僕がここにいることも“知っている”』
「! “知っている”だと!?」
「あの時、中将は気を失って……」
『あの時じゃないよ。今、知ることができた』
「……? どういうことだ?」
『そうだなぁ、“見聞色の覇気”…かな』
その言葉にロールが即反応する。
「覇気ですか? しかし“見聞色の覇気”でそんなはっきりと相手の心理がわかるとは……」
「確かにそうだ。そこまで“見聞色の覇気”は高められるものなのか………?」
ドレークは疑問を口にしたものの、違和感に気づく。
「いや、それよりも…。アルト、お前“今”って言ったよな。それはそういう意味だ?
お前が記憶を思い出したことと、関係があるのか?」
『うん。僕には“ココロを読む力”あったんだ』
「?」
「…?」
ドレークとロールの疑問の色に、アルトは目を伏せて答えた。
『なんて説明したらいいのかな。
……っとここからは少し長くなるけど、“戦争”は見なくていいのかい?』
「……。」
ドレークはそう言われ、一瞬ドアに目を向ける。
「状況が大きく動けばクルーが知らせてくれる」
『キミは……戦争よりも僕の話を優先するのかい?』
「お前は、おれの“友”だ」
『……。本当に相変わらずだな。 ロールクンは?』
「お聞かせいただきたい、と思っています」
『……そうか。わかった』
アルトは頷く。そして少し外に目をやってから2人に顔を向けた。
『じゃあ、甲板で話そう。“白ひげ”はもうすぐ現れるから』
「「!!?」」
アルトは、掛け布団をのけると、ベットから降りようとする。
しかし身体がぐらついた。
「中将!!」
「馬鹿! 何をしてる!!」
ドレークとロールが慌ててアルトの身体を支えた。
『悪い。脚やられてるの忘れてた』
「寝ていろ、船医は絶対安静だと……」
『大丈夫だよ。戦争見たいだろ?』
「……」
『というか、見ていた方がいい。“歴史が変わる瞬間は”』
「アルト……?」
『今後のためにもね。それに、僕の気も紛れるし』
「……わかった」
「ドレーク離していいぞ、中将は私が支える」
「一人で大丈夫か?」
「当たり前だ。それにこれ以上海賊に手を借りるわけにはいかん」
「……そうか。では任せる」
ドレークは口角が少し上がっていた。笑ってるようだ。
『ありがとう、ロールクン』
「いえ! お気になさらずに」
アルトはロールに支えられ、甲板へ向かった。
甲板へ出るとドレークはクルーに椅子の用意をさせた。
「ドレーク船長、状況を報告します。ただいまセンゴクによる演説で、
ポートガス・D・エースはあの海賊王ゴールド・ロジャーの息子だったことが判明しました!!」
「なんだと!」
『……』
「皆も驚きました。若くして“白ひげ海賊団”の2番隊隊長、しかも“七武海”への推薦もあった男。
今思えば片鱗はすでにあったのですね」
「そうだな…。“白ひげ”はまだか?」
『まもなくだよ。“海”を見ていた方がいい』
「海?」
「あ!! “正義の門”が……!!」
「ひとりでに開いた……!!」
ドレークのクルーが声を上げた。
全景を捉えることができないほどの巨大な門が、開く。
その先には無数の船の影が見える。
「あれは、傘下の海賊団!?」
「本隊は見えるか??」
「見えません!」
ドレークのクルーに、慌ただしさが見られる。
椅子のひじかけ肘をおいたアルトは、つぶやいた。
『………そうか、この布陣だったな。これならもう少し引いた方がよかったか……』
アルトの言葉に、ロールはアルトに目を向けた。
“正義の門”からの襲撃は想定範囲内のはずだ。
「ノティ中将、何か問題でも?」
『いや、これは単純に“白ひげ”の策略勝ちなだけだ。
でも、センゴクサンもおつるサンもいるから大きなミスにはならないと思う』
「どういうことですか?」
『“白ひげ”本隊は“海中から湾内”に現れる』
「え!!?」
「……なぜわかる?」
静観していたドレークが尋ねる。
『“白ひげ”本人の“ココロ”の気配が“海の中”からするからね』
「“心の気配”?」
「ーーーーー船長!! 現れました!
“白ひげ”です!! コーティング船で現れました!!!」
「「…………!!」」
ドレークとロールは息をのんだ。
たった今、アルトが言ったことが、現実に起こったのだ。
「これが、“お前の見聞色の覇気”の力だと?」
『ああ、僕もやっと実感を持てたよ』
「??」
アルトは椅子にもたれ掛かった。スクリーンから目を離し、空を見上げる。
ポートガス・D・エース搬送の時の“罪人の椅子”の景色よりも、もっと青い空が見えた。
『……正直、僕自身、実感が無さ過ぎてさ。そうだと知った今は、当たり前のように受け入れている自分とそうじゃない自分がいる』
その言葉に、ドレークとロールは視線を交わす
互いに意図を理解できず、再びアルトを見た。
「? どういうことだ??」
『記憶を失う前の僕と、失った後の僕の両方の気持ちって感じかな…』
「?? 中将、一体何をおっしゃって……」
『……ああ悪い。いろいろ思い出した結果、どうやら僕は少しばかり変わっているらしい』
アルトは、静かにそう言った。
「どういうことだ?」
ドレークが、目を丸くした。
アルトは視線を空から2人へ向ける。
『僕は"ずっと昔に生まれた"、古代の人間なんだそうだ』
・
「……アルト、もう大丈夫なのか?」
『ああ』
「そう、か……」
ドレークは戸惑いつつも返事を返した。涙を拭うために渡したタオルを顔に当てているアルトを見て思う。
「(アルトが纏う空気が以前よりも幾分穏やかに感じるが…)」
『ロールクン、キミも使うかい?』
今にも泣き出しそうなロールにアルトはタオルを差出した。ロールは首を横に振る。
「いえ…大丈夫です!!」
『そうか』
「……。なぁ、アルト。お前、何かあったのか?」
『何かって?』
ドレークは青キジとの一戦で疲弊しているであろうアルトになんて声を掛けようか、考えていた。
もしかしたらその前になぜ、“裏切り者”が目の前にいるのか説明が必要なのではないか、と。
しかし、目覚めたアルトには動揺も不安も感じられない。
いや余裕すら感じられると言っていい。
ドレークは久しく会う友の変化に少し戸惑っていた。
「…いや、なんとなくだが持つ雰囲気が変わったように思えてな」
『……』
アルトはドレークの言葉に口を閉ざし、窓に目を向ける。
「? アルト??」
『……思い出したんだ』
「「??」」
アルトの言葉に、ドレークとロールは視線を交わた。
その刹那、互いに感づいたのか、アルトに視線を戻す。
「思い出したって……!!?」
「中将まさか、記憶が」
アルトは窓に向けていた視線をドレークとロールに戻し頷いた。
『ああ、だいたいは戻ったみたいだよ』
「「!!」」
「それは、本当なのか?」
『うん。だからキミとロールクンが友達だったことも、ロールクンの機転で僕がここにいることも“知っている”』
「! “知っている”だと!?」
「あの時、中将は気を失って……」
『あの時じゃないよ。今、知ることができた』
「……? どういうことだ?」
『そうだなぁ、“見聞色の覇気”…かな』
その言葉にロールが即反応する。
「覇気ですか? しかし“見聞色の覇気”でそんなはっきりと相手の心理がわかるとは……」
「確かにそうだ。そこまで“見聞色の覇気”は高められるものなのか………?」
ドレークは疑問を口にしたものの、違和感に気づく。
「いや、それよりも…。アルト、お前“今”って言ったよな。それはそういう意味だ?
お前が記憶を思い出したことと、関係があるのか?」
『うん。僕には“ココロを読む力”あったんだ』
「?」
「…?」
ドレークとロールの疑問の色に、アルトは目を伏せて答えた。
『なんて説明したらいいのかな。
……っとここからは少し長くなるけど、“戦争”は見なくていいのかい?』
「……。」
ドレークはそう言われ、一瞬ドアに目を向ける。
「状況が大きく動けばクルーが知らせてくれる」
『キミは……戦争よりも僕の話を優先するのかい?』
「お前は、おれの“友”だ」
『……。本当に相変わらずだな。 ロールクンは?』
「お聞かせいただきたい、と思っています」
『……そうか。わかった』
アルトは頷く。そして少し外に目をやってから2人に顔を向けた。
『じゃあ、甲板で話そう。“白ひげ”はもうすぐ現れるから』
「「!!?」」
アルトは、掛け布団をのけると、ベットから降りようとする。
しかし身体がぐらついた。
「中将!!」
「馬鹿! 何をしてる!!」
ドレークとロールが慌ててアルトの身体を支えた。
『悪い。脚やられてるの忘れてた』
「寝ていろ、船医は絶対安静だと……」
『大丈夫だよ。戦争見たいだろ?』
「……」
『というか、見ていた方がいい。“歴史が変わる瞬間は”』
「アルト……?」
『今後のためにもね。それに、僕の気も紛れるし』
「……わかった」
「ドレーク離していいぞ、中将は私が支える」
「一人で大丈夫か?」
「当たり前だ。それにこれ以上海賊に手を借りるわけにはいかん」
「……そうか。では任せる」
ドレークは口角が少し上がっていた。笑ってるようだ。
『ありがとう、ロールクン』
「いえ! お気になさらずに」
アルトはロールに支えられ、甲板へ向かった。
甲板へ出るとドレークはクルーに椅子の用意をさせた。
「ドレーク船長、状況を報告します。ただいまセンゴクによる演説で、
ポートガス・D・エースはあの海賊王ゴールド・ロジャーの息子だったことが判明しました!!」
「なんだと!」
『……』
「皆も驚きました。若くして“白ひげ海賊団”の2番隊隊長、しかも“七武海”への推薦もあった男。
今思えば片鱗はすでにあったのですね」
「そうだな…。“白ひげ”はまだか?」
『まもなくだよ。“海”を見ていた方がいい』
「海?」
「あ!! “正義の門”が……!!」
「ひとりでに開いた……!!」
ドレークのクルーが声を上げた。
全景を捉えることができないほどの巨大な門が、開く。
その先には無数の船の影が見える。
「あれは、傘下の海賊団!?」
「本隊は見えるか??」
「見えません!」
ドレークのクルーに、慌ただしさが見られる。
椅子のひじかけ肘をおいたアルトは、つぶやいた。
『………そうか、この布陣だったな。これならもう少し引いた方がよかったか……』
アルトの言葉に、ロールはアルトに目を向けた。
“正義の門”からの襲撃は想定範囲内のはずだ。
「ノティ中将、何か問題でも?」
『いや、これは単純に“白ひげ”の策略勝ちなだけだ。
でも、センゴクサンもおつるサンもいるから大きなミスにはならないと思う』
「どういうことですか?」
『“白ひげ”本隊は“海中から湾内”に現れる』
「え!!?」
「……なぜわかる?」
静観していたドレークが尋ねる。
『“白ひげ”本人の“ココロ”の気配が“海の中”からするからね』
「“心の気配”?」
「ーーーーー船長!! 現れました!
“白ひげ”です!! コーティング船で現れました!!!」
「「…………!!」」
ドレークとロールは息をのんだ。
たった今、アルトが言ったことが、現実に起こったのだ。
「これが、“お前の見聞色の覇気”の力だと?」
『ああ、僕もやっと実感を持てたよ』
「??」
アルトは椅子にもたれ掛かった。スクリーンから目を離し、空を見上げる。
ポートガス・D・エース搬送の時の“罪人の椅子”の景色よりも、もっと青い空が見えた。
『……正直、僕自身、実感が無さ過ぎてさ。そうだと知った今は、当たり前のように受け入れている自分とそうじゃない自分がいる』
その言葉に、ドレークとロールは視線を交わす
互いに意図を理解できず、再びアルトを見た。
「? どういうことだ??」
『記憶を失う前の僕と、失った後の僕の両方の気持ちって感じかな…』
「?? 中将、一体何をおっしゃって……」
『……ああ悪い。いろいろ思い出した結果、どうやら僕は少しばかり変わっているらしい』
アルトは、静かにそう言った。
「どういうことだ?」
ドレークが、目を丸くした。
アルトは視線を空から2人へ向ける。
『僕は"ずっと昔に生まれた"、古代の人間なんだそうだ』
・