ユレルココロ

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「――――アルト、もうええぞ」

そう言った赤犬の声に、板チョコを食べていたアルトは振り返る。

『…終わったのかい?』

「おう。見事に釣られよったわ」

『ヘェ。成功するもんなんだね』

アルトは感心したと言わんばかりの声を上げた。
決してセンゴクの“作戦”や赤犬の手腕を疑っていた訳ではないが、
“絆”がめっぽう強いと言われる白ひげ海賊団の仲を、こうも簡単に裂けるとは思っていなかったのだ。


「馬鹿はいつまでもつまらんことを恨むからのォ…」

『……ふーん』

アルトは興味がなさそうに言うと、チョコレートの最後のひと欠片を口に入れる。
そしてふと何かに気付き、空を見上げた。


『……ねェ、赤犬サン』

「どうしたんじゃ?」

『あれは……作戦になかったよね』

「あれ?」

『あれ』

アルトが空を指す。赤犬は空を見上げる。







あああああああああああああああ………!!





「なんじゃあ」

赤犬が空に目をやると巨大な軍艦が落ちてきているのが見えた。





バシャアアアアアアン………!!!!





「『……』」

2人は落ちてきた軍艦に視線を注ぐ。





「ルフィ!!!」

「エ~~~~~~~ス~~~~~~~~~~!!!……やっと会えたァ!!!」

処刑台のエースが弟の突然の登場に声を上げる。湾内も騒然としているのは火を見るより明らかだ。


『生きてたんだ。麦わらクン』

「……麦わら…」

赤犬は落ちた軍艦にいる“麦わら”のルフィの姿を認め、言葉を発した。


「アイツが、そうか…。英雄ガープの孫にして、ドラゴンの息子……。
―――あいつも確実に消しとかにゃいけんのう」

『……まあ、そうだね』

赤犬の語尾が強くなった。これは怒っているのだろうとアルトは感じる。


「これだから“D”のつく奴らは…めんどうばかり起こしよって」

『……』

アルトは処刑台にいるエースに一瞬、視線を向ける。
そして軍艦にいるルフィとその隣に立つ白ひげを見て、呟いた。


『ん~……この状況、あまりよくないな』

そう言ったアルトは子電伝虫を取り出す。


『…ああ、おつるサン? 僕だ』

「?」

アルトが話し始めた。赤犬は怪訝な顔をする。


『作戦は順調。でね、悪いんだけど次の作戦には少し遅れて行くよ。
―――ああ、わかってる。努力する。うん、じゃあね』

アルトは電話を終えると、子電伝虫をしまう。そして塀から降り、歩き出した。


アルト、どこに行くんじゃ?」

『まだ作戦まで間があるから、ちょっと“彼”を足止めしてくるよ』

「?ドラゴンの息子をか?」

赤犬の疑問にアルトは背を向けたまま、答えた。


『うん。赤犬サンの言う通り、なんか厄介なことになる気がするんだ』







【作戦の保険】





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