シャボンダマノサキ
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―――――――
―――――
15年前、海軍本部食堂。
「――“狂奏者”?」
「例の“島壊し”の呼び名になったらしいぞ」
軍の食堂でモーニングを食べるドレークとロール。ロールはモーニングコーヒーを一口呑むと向かいで新聞を閉じたドレークにそう付け加えた。
「えらく洒落た名だな」
「“島壊し”だと金獅子シキとも取られ兼ねないからな。紛らわしいらしい」
「ふむ……だが、結局見つかっていないんだったな」
「ああ。11の島を破壊、1つの島を半壊させて姿を消したままだ」
「目的は何も分からずか……。追跡調査は誰が担当なんだ?」
「……」
「?」
ロールは眉をひそめる。ドレークは首を傾げた。
「どうした?」
「いや。そういえばお前は昨日、遠征から帰って来たんだったなと思ってな」
「?」
「“狂奏者”の追跡調査はCPが担当することになったらしい」
「!!?」
ドレークは目を見開いた。
「どういうことだ?CPがなぜ出てくる?」
「おれが知ってると思うか?」
「……。そうだな」
「……聞いた話だと五老星からの直属の命だそうだ。実質海軍は“狂奏者”探しから外れている」
「……」
「まぁ、“狂奏者”は世界的犯罪者だと認定された。五老星が出て来てもおかしくはない」
「無差別に人や国を“壊した”犯罪者……か」
「まったく何を考えてるんだか。犯罪者の心理ってのはわからんな」
「失礼します、ロール准将」
「「!」」
海兵が2人の前で敬礼する。2人は目を向けた。
「なんだ?」
「ボルサリーノ中将から呼び出しがかかっております」
「中将から…?わかった。ドレーク、悪いが行って来る」
「気にするな。おれは休暇だ」
「ああ、そうだったな。ゆっくり休め」
「そうさせてもらうさ」
ロールは去って行くのを見送った後、ドレークはコーヒーを飲み干す。そして資料室へ向かった。
海軍本部資料室
ガラッとドアを開ける。中にいた海兵はドレークを見て声を掛けてきた。
「ドレーク准将」
「ブック大佐、お久しぶりです」
「いやいや、改まらないでくれ。今の君は私より階級が上なんだから」
ドレークは微笑む。ブックはドレークがまだ見習いだった頃世話になった人だ。
今は前線を退き、資料室の管理をしているらしい。
「いえ、おれにとっては尊敬する上司です。しかし、まさか前線を退かれるとは…」
「そんな驚くことではないよ。私は元々事務方上がり。条件付きで前線に行ってただけだからね」
「そう言えば、そうでしたね」
クスクスと笑うブックは返却された本をカウンターに置くと、改めてドレークを見た。
「ところで、何か調べものかい?」
「あ、はい。“狂奏者”の資料を閲覧したいのですが」
「!…“狂奏者”の?」
「え、ええ」
ブックの表情が曇った。ドレークは首を傾げる。
「どうかしましたか?」
「“狂奏者”の資料の閲覧は中将以上に限られているんだ」
「!」
「政府は“狂奏者”をかなり特殊な犯罪者だと捉えているようでね」
「……どうしても無理ですか?」
ドレークはブックの目をまっすぐ見る。ブックはため息をついた。
「相変わらずまっすぐな目だな。君のその目には勝てない。ついて来なさい」
「ありがとうございます」
ブックはドレークを奥の書庫へ招くと、“狂奏者”と書かれたファイルをドレークに差し出した。
NO.008633【狂奏者】
何らかの方法で島にいる人間を殺害。その後、島を破壊した。天候による破壊ではなく人災によるものと断定。
被害:被害にあった島は全部で12。内11は全壊、1つは半壊。
・11の島のサルベージでの検証結果は以下2点のみ。
一、被害にあった住人は溺死ではない。外傷がない状況から島が破壊される前に眠るように死んだとされる。
一、島の決壊具合から地震または嵐らしきものが起こされた模様。
・半壊した島民から残った島民へ伝えられた証言。
「島の真ん中にある公園に向かう途中に、音が聞こえた」と。
だが、その後すぐに被害にあった島民は死亡。残った島民はその“音”を聞いておらずそれ以上の証言は認められない。
特記事項:能力者という観点から考えると現在それを起こせる可能性がある能力者は“白ひげ”および“金獅子”。
しかし、“白ひげ”は7と10の島が破壊された際、別の海域で存在を確認されている。
“金獅子”はインペルダウン脱走後、姿を見せていない。
どちらに関しても動機が不明である上、島民の死因に関連するとは思えないという上層部の判断で除外された。
その行為をした理由は不明であるが、まことに人間とは思えない、非情なものであると言える。
よって“狂奏者”を世界的犯罪者として認定。犯罪者の手がかりを現在CPによる追跡調査が行われている。
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15年前、海軍本部食堂。
「――“狂奏者”?」
「例の“島壊し”の呼び名になったらしいぞ」
軍の食堂でモーニングを食べるドレークとロール。ロールはモーニングコーヒーを一口呑むと向かいで新聞を閉じたドレークにそう付け加えた。
「えらく洒落た名だな」
「“島壊し”だと金獅子シキとも取られ兼ねないからな。紛らわしいらしい」
「ふむ……だが、結局見つかっていないんだったな」
「ああ。11の島を破壊、1つの島を半壊させて姿を消したままだ」
「目的は何も分からずか……。追跡調査は誰が担当なんだ?」
「……」
「?」
ロールは眉をひそめる。ドレークは首を傾げた。
「どうした?」
「いや。そういえばお前は昨日、遠征から帰って来たんだったなと思ってな」
「?」
「“狂奏者”の追跡調査はCPが担当することになったらしい」
「!!?」
ドレークは目を見開いた。
「どういうことだ?CPがなぜ出てくる?」
「おれが知ってると思うか?」
「……。そうだな」
「……聞いた話だと五老星からの直属の命だそうだ。実質海軍は“狂奏者”探しから外れている」
「……」
「まぁ、“狂奏者”は世界的犯罪者だと認定された。五老星が出て来てもおかしくはない」
「無差別に人や国を“壊した”犯罪者……か」
「まったく何を考えてるんだか。犯罪者の心理ってのはわからんな」
「失礼します、ロール准将」
「「!」」
海兵が2人の前で敬礼する。2人は目を向けた。
「なんだ?」
「ボルサリーノ中将から呼び出しがかかっております」
「中将から…?わかった。ドレーク、悪いが行って来る」
「気にするな。おれは休暇だ」
「ああ、そうだったな。ゆっくり休め」
「そうさせてもらうさ」
ロールは去って行くのを見送った後、ドレークはコーヒーを飲み干す。そして資料室へ向かった。
海軍本部資料室
ガラッとドアを開ける。中にいた海兵はドレークを見て声を掛けてきた。
「ドレーク准将」
「ブック大佐、お久しぶりです」
「いやいや、改まらないでくれ。今の君は私より階級が上なんだから」
ドレークは微笑む。ブックはドレークがまだ見習いだった頃世話になった人だ。
今は前線を退き、資料室の管理をしているらしい。
「いえ、おれにとっては尊敬する上司です。しかし、まさか前線を退かれるとは…」
「そんな驚くことではないよ。私は元々事務方上がり。条件付きで前線に行ってただけだからね」
「そう言えば、そうでしたね」
クスクスと笑うブックは返却された本をカウンターに置くと、改めてドレークを見た。
「ところで、何か調べものかい?」
「あ、はい。“狂奏者”の資料を閲覧したいのですが」
「!…“狂奏者”の?」
「え、ええ」
ブックの表情が曇った。ドレークは首を傾げる。
「どうかしましたか?」
「“狂奏者”の資料の閲覧は中将以上に限られているんだ」
「!」
「政府は“狂奏者”をかなり特殊な犯罪者だと捉えているようでね」
「……どうしても無理ですか?」
ドレークはブックの目をまっすぐ見る。ブックはため息をついた。
「相変わらずまっすぐな目だな。君のその目には勝てない。ついて来なさい」
「ありがとうございます」
ブックはドレークを奥の書庫へ招くと、“狂奏者”と書かれたファイルをドレークに差し出した。
NO.008633【狂奏者】
何らかの方法で島にいる人間を殺害。その後、島を破壊した。天候による破壊ではなく人災によるものと断定。
被害:被害にあった島は全部で12。内11は全壊、1つは半壊。
・11の島のサルベージでの検証結果は以下2点のみ。
一、被害にあった住人は溺死ではない。外傷がない状況から島が破壊される前に眠るように死んだとされる。
一、島の決壊具合から地震または嵐らしきものが起こされた模様。
・半壊した島民から残った島民へ伝えられた証言。
「島の真ん中にある公園に向かう途中に、音が聞こえた」と。
だが、その後すぐに被害にあった島民は死亡。残った島民はその“音”を聞いておらずそれ以上の証言は認められない。
特記事項:能力者という観点から考えると現在それを起こせる可能性がある能力者は“白ひげ”および“金獅子”。
しかし、“白ひげ”は7と10の島が破壊された際、別の海域で存在を確認されている。
“金獅子”はインペルダウン脱走後、姿を見せていない。
どちらに関しても動機が不明である上、島民の死因に関連するとは思えないという上層部の判断で除外された。
その行為をした理由は不明であるが、まことに人間とは思えない、非情なものであると言える。
よって“狂奏者”を世界的犯罪者として認定。犯罪者の手がかりを現在CPによる追跡調査が行われている。
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