シャボンダマノサキ
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
それはある日の午後。いつものおさぼりスポットでの話。
「アルト、一端休憩しよう」
『…賛成』
ドレークの提案にアルトは同意。それが成立した途端、2人は武器を投げ出し芝生に寝転んだ。
『あ~~疲れた。キミと修行するとつい全力になる』
「まったくだ。だが全力でやれる分、力にはなる」
『まぁね』
そんな他愛もない会話をしながら、ドレークは呼吸を整える。一方のアルトはアメを取り出していた。
『いるかい?』
「いや、いい」
アルトの言葉にドレークは手を振って答える。アルトはそう、と返事を返すと取り出したアメを口に放り込んだ。
それから数分、2人は何を話すでもなくただただ空に広がる青をボーっと眺めた。
『~~♪~♪~~♪♪』
「?」
ドレークの耳にアルトから呟きに似た鼻歌が聞こえてくる。
「アルト」
『ん?……何だい?』
「それは何の歌だ?」
『え…?ああ、これは詩じゃなくて、ただの曲。任務で行った先で聞いて、よかったから今度バイオリンで弾こうかと思って』
「バイオリンか。お前は海軍じゃなくても音楽家として十分食っていけそうだな」
『そうかな?』
「ああ。その気はないのか?」
『うーん……ないな。海軍にいたいし』
「……なぁ、アルト」
『何?』
「お前はなんで海軍に入ったんだ?」
『ん?……志望理由かい?確か、困ってる人たちを助けるため、だったと思うけど』
「?なんだ。えらく他人事だな」
ドレークは少し呆れたように言葉を返す。アルトは、ん~と唸った。
『……わからないんだ』
「わからない?」
『実感が湧かないんだよ、守りたいという想いが、わからない』
「……。確かに、難しいな」
『うん。それを見つけ出せたら僕が海軍に入った意味はあるのかなって思う…―――あ、でも』
「?」
アルトは身体を起こし、ドレークに顔を向ける。
『今はドレーククンやクザンクン、みんながいるこの海軍の役に立ちたいと思ってる』
「!」
『僕はみんなのことがスキだから』
「……そうか」
ドレークは静かに笑う。その笑顔には少し憂いがあったが、アルトは気付かない。
『キミは?』
「?」
『キミが海軍に入った理由だよ。興味がある』
「!……ああ、そうだな……」
アルトの問いにドレークは空をじっと見つめた。
「――――…かな」
『え?何??』
アルトは聞き取れなかったようで、再度ドレークに尋ねる。ドレークは身体を起こし、アルトに言った。
「内緒だ」
『え…』
アルトは思ってもみない答えに目を丸くする。ドレークは笑みを零しながら話す。
「大した理由じゃないんだ」
アルトはやや不満そうに首をひねった。
『んん?それは不公平じゃないかい?僕は答えたのに』
「ハハ。悪いな」
『むぅ…。キミは案外意地が悪いな』
「そうか?」
クスクスと笑うドレーク。アルトは肩を竦めた。
『まぁ、いいや。たぶん僕には難しい理由なんだろう』
「……」
アルトはそう言うと、よっと声を出し立ち上がる。それから、んっと背を伸ばした。
『ああ、そうだ』
「?」
脱力したアルトは思い出したように振り返ると、まだ座っているドレークを見下ろす。
『まだちゃんと言ってなかったね』
「?なんだ?」
目を丸くするドレーク。そんなドレークにアルトは本当に嬉しそうな笑顔を見せた。
『ドレーククン、中将昇進おめでとう。友人として誇りに思うよ』
【“赤旗”の想い】
.
「アルト、一端休憩しよう」
『…賛成』
ドレークの提案にアルトは同意。それが成立した途端、2人は武器を投げ出し芝生に寝転んだ。
『あ~~疲れた。キミと修行するとつい全力になる』
「まったくだ。だが全力でやれる分、力にはなる」
『まぁね』
そんな他愛もない会話をしながら、ドレークは呼吸を整える。一方のアルトはアメを取り出していた。
『いるかい?』
「いや、いい」
アルトの言葉にドレークは手を振って答える。アルトはそう、と返事を返すと取り出したアメを口に放り込んだ。
それから数分、2人は何を話すでもなくただただ空に広がる青をボーっと眺めた。
『~~♪~♪~~♪♪』
「?」
ドレークの耳にアルトから呟きに似た鼻歌が聞こえてくる。
「アルト」
『ん?……何だい?』
「それは何の歌だ?」
『え…?ああ、これは詩じゃなくて、ただの曲。任務で行った先で聞いて、よかったから今度バイオリンで弾こうかと思って』
「バイオリンか。お前は海軍じゃなくても音楽家として十分食っていけそうだな」
『そうかな?』
「ああ。その気はないのか?」
『うーん……ないな。海軍にいたいし』
「……なぁ、アルト」
『何?』
「お前はなんで海軍に入ったんだ?」
『ん?……志望理由かい?確か、困ってる人たちを助けるため、だったと思うけど』
「?なんだ。えらく他人事だな」
ドレークは少し呆れたように言葉を返す。アルトは、ん~と唸った。
『……わからないんだ』
「わからない?」
『実感が湧かないんだよ、守りたいという想いが、わからない』
「……。確かに、難しいな」
『うん。それを見つけ出せたら僕が海軍に入った意味はあるのかなって思う…―――あ、でも』
「?」
アルトは身体を起こし、ドレークに顔を向ける。
『今はドレーククンやクザンクン、みんながいるこの海軍の役に立ちたいと思ってる』
「!」
『僕はみんなのことがスキだから』
「……そうか」
ドレークは静かに笑う。その笑顔には少し憂いがあったが、アルトは気付かない。
『キミは?』
「?」
『キミが海軍に入った理由だよ。興味がある』
「!……ああ、そうだな……」
アルトの問いにドレークは空をじっと見つめた。
「――――…かな」
『え?何??』
アルトは聞き取れなかったようで、再度ドレークに尋ねる。ドレークは身体を起こし、アルトに言った。
「内緒だ」
『え…』
アルトは思ってもみない答えに目を丸くする。ドレークは笑みを零しながら話す。
「大した理由じゃないんだ」
アルトはやや不満そうに首をひねった。
『んん?それは不公平じゃないかい?僕は答えたのに』
「ハハ。悪いな」
『むぅ…。キミは案外意地が悪いな』
「そうか?」
クスクスと笑うドレーク。アルトは肩を竦めた。
『まぁ、いいや。たぶん僕には難しい理由なんだろう』
「……」
アルトはそう言うと、よっと声を出し立ち上がる。それから、んっと背を伸ばした。
『ああ、そうだ』
「?」
脱力したアルトは思い出したように振り返ると、まだ座っているドレークを見下ろす。
『まだちゃんと言ってなかったね』
「?なんだ?」
目を丸くするドレーク。そんなドレークにアルトは本当に嬉しそうな笑顔を見せた。
『ドレーククン、中将昇進おめでとう。友人として誇りに思うよ』
【“赤旗”の想い】
.