戦場に地位なんて関係ない
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アルトはシュフォンがいる高台の見張り台にいた。
『シュフォンクン。状況は把握出来る?』
「………残念ながら土埃が激しくアラバスタ内部の状況はわかりません。しかし、港を少し外れたところに海軍の艦を数隻確認出来ました」
『スモーカー大佐っていう人の隊の艦かな?』
「艦の感じからするとそうです。しかしもうひとつ別動隊もいると思われます」
『……とりあえず行ってみよう。話はそれからだ』
「船を探せって言うの?」
「そうだ。人工降雨船を探してくれ」
港から少し外れたところに居たのは、スモーカーと同じ海軍本部大佐“黒檻”のヒナ。スモーカーと会話中ヒナはふと、海を見た。
「……ねぇ、スモーカー君。あなた、わたくし以外に誰か呼んだの?」
「誰も呼んでねぇよ」
「じゃあ、なぜ“本部”の艦が来るの?」
「!!?」
スモーカーは海を見た。海軍本部の艦が1隻近づいてくる。
「居ました。スモーカー大佐と……あれはヒナ嬢ですね」
『ヒナ嬢?』
アルトは首を傾げる。シュフォンは双眼鏡を覗いたまま、返事を返す。
「“黒檻”のヒナと呼ばれています。階級は大佐だったと記憶しています」
『黒檻…強そうだね』
「中将!! まもなく接岸します!」
『わかった。降りるよ』
ロールの声で、アルトはタンッと見張り台からジャンプして甲板に降りる。
「どうなさいますか?」
『挨拶に行くよ。状況を教えてくれたら楽だしね』
アルトの艦が接岸する。スモーカーとヒナは艦を見上げていた。
『よっと』
「中将!?」
アルトは舳先から岸へ飛び降りた。ロールは慌てて梯子で追いかける。
『ふぅ……』
猫の様に軽く岸に降り立つアルト。立ち上がり砂を払い、顔を上げた。 目の前にはスモーカーとヒナ。
「「………」」
『ん? どうかした?』
場違いな空気が流れる。 スモーカーはアルトを指差す。
「おいヒナ。コイツ知ってるか?」
「ヒナ、知らない。見たことないわ」
二人は不審な目でアルトを見る。そこにロールが追いつき、アルトの隣に来た。
「お一人で先行するのはお止めください」
『ああ、ごめん』
「ロール少将!?」
ヒナはびっくりし、その人物を呼ぶ。
「ああ、ヒナ嬢。久しぶりだな」
「ヒナ、びっくり。少将がこんなとこに来るなんて…」
「そうだな。ヒナ嬢の管轄に来るのは初めてだ」
『「………」』
ヒナとロールのやりとりをスモーカーとアルトは黙って目を配る。
「そうだ、少将。そちらの方は?」
「知らないのか!? こちらは海軍本部のノティ・アルト中将だ」
「「中将!!?」」
スモーカーとヒナは驚いた。アルトははぁ、と息をつく。
『そんなに驚く必要ないよ。所詮“お飾り”だからね』
「中将!」
ロールは諌める。スモーカーは葉巻を吹かしながら聞いた。
「中将って…アンタいくつだ?」
『僕?……23だったかな』
「ヒナ、はじめて見た!! 噂だけあって存在してるのかわからない幽霊将校!」
「二人共、失礼だぞ!」
『いいよ。僕が表にいなかったのは本当の話だ』
アルトは金平糖をポケットから取りだし3つ程食べる。
『さて、自己紹介はこれでいいよね。本題に入るよ』
「本題?」
『そ。僕らはクザンクンの特例でアラバスタの“調査”をしに来たんだ。良かったら今の状況を教えてくれないかな?』
アルトのいつもの無表情に軽い調子で言う。スモーカーはアルトから目を反らし、くわえてるタバコから煙を吹かす。
「……アンタに話をしている暇はない」
「スモーカー大佐!!」
ロールが抗議するのをアルトは制した。
『ロールクン、構わないよ。時間がないってことは内乱以外の“何か”に直面してるってことだろ』
「………」
その言葉にスモーカーはアルトを見る。アルトは意に介さず変わらない表情で金平糖を噛み砕いた。
『……じゃあ、僕らに手伝えることはある?』
「!?」
「中将!!?」
『行動を指示してくれたら動くよ』
「…アンタ何考えてんだ? 海軍本部中将が一大佐に従うのか?」
『ダメなの?』
アルトは首を傾げる。
「ノティ中将、それはいけません」
『なんで? 僕はクザンクンから“何か”が起こっていれば自由にしてもいいって“許可”を得てるんだ。今の状況から見て、何も知らない僕が指揮を執るのはおかしな話じゃないか』
「……そうですが…」
「………」
『だからスモーカークン。キミが僕らを必要とするなら力を貸す。指示には全面的に従うよ』
「スモーカー君。中将を使おうなんて思っちゃダメよ!! 規律違反になるわ」
『ならないよ。中将の僕が許可してるんだから』
ヒナは止める。スモーカーはアルトの目を表情を見る。 表情は読めないが本気のように感じた。
「本当におれの指示に従う気か?」
『うん』
「スモーカー君!!?」
「……なら、たしぎの援護に回ってくれ」
『たしぎ? 誰?』
「……っ。おれの部下だ。階級は曹長。“広場”で交戦中だ」
『特徴は?』
「黒髪にメガネ。刀を持った女だ」
『ふむ…広場はあの階段をまっすぐ行けばいいの?』
アルトは港から伸びる階段を指さす。
「ああ。後はたしぎの指示に従ってくれ」
『わかった』
「うそ!!?」
「ノティ中将!!」
『ロールクン。僕らは今の最良をとるべきだ。5分で適切に編成して』
「……わかりました。3分で行います。中将、シュフォン准将に5名程つけ調査に出しますが、よろしいですか?」
『構わない。キミに任せる。あっ、スモーカークン』
「……なんだ?」
『キミの電伝虫の番号を教えて。シュフォンクンから逐一情報を回すから』
「………」
スモーカーはアルトに番号の紙を渡す。アルトはロールに渡した。
『さて、僕はまずはたしぎクンとやらに合流しよう。電伝虫の回線は開けといてね』
「はっ!!」
「ヒナ、船を探すぞ」
「わかったわよ。ヒナもう知らないから」
アラバスタ内。広場の外れ。
「ハァ……ハァ…」
ダダダダッと足音が聞こえたしぎは体を起こし、ふらつきながら刀を構える。
「……麦わら…!!」
「どこいった、ワニ」
息を切らしながら真剣な目でたしぎを見るのは麦わらのルフィ。
「………!!」
クロコダイルの言葉がフラッシュバックする。
――まさかこの町まで追いかけて来るとは…海軍。てめぇらのボスはどうした?
ケムリ野郎は逃げ出したか
………!!
――負け犬は正義を語れねぇ……!!! ここはそういう海だぜ…!!
てめぇらは基地へ帰ってせいぜい“正義の話し合い”でもやってろ。クハハハハハ……
「教えてくれ!!!」
「………」
睨み合う二人。たしぎは歯をくいしばり、刀から手を離す。そしてゆっくりとクロコダイルのいる方へ指をさした。
「葬祭殿の方へ……!!」
「あっちだな、ありがとう」
「………!!」
麦わらのルフィが走って行った。 たしぎは悔しさで頭を地面にぶつける。
(何が“正義”……!!! 何が……“海軍本部”…!!!)
ガンガンと地面を殴るたしぎ。
『ねぇ…キミがたしぎクン?』
「!!!」
たしぎは顔を上げる。そこにいたのは黒髪に目つきの悪い緑の目。全身黒い服を着て右手に金色の銃を握っているアルトだ。
『そんなことしたら手が痛むよ。キミは剣士なんでしょ?』
『シュフォンクン。状況は把握出来る?』
「………残念ながら土埃が激しくアラバスタ内部の状況はわかりません。しかし、港を少し外れたところに海軍の艦を数隻確認出来ました」
『スモーカー大佐っていう人の隊の艦かな?』
「艦の感じからするとそうです。しかしもうひとつ別動隊もいると思われます」
『……とりあえず行ってみよう。話はそれからだ』
「船を探せって言うの?」
「そうだ。人工降雨船を探してくれ」
港から少し外れたところに居たのは、スモーカーと同じ海軍本部大佐“黒檻”のヒナ。スモーカーと会話中ヒナはふと、海を見た。
「……ねぇ、スモーカー君。あなた、わたくし以外に誰か呼んだの?」
「誰も呼んでねぇよ」
「じゃあ、なぜ“本部”の艦が来るの?」
「!!?」
スモーカーは海を見た。海軍本部の艦が1隻近づいてくる。
「居ました。スモーカー大佐と……あれはヒナ嬢ですね」
『ヒナ嬢?』
アルトは首を傾げる。シュフォンは双眼鏡を覗いたまま、返事を返す。
「“黒檻”のヒナと呼ばれています。階級は大佐だったと記憶しています」
『黒檻…強そうだね』
「中将!! まもなく接岸します!」
『わかった。降りるよ』
ロールの声で、アルトはタンッと見張り台からジャンプして甲板に降りる。
「どうなさいますか?」
『挨拶に行くよ。状況を教えてくれたら楽だしね』
アルトの艦が接岸する。スモーカーとヒナは艦を見上げていた。
『よっと』
「中将!?」
アルトは舳先から岸へ飛び降りた。ロールは慌てて梯子で追いかける。
『ふぅ……』
猫の様に軽く岸に降り立つアルト。立ち上がり砂を払い、顔を上げた。 目の前にはスモーカーとヒナ。
「「………」」
『ん? どうかした?』
場違いな空気が流れる。 スモーカーはアルトを指差す。
「おいヒナ。コイツ知ってるか?」
「ヒナ、知らない。見たことないわ」
二人は不審な目でアルトを見る。そこにロールが追いつき、アルトの隣に来た。
「お一人で先行するのはお止めください」
『ああ、ごめん』
「ロール少将!?」
ヒナはびっくりし、その人物を呼ぶ。
「ああ、ヒナ嬢。久しぶりだな」
「ヒナ、びっくり。少将がこんなとこに来るなんて…」
「そうだな。ヒナ嬢の管轄に来るのは初めてだ」
『「………」』
ヒナとロールのやりとりをスモーカーとアルトは黙って目を配る。
「そうだ、少将。そちらの方は?」
「知らないのか!? こちらは海軍本部のノティ・アルト中将だ」
「「中将!!?」」
スモーカーとヒナは驚いた。アルトははぁ、と息をつく。
『そんなに驚く必要ないよ。所詮“お飾り”だからね』
「中将!」
ロールは諌める。スモーカーは葉巻を吹かしながら聞いた。
「中将って…アンタいくつだ?」
『僕?……23だったかな』
「ヒナ、はじめて見た!! 噂だけあって存在してるのかわからない幽霊将校!」
「二人共、失礼だぞ!」
『いいよ。僕が表にいなかったのは本当の話だ』
アルトは金平糖をポケットから取りだし3つ程食べる。
『さて、自己紹介はこれでいいよね。本題に入るよ』
「本題?」
『そ。僕らはクザンクンの特例でアラバスタの“調査”をしに来たんだ。良かったら今の状況を教えてくれないかな?』
アルトのいつもの無表情に軽い調子で言う。スモーカーはアルトから目を反らし、くわえてるタバコから煙を吹かす。
「……アンタに話をしている暇はない」
「スモーカー大佐!!」
ロールが抗議するのをアルトは制した。
『ロールクン、構わないよ。時間がないってことは内乱以外の“何か”に直面してるってことだろ』
「………」
その言葉にスモーカーはアルトを見る。アルトは意に介さず変わらない表情で金平糖を噛み砕いた。
『……じゃあ、僕らに手伝えることはある?』
「!?」
「中将!!?」
『行動を指示してくれたら動くよ』
「…アンタ何考えてんだ? 海軍本部中将が一大佐に従うのか?」
『ダメなの?』
アルトは首を傾げる。
「ノティ中将、それはいけません」
『なんで? 僕はクザンクンから“何か”が起こっていれば自由にしてもいいって“許可”を得てるんだ。今の状況から見て、何も知らない僕が指揮を執るのはおかしな話じゃないか』
「……そうですが…」
「………」
『だからスモーカークン。キミが僕らを必要とするなら力を貸す。指示には全面的に従うよ』
「スモーカー君。中将を使おうなんて思っちゃダメよ!! 規律違反になるわ」
『ならないよ。中将の僕が許可してるんだから』
ヒナは止める。スモーカーはアルトの目を表情を見る。 表情は読めないが本気のように感じた。
「本当におれの指示に従う気か?」
『うん』
「スモーカー君!!?」
「……なら、たしぎの援護に回ってくれ」
『たしぎ? 誰?』
「……っ。おれの部下だ。階級は曹長。“広場”で交戦中だ」
『特徴は?』
「黒髪にメガネ。刀を持った女だ」
『ふむ…広場はあの階段をまっすぐ行けばいいの?』
アルトは港から伸びる階段を指さす。
「ああ。後はたしぎの指示に従ってくれ」
『わかった』
「うそ!!?」
「ノティ中将!!」
『ロールクン。僕らは今の最良をとるべきだ。5分で適切に編成して』
「……わかりました。3分で行います。中将、シュフォン准将に5名程つけ調査に出しますが、よろしいですか?」
『構わない。キミに任せる。あっ、スモーカークン』
「……なんだ?」
『キミの電伝虫の番号を教えて。シュフォンクンから逐一情報を回すから』
「………」
スモーカーはアルトに番号の紙を渡す。アルトはロールに渡した。
『さて、僕はまずはたしぎクンとやらに合流しよう。電伝虫の回線は開けといてね』
「はっ!!」
「ヒナ、船を探すぞ」
「わかったわよ。ヒナもう知らないから」
アラバスタ内。広場の外れ。
「ハァ……ハァ…」
ダダダダッと足音が聞こえたしぎは体を起こし、ふらつきながら刀を構える。
「……麦わら…!!」
「どこいった、ワニ」
息を切らしながら真剣な目でたしぎを見るのは麦わらのルフィ。
「………!!」
クロコダイルの言葉がフラッシュバックする。
――まさかこの町まで追いかけて来るとは…海軍。てめぇらのボスはどうした?
ケムリ野郎は逃げ出したか
………!!
――負け犬は正義を語れねぇ……!!! ここはそういう海だぜ…!!
てめぇらは基地へ帰ってせいぜい“正義の話し合い”でもやってろ。クハハハハハ……
「教えてくれ!!!」
「………」
睨み合う二人。たしぎは歯をくいしばり、刀から手を離す。そしてゆっくりとクロコダイルのいる方へ指をさした。
「葬祭殿の方へ……!!」
「あっちだな、ありがとう」
「………!!」
麦わらのルフィが走って行った。 たしぎは悔しさで頭を地面にぶつける。
(何が“正義”……!!! 何が……“海軍本部”…!!!)
ガンガンと地面を殴るたしぎ。
『ねぇ…キミがたしぎクン?』
「!!!」
たしぎは顔を上げる。そこにいたのは黒髪に目つきの悪い緑の目。全身黒い服を着て右手に金色の銃を握っているアルトだ。
『そんなことしたら手が痛むよ。キミは剣士なんでしょ?』