ミズノオト
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アルトの子電伝虫を盗聴をしつつ、ロールはシュフォンと話す。
[なんですか!!?さっきの地震!]
「わからんな。地震と言えば“白ひげ”だが……」
[もう来たのでしょうか]
「かもしれん。だが、“白ひげ”にしては手際が悪い」
窓の外から様子を見るロール。外は強い雨が降っていた。
[確かに。もっとドッと攻めてきそうですしね]
「まぁ、事が事だ。厳戒命令が出されるだろうな。ならその前に中将を探さないと……盗聴の範囲はどうだ??」
[黒電伝虫の範囲は広いので問題はありません。ただ、中将が使わない限り分かりませんよ]
「構わん。少しでも早く中将を見つけたいからな」
[しかしさっきの話本当なんですか??]
「さあな」
[…不確定情報に踊らされいるのでは?“狂奏者”が出て来たのは約15年前。当時の中将の年齢はわずか8歳ですよ!!]
「……確かに。しかし可能性は0ではない」
[?少将は何か思うことがあるのですか?]
「半分は勘だ。だが、少なくとも中将は何かを感じられた。そしてあいつも……」
[あいつ?]
「いや。気にするな。私自身もジンベエに出逢ったあたりから、中将の様子に違和感を感じていた」
[……そうですか。こちらも黒電伝虫で盗聴・記録の準備はしています]
「ああ、助かる……」
[ジジジ――――か!?」
「[!!]」
黒電伝虫から声が聞えた。
[ロール少将…!]
「ああ」
ロールはシュフォンの興奮した声に返事をする。二人は耳をすました。
[―――ああ、僕だ]
アルトの声が入って来る。次に青キジの声が聞こえた。
[良かった、探したぞ!!お前今どこにい……]
[クザンクン]
[?]
[“岬”で待ってるから]
―――ガチャ
「[……]」
アルトの子電伝虫が切れたようだ。シュフォンが話す。
[少将、今のは]
「ああ。どうやら青キジさんも何かを察知して探しているらしいな」
[ええ。“岬”ってどこのことでしょう?]
「……」
ロールにはひとつ思い当たる場所があった。
ロールは歩き出す。
プルプルプルプル…
「[!]」
少しの間で再びアルトの子電伝虫を鳴る。アルトがどこかに掛けたようだ。
[――センゴクだ。どうした?]
「[(元帥!?)]」
[ザー………]
受話機から雨の音が聞こえる。ロールが本部を出ると同じように雨が降っていた。
[??誰だ?聞こえてないのか……?]
「……」
ロールとシュフォンは黒電伝虫に耳を傾ける。
[アルト!!]
[?……青キジ?]
受話器から少し離れてはいるが、マイク音量を上げているようで青キジの声がはっきりと聞えた。
どうやら青キジはアルトの言う岬の場所へ辿りついたらしい。
[クザンクン……。やっと気付いたんだね]
[??アルト、お前…何を言って]
[気付いたんだろ?僕が“犯罪者”だって]
[!!]
「……」
アルトの言葉にシュフォンは耳を疑った。
「……(どうやらセンゴク元帥も聞く体勢に入ったようだな)」
ロールはセンゴクが電話を切ることなく、繋ぎっ放しにしていることでそう読んだ。
アルトと青キジは会話を続ける。
[どうしたの?そんな驚いた顔して]
[お前…何か思い出したのか?」
[思い出した?フッ……それは間違いだ]
バキィン…!!
「[!?]」
受話機から氷の割れるような高い音がした。
シュフォンは驚きの声をあげる
[これって中将が攻撃した音じゃ!!]
「静かに……!!」
[!!?……アルト?]
[僕は忘れてなんかいなかった]
[!]
[機会を待ってたんだよ。本部に潜入すれば……いつでも世界を“壊す”タイミングを得れるだろ]
[!!!―――アルト……お前、自分が何を言ってるのか解かってんのか!]
[わかってるさ。僕は……キミ達の“敵”だ]
「……」
[少将、まずいですよ!!このままじゃ]
「わかってる。中将を止めに私も岬に向かう」
[待って下さい!!マリンフォードには使用・未使用を含め数十か所該当する場所があります。どうやって]
「……アテはある。だが……」
[?]
「シュフォン」
[はい]
「今から言う事をすぐに実行してくれ」
海軍本部。ある小さな港。
大雨の中、小型ではあるが大きなエンジンが積まれた船がロールの前に現れる。
小型船からシュフォンが降りて来た。
「少将……」
「悪いな、シュフォン」
「中将達は?」
「今、戦っている」
「!!」
「シュフォン、今後のことはさっき打ち合わせた通りだ」
「しかし……」
「大丈夫だ」
「!」
「お前なら出来る。私も中将もお前の能力は十分買っている」
「……」
「時間がない。私は行くからな」
ロールは小型船に乗り込む。
「ロール少将!!」
「……」
「中将を、救ってくださいね」
「……ああ。隊を頼む。無理はするな」
「はっ!!お気をつけて」
ロールは小型船を動かす。そして目指す岬へ向かって行った。
[……。アルト、お前やっぱり嘘ついてるだろ]
[ハァ……何の話?]
「……」
雨が降る中ロールは船を止め、目の前の崖を見上げた。ここはアルト達がいるであろう、あの時の岬だ。
あの後、青キジからこの岬が元同僚の隠れ家であったことを聞いたロールは再び訪れ、岬を調べていた。
「よし…」
ロールは船が流されないように船に繋がれているロープを、崖に作られた“梯子”に巻きつける。
どういう用途で作られたのかは不明だが、この崖には崖に沿って梯子が掛けられていたのだ。ロールは梯子に手を掛け、崖を登る。
黒電伝虫からまた会話が聞こえた。
[記憶を忘れてなかったってことと、本部を潰すってことだ]
[何を……根拠に?]
「……」
この岬は比較的低い岬だ。今は雨で足が滑りやすいのが難点だが、登れないことはない。
[攻撃をわざと外したり、接近戦に持ち込んだり……“能力”だってお前ならもっと活用出来るだろ]
[…ハァ…買い被りすぎだよ]
[じゃあなぜ“自然系”のおれに、“覇気”を使わねェんだ!!!]
[……]
[答えろ!!アルト!]
[……ハァ…]
「……」
フーッと息を整えながらさらに登る。
[――使える訳ないじゃないか]
[?]
[戦争を控えた大事な時期に…“大将”に傷をつけられる訳、ないだろ?]
[……アルト?]
「中将……」
ロールは聞えてくる会話に胸を痛めた。
[センゴクサン、全部聞いたよね。―――僕は軍に“敵対”した]
[……]
[センゴクさん??何のことだ…?]
「……」
[後は僕の死体さえあれば……クザンクンは“裏切った部下を始末した上官”。センゴクサンならそう処理してくれるよね]
「!」
そう言うことだったのかと、ロールはアルトの行動の意味を理解する。アルトは青キジに責任が及ばぬようにしたのだと。
[アルト!!待て!何をしてる!!]
「!」
青キジの声に驚いた。ロールは最悪の展開になって来ているのを感じ登る手に力が入る。
[アルト!!]
[……クザンクン、付き合わせて悪かった]
「いけません、中将……!!」
ロールは崖の端にもう少しで手を掛けるところまで来た。もう少しだ。黒電伝虫からだけでなく、雨に混じって二人の声が聞えて来た。
「やめろ、アルト!!お前の“正義”はこんなためのもんじゃねェだろ!!!」
『!!……違う』
「…?」
『…僕みたいな人間が……“正義”を語ってはいけない。僕には最初から、語れる“正義”はなかったんだ』
「そんなことはない!!お前は周りの全てを自分で背負い過ぎてるだけだ!!だからアリアはお前を助けに行った……!!!」
二人の声を聞きながら、ロールの手が崖の端にかかる。
「……っ」
ロールはグッと身体を岬に引き上げた。青キジの声が聞える。
「お前は助けを求めていいんだよ……!!」
顔をあげたロールが見たのは透明の、アルトの盾に阻まれる青キジ。アルトに視線を注いでるようでロールの存在に気付いていない。
そして次に銃口を首に向け今まさに引き金を引こうとしているアルトが目に入った。
背を向けたアルトは青キジに静かに言う。
『……最後まで優しいな……キミは』
「待て……!!アルト!!!」
「(間に合え…!!)」
ロールは立ち上がった。アルトの引き金にかかる指に力がかかる。
『バイバイ、クザンクン』
.
[なんですか!!?さっきの地震!]
「わからんな。地震と言えば“白ひげ”だが……」
[もう来たのでしょうか]
「かもしれん。だが、“白ひげ”にしては手際が悪い」
窓の外から様子を見るロール。外は強い雨が降っていた。
[確かに。もっとドッと攻めてきそうですしね]
「まぁ、事が事だ。厳戒命令が出されるだろうな。ならその前に中将を探さないと……盗聴の範囲はどうだ??」
[黒電伝虫の範囲は広いので問題はありません。ただ、中将が使わない限り分かりませんよ]
「構わん。少しでも早く中将を見つけたいからな」
[しかしさっきの話本当なんですか??]
「さあな」
[…不確定情報に踊らされいるのでは?“狂奏者”が出て来たのは約15年前。当時の中将の年齢はわずか8歳ですよ!!]
「……確かに。しかし可能性は0ではない」
[?少将は何か思うことがあるのですか?]
「半分は勘だ。だが、少なくとも中将は何かを感じられた。そしてあいつも……」
[あいつ?]
「いや。気にするな。私自身もジンベエに出逢ったあたりから、中将の様子に違和感を感じていた」
[……そうですか。こちらも黒電伝虫で盗聴・記録の準備はしています]
「ああ、助かる……」
[ジジジ――――か!?」
「[!!]」
黒電伝虫から声が聞えた。
[ロール少将…!]
「ああ」
ロールはシュフォンの興奮した声に返事をする。二人は耳をすました。
[―――ああ、僕だ]
アルトの声が入って来る。次に青キジの声が聞こえた。
[良かった、探したぞ!!お前今どこにい……]
[クザンクン]
[?]
[“岬”で待ってるから]
―――ガチャ
「[……]」
アルトの子電伝虫が切れたようだ。シュフォンが話す。
[少将、今のは]
「ああ。どうやら青キジさんも何かを察知して探しているらしいな」
[ええ。“岬”ってどこのことでしょう?]
「……」
ロールにはひとつ思い当たる場所があった。
ロールは歩き出す。
プルプルプルプル…
「[!]」
少しの間で再びアルトの子電伝虫を鳴る。アルトがどこかに掛けたようだ。
[――センゴクだ。どうした?]
「[(元帥!?)]」
[ザー………]
受話機から雨の音が聞こえる。ロールが本部を出ると同じように雨が降っていた。
[??誰だ?聞こえてないのか……?]
「……」
ロールとシュフォンは黒電伝虫に耳を傾ける。
[アルト!!]
[?……青キジ?]
受話器から少し離れてはいるが、マイク音量を上げているようで青キジの声がはっきりと聞えた。
どうやら青キジはアルトの言う岬の場所へ辿りついたらしい。
[クザンクン……。やっと気付いたんだね]
[??アルト、お前…何を言って]
[気付いたんだろ?僕が“犯罪者”だって]
[!!]
「……」
アルトの言葉にシュフォンは耳を疑った。
「……(どうやらセンゴク元帥も聞く体勢に入ったようだな)」
ロールはセンゴクが電話を切ることなく、繋ぎっ放しにしていることでそう読んだ。
アルトと青キジは会話を続ける。
[どうしたの?そんな驚いた顔して]
[お前…何か思い出したのか?」
[思い出した?フッ……それは間違いだ]
バキィン…!!
「[!?]」
受話機から氷の割れるような高い音がした。
シュフォンは驚きの声をあげる
[これって中将が攻撃した音じゃ!!]
「静かに……!!」
[!!?……アルト?]
[僕は忘れてなんかいなかった]
[!]
[機会を待ってたんだよ。本部に潜入すれば……いつでも世界を“壊す”タイミングを得れるだろ]
[!!!―――アルト……お前、自分が何を言ってるのか解かってんのか!]
[わかってるさ。僕は……キミ達の“敵”だ]
「……」
[少将、まずいですよ!!このままじゃ]
「わかってる。中将を止めに私も岬に向かう」
[待って下さい!!マリンフォードには使用・未使用を含め数十か所該当する場所があります。どうやって]
「……アテはある。だが……」
[?]
「シュフォン」
[はい]
「今から言う事をすぐに実行してくれ」
海軍本部。ある小さな港。
大雨の中、小型ではあるが大きなエンジンが積まれた船がロールの前に現れる。
小型船からシュフォンが降りて来た。
「少将……」
「悪いな、シュフォン」
「中将達は?」
「今、戦っている」
「!!」
「シュフォン、今後のことはさっき打ち合わせた通りだ」
「しかし……」
「大丈夫だ」
「!」
「お前なら出来る。私も中将もお前の能力は十分買っている」
「……」
「時間がない。私は行くからな」
ロールは小型船に乗り込む。
「ロール少将!!」
「……」
「中将を、救ってくださいね」
「……ああ。隊を頼む。無理はするな」
「はっ!!お気をつけて」
ロールは小型船を動かす。そして目指す岬へ向かって行った。
[……。アルト、お前やっぱり嘘ついてるだろ]
[ハァ……何の話?]
「……」
雨が降る中ロールは船を止め、目の前の崖を見上げた。ここはアルト達がいるであろう、あの時の岬だ。
あの後、青キジからこの岬が元同僚の隠れ家であったことを聞いたロールは再び訪れ、岬を調べていた。
「よし…」
ロールは船が流されないように船に繋がれているロープを、崖に作られた“梯子”に巻きつける。
どういう用途で作られたのかは不明だが、この崖には崖に沿って梯子が掛けられていたのだ。ロールは梯子に手を掛け、崖を登る。
黒電伝虫からまた会話が聞こえた。
[記憶を忘れてなかったってことと、本部を潰すってことだ]
[何を……根拠に?]
「……」
この岬は比較的低い岬だ。今は雨で足が滑りやすいのが難点だが、登れないことはない。
[攻撃をわざと外したり、接近戦に持ち込んだり……“能力”だってお前ならもっと活用出来るだろ]
[…ハァ…買い被りすぎだよ]
[じゃあなぜ“自然系”のおれに、“覇気”を使わねェんだ!!!]
[……]
[答えろ!!アルト!]
[……ハァ…]
「……」
フーッと息を整えながらさらに登る。
[――使える訳ないじゃないか]
[?]
[戦争を控えた大事な時期に…“大将”に傷をつけられる訳、ないだろ?]
[……アルト?]
「中将……」
ロールは聞えてくる会話に胸を痛めた。
[センゴクサン、全部聞いたよね。―――僕は軍に“敵対”した]
[……]
[センゴクさん??何のことだ…?]
「……」
[後は僕の死体さえあれば……クザンクンは“裏切った部下を始末した上官”。センゴクサンならそう処理してくれるよね]
「!」
そう言うことだったのかと、ロールはアルトの行動の意味を理解する。アルトは青キジに責任が及ばぬようにしたのだと。
[アルト!!待て!何をしてる!!]
「!」
青キジの声に驚いた。ロールは最悪の展開になって来ているのを感じ登る手に力が入る。
[アルト!!]
[……クザンクン、付き合わせて悪かった]
「いけません、中将……!!」
ロールは崖の端にもう少しで手を掛けるところまで来た。もう少しだ。黒電伝虫からだけでなく、雨に混じって二人の声が聞えて来た。
「やめろ、アルト!!お前の“正義”はこんなためのもんじゃねェだろ!!!」
『!!……違う』
「…?」
『…僕みたいな人間が……“正義”を語ってはいけない。僕には最初から、語れる“正義”はなかったんだ』
「そんなことはない!!お前は周りの全てを自分で背負い過ぎてるだけだ!!だからアリアはお前を助けに行った……!!!」
二人の声を聞きながら、ロールの手が崖の端にかかる。
「……っ」
ロールはグッと身体を岬に引き上げた。青キジの声が聞える。
「お前は助けを求めていいんだよ……!!」
顔をあげたロールが見たのは透明の、アルトの盾に阻まれる青キジ。アルトに視線を注いでるようでロールの存在に気付いていない。
そして次に銃口を首に向け今まさに引き金を引こうとしているアルトが目に入った。
背を向けたアルトは青キジに静かに言う。
『……最後まで優しいな……キミは』
「待て……!!アルト!!!」
「(間に合え…!!)」
ロールは立ち上がった。アルトの引き金にかかる指に力がかかる。
『バイバイ、クザンクン』
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