ミズノオト
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――――――
――――
「私の隊に…ですか?」
センゴクの部屋に呼ばれたロールは戸惑いの声を上げる。
「そう決定した」
「はあ…」
センゴクは端的に言う。ロールはつい気の抜けた返事をしてしまった。
「なんだ、不服か?」
「いえ、そう言う訳では……」
言い訳をしながらロールは状況を整理しようと頭をひねった。
辞令はロールの隊に“新しい艦長”を配属すると言う内容。
異動がないと言うわけではないが、艦長という役職…何より配属されてくる人物が問題だった。
今から3週間程前に開かれた昇進式。
それの主役であったはずの同僚はまさにその当日、海賊に成り下がった。
その同僚の“代役”として昇進した例の彼が自分の隊の艦長になると言うのだ。
「……」
実際に彼を見たのは昇進式で2度目。
2度目に見た彼は式で陰口を叩いていた将校達を一喝していた。その時に現れた覇気がとても印象的だった。
「(確か“あいつ”は交友があったと言っていたな)」
もっと話を聞いておけば良かったか、一瞬考えが過る。ロールは頭を振り、その考えと同僚の顔を消した。今更のことだ。
「よろしければ、理由をお聞かせ下さい」
気を取り直してロールが尋ねる。意外な言葉がセンゴクの口から出た。
「青キジの推薦だったからだ」
「!!青キジさんの……?」
「ああ。ノティは青キジの部下だからな。人事案を青キジに出させた結果、お前の隊がいいと推薦してきた。我々は協議し、それを承諾したまでだ」
「……」
「他に質問は?」
「センゴクさん。質問は色々あるだろうから、おれが答えるよ」
「!?」
「…青キジか。部屋に入る時は声を掛けろと言っとるだろう」
「あ~……すいません」
センゴクが淡々と注意する。ロールは後ろを振り向くとバッと敬礼した。
「まぁまぁそんなに固くなりなさんな。おれがお願いする立場なんだから」
「そう言う訳には……」
「ん~まぁいいや。ロール少将はこの後、暇?」
「え…は、はい。時間は空けておりますが……」
「なら、ついてきて」
「?」
「いいからいいから」
センゴクの部屋から出て、大股でゆったり歩く青キジ。半歩後ろをロールが歩く。
「無理言って悪かったな」
「いえ……。しかしなぜ私の隊を推薦されたのですか?」
青キジとは数回任務をしただけ。そこで何かあった訳ではない。
「ん~まぁ、なんとなくだ」
「なんとなく…ですか」
ロールは首を傾げる。相変わらず、目の前の大将はつかみ所がない。
「ロール少将は…」
「ロールでかまいません」
「そう。じゃあ、ロールはアルト…いやノティ中将のことどれくらい知ってる?」
その問いにロールは息をつく。
「……正直に申しますと、1度だけ任務の際にお会いしました。しかし何も知りません。
顔を拝見したのも昇進式が初めてですし…ただ…“知人”からは少し聞いた覚えがあります」
「“知人”…ね」
海軍の恥となった元同僚。せめて名を出さない様にするのがロールなりの優しさだった。
「ロールはその“知人”とは結構深い付き合いだった?」
「……准将の時からの飲み仲間です。親しくはしていました」
「そうか」
「あの…青キジさん。ノティ中将とあいつは…」
ロールの問いに少し淋しそうな声色で青キジは答える。
「“友だった”と思うよ。少なくともアルトは相当気に入ってた」
「……」
青キジは遠くを見たまま言う。
「まぁ、“だった”じゃなくて、“まだ”思ってるかも知れないが…。アルトは何にも言わねェから」
「……心配なさっているんですね」
「ん……まぁ、あいつはまだまだお子さまだからな」
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「私の隊に…ですか?」
センゴクの部屋に呼ばれたロールは戸惑いの声を上げる。
「そう決定した」
「はあ…」
センゴクは端的に言う。ロールはつい気の抜けた返事をしてしまった。
「なんだ、不服か?」
「いえ、そう言う訳では……」
言い訳をしながらロールは状況を整理しようと頭をひねった。
辞令はロールの隊に“新しい艦長”を配属すると言う内容。
異動がないと言うわけではないが、艦長という役職…何より配属されてくる人物が問題だった。
今から3週間程前に開かれた昇進式。
それの主役であったはずの同僚はまさにその当日、海賊に成り下がった。
その同僚の“代役”として昇進した例の彼が自分の隊の艦長になると言うのだ。
「……」
実際に彼を見たのは昇進式で2度目。
2度目に見た彼は式で陰口を叩いていた将校達を一喝していた。その時に現れた覇気がとても印象的だった。
「(確か“あいつ”は交友があったと言っていたな)」
もっと話を聞いておけば良かったか、一瞬考えが過る。ロールは頭を振り、その考えと同僚の顔を消した。今更のことだ。
「よろしければ、理由をお聞かせ下さい」
気を取り直してロールが尋ねる。意外な言葉がセンゴクの口から出た。
「青キジの推薦だったからだ」
「!!青キジさんの……?」
「ああ。ノティは青キジの部下だからな。人事案を青キジに出させた結果、お前の隊がいいと推薦してきた。我々は協議し、それを承諾したまでだ」
「……」
「他に質問は?」
「センゴクさん。質問は色々あるだろうから、おれが答えるよ」
「!?」
「…青キジか。部屋に入る時は声を掛けろと言っとるだろう」
「あ~……すいません」
センゴクが淡々と注意する。ロールは後ろを振り向くとバッと敬礼した。
「まぁまぁそんなに固くなりなさんな。おれがお願いする立場なんだから」
「そう言う訳には……」
「ん~まぁいいや。ロール少将はこの後、暇?」
「え…は、はい。時間は空けておりますが……」
「なら、ついてきて」
「?」
「いいからいいから」
センゴクの部屋から出て、大股でゆったり歩く青キジ。半歩後ろをロールが歩く。
「無理言って悪かったな」
「いえ……。しかしなぜ私の隊を推薦されたのですか?」
青キジとは数回任務をしただけ。そこで何かあった訳ではない。
「ん~まぁ、なんとなくだ」
「なんとなく…ですか」
ロールは首を傾げる。相変わらず、目の前の大将はつかみ所がない。
「ロール少将は…」
「ロールでかまいません」
「そう。じゃあ、ロールはアルト…いやノティ中将のことどれくらい知ってる?」
その問いにロールは息をつく。
「……正直に申しますと、1度だけ任務の際にお会いしました。しかし何も知りません。
顔を拝見したのも昇進式が初めてですし…ただ…“知人”からは少し聞いた覚えがあります」
「“知人”…ね」
海軍の恥となった元同僚。せめて名を出さない様にするのがロールなりの優しさだった。
「ロールはその“知人”とは結構深い付き合いだった?」
「……准将の時からの飲み仲間です。親しくはしていました」
「そうか」
「あの…青キジさん。ノティ中将とあいつは…」
ロールの問いに少し淋しそうな声色で青キジは答える。
「“友だった”と思うよ。少なくともアルトは相当気に入ってた」
「……」
青キジは遠くを見たまま言う。
「まぁ、“だった”じゃなくて、“まだ”思ってるかも知れないが…。アルトは何にも言わねェから」
「……心配なさっているんですね」
「ん……まぁ、あいつはまだまだお子さまだからな」
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