ミズノオト
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
≪潜入報告書vol.5≫
私は1日の大半をアルトと過ごす。
歌うことはもちろん、2人で海や町など色んな場所に出掛けた。
さまざまな場所に訪れたためか、アルトの詩はとても素晴らしいものになった。
本当に綺麗な歌声…キミにも聞かせてあげたかったな。
―――――
―――
『~~♪♪~~♪~♪♪.』
アルトは歌い終わると私を見る。私は笑顔で頷いた。
「とっても上手になったね」
『ほんとうに?』
「ええ。アルトの詩で綺麗な海が見えたもの」
『!よかった!この前見た海のこと考えて歌ったんだ』
アルトは笑顔になる。笑顔もこの2年でだいぶ柔らかくなった。
「休憩しようか」
『うん』
私とアルトは壁にもたれて座る。
「はい、どうぞ」
私はポットに入れた甘い紅茶をコップに入れ、アルトに差し出した。
『ありがとう、アリア』
「どういたしまして」
アルトは紅茶を飲み、ホッと息をつく。そんなアルトを微笑ましく思った。私もコップに入れた紅茶を口に付ける。
『そうだ、アリア!』
「ん?なぁに??」
『作ってきたよ!』
「え?もう出来たの?」
『うん!』
アルトはそう言うとコップを地面に置き、私に一枚の譜面を差し出す。
譜面に書かれた記号達は楽譜に見られる一般的なものだ。つまり一見すればただの譜面にしか見えない。
しかしこれは記号の並びにいくつかの法則を持たせている私のオリジナルの暗号。
子供は秘密が大好き。それはどんな子にも当てはまることで、目の前のアルトも例外ではなかった。
「今日はアルトの好きな物だったね。え~っとソプラ兄さん…アリア、空、海、風……ふふ。アルトらしいね……」
私がアルトに暗号を教えたのはもちろん仕事のため。二人と行動を共にしたものの、情報元の本命である兄ソプラからは思うように情報は流れて来なかった。
ならばと考えたのがアルトだ。
暗号を持ち出しアルトに教える。物覚えがいいアルトはすぐに暗号を書くことに慣れた。それを確認してからゲーム感覚で質問していく。
もちろんルールとして暗号のことはソプラや周りには秘密。この方法はアルトがソプラから情報を取って来てくれるので、比較的安全で確実な方法だった。
それからはたどたどしい文章ではあったが、譜面から情報を得ることが出来た。
今まで暗号のやり取りをして分かったことは、ソプラは“音”の研究していること。その研究室は地下にあり、秘密の通路から行くことが出来るということ。
そしてアルトは研究室にある、音が吸い込まれる不思議な部屋に行ったことがあると言うことだった。
『わかる?』
「……うん、わかるよ」
『やった!』
「……」
―――私はCP1。これは世界のための仕事だ。そう割り切っているのに何だか胸が痛かった。
目の前で嬉しそうにしているアルト。私が嘘をついて、利用していると知ったらアルトはどれだけ傷つくのだろうか。
その感情を隠し、私は暗号を読み進めた。
「?」
私はアルトの暗号をなぞった手を止める。気になる記述を見つけたのだ。
.
私は1日の大半をアルトと過ごす。
歌うことはもちろん、2人で海や町など色んな場所に出掛けた。
さまざまな場所に訪れたためか、アルトの詩はとても素晴らしいものになった。
本当に綺麗な歌声…キミにも聞かせてあげたかったな。
―――――
―――
『~~♪♪~~♪~♪♪.』
アルトは歌い終わると私を見る。私は笑顔で頷いた。
「とっても上手になったね」
『ほんとうに?』
「ええ。アルトの詩で綺麗な海が見えたもの」
『!よかった!この前見た海のこと考えて歌ったんだ』
アルトは笑顔になる。笑顔もこの2年でだいぶ柔らかくなった。
「休憩しようか」
『うん』
私とアルトは壁にもたれて座る。
「はい、どうぞ」
私はポットに入れた甘い紅茶をコップに入れ、アルトに差し出した。
『ありがとう、アリア』
「どういたしまして」
アルトは紅茶を飲み、ホッと息をつく。そんなアルトを微笑ましく思った。私もコップに入れた紅茶を口に付ける。
『そうだ、アリア!』
「ん?なぁに??」
『作ってきたよ!』
「え?もう出来たの?」
『うん!』
アルトはそう言うとコップを地面に置き、私に一枚の譜面を差し出す。
譜面に書かれた記号達は楽譜に見られる一般的なものだ。つまり一見すればただの譜面にしか見えない。
しかしこれは記号の並びにいくつかの法則を持たせている私のオリジナルの暗号。
子供は秘密が大好き。それはどんな子にも当てはまることで、目の前のアルトも例外ではなかった。
「今日はアルトの好きな物だったね。え~っとソプラ兄さん…アリア、空、海、風……ふふ。アルトらしいね……」
私がアルトに暗号を教えたのはもちろん仕事のため。二人と行動を共にしたものの、情報元の本命である兄ソプラからは思うように情報は流れて来なかった。
ならばと考えたのがアルトだ。
暗号を持ち出しアルトに教える。物覚えがいいアルトはすぐに暗号を書くことに慣れた。それを確認してからゲーム感覚で質問していく。
もちろんルールとして暗号のことはソプラや周りには秘密。この方法はアルトがソプラから情報を取って来てくれるので、比較的安全で確実な方法だった。
それからはたどたどしい文章ではあったが、譜面から情報を得ることが出来た。
今まで暗号のやり取りをして分かったことは、ソプラは“音”の研究していること。その研究室は地下にあり、秘密の通路から行くことが出来るということ。
そしてアルトは研究室にある、音が吸い込まれる不思議な部屋に行ったことがあると言うことだった。
『わかる?』
「……うん、わかるよ」
『やった!』
「……」
―――私はCP1。これは世界のための仕事だ。そう割り切っているのに何だか胸が痛かった。
目の前で嬉しそうにしているアルト。私が嘘をついて、利用していると知ったらアルトはどれだけ傷つくのだろうか。
その感情を隠し、私は暗号を読み進めた。
「?」
私はアルトの暗号をなぞった手を止める。気になる記述を見つけたのだ。
.