ミオサメノソラ
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アルトは呼吸を無理やり整えながら、身体を起こす。右足は太ももが完全に凍っていた。
『……ハァ……ハァ』
「……。アルト、お前やっぱり嘘ついてるだろ」
青キジはアルトに尋ねる。アルトは右足を引きずりながら立ち上がった。
『ハァ……何の話?』
「記憶を忘れてなかったってことと、本部を潰すってことだ」
『何を……根拠に?』
「攻撃をわざと外したり、接近戦に持ち込んだり……“能力”だってお前ならもっと活用出来るだろ」
『…ハァ…買い被りすぎだよ』
「じゃあなぜ“自然系”のおれに、“覇気”を使わねェんだ!!!」
『……』
「答えろ!!アルト!」
『……ハァ…』
アルトは視線を地面に落とした。
『――使える訳ないじゃないか』
「?」
ポツリと呟いたアルトは顔を上げ青キジを見る。
『戦争を控えた大事な時期に…“大将”に傷をつけられる訳、ないだろ?』
「……アルト?」
アルトは木の上へ目を向けた。
『センゴクサン、全部聞いたよね。―――僕は軍に“敵対”した』
[……]
「センゴクさん??何のことだ…?」
青キジは怪訝な顔をする。アルトは気にせず続けた。
『後は僕の死体さえあれば……クザンクンは“裏切った部下を始末した上官”。センゴクサンならそう処理してくれるよね』
アルトは右手に銀色の銃を持つと、自分の首に向ける。
「アルト!!待て!何をしてる!!」
カンッ!
「これは“盾”……?」
青キジはアルトに手を伸ばす。しかし透明なピースに阻まれていた。青キジはピースを叩く。
「アルト!!」
『……クザンクン、付き合わせて悪かった』
「!!」
アルトの瞳は青キジが今まで見てきたどんな時よりも哀しみを明確に写していた。
青キジは手を氷にしてピースを殴る。
「やめろ、アルト!!お前の“正義”はこんなためのもんじゃねェだろ!!!」
『――!』
アルトの目が揺らぐ。ギリッと歯を食いしばったあと、絞り出すように言った。
『……違う』
「…?」
『…僕みたいな人間が……“正義”を語ってはいけない。僕には最初から、語れる“正義”はなかったんだ』
「そんなことはない!!お前は周りの全てを自分で背負い過ぎてるだけだ!!だからアリアはお前を助けに行った……!!!」
『……』
「お前は助けを求めていいんだよ……!!」
青キジの言葉にアルトの口元は、自然に弧を描く。
『……最後まで優しいな……キミは』
(でも……僕はもう誰も失いたくない)
「待て……!!アルト!!!」
アルトは空を一度だけ見上げると、目を瞑った。
『バイバイ、クザンクン』
バンッ!!
アルトは引き金を引いた。
.
『……ハァ……ハァ』
「……。アルト、お前やっぱり嘘ついてるだろ」
青キジはアルトに尋ねる。アルトは右足を引きずりながら立ち上がった。
『ハァ……何の話?』
「記憶を忘れてなかったってことと、本部を潰すってことだ」
『何を……根拠に?』
「攻撃をわざと外したり、接近戦に持ち込んだり……“能力”だってお前ならもっと活用出来るだろ」
『…ハァ…買い被りすぎだよ』
「じゃあなぜ“自然系”のおれに、“覇気”を使わねェんだ!!!」
『……』
「答えろ!!アルト!」
『……ハァ…』
アルトは視線を地面に落とした。
『――使える訳ないじゃないか』
「?」
ポツリと呟いたアルトは顔を上げ青キジを見る。
『戦争を控えた大事な時期に…“大将”に傷をつけられる訳、ないだろ?』
「……アルト?」
アルトは木の上へ目を向けた。
『センゴクサン、全部聞いたよね。―――僕は軍に“敵対”した』
[……]
「センゴクさん??何のことだ…?」
青キジは怪訝な顔をする。アルトは気にせず続けた。
『後は僕の死体さえあれば……クザンクンは“裏切った部下を始末した上官”。センゴクサンならそう処理してくれるよね』
アルトは右手に銀色の銃を持つと、自分の首に向ける。
「アルト!!待て!何をしてる!!」
カンッ!
「これは“盾”……?」
青キジはアルトに手を伸ばす。しかし透明なピースに阻まれていた。青キジはピースを叩く。
「アルト!!」
『……クザンクン、付き合わせて悪かった』
「!!」
アルトの瞳は青キジが今まで見てきたどんな時よりも哀しみを明確に写していた。
青キジは手を氷にしてピースを殴る。
「やめろ、アルト!!お前の“正義”はこんなためのもんじゃねェだろ!!!」
『――!』
アルトの目が揺らぐ。ギリッと歯を食いしばったあと、絞り出すように言った。
『……違う』
「…?」
『…僕みたいな人間が……“正義”を語ってはいけない。僕には最初から、語れる“正義”はなかったんだ』
「そんなことはない!!お前は周りの全てを自分で背負い過ぎてるだけだ!!だからアリアはお前を助けに行った……!!!」
『……』
「お前は助けを求めていいんだよ……!!」
青キジの言葉にアルトの口元は、自然に弧を描く。
『……最後まで優しいな……キミは』
(でも……僕はもう誰も失いたくない)
「待て……!!アルト!!!」
アルトは空を一度だけ見上げると、目を瞑った。
『バイバイ、クザンクン』
バンッ!!
アルトは引き金を引いた。
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