ミオサメノソラ
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アルトの言う岬とは、ドレークが手を加えていた廃港。
アルトが友の裏切りから立ち直った日以降、足を運んでいない場所だった。
―――助けてって言っていいんだよ
『……ダメだ』
アルトは心の声を否定するように呟く。色のない世界はアルトの心を確実に削いでいた。アルトは目を瞑る。
『僕が助けを求めたら……また大切な人が傷付くんだ……』
[アルトか!?]
子電伝虫から青キジに電話をかけると、心配そうな声が飛びこんで来た。子電伝虫を握る手に自然と力が入る。
『ああ、僕だ』
[良かった、探したぞ!!お前今どこにい……]
『クザンクン』
[?]
『……』
アルトは決意する。そして出来るだけ抑揚のない声で言った。
『―――“岬”で待ってるから』
それだけ言うと、青キジの返事を待たずにガチャッと子電伝虫の受話ボタンを切った。
ポツ…ポツ、ポツ…サァー
『冷たい……雨か?』
雨がアルトに降り注ぐ。今のアルトには身体にあたる雫の冷たさでしか雨を感じられない。
アルトは空を見上げるのをやめ、子電伝虫で再び連絡を取った。
海軍本部、センゴクの部屋。
プルプルプルプル…ガチャ
「センゴクだ。どうした?」
[………]
「??誰だ?聞こえてないのか……?」
[アルト!!]
「?……青キジ?」
受話器から少し離れた青キジの声が聞こえる。次にアルトの声が聞こえた。
[クザンクン……。やっと気付いたんだね]
[??アルト、お前…何を言って]
[気付いたんだろ?僕が“犯罪者”だって]
「!!」
電伝虫から聞こえたアルトの言葉にセンゴクは耳を疑った。
「………」
「元帥、次の指示は……」
海兵が敬礼をしながらセンゴクに尋ねる。センゴクは自分の声があちらに聞えないように受話器を塞ぐと、目だけをその海兵に向けた。
「……。悪いが皆、おれが指示するまで部屋に入らんよう言っといてくれ。指示はおつるさんから仰ぐように」
「は…?はい、わかりました。失礼します」
センゴクは人払いをして電伝虫の会話に聞き入った。
.
アルトが友の裏切りから立ち直った日以降、足を運んでいない場所だった。
―――助けてって言っていいんだよ
『……ダメだ』
アルトは心の声を否定するように呟く。色のない世界はアルトの心を確実に削いでいた。アルトは目を瞑る。
『僕が助けを求めたら……また大切な人が傷付くんだ……』
[アルトか!?]
子電伝虫から青キジに電話をかけると、心配そうな声が飛びこんで来た。子電伝虫を握る手に自然と力が入る。
『ああ、僕だ』
[良かった、探したぞ!!お前今どこにい……]
『クザンクン』
[?]
『……』
アルトは決意する。そして出来るだけ抑揚のない声で言った。
『―――“岬”で待ってるから』
それだけ言うと、青キジの返事を待たずにガチャッと子電伝虫の受話ボタンを切った。
ポツ…ポツ、ポツ…サァー
『冷たい……雨か?』
雨がアルトに降り注ぐ。今のアルトには身体にあたる雫の冷たさでしか雨を感じられない。
アルトは空を見上げるのをやめ、子電伝虫で再び連絡を取った。
海軍本部、センゴクの部屋。
プルプルプルプル…ガチャ
「センゴクだ。どうした?」
[………]
「??誰だ?聞こえてないのか……?」
[アルト!!]
「?……青キジ?」
受話器から少し離れた青キジの声が聞こえる。次にアルトの声が聞こえた。
[クザンクン……。やっと気付いたんだね]
[??アルト、お前…何を言って]
[気付いたんだろ?僕が“犯罪者”だって]
「!!」
電伝虫から聞こえたアルトの言葉にセンゴクは耳を疑った。
「………」
「元帥、次の指示は……」
海兵が敬礼をしながらセンゴクに尋ねる。センゴクは自分の声があちらに聞えないように受話器を塞ぐと、目だけをその海兵に向けた。
「……。悪いが皆、おれが指示するまで部屋に入らんよう言っといてくれ。指示はおつるさんから仰ぐように」
「は…?はい、わかりました。失礼します」
センゴクは人払いをして電伝虫の会話に聞き入った。
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