ミオサメノソラ
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それからさらに10年の歳月が流れる……
月が明るく照らす夜、海軍本部に一隻の小型船が着いた。
「アルト」
『ああ、クザンクン』
小型船に乗っていたアルトは港に立つ、青キジを見て声を上げた。
「ああ……って。久しぶりなのに連れねェ返事だな」
『…ごめん。悪気はないよ。わざわざ迎えに来てくれるとは思わなかったから』
アルトは船から降り、青キジに駆け寄った。青キジはアルトの頭に手を置く。
「おお、でかくなったな」
『成長期だからね。180超えたよ。でもキミには勝てないな』
アルトは青キジを見上げ、ため息をついた。
「そりゃ、お子さまに負けらんないでしょうが」
『……子供じゃない。すぐに抜いてあげるよ』
「ハハ。まっ、精々頑張んな。ところで、CPはどうだった?」
『ん~……キライな奴が居たけど、学ぶものは多かったと思う。特に六式は面白かった』
「(キライな奴ねェ)」
青キジはふーんっと相槌をうつ。
「……でその六式は覚えたのか?」
『10年居たら覚えるさ。でも僕の役に立ちそうなのは“剃(ソル)”と“月歩(ゲッポウ)”、“嵐脚(ランキャク)”くらいかな』
「ヘェ…六式をマスターか。そりゃスパンダムから要請がかかる訳だ」
『要請?クザンクンのところにも来たの?僕、来る前に断ったんだけど』
「ああ。お前がこっちに来るって連絡をくれた時に、おれから説得してくれってな。
でも、アルトが断ったんなら無理だって言っておいた」
『そう。ならいいや』
「でも、なんで断ったの?CP9なんてそうなれるもんじゃないよ」
『……CP9に興味はない』
「フッ……なんだ?ロブ・ルッチと反りが合わなかったのか?」
『……』
「(当たりだな)」
不機嫌そうな気配を露(アラワ)にするアルトに青キジは苦笑した。
『僕は元々海軍に入るためにCPへ行ったんだ。センゴクサンに言われなかったら3年前に海軍に帰って来てた』
「お前は諜報部に配属だったからな。実践を多く積んで来て欲しかったんだろ」
『そう言うことにして置く』
「あらら……スネちゃって。でも18で准将って大出世だよ」
『大出世ねェ……別にそんなの望んでないけど。あ、そう言えばキミは僕がCPへ行ってすぐくらいに大将になったんだよね。どうなんだい大将って??』
アルトの問いに青キジが肩を竦めた。
「あーダメダメ……堅っ苦しくておれには向かねェわ」
『……即答か。まぁ、キミらしいけど』
「ちなみにお前は、そんなおれの部下だ」
『えっ!?本当??』
「ああ、今朝聞いた正式情報だよっと…」
『?』
青キジは上を見て、止まる。
「あんまりおればっかりがアルトと話してると、怒られそうだな」
『怒られるって……』
アルトは首を傾げる。青キジは本部の頂上を指した。
「センゴクさん達が上で待ってる」
『……?』
「おつるさんとガープのじぃさんもいるよ」
『こんな夜中に海軍のトップが勢揃いしてるのかい?』
「ああ。お前が帰って来るのをみんな楽しみにしてたからな」
『へェ……。じゃあ、挨拶に行かないと』
アルトは青キジの横に並び歩き出す。ふと、青キジが足を止めた。
「忘れてた」
『?何をだい?』
アルトは振り返り、尋ねる。
「アルト…―――“おかえり”」
『!』
青キジは笑顔で手を挙げる。アルトは一瞬目を見張ったが、クスッと微かに微笑んだ。
『……ただいま』
――――――
――――
「(なんだ…走馬灯みたいに思い出しちまって。らしくねェな……)」
歩みを止めることなくアルトを探す青キジは、頭に過る思い出に首を振った。
プルプルプルプル……
「!」
子電伝虫が鳴く。青キジは急いで電話を取った。
「アルトか!?」
[ああ、僕だ]
電話口からアルトの声を聞いた青キジはとりあえず安堵する。
「良かった、探したぞ!!お前今どこにい……」
[クザンクン]
「?」
アルトが青キジの言葉を切った。その声には感情が感じられない。その無機質な声が短く言葉を紡いだ。
[“岬”で待ってるから]
ガチャ
「おい!?アルト?アルト!!」
子電伝虫は目を閉じる。かけ直したが、繋がらなかった。
ポツ…ポツ、ポツ……サァー―……
「……」
月が黒い雲に隠れ、雨が降り出す。青キジはそんな空を見上げ眉をひそめた。
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月が明るく照らす夜、海軍本部に一隻の小型船が着いた。
「アルト」
『ああ、クザンクン』
小型船に乗っていたアルトは港に立つ、青キジを見て声を上げた。
「ああ……って。久しぶりなのに連れねェ返事だな」
『…ごめん。悪気はないよ。わざわざ迎えに来てくれるとは思わなかったから』
アルトは船から降り、青キジに駆け寄った。青キジはアルトの頭に手を置く。
「おお、でかくなったな」
『成長期だからね。180超えたよ。でもキミには勝てないな』
アルトは青キジを見上げ、ため息をついた。
「そりゃ、お子さまに負けらんないでしょうが」
『……子供じゃない。すぐに抜いてあげるよ』
「ハハ。まっ、精々頑張んな。ところで、CPはどうだった?」
『ん~……キライな奴が居たけど、学ぶものは多かったと思う。特に六式は面白かった』
「(キライな奴ねェ)」
青キジはふーんっと相槌をうつ。
「……でその六式は覚えたのか?」
『10年居たら覚えるさ。でも僕の役に立ちそうなのは“剃(ソル)”と“月歩(ゲッポウ)”、“嵐脚(ランキャク)”くらいかな』
「ヘェ…六式をマスターか。そりゃスパンダムから要請がかかる訳だ」
『要請?クザンクンのところにも来たの?僕、来る前に断ったんだけど』
「ああ。お前がこっちに来るって連絡をくれた時に、おれから説得してくれってな。
でも、アルトが断ったんなら無理だって言っておいた」
『そう。ならいいや』
「でも、なんで断ったの?CP9なんてそうなれるもんじゃないよ」
『……CP9に興味はない』
「フッ……なんだ?ロブ・ルッチと反りが合わなかったのか?」
『……』
「(当たりだな)」
不機嫌そうな気配を露(アラワ)にするアルトに青キジは苦笑した。
『僕は元々海軍に入るためにCPへ行ったんだ。センゴクサンに言われなかったら3年前に海軍に帰って来てた』
「お前は諜報部に配属だったからな。実践を多く積んで来て欲しかったんだろ」
『そう言うことにして置く』
「あらら……スネちゃって。でも18で准将って大出世だよ」
『大出世ねェ……別にそんなの望んでないけど。あ、そう言えばキミは僕がCPへ行ってすぐくらいに大将になったんだよね。どうなんだい大将って??』
アルトの問いに青キジが肩を竦めた。
「あーダメダメ……堅っ苦しくておれには向かねェわ」
『……即答か。まぁ、キミらしいけど』
「ちなみにお前は、そんなおれの部下だ」
『えっ!?本当??』
「ああ、今朝聞いた正式情報だよっと…」
『?』
青キジは上を見て、止まる。
「あんまりおればっかりがアルトと話してると、怒られそうだな」
『怒られるって……』
アルトは首を傾げる。青キジは本部の頂上を指した。
「センゴクさん達が上で待ってる」
『……?』
「おつるさんとガープのじぃさんもいるよ」
『こんな夜中に海軍のトップが勢揃いしてるのかい?』
「ああ。お前が帰って来るのをみんな楽しみにしてたからな」
『へェ……。じゃあ、挨拶に行かないと』
アルトは青キジの横に並び歩き出す。ふと、青キジが足を止めた。
「忘れてた」
『?何をだい?』
アルトは振り返り、尋ねる。
「アルト…―――“おかえり”」
『!』
青キジは笑顔で手を挙げる。アルトは一瞬目を見張ったが、クスッと微かに微笑んだ。
『……ただいま』
――――――
――――
「(なんだ…走馬灯みたいに思い出しちまって。らしくねェな……)」
歩みを止めることなくアルトを探す青キジは、頭に過る思い出に首を振った。
プルプルプルプル……
「!」
子電伝虫が鳴く。青キジは急いで電話を取った。
「アルトか!?」
[ああ、僕だ]
電話口からアルトの声を聞いた青キジはとりあえず安堵する。
「良かった、探したぞ!!お前今どこにい……」
[クザンクン]
「?」
アルトが青キジの言葉を切った。その声には感情が感じられない。その無機質な声が短く言葉を紡いだ。
[“岬”で待ってるから]
ガチャ
「おい!?アルト?アルト!!」
子電伝虫は目を閉じる。かけ直したが、繋がらなかった。
ポツ…ポツ、ポツ……サァー―……
「……」
月が黒い雲に隠れ、雨が降り出す。青キジはそんな空を見上げ眉をひそめた。
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