ミオサメノソラ
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『ん………っ』
アルトは目を覚ます。初めに目に入ったのは白い天井だった。
『??』
困惑しながらも、状況を把握しようと身体を起こす。
『……つっ!』
起きた反動か身体の節々が痛み、頭もズキズキした。
スー―っと深く呼吸することで少しずつ痛みが引く。痛みがマシになったアルトは目を開け、ゆっくりと辺りを見渡した。
『………ここ。どこ』
アルトはポツリと呟く。しかし、その言葉は部屋の静寂に飲み込まれただけで、何も返ってこない。
『……??』
しかしアルトは不思議と悲しさを感じなかった。ただ、なんだかポッカリと穴があいた様な空虚感に襲われていた。
ガチャ
『!』
自分が出していない音が聞こえ、アルトの身体がビクッと反応する。
顔を音の方へ向けると、コツコツと靴音を立てながらサングラスをかけた大男が現れた。
「おっ。目ェ覚ましたみたいだな。大丈夫か?」
『??』
アルトは青キジをじぃーっと見る。
「?」
アルトのその様子に青キジは首を傾げた。その顔からは感情が読めない、まるで人形みたいだったからだ。
「………。(混乱してるのか)」
『…あの、おじさん…?』
「おじさん!?おれまだそんな歳じゃないよ!!!」
『!?』
青キジはガッと怒鳴った。アルトの肩がビクッと上がる。
「あ…悪ィ……」
『ごめん、なさい……?』
「……いや、謝らなくていいわ。まぁ…お兄さんとでも呼んでくれや」
『おにいさん……?――違う』
「!?」
アルトは首を振った。青キジはグサッと何かが胸に刺さった気がした。
「うっ……違うって…。じゃあ、クザンでいい」
『クザン…クン?』
「クザンくん?まぁ、それでいいわ」
青キジはそう言うと、近くにあった椅子によっこいしょっと腰かけた。
「で……なんだ?」
『?』
「おれに聞きたいことがあんだろ?」
『……。ここ、どこ……?』
「ああ…ここはGLの海軍本部だよ」
『……ぐらんどらいん?……かいぐんほんぶ?』
アルトは首を傾げる。
「…?アルトはGLも海軍も知らないのか?」
そんなはずはないと青キジは思いつつ、アルトに出来るだけ優しく尋ねた。
アルトはしばらく黙った後、頷く。
青キジは目を見張った。
『…あと――“アルト”って何?』
「??アルトは、お前の名前だろ?お前が教えてくれたんだぞ」
『?』
アルトはまた首を傾げた。そんなこと知らない、とでも言うように。
青キジはまさかな…と目頭を押さえる。
「アルト、お前もしかして記憶ないの…?」
『?』
「ここに来る前、何をしてたかとか。家族のこととか」
『かぞく………っ!!』
ビリッとアルトの頭に電気が走る様な痛みが走った。
「!どうした??」
『………い、たい…』
アルトは頭を抑える。青キジはびっくりしてアルトに駆け寄った。
そして落ち着かせるためにベッドに寝かす。
『……ハァ…ハァ』
「無理に思い出さなくていいから、もうちょっと寝な」
『……』
アルトは頷く。そして、青キジを見て言った。
『クザンクン……』
「ん??どうしたの?」
『ぼくの、名前…本当にアルトなの?』
「!」
そう尋ねるアルトの無機質な緑の瞳が一瞬揺らいだ。青キジはアルトの頬を撫でると静かに頷いた。
「“ノティ・アルト”。それが“お前の名”だ」
『ノティ・……アルト………。ノティ……・アルト』
アルトは自分の名前を何度も呟く。
自分に刻み込む様に、忘れない様に。
.
アルトは目を覚ます。初めに目に入ったのは白い天井だった。
『??』
困惑しながらも、状況を把握しようと身体を起こす。
『……つっ!』
起きた反動か身体の節々が痛み、頭もズキズキした。
スー―っと深く呼吸することで少しずつ痛みが引く。痛みがマシになったアルトは目を開け、ゆっくりと辺りを見渡した。
『………ここ。どこ』
アルトはポツリと呟く。しかし、その言葉は部屋の静寂に飲み込まれただけで、何も返ってこない。
『……??』
しかしアルトは不思議と悲しさを感じなかった。ただ、なんだかポッカリと穴があいた様な空虚感に襲われていた。
ガチャ
『!』
自分が出していない音が聞こえ、アルトの身体がビクッと反応する。
顔を音の方へ向けると、コツコツと靴音を立てながらサングラスをかけた大男が現れた。
「おっ。目ェ覚ましたみたいだな。大丈夫か?」
『??』
アルトは青キジをじぃーっと見る。
「?」
アルトのその様子に青キジは首を傾げた。その顔からは感情が読めない、まるで人形みたいだったからだ。
「………。(混乱してるのか)」
『…あの、おじさん…?』
「おじさん!?おれまだそんな歳じゃないよ!!!」
『!?』
青キジはガッと怒鳴った。アルトの肩がビクッと上がる。
「あ…悪ィ……」
『ごめん、なさい……?』
「……いや、謝らなくていいわ。まぁ…お兄さんとでも呼んでくれや」
『おにいさん……?――違う』
「!?」
アルトは首を振った。青キジはグサッと何かが胸に刺さった気がした。
「うっ……違うって…。じゃあ、クザンでいい」
『クザン…クン?』
「クザンくん?まぁ、それでいいわ」
青キジはそう言うと、近くにあった椅子によっこいしょっと腰かけた。
「で……なんだ?」
『?』
「おれに聞きたいことがあんだろ?」
『……。ここ、どこ……?』
「ああ…ここはGLの海軍本部だよ」
『……ぐらんどらいん?……かいぐんほんぶ?』
アルトは首を傾げる。
「…?アルトはGLも海軍も知らないのか?」
そんなはずはないと青キジは思いつつ、アルトに出来るだけ優しく尋ねた。
アルトはしばらく黙った後、頷く。
青キジは目を見張った。
『…あと――“アルト”って何?』
「??アルトは、お前の名前だろ?お前が教えてくれたんだぞ」
『?』
アルトはまた首を傾げた。そんなこと知らない、とでも言うように。
青キジはまさかな…と目頭を押さえる。
「アルト、お前もしかして記憶ないの…?」
『?』
「ここに来る前、何をしてたかとか。家族のこととか」
『かぞく………っ!!』
ビリッとアルトの頭に電気が走る様な痛みが走った。
「!どうした??」
『………い、たい…』
アルトは頭を抑える。青キジはびっくりしてアルトに駆け寄った。
そして落ち着かせるためにベッドに寝かす。
『……ハァ…ハァ』
「無理に思い出さなくていいから、もうちょっと寝な」
『……』
アルトは頷く。そして、青キジを見て言った。
『クザンクン……』
「ん??どうしたの?」
『ぼくの、名前…本当にアルトなの?』
「!」
そう尋ねるアルトの無機質な緑の瞳が一瞬揺らいだ。青キジはアルトの頬を撫でると静かに頷いた。
「“ノティ・アルト”。それが“お前の名”だ」
『ノティ・……アルト………。ノティ……・アルト』
アルトは自分の名前を何度も呟く。
自分に刻み込む様に、忘れない様に。
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