ミオサメノソラ
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今から約15年前、GLのとある海峡。
キィコキィコ……
「はぁ~……」
海の上で自転車を漕ぎながら青キジは空を仰ぐ。そこには青い空が何事もないようにあった。
「これで12個目、か」
青キジは島が沈んだと言われる現場の近くをダラダラと走る。途中で、んっ…と襲ってくる睡魔に気を取られた。
「あー……眠い。適当な島で昼寝でもするか」
自転車をダラダラ漕ぎ、現場から少し離れた浮き島へ降り立つ。
「小せェ島だな。とりあえず、なんかいい感じの場所がありゃいいんだが……ん?」
青キジは眉を潜める。一瞬気配がした。
「誰かいるのか……??」
しかしその気配は微弱で今は感じられない。青キジはため息をつき、自転車を適当に止めると、気配の主を探す。
小さな浮き島を半分くらい歩いたところで倒れてる人影を見つけた。青キジは人影に近づき声を掛ける。
「おい、大丈夫か……ってガキじゃないの」
浜辺には10歳未満だと思われる少年が倒れていた。クセの強そうな黒髪。しかしよく見ると頭を怪我しているようで血がにじんでいた。
「(漂流か?いや、ここならあの島の人間って可能性も…でもあれがあったのは3日も前だ)……おい、生きてんのか?」
『……っ』
青キジは少年の肩を触る。するとピクッと反応を示し、少年は目を開けた。
さっき感じた気配が微かに脈打つ。
「……(気配はこいつか)」
『………ハァ……ハァ』
少年は静かにしかし苦しそうに息を吐く。そして虚ろな目を青キジに向けた。
『ぼ、くは……生きて、る……の?』
「?ああ、生きてるぞ」
少年はグッと奥歯をくいしばる。
『…なん、…生き、て……だ……』
「??なんだお前、生きたくないの?」
ところどころ聞こえる少年の言動に青キジは首を傾げた。
『………くは、……しな……な、い……と』
「!?」
目に涙をいっぱい貯めながら青キジを睨むように見上げる。その姿が一瞬、悪魔の子と呼ばれている少女と重なった。
「……。お前、名前はなんて言うの?」
『な…まえ?』
青キジの的外れな問いに少年は困惑する。青キジは気にせず頷いた。
「そう名前だ」
『……』
少しの間、沈黙した少年は一度深く目を瞑った。そして目を開け、言う。
『……ノティ………。………アルト』
「“ノティ・アルト”か?」
アルトは瞬きで答える。それを確認した青キジはアルトに言った。
「アルト、お前は本当に“死にたい”のか?」
『………?』
アルトは青キジを見る。
「おれはヒエヒエの実って言うのを食った“氷人間”だ」
『ヒエヒエ…?こおり?』
「ああ。その気になればお前を一瞬で殺してやれるってことだ。
アルト、お前は“死にたい”か?」
『……』
言葉の意味を理解した緑の瞳は青キジを見たまま、ゆっくり2回瞬きした。
そして初めて子供らしい顔で笑う。
『ころ…して………くっ……』
アルトは言い切る前に目を閉じた。
「………」
青キジはアルトの頭に手を置く。
傷の具合からみて、青キジが手を下さなくともアルトは死ぬ。死ぬ時間が早まるかという問題だけだ。ため息をつく。
「まったく……」
ビリッと白いコートの裾を破った。そしてアルトの頭の傷を抑え、優しく抱える。
「さて…センゴクさんになんて言い訳しようかねェ」
青キジは苦笑しながら帰還した。
.
キィコキィコ……
「はぁ~……」
海の上で自転車を漕ぎながら青キジは空を仰ぐ。そこには青い空が何事もないようにあった。
「これで12個目、か」
青キジは島が沈んだと言われる現場の近くをダラダラと走る。途中で、んっ…と襲ってくる睡魔に気を取られた。
「あー……眠い。適当な島で昼寝でもするか」
自転車をダラダラ漕ぎ、現場から少し離れた浮き島へ降り立つ。
「小せェ島だな。とりあえず、なんかいい感じの場所がありゃいいんだが……ん?」
青キジは眉を潜める。一瞬気配がした。
「誰かいるのか……??」
しかしその気配は微弱で今は感じられない。青キジはため息をつき、自転車を適当に止めると、気配の主を探す。
小さな浮き島を半分くらい歩いたところで倒れてる人影を見つけた。青キジは人影に近づき声を掛ける。
「おい、大丈夫か……ってガキじゃないの」
浜辺には10歳未満だと思われる少年が倒れていた。クセの強そうな黒髪。しかしよく見ると頭を怪我しているようで血がにじんでいた。
「(漂流か?いや、ここならあの島の人間って可能性も…でもあれがあったのは3日も前だ)……おい、生きてんのか?」
『……っ』
青キジは少年の肩を触る。するとピクッと反応を示し、少年は目を開けた。
さっき感じた気配が微かに脈打つ。
「……(気配はこいつか)」
『………ハァ……ハァ』
少年は静かにしかし苦しそうに息を吐く。そして虚ろな目を青キジに向けた。
『ぼ、くは……生きて、る……の?』
「?ああ、生きてるぞ」
少年はグッと奥歯をくいしばる。
『…なん、…生き、て……だ……』
「??なんだお前、生きたくないの?」
ところどころ聞こえる少年の言動に青キジは首を傾げた。
『………くは、……しな……な、い……と』
「!?」
目に涙をいっぱい貯めながら青キジを睨むように見上げる。その姿が一瞬、悪魔の子と呼ばれている少女と重なった。
「……。お前、名前はなんて言うの?」
『な…まえ?』
青キジの的外れな問いに少年は困惑する。青キジは気にせず頷いた。
「そう名前だ」
『……』
少しの間、沈黙した少年は一度深く目を瞑った。そして目を開け、言う。
『……ノティ………。………アルト』
「“ノティ・アルト”か?」
アルトは瞬きで答える。それを確認した青キジはアルトに言った。
「アルト、お前は本当に“死にたい”のか?」
『………?』
アルトは青キジを見る。
「おれはヒエヒエの実って言うのを食った“氷人間”だ」
『ヒエヒエ…?こおり?』
「ああ。その気になればお前を一瞬で殺してやれるってことだ。
アルト、お前は“死にたい”か?」
『……』
言葉の意味を理解した緑の瞳は青キジを見たまま、ゆっくり2回瞬きした。
そして初めて子供らしい顔で笑う。
『ころ…して………くっ……』
アルトは言い切る前に目を閉じた。
「………」
青キジはアルトの頭に手を置く。
傷の具合からみて、青キジが手を下さなくともアルトは死ぬ。死ぬ時間が早まるかという問題だけだ。ため息をつく。
「まったく……」
ビリッと白いコートの裾を破った。そしてアルトの頭の傷を抑え、優しく抱える。
「さて…センゴクさんになんて言い訳しようかねェ」
青キジは苦笑しながら帰還した。
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