ミオサメノソラ
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――――
――――――
『(兄さんは科学者だった……でも軍の記録に残ってなかった所からすると抹消されたのか…)』
アルトは空を見上げつつ、考えていた。
「ノティ、何をしている!!」
『!』
オニグモの怒鳴り声が聞こえたかと思えば、同時に胸ぐらを掴まれた。身体が椅子から離れる。
『ああ、オニグモクン戻ってたんだ』
思考を戻したアルトは平然とオニグモを見た。オニグモはこめかみをピクピクさせている。
「何をしてるって聞いてんだ」
『疲れたから座ってただけ』
「……っ。おめェは海軍中将としての誇りはねェのか!!クザン大将のお気に入りだからって好き勝手してもいい訳じゃ…」
『今、クザンクンは関係ないだろ』
「!」
アルトがオニグモを睨む。オニグモはそんなアルトの頬を思いっきり殴った。
『…っ!!』
ドンッ!とアルトは甲板の縁に背中をうつ。オニグモは部下に目を向けた。
「おめェら!!何ノティに勝手な真似させてんだ!!」
「「「も、申し訳ございません」」」
「ノティ、おめェの行動が大将の評判にも繋がることを自覚しろ」
『……』
「それに今はおれが上だ。舐めた口利いてねェでちゃんと従え」
『……了解、“オニグモ艦長”』
オニグモが船員に指示を出すと、船首へ向かって行く。アルトはそれを見届けてから立ち上がり、パンパンッと塵を払った。
そして椅子に繋がれたエースの下にやって来る。
『やぁ、ポートガスクン』
「……」
エースはそんなアルトに怪訝な顔をした。アルトは気にしない。
『初めまして。僕はノティ・アルト。海軍本部中将だ。短い間だけど、よろしくね』
「……中将…?」
「ノティ!」
『あ~……了解』
そう言うとアルトは手を前に出した。
『“聖域(ジ・ハード)”』
「!!」
アルトの言葉で船全体にピースが組まれる。エースは目を見張った。
『航行に支障が出ないようにした。でもこっちからも攻撃は出来ないからね』
アルトはオニグモにそれだけ言うと、ポーチからキャンディーを取り出し封をあけた。それをカプリッと口に放り込む。
『痛っ……口の中ちょっと切れてるや……』
「てめェ…能力者か」
エースは船を囲う様に現れたピースを見ながら尋ねた。キャンディーを舐めるアルトはエースに顔を向ける。
『ん?ああ。最近なったばかりだけど。……キミは“火”だよね』
「……」
『で、麦わらクンは“ゴム”だったか……』
「!?お前、ルフィを知ってんのか……!!」
『まぁ、ちょっとした経緯でね。でもインペルダウン侵入ってすごいよ。前代未聞。捕まったのは残念だけど……』
「……」
エースは目の前にいる将校の人物像を測りかねていた。海軍らしくない言動が多いからだ。
船が動き出すと、 アルトはエースの隣に胡坐をかいて座る。
『ポートガスクン。質問してもいいかい?』
「?……」
『無言は肯定と取るよ。って訳で質問。キミは“D”ってどういう意味か知ってるかい?』
「!」
『キミにもガープサンにも“D”ってついてるだろ?ちょっと気になってね』
エースは目を反らした。
「……。じじぃに聞けばいいだろ」
『それが教えてくれないんだよねェ。“チビにはわからん”って言ってさ』
「……」
『教えてもらえないかな?』
「……」
『肯定ね。なら、いいや。じゃあ、もうひとつ聞いていい?』
「?」
『キミはこの世界が好きかい?』
「…はぁ?」
エースの怪訝な声を聞き流し、アルトは質問の意図を伝えるため話を続ける。
『キミは生まれた時から“大罪人”という烙印を押されていた。それでも……』
「てめェはおれを馬鹿にしてるのか!!」
『違う!!!!』
怒鳴ったエースにアルトは強く言葉を返した。アルトは膝を抱える。
『わからないから聞いてるんだ。――僕は“忘れたまま”だから……』
「……?」
アルトは小さく呟いた。その声には憂いが感じられる。
「ノティ!!」
船首からオニグモがアルトを呼ぶ。アルトは肩を落とした。
『はぁ……うるさいなァ…』
アルトは呟くように悪態をついた。そして立ち上がる。
『―――今行くよ』
オニグモに大きな声で言うと、アルトは気だるそうにエースを見た。
『悪いね。さっきのは忘れてくれ』
「……」
そう言ったアルトは、んっと背伸びしてから船首に向かって歩く。
しかし2.3歩歩いたところで足を止めた。
『ああ、そうだ。ポートガスクン』
「……」
アルトはエースに背を向けたまま、空を指す。
『空、見てた方がいいよ』
「?」
『“罪人”は処刑台に繋がれたらもう空は見れない』
「……」
エースは空を見上げる。一方のアルトは視線を下に向け、歩き出した。
『そこから見る空が“罪人”に与えられた最期の空だ』
.
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『(兄さんは科学者だった……でも軍の記録に残ってなかった所からすると抹消されたのか…)』
アルトは空を見上げつつ、考えていた。
「ノティ、何をしている!!」
『!』
オニグモの怒鳴り声が聞こえたかと思えば、同時に胸ぐらを掴まれた。身体が椅子から離れる。
『ああ、オニグモクン戻ってたんだ』
思考を戻したアルトは平然とオニグモを見た。オニグモはこめかみをピクピクさせている。
「何をしてるって聞いてんだ」
『疲れたから座ってただけ』
「……っ。おめェは海軍中将としての誇りはねェのか!!クザン大将のお気に入りだからって好き勝手してもいい訳じゃ…」
『今、クザンクンは関係ないだろ』
「!」
アルトがオニグモを睨む。オニグモはそんなアルトの頬を思いっきり殴った。
『…っ!!』
ドンッ!とアルトは甲板の縁に背中をうつ。オニグモは部下に目を向けた。
「おめェら!!何ノティに勝手な真似させてんだ!!」
「「「も、申し訳ございません」」」
「ノティ、おめェの行動が大将の評判にも繋がることを自覚しろ」
『……』
「それに今はおれが上だ。舐めた口利いてねェでちゃんと従え」
『……了解、“オニグモ艦長”』
オニグモが船員に指示を出すと、船首へ向かって行く。アルトはそれを見届けてから立ち上がり、パンパンッと塵を払った。
そして椅子に繋がれたエースの下にやって来る。
『やぁ、ポートガスクン』
「……」
エースはそんなアルトに怪訝な顔をした。アルトは気にしない。
『初めまして。僕はノティ・アルト。海軍本部中将だ。短い間だけど、よろしくね』
「……中将…?」
「ノティ!」
『あ~……了解』
そう言うとアルトは手を前に出した。
『“聖域(ジ・ハード)”』
「!!」
アルトの言葉で船全体にピースが組まれる。エースは目を見張った。
『航行に支障が出ないようにした。でもこっちからも攻撃は出来ないからね』
アルトはオニグモにそれだけ言うと、ポーチからキャンディーを取り出し封をあけた。それをカプリッと口に放り込む。
『痛っ……口の中ちょっと切れてるや……』
「てめェ…能力者か」
エースは船を囲う様に現れたピースを見ながら尋ねた。キャンディーを舐めるアルトはエースに顔を向ける。
『ん?ああ。最近なったばかりだけど。……キミは“火”だよね』
「……」
『で、麦わらクンは“ゴム”だったか……』
「!?お前、ルフィを知ってんのか……!!」
『まぁ、ちょっとした経緯でね。でもインペルダウン侵入ってすごいよ。前代未聞。捕まったのは残念だけど……』
「……」
エースは目の前にいる将校の人物像を測りかねていた。海軍らしくない言動が多いからだ。
船が動き出すと、 アルトはエースの隣に胡坐をかいて座る。
『ポートガスクン。質問してもいいかい?』
「?……」
『無言は肯定と取るよ。って訳で質問。キミは“D”ってどういう意味か知ってるかい?』
「!」
『キミにもガープサンにも“D”ってついてるだろ?ちょっと気になってね』
エースは目を反らした。
「……。じじぃに聞けばいいだろ」
『それが教えてくれないんだよねェ。“チビにはわからん”って言ってさ』
「……」
『教えてもらえないかな?』
「……」
『肯定ね。なら、いいや。じゃあ、もうひとつ聞いていい?』
「?」
『キミはこの世界が好きかい?』
「…はぁ?」
エースの怪訝な声を聞き流し、アルトは質問の意図を伝えるため話を続ける。
『キミは生まれた時から“大罪人”という烙印を押されていた。それでも……』
「てめェはおれを馬鹿にしてるのか!!」
『違う!!!!』
怒鳴ったエースにアルトは強く言葉を返した。アルトは膝を抱える。
『わからないから聞いてるんだ。――僕は“忘れたまま”だから……』
「……?」
アルトは小さく呟いた。その声には憂いが感じられる。
「ノティ!!」
船首からオニグモがアルトを呼ぶ。アルトは肩を落とした。
『はぁ……うるさいなァ…』
アルトは呟くように悪態をついた。そして立ち上がる。
『―――今行くよ』
オニグモに大きな声で言うと、アルトは気だるそうにエースを見た。
『悪いね。さっきのは忘れてくれ』
「……」
そう言ったアルトは、んっと背伸びしてから船首に向かって歩く。
しかし2.3歩歩いたところで足を止めた。
『ああ、そうだ。ポートガスクン』
「……」
アルトはエースに背を向けたまま、空を指す。
『空、見てた方がいいよ』
「?」
『“罪人”は処刑台に繋がれたらもう空は見れない』
「……」
エースは空を見上げる。一方のアルトは視線を下に向け、歩き出した。
『そこから見る空が“罪人”に与えられた最期の空だ』
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