ミオサメノソラ
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《潜入報告書vol.1》
私の任務はタクト国への潜入。そして“ある情報”を掴むことだった。
潜入して2年。下町で音楽教師として名を挙げた私は城に召し上げられた。
その城で彼らに出会ったの。
――――――
――――
「流れ者の私を王宮に召し上げて頂けるなんて、光栄です」
「よろしく頼みますよ」
城に潜入した私は国王の第一皇子テノの音楽教師としての任を受ける。
これで潜入の第2段階に移行した。この計画は案外長引くかもしれない。
その後、テノの執事に城の中を案内してもらった。
「案内は以上です。ご理解頂けたでしょうか?」
「ええ。よくわかりました」
プルプルプル……
「おっと、少し失礼しますよ」
「はい。お気になさらず」
私が笑顔で頷くと執事は、では…っと背を向け子電伝虫に話しかける。私は天井を見上げた。
「(よくある感じの城ね。“あれ”があるとしたらやはり地下かしら。地下があるかも調べないと…)」
“あれ”の実物を見たことはないが、かなりの大きさだと予想される。私は城の構造を記憶しながら執事を待った。
ドンッ!!
「わっ!?」
突然、脚に衝撃を受ける。私は驚いて視線を下に向けた。
そこにはくせの強い黒髪の少年がおり、少年の少し目付きの悪い緑の瞳が私を見上げていた。
「……?(子供…?)」
少年は目を大きく見開いたままだ。私はそれを怪訝に思いながらも話しかけた。
「ごめん、びっくりしたよね。大丈夫…?」
『!』
視線を合わすため、膝を曲げる。そしてニコッと笑った。
『……』
少年は口を開くこともなく頷く。
「?(話せない……?)」
「アルト様!!」
『!!?』
「!?」
後ろから咎めるようなきつめの声がした。その瞬間、アルトと呼ばれた少年は身体全体を大きく震わす。これは怯えに近い。
執事は立ち上がった私を越え、アルトの前に立った。
「アルト様!お部屋にお戻り下さい!!ソプラ様は只今研究室です。今はお会い出来ません!」
『……』
「(研究室……?)」
執事の言葉に所々引っ掛かりながらもなぜ、ここまでキツく咎めるのか、私は心の中で首を傾げる。
アルトは視線を床に落とすと、足早に去って行った。
「バトラーさん」
「!……失礼致しました」
頭をさげる執事に、いえいえと手をふる。
「さっきの子は?」
「……」
「?バトラーさん…?」
「……あの方は王様が2年程前に養子にした方です」
「養子…?そんなお話初めて聞きました」
「ええ…何分、問題のある兄弟ですので」
「……問題?」
「まぁ、初日から知る必要はございません。さぁ、仕事は明日からです。よろしくお願いします」
「あ、はい。わかりました」
執事はそう言うと足早に去っていった。
「(謎の養子に研究室ね……何かあるのは確実か)」
.
私の任務はタクト国への潜入。そして“ある情報”を掴むことだった。
潜入して2年。下町で音楽教師として名を挙げた私は城に召し上げられた。
その城で彼らに出会ったの。
――――――
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「流れ者の私を王宮に召し上げて頂けるなんて、光栄です」
「よろしく頼みますよ」
城に潜入した私は国王の第一皇子テノの音楽教師としての任を受ける。
これで潜入の第2段階に移行した。この計画は案外長引くかもしれない。
その後、テノの執事に城の中を案内してもらった。
「案内は以上です。ご理解頂けたでしょうか?」
「ええ。よくわかりました」
プルプルプル……
「おっと、少し失礼しますよ」
「はい。お気になさらず」
私が笑顔で頷くと執事は、では…っと背を向け子電伝虫に話しかける。私は天井を見上げた。
「(よくある感じの城ね。“あれ”があるとしたらやはり地下かしら。地下があるかも調べないと…)」
“あれ”の実物を見たことはないが、かなりの大きさだと予想される。私は城の構造を記憶しながら執事を待った。
ドンッ!!
「わっ!?」
突然、脚に衝撃を受ける。私は驚いて視線を下に向けた。
そこにはくせの強い黒髪の少年がおり、少年の少し目付きの悪い緑の瞳が私を見上げていた。
「……?(子供…?)」
少年は目を大きく見開いたままだ。私はそれを怪訝に思いながらも話しかけた。
「ごめん、びっくりしたよね。大丈夫…?」
『!』
視線を合わすため、膝を曲げる。そしてニコッと笑った。
『……』
少年は口を開くこともなく頷く。
「?(話せない……?)」
「アルト様!!」
『!!?』
「!?」
後ろから咎めるようなきつめの声がした。その瞬間、アルトと呼ばれた少年は身体全体を大きく震わす。これは怯えに近い。
執事は立ち上がった私を越え、アルトの前に立った。
「アルト様!お部屋にお戻り下さい!!ソプラ様は只今研究室です。今はお会い出来ません!」
『……』
「(研究室……?)」
執事の言葉に所々引っ掛かりながらもなぜ、ここまでキツく咎めるのか、私は心の中で首を傾げる。
アルトは視線を床に落とすと、足早に去って行った。
「バトラーさん」
「!……失礼致しました」
頭をさげる執事に、いえいえと手をふる。
「さっきの子は?」
「……」
「?バトラーさん…?」
「……あの方は王様が2年程前に養子にした方です」
「養子…?そんなお話初めて聞きました」
「ええ…何分、問題のある兄弟ですので」
「……問題?」
「まぁ、初日から知る必要はございません。さぁ、仕事は明日からです。よろしくお願いします」
「あ、はい。わかりました」
執事はそう言うと足早に去っていった。
「(謎の養子に研究室ね……何かあるのは確実か)」
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